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愛がすべて


スタスティックスの「愛がすべて」この曲はこの夏キムタクのCM「GATSBY」で話題になった原曲である。^^当時ディスコ・ボーイだった私は今でもこの曲と「ザ・ハッスル」を聞くとその頃の事が思い出され嬉しくなってくる。(笑)どちらも1975年の秋ごろから冬にかけて流行っていたと思うが・・・?

▼1975年12月 PART1----------

夏休みのオキナワ長期出張・・・先輩の水中事故からこっち、すべての環境が一変した。親父から叔父貴に「一切バイトをさせないように!」との通達が入り、叔父貴のところでのシゴトが出来なくなった。クルマの購入もバレ、家に居づらくなり学業優先という建前で完全に家を出た。

しかし、浜田と一緒に借りているアパートへは戻らなかった。ひとり暮らしの友人宅へ居候することになった。そして彼のバイト先である大阪、千日前のディスコで同じようにバイトすることになり3ヶ月が経とうとしていた。

19時・・・

店に入ろうとすると、すでに待っている客が溢れなかなか店に入れない。店の前に置いている大型のスピーカーからはダンサブルな曲が流れ、時折DJの軽妙なMCが聞こえる。オレはタイロッケンのコートとマフラーをキャッシャーに預け、わかりきった事を聞く。

オレ
「そろそろチェック・アウト開始だな?」

クローク女1
「はい。」

キャッシャー前の長い導線の突き当たりに地階へ降りる階段がある。
大理石でできたそれはまるで大型の滑り台のようだ。

中2階、すでにそこも満席だ。そこからさらに地下に降りると、開けた店内となり大音量と特殊照明の光が混ざりあう世界がある。人ごみの中を抜けDJブースへ向う。

オレ
「次のスロー・タイムは?」

DJ1
「3曲後ぐらいです」

オレ
「5曲後にしてくれチェック・アウトをやる」

DJ1
「了解!」

中2階を含めて50席、200人前後、70近い伝票をチェックするには10分以上は必要だった。それぞれの入店時間を調べ、チェック・アウトの順番を決める。混雑時は入店から2時間で強制的に店を出てもらう強制「チェック・アウト」という独自のシステムは流行っている店の特権だった。

フロアスタッフそれぞれにチェックアウト対象のテーブルを割り当て、スロータイムが始まるとすぐにそれを行う指示をだした。

照明が一層暗くなりスローな曲がかかる。

オレ
「すませんお客様。入店から2時間が経ちましたので申し訳ございませんが、チェックアウトとなります」


「えっ、もう?さっき来たばかりやのに・・・」

オレ
「申し訳ございません。」

素早く伝票を持たせて上へ誘導する。キャッシャーに伝票を渡して客を確認させる。そして今度は順番待ちしている客を案内する。

スタッフA
「ムトーさん5番Bの女性2名が、滝口の知り合いらしくて・・・」

オレ
「ダメだ。出せ」

スタッフA
「・・・」

オレ
「できないのならオレがやるけど?」

スタッフA
「わかりました」

チェックアウトは一切の妥協はない。何処の誰であろうと1度退出してもらい、それでもまだ入りたいと言うのであれば、入店待ちの列に並んでもらう。

スタッフB
「ムトーさん。あそこの男4人なんですが、文句を言って出ようとしないんです」

オレ
「わかった。」

ボックス席に4人は座ったまま、女性ばかりの客を物色中だった。

オレ
「すみませんお客さま、チェックアウトなんですが」

客1
「えっ?そんなん聞いてないぞ」

客2
「2時間しかおられへんって説明なかったやないか」

オレ
「混雑時は時間制になっておりまして、入店時クローク横にご案内させていただいてます。」

客3
「そんなんアカンわ」

スタッフBに伝票を持って上がらせ清算するように指示をする。

オレ
「申し訳ございませんが、そういうシステムになっておりますので、ご清算の上一度退店していただきます」

客1
「なにぃーーー」

緊張感が増した。一瞬の睨み合い・・・

オレ
「そういう決まりですから」

不承不承、半分ふてくされながら彼らはチェックアウトに応じた。すでにスロータイムが終わっていた。その後も微妙なタイムラグでチェックアウトは続き、1回転する頃には入店待ちの人数も少しは減っていた。

スタッフC
「ムトーさん。上から内線です」

オレ
「オッケー」

カウンター横の受話器を取る。カウンター内に入っているチーフの関川がこっちへやってくる。

オレ
「ムトーです・・・わかりました」

受話器をおいた。

関川
「昨日の女がお前の事を色々聞いてきたぞ(笑)」

オレ
「テキトーにデタラメ言っといて下さい。(笑)」

関川は唯一残ったスタッフだった。それまでオレがバイトで入った頃の上役はすべていなくなり、オレと友人の島のふたりがマネージャーとなり、新たにスタッフを募集し仕切るようになったのが1ヶ月ほど前だった。

オレは上に上がりフロントへ行った。キャッシャーの中には武田部長がいた。オレは軽く頭を下げ挨拶した。そこにはまだ入店待ちの客が並んでいたが、そんな事はおかまいなしという調子で・・・

武田部長
「今日は島は?」

オレ
「休みです」

武田部長
「そうだったな。きついが頼むぞ」

オレ
「わかりました」

武田部長
「なんかあったら電話してくれ」

オレ
「はい」

武田部長
「じゃー」

オレ
「お疲れ様です」

ほんの2.3分、顔をあわせただけで部長はどこかへ行った。この時間、すでに事務所は閉まっており、隣の同じ経営の大きな喫茶店は打ち合わせには便利だが、長居するところではない。何かの折に電話をする先は、部長の愛人がやっているスナックだった。

その後も多くはなかったがチェックアウトの指示をだし、一通りそれらを済ませるとわずかに客の途切れる時間帯に入った。

キャッシャー女1
「あのー休憩行ってもいいですか」

オレ
「あっごめん順番に休憩とって下さい」

キャッシャー女2
「ムトーさん休憩は?」

オレ
「んーーー今日はナシだな」

キャッシャー女2
「さっき部長が言ってました」

オレ
「?」

キャッシャー女2
「ムトーには手を出すな!って」

オレ
「(笑)」

キャッシャー女2
「絶対出しませんっ!て約束しました」

オレ
「色んな事件があったから^^」

それ以前、店長と幹部スタッフ、そしてキャッシャーが組んで売り上げの不正横領が継続的に行われていた。それを見抜いたのが「島」だったが、体よく取り込まれ現金を握らされた。まだオレがカウンターの中にいた頃だった・・・





2ヶ月前----------


「あいつらオレに金を渡したよ」

オレ
「それで?」


「とっとけよ」

島はオレに1万円札を渡そうとした。

オレ
「いらない」


「いいからとっとけって」

オレ
「お前、あんなバカの下に居るつもりか?」


「それとこれはカンケーないだろう」

オレ
「もらった金、全額を専務に渡して実態をバラセ」


「・・・」

オレ
「金を受け取ってるやつ全員クビをきらせろ」


「それで」

オレ
「オレたちが替わりに仕切る」


「そんなにうまくいかねーよ」

オレ
「なら、オレはもう辞める」


「・・・」

本気で仕切ろうなんて思っていなかった。ただ辞める理由を探していただけだったかも知れなかったが、その日のうちに島は行動した。3日後・・・カウンターに入っていたオレが呼び出されて事務所に行くと、すでに島が居て、専務ともうひとりの人物、武田さんが居た。

武田
「君がムトー君か?」

オレ
「はい」

見るからにいかつい顔、そして体は大きく迫力があった。隣に座っている専務はいつも穏やかで優しげな視線を向けていた。

武田
「島とふたりで本当にやれるか?」

オレ
「やれます」

専務
「店長以下の主だったものをクビにすると、今いるスタッフもかなり抜けるだろう?」

オレ
「4.5人なら応援呼べますから、その間に募集をかけてください」


「ウエイターは誰でもいいんです。フロントとホールはすべてオレとムトーでまかないます」

武田
「専務やらせてみましょう。私も出来るだけ応援します」

そして外部からやってきた武田さんは営業部長という肩書きとなり、島とオレはマネージャーになった。その会談から1週間後、店長以下の幹部は解雇を言い渡された。そしてオレたちが新しい責任者として紹介された時には、残存するスタッフとかなり険悪なフインキになった。しかしそれも新しいバイトスタッフと共に適時一掃した。もっとも武田営業部長の圧力も効果的だったこともあり、目の前の混乱は表面的には収まっていた。





その後、何度か波はやってきて、店をクローズする午前3時になってもまだ客はいた。

最後の曲がかかり、終わると徐々に照明が明るくなる。明るい店内ほど居心地の悪いものはない。すぐに客は退店していく。

関川
「さっきの女ふたり、ミルバで待ってるっていってたぜ!」

オレ
「あの時間からずっと居たのか?」

関川
「いや、一度出てまた入ってきた(笑)」

オレ
「記憶にないな?」

関川
「一緒に行くか?」

オレ
「いや、行かない」

関川
「デタラメついでに連れて行く約束したんだがな」

オレ
「オレは知らない」

関川は実際にはオレより4つ年上だったが、関川はオレを2つ下だと思っていた。そう、この時期2歳ほど年齢詐称していた。(笑)そして彼もその後、カンパニーを支える重要な人材となるのだが、この時はまだ気まぐれで店に残ったに過ぎなかった。

事務所の金庫に売り上げと伝票を入れて、戻ってくるとすでに他のスタッフは帰路についたらしく、関川とキャッシャー女2(竹内)の2人しか残っていなかった。

オレ
「仕方ない・・・竹内、お茶行かないか?」

オレと関川だけで行くと誤解されかねない。女を一緒に連れて行くことで少しは後ろめたさがなくなると思った。

道頓堀の橋を北に渡りすぐを右へ・・・レジャービルの1階にオールナイト営業の喫茶「ミルバ」はあった。4階にあるディスコ「クレージー・ホース」もすでに営業は終わっているようだった。その残滓でこの店はいっぱいだった。始発までの数時間をここで過ごす客たちだった。

女1
「昨日助けてもらったままだったから、コレ・・・」

オレ
「いやシゴトだから別に」

関川
「女だって一度出したモノは引っ込められねーぞ」

オレ
「・・・」

竹内
「素直に受け取った方がいいと思います^^」





昨日、カウンターでひと悶着あった。
島のセンパイだとかいうヤクザのおっさんが酔って隣の女性客に絡んだ。何度か関川が割って入っていたようだったが


「イヤー」

スロータイムだったからその悲鳴にも似た叫びは店内に広がった。オレはそこへ飛んで行き、その「オッサン」を別の席に移そうとした。

オッサン
「なんやお前」

オレ
「席を替わって頂きます」

オッサン
「誰やと思とんや」

オレ
「どなた様でも替わって頂きます」

相手は酔っていたのでオレはちょっと油断していた。相手の手がとんできてオレの頬を撃った。結構響く音がしたようだった。怒りや恐怖心などとは無縁の「恥ずかしさ」だけがあった。

オッサンの座っているイスを引っ張り足をかけると簡単に転がった。抵抗しようとする腕を逆手に取り背中に回す。後ろから襟首を持ちそのまま上に連れてあがった。


「おい!ムトーお前」

オレ
「オッサン、出入り禁止や2度と来るな!」

後ろから思い切り蹴飛ばして店の表に放り出した。タイミングが悪く隣の喫茶店から武田部長が出てきた。

武田部長
「なんだ?」

オレ
「店内で女性に暴行した酔っ払いです」

武田部長は、オッサンの襟首を掴み。その豪腕でまるで猫でも吊るすように引っ張りあげ「2度とくるなよ」といって、また放り投げた。オッサンはよろよろと立ち上がり振り向きもせずに立ち去った。

オレ
「すみません」

武田部長
「うむ。その顔みたらわかる。しゃーない。けどお客さんの前で派手にしたらアカンぞ」

オレ
「はい」

取り囲むように見ていた人垣は、入店待ちの客ばかりだった。オレもちょっとはキレていたのかも知れなかったが、武田部長も・・・

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綺麗にラッピングされた箱をその場で開くと、ブランド物のネクタイが入っていた。

オレ
「あっ!どうも、ありがとう」

女1
「ちょっと派手かな?と思ったんですけど」

オレ
「うん。かなり派手だ。^^」

関川と竹内は10分ほど居ただけで先に出てタクシーで帰った。オレはどーでもいいネクタイ1本もらってしまった罪で、始発が出る時間まで彼女らに付き合った。

オレ
「じゃー気をつけて!」

女1
「はい^^お仕事頑張ってください」

まだ陽は昇っていないのが幸いだった。この1ヶ月あまりは毎日が緊張の連続で、オレはかなり無理をしていた。今日はこのまま久々に学校へ行って、アパートに寄ってみようと思った。無性に心を許せる仲間と会いたかった。


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全然面白くないなー(´ー`)┌ もっともここが切っ掛けだから、これを抜きには先へ進めない。という事で読み飛ばして次へいきましょう。って、まだなんだけど(^ー^;


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