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時の過ぎゆくままに


沢田研二「時の過ぎゆくままに」1975年8月21日発売。
この年の秋冬に流行りましたねー。同じ時期にショーケンは「お前に惚れた」をリリースし、巷の人気を二分した。音楽的には「時の過ぎゆくままに」キャラではショーケン!というのが、当時の彼女の意見でした。(笑)

75年12月がなかなか終わらなくて、選曲に苦労してます。f^^;)
▼1975年12月 PART3----------

1回目のチェックアウトも大きなトラブルなく終わり、新しい客のドリンクオーダーがすべて出された頃を見計らってカウンターに近寄った。カウンターの中にはチーフの関川とバイトが一名入っていた。もう一人は、ボトル倉庫にでも行っているようでいなかった。

関川
「あれからどーした?」

オレ
「思い出すだけで目の前が黄色い世界になるよ^^」

関川
「おっ!ふたり相手で3Pかよ」

オレ
「もうフラフラだよ^^」

デタラメなジョーク。色んなタイプがいる人間同士、円滑にコミュニケーションするには、時折必要なたわいもないウソだった。もっとも寝不足でフラフラなのは事実だ(笑)・・・目の前の内線が鳴った。

オレ
「ホール。ムトーです!・・・了解」

ため息が一つ出た。なんとなくそうなる事はわかっていたが、それにしても早いなーと思いながら、階段を上がりフロントへ向かった。

武田部長
「ムトーに面会のお客さんだ」

オレ
「すみません」

横山
「ムーさん。^^」

オレ
「うん」

横山の後ろにキョーコが居た。視野に入っていたが、あえて言葉はかけなかった。

オレ
「すみません。ちょっと休憩に行ってきていいですか?」

武田部長
「おう。ゆっくりしてこい」

千日前通りを高島屋の方へ暫く歩いて、喫茶「ケニア」に入った。

キョーコ
「私が横山君に無理言って連れてきてもらったの」

オレ
「そっか^^」

横山
「アパートに連絡したら浜田さんが教えてくれて・・・」

オレ
「うん。突然だったからな」

珈琲と紅茶が運ばれて来ると、横山は珈琲をひとつ持ってカウンターの方へ移動した。

オレ
「あいついつもあーなんだよ」

キョーコ
「うん。すごくいい人」

あいつも色々とオレと話したいことがあるはずだが・・・思わずキョーコに話してしまった事をもしかしたら後悔しているかも知れない。キョーコも恐らくずっとアルファに詰めていたんだろう。。。

キョーコ
「神戸には帰ってこないの?」

オレ
「うん。もう帰れない」

キョーコ
「じゃー私の家に来たら?」

オレ
「はぁ〜?」

キョーコ
「おかーさんがそうしてもいいって」

オレ
「おかーさん。って1回しか会ってないはずだけど」

キョーコ
「私がユーイチのところへ押しかけるよりはマシだからじゃない?」

オレ
「へっ!押しかけるって、そーなのか?」

キョーコ
「そーよ」

3ヶ月ぶりに会ったというのに・・・まるで昨日の話の続きをするように話すキョーコの考えがわからなかった。

オレ
「あの〜〜〜」

キョーコ
「何?」

オレ
「怒ってないのか?」

キョーコ
「ないわけないでしょ!!!」

オレを睨みつける目には、うっすらと涙が浮かんでいるようだったがまだ蒼く光っていなかった。

キョーコ
「さっきお店のおじさんが言ってた」

オレ
「?」

キョーコ
「ムトーの女嫌いの理由がわかった。って」

オレ
「部長と話したのか?」

キョーコ
「こんな綺麗な彼女がいたんじゃ目移りしないわけだ!って」

オレ
「・・・」

キョーコ
「ムトーをよろしくお願いします。って、ご挨拶しておいた」

オレ
「あらら・・・」

なんかバカバカしくなってきてオレは席をたった。横山をこっちへ呼ぼうとしたら・・・

キョーコ
「待って」

オレ
「何?」

キョーコ
「今日ミナミのホテルに泊まるわ。どうせ明後日から3日間ショーで泊まりだから、前乗りしちゃう」

オレ
「ふーーーん」

キョーコ
「だから今晩から4日間一緒に居れるわ」

オレ
「えっ」

キョーコ
「ホテルが決まったらお店に電話入れる。」

オレはもう1度立ち上がりカウンターの方を見た。そして手招きして横山を呼んだ。

オレ
「悪かったな横山」

横山
「いえ、つい嬉しくて一緒に・・・」

オレ
「あーわかってる。心配かけてスマン」

キョーコ
「信じられないっ!!!」

オレ
「何が?」

キョーコ
「友達には優しいのね。」

横山
「えっ!あっ!すみません」

オレ
「そーか?^^」





その後、横山と忘年会の事を話し、後日打ち合わせをすることを決めて別れた。キョーコはいつもの調子で混ぜっ返しながらも忘年会に参加させろとせがんだ。。。まるで何も変っていないかのような錯覚の中で、とりあえずはホッとした。

オレ
「部長は?」

竹内
「もう出られました」

オレ
「そう。じゃーここはオレが見るから順番に休憩とって下さい」

竹内
「私は早くにとりました」

オレ
「あっそう。」

竹内
「私、あの人知ってます」

オレ
「?」

竹内
「毛皮のコマーシャルに出てるひとでしょう?」

オレ
「さー?知らない。」

確かに売れっ子モデルらしいが、TVや女性向けの雑誌などみないオレにはそんなことはわからなかった。それよりも、たぶん1時間以内だろう。その間にオレが電話をとれればいいが・・・そうでなかったらちょっとマズイ。

竹内
「部長に聞かれました」

オレ
「ん?」

竹内
「おまえはムトー派だろうって」

オレ
「なにソレ?」

竹内
「島派よりムトー派の方が優勢だって松井さんが言ってました」

オレ
「おいおい。オレと島は同居しているぐらいの仲なんだぜ!もっともオカマじゃねーけど(笑)」

竹内
「それでも派閥はできるもんだって部長が」

キャッシャー、クローク、フロント、ホール、カウンター、パントリーなど各セクションを合計すると20人以上の要員が居る。それが大きくは早番と遅番に別れるが・・・

オレ
「カンケーねーよそんな事」

電話が鳴った。ゆっくりと慌ててとった。思った通りキョーコからだった。南海ホテルの610号室。

オレ
「・・・ありがとうございました」

電話を切ると待っていたように客が入ってきた。店内に案内してホールスタッフに伝票を渡す。余裕のある時は、バックアップのスタッフが入り、ドリンクオーダーのみを先にカウンターにオーダーとして通す。本来のスタッフはそのままフードオーダーを根気よくとっている。その後カウンターに近づいた。

関川
「なんか飲むか?」

オレ
「いや、いい・・・ところで派閥ってあるのかな?」

関川
「あるに決まってるだろう」

オレ
「ふーーーん。どんな?」

関川
「ったく。早番の連中を島が取り込んでる。遅番にも声がかかってるが今のところ動いていない」

オレ
「なんで?」

関川
「オレが押さえてムトー派を優勢にしている」

オレ
「オレはムトー派なんて知らない」

関川
「これからは知ってもらう」

オレ
「関係ない」

関川
「この間のクーデーターの仕掛け人はあんただ」

オレ
「・・・」

関川
「島は元々放り出された奴等と一蓮托生のはずだったが、あんたに動かされた」

オレ
「知らないなー」

関川
「それまでリスクを懸念していた部長が・・・あんたをみて決断した。だから次を狙ってもらう」

そういえば、次の出店の話が持ち上がっているらしいが・・・オレは何も聞いていない。今以上の欲があるわけでもないし、この仕事を長く続ける気もさらさらなかった。

それよりも、今日から始まるキョーコとの4日間のことの方が憂鬱で、それどころではなかった。楽しくなりそうな「忘年会」の事だけを考えるようにして、目の前のシゴトを忠実にこなした。


数日後・・・


横山
「予想以上に集まりそうですよ」

オレ
「うん。無理な勧誘してないな?」

横山
「そんな器用な事できるやついません。ちょっと案内するだけでチケット買ってくれます。安いですし^^」

オレ
「そっか」

当初忘年会の予定だったが、テキトーな場所がなく広いレンタルスペースを借りることになった。150人〜200人規模のホールに楽器を入れても100人以上は入る。結果、「クリスマス・パーティー」と称し一般学生の参加も認めざる得なくなった。うちの店から「オードブル」これは厨房のチーフにお願いした。酒は関川に・・・これらを持ち込む。PAは知り合いのところへ頼み、オリジナルとしてディスコ用のセットを依頼してある。日曜の午後からという事もあり、遅番のスタッフとDJをサービスに当たらせる用意も出来ていた。

横山
「これだけ内容の充実したパーティー絶対ウケますよ」

オレ
「楽器の搬入出を含めたタイムスケジュール作っておいてくれ。クルマと運転手はすでに確保している」

横山は大きな専用のノートを持ち、すべての記録をとっていた。細かなチェック項目も含めて、彼が一番用意の内容を把握しているはずだ。浜田との連携もできているようで問題ない。

横山
「昨日ドラムセットが届いて、田代さん驚いてましたよ」

オレ
「奮発したから(笑)」

そう、中古だがグレードの良いパールのドラムセット・・・軽く考えていたが、ボーナスがすべて吹っ飛んだ。しかしこれでこれまで集めたアンプ数台などを含めて、すべて自前で楽器が揃った。後はそれらを常時積み込めるクルマだが、これもなんとなくアテはあった。

横山
「アルファの後どうしましょう?オレ、ヒマになります」

オレ
「んーーーお前、うちにくるか?」

横山
「はい^^」

オレ
「もしかして最初からそのつもりでいたか?」

横山
「(^0^)」

アルファルファが今月の26日でクローズする事はキョーコから聞いていた。カメイさんが結婚することになり、後を継ぐ者がいないため止む無く閉店を決めたらしい。ケースケは来年卒業だし、それまでアルファにバイトに入っていた横山は、とりあえず早番でうちに入ることになった。

オレ
「ところで、明日引越しなんだ」

横山
「誰が?!どこへ?!誰と?!」

オレ
「・・・何か隠してないか?」

横山
「・・・キョーコさんにできるだけムーさんの近くに居てくれって。でも、それはオレの意思でもありますから」

オレ
「ひとつ聞くけど、友達と恋人の二者択一の場合、お前はどっちをとる?」

横山
「それは・・・場合によりけりだと思いますけど・・・ムーさんは?」

オレ
「どっちだと思う?」

横山
「男」

オレ
「わかってりゃいい(笑)」

遅番スタッフの交通費(帰りのタクシー代)が多いと経理が文句を言っていたので、「寮」の確保を提案した。経費的には3分の一になる事を説明すると、すんなり認められて店から歩いて10分のマンションを確保できた。3LDKで2室が個室となっており、私と関川がそれを占有し、残りを他のメンバーに開放した。新品の家電製品はすべて経費で認められ、その代わりにオレと関川は部屋代として月額1万円支払うこととした。

関川
「ごきげんな部屋じゃないか」

オレ
「そう?もう少し広ければよかったんだけど」

関川
「十分広いぞ。それにしても・・・」

オレ
「その代わりタクシー代は一切出なくなった^^」

関川
「あんた本当は二十歳なんだって?」

オレ
「・・・」

関川
「新人の横山の1年センパイ・・・おかしいと思った。」

オレ
「まー当初の成り行きで^^」

関川
「オレより4つ下だが、年は関係ないこの世界は実力の世界だ。」

オレ
「当分、年の話はしないようにして下さい(笑)」

関川
「これからは明確にあんたがボスだ」

オレ
「・・・オレたちは猿か。」


師走の千日前通り、年末商戦まっさかりで昼間はもちろん夜は忘年会シーズンで酔っ払いが多く、事件の絶えない時期でもあったが、不思議に店は大きなトラブルもなく過ぎていった。^^


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どーでもいいシーンが多くて、濡れ場がない。
次あたりを期待しましょう。^^


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| My History | 13:41 | comments(2) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
なんか最近わたしのカラオケの持ち歌ばかり
特集してるなあ、なんて思っていたらるーくさん、
ここで「自分史」の「青春史」やってたのね。
ちょうど7歳ちがいます。
でも、文化はそんなに変わってませんね。
学生運動はわたしの大学卒業の頃には
すっかり下火になってましたが。
彼女より友人をとる、というのは当時は当たり前でしたが、
最近は、えーっ?というのかしらね。
| tanupon | 2009/12/02 5:50 AM |

「あんたのバラード」でカミングアウトしてしまったので
その関わりの決着を!と思っているのですが、なかなか進みません。
結果にたいする蓋然性ということで、もう少しかかりそうですけどね。

そして今は「男より女」が当たり前なんでしょうね。^^
というか、あえて「男」を選ぶべきテーマがない時代だからだと
思いますが、それもこれも環境が整いすぎているんじゃないかと

それにしても一話完結というのは、難しい。f^^;)
| るーく | 2009/12/02 1:28 PM |










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