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スロー・バラード


「スロー・バラード」1976年1月21日

この曲が76年発表だったとは・・・知りませんでした。^^
狂おしいほど切ないバラード♪今聞いてもいいですねー。本当はこんなんで良かったんですけどね。

当時は、博愛主義者で無理に無理を重ねて「ろくでなし」の道をまっしぐらに進んでいました。(笑)

▼1976年1月PART2------------------

純子ママ
「ねっ!もう一度よく考えて?」

オレ
「何度も言ってるように協力はできるけど、オレは動けませんから」

純子ママ
「大抵の条件なら通ると思うの。」

オレ
「だからそーゆー問題じゃなくて」

「純子」ママにはシャンペンとブランデーでお世話になってから、数度会っている。ママのお客さんで、知り合いの社長が「ディスコ」をやりたい。と言う話があり紹介された。うちの店にも何度となく来店しており、いくつかのアドバイスをしていた・・・

純子ママ
「オープンは4月。まだもう少し時間あるから、よく考えて要望があったら私に言って?」

オレ
「・・・」

チーママ
「ちょっとゆっくりしていって」

オレ
「はぁ〜」

チーママ
「おかわりどう?」

オレ
「はい」

カウンターの清水さんは年季の入ったバーテンダーだった。ビヒーターのジン・トニックをつくってくれた。

チーママ
「若い人から見てうちのママはどう?」

オレ
「そりゃーとびっきりの美人でセクシーですよ。」

チーママ
「やっぱりそう見える?」

オレ
「でも・・・セーカクはまるで男ですね(笑)」

チーママ
「あら、わかっちゃった?(笑)」

ママはかなり強引な性格で、何事も自分の思い通りに進むと思っているようだった。オレは世話になっている今の店を辞めて今度できる新しい店に行くわけにはいかない。と・・・この時はまだそう思っていた。

チーママ
「ところでムトー君、音楽やってるの?」

オレ
「どーしてですか?」

チーママ
「ピアノの先生の松本さんが、そう言ってた」

松本さんというのは、この店の専属ピアニストだった。この間の夜、サマータイムを弾いているのを暫く見ていた時に目が合った。渋い声で、歌ってもさまになっていたが、どこか恥ずかしげに歌う。

チーママ
「若いのに無理してて、でもやっぱりかわいいとこあって、いい男ね!どう?私と浮気してみる?」

オレ
「σ(・_・)」

チーママ
「かーわいい(笑)」

オレ
「( ̄^ ̄) 」

クラブ純子を出て店に戻った。


Cassina ixc. Design store


竹内
「さきほど部長が探してました」

オレ
「あっそう」

隣の喫茶店を覘いてみると、武田部長は見えるところにいた。手招きされたのでそのまま席についた。向かいに座っていたのは、サントリーの村井課長。なにやら資料を取り出し細かな説明をしているようだった。

部長
「ちょっと一緒に聞いておいてくれ」

オレ
「はい」

村井課長
「葡萄屋さんの新しい店はたぶんここら辺にできるようです」

部長
「周防町か・・・」

村井課長
「店長にはHM氏が就任するようです」

HMはオレと島が追い出した元上司だった。新しくできるディスコの店長として、仲間を集め再起できることは喜ばしいことだと思った。

村井課長
「そしてもうひとつ。ここらあたりにも出来るようです」

オレ
「・・・」

部長
「それは、何処の経営?」

村井課長
「どうも新規に始めるようです。ですからほとんど情報が入ってきません」

オレ
「普通はどんな経路で情報が入ってくるんですか?」

村井課長
「やっぱりうちの場合ですと、地域の酒販店から色々と・・・」

部長
「また新しい情報が入ったら教えてくれ」

オレ
「ありがとうございました」

村井課長はあっさりと引き上げた。部長が居なかったら久しぶりに色々と話を聞きたかったのだが、それを察したのか「また」といって引き上げていった。
いつの間にか、オレの前にはあまりうまくない珈琲が運ばれていた。

部長
「うちの出店計画なんだが・・・なくなった。」

オレ
「そーでしたか」

部長
「ぐずぐずしてるうちに、どんどん新しい店が出来てくる」

オレ
「そーみたいですね」

この時、言えばよかった。そのもうひとつの新しい店からスカウトが入っています。行っていいですか!って(笑)この時はまだいろんな意味で余裕があると思っていたのだが・・・すでに気は動き出していた。

19時・・・

平日のこの時間、中2階を除いてフロア席は8割方客で占められている。そして、客にとってもこのぐらいの混み具合が一番いいのではないかと思う。

関川
「あの純子ママともうやった?」

オレ
「やるわけねーでしょ」

関川
「いや、あんたなら気に入られてもうやったかと」

オレ
「サカリのついた猿じゃないんだから・・・でもまー強引なんだけどな」

関川
「ちくしょー」

関川は冗談かと思っていたが、どうも純子ママにイカれているらしい。シャンパンとブランデーの残金を返しに行った日、一緒についてきて以来、純子ママの話題になるとムキになっていた。

カウンター横の内線がなった。「予約のお客様が来店されました」と告げられフロントへ上がる。

キョーコ
「ちょっと人数が増えちゃった」

オレ
「うん。大丈夫だ」

男4人女5人。高島屋でのファッション・ショーの打ち上げの流れだ。中2階のテーブルをアレンジして、ゆったりと大人数が過ごせるようにした。そして彼らが、フロアーに出るとやはり全体が華やかになり、活気で店内が新鮮に感じる。

スロータイム
キョーコが残っているものとばかり思い込んでいたが・・・ひとつポツリとそこに居たのはハーフっぽい女の子だった。

オレ
「どうぞフロアーへ」


「いえ、いいです」

オレ
「1曲だけみんなに見せびらかしましょうよ」


「・・・」

オレたちがフロアーへ出て行くと、それまでの仲間から冷やかしの声が沸きあがった。

オレ
「うでをオレのクビに回して」


「こう?」

オレ
「そう」

オレは相手の腰に回した手に少し強く力を入れると、彼女の胸を押しつぶすように体がくっついた。リズムに合わせゆっくり動く、顔は正面にある。照明の変り具合ではっきりと見えた。彫刻のようにしっかりとした顔つきは日本人離れしていた。鼻がぶつかり顔がくっついた。1曲・・・終わると彼女は首に回した腕をほどき、席にもどった。それをきっかけに何組かも席に戻った。





フロントに上がり、松井を休憩に誘った。代わりに前田をフロントに呼び、オレと松井はケニアまで歩いた。

松井
「ムーさんの彼女にさっき挨拶しました」

オレ
「ん?」

松井
「キョーコさん。横山に教えてもらいました」

ケニアはいつも流行っている。
先週の朝の経験から店内をすべて見渡し客をチェックした。関係ありそうな客はいないように思えた。松井とは、一通り意味のない話をした。

オレ
「そっか、ところで先週の日曜日・・・昼間の女覚えてるか?」

松井
「えーーーと、学校関係者でしたっけ?」

オレ
「赤いダウンの・・・」

松井
「はい。覚えてます。」

オレ
「シャンパン女だ」

松井
「えっ!!!」

松井にはこれまでいろんな事を頼んだが、彼はそのどれもをそつなくこなしていた。年はオレとタメ年だったが、本人はオレのことを2年上だと思っている。

オレ
「オレが抜けても、島とはうまくやっていけるか?」

松井
「えっ?島さんとはやれなくもないですけど・・・その下とは無理ですね」

オレ
「うちの新規出店計画がなくなった。」

松井
「それでムーさんが辞めるんですか?」

オレ
「このまま割れていても仕方ないだろう」

松井
「向こうが引けばいいんじゃないですか?」

松井は自分に自信がある者特有のちょっと憤っているような態度をみせた。

オレ
「じゃーお前は残れ!オレは新しい店に行く!(笑)」

松井
「えっ!ウソっ!なんですかソレ!」

オレ
「どーすんだ?(笑)」

松井
「連れてって下さい。^^」

オレと島、新規出店がなくなった以上どちらかが店を出て、その他の余剰人員を整理しなければならない時期がいずれ来る。オレを含めて遅番から何人か抜けるのがちょうどいいかも知れない。近々、島と話をしようと思った。

22時・・・

キョーコはさきほどの女の子と二人で残っていた。ふたりを連れてフロントへ上がる。と松井と前田が居た。

松井
「送って行かれたらどうです?」

前田
「オレたちだけで大丈夫ですから、今日はこのまま消えて下さい」

オレ
「そーゆーわけには行かない」

松井
「キョーコさん送ってあげて下さい。」

前田
「お願いします」

オレ
「・・・」

ちっ!すでに前田に伝わったか・・・別に口止めはしなかったが、浮かれられるとちょっとマズイ。あとで釘を刺しておいた方がいいかも知れない。

どちらにしても、とりあえず駅までひとりを送っていくか?オレは自分のコートをとり、3人で店を出た。商店街の人通りはまだあった。

オレ
「今日はこのままばっくれるか!」

キョーコ
「ほんと?」

「おい!ムトー!」
いきなり後ろから声がかかった。振り向いた瞬間に、頭に衝撃がきた。続いて腹に・・・キョーコの悲鳴。コイツら・・・声にならない咆哮を上げ腰を落とした。風きり音と同時に肩に衝撃、腹に蹴り、目の前の半分の視界が怪しい。遠くの影を見たような気がした。頭に衝撃・・・闇に引き込まれた。




翌日・・・

ようやく頭の精密検査の結果が出た。外傷と側頭部のヒビ。内出血はない。だが不快な頭痛は続いている。

キョーコとその友人は無事だった。ほんの1分かそこらだろう。襲撃者は2人、たぶん鉄パイプのようなモノで襲われた。店から松井と前田が走ってきた時にはオレはぶっ倒れていたらしい。そして救急車でここに運ばれ、側頭部を7針、上部を3針縫った。

体の方の打撲傷はコートを着ていたこともあり、それほどでもなかったが、頭に受けた衝撃が大きかった。

オレ
「もう退院できるのかな?」

キョーコ
「もの凄く血が出て、顔が真っ赤で、死んじゃうと思った」

オレ
「ははは、そんな簡単に死にはしないよ^^」

キョーコ
「・・・」

横山
「頭だけにまだ安心はできません。大人しくしていてください」

オレ
「あーわかってる」

横山
「それから、松井さんと前田さんが犯人を捜すと言って周辺を・・・」

オレ
「無駄だから止めるように言っといてくれ」

着替えて立ち上がると、まだふらついた。鏡をみると側頭部が白いモノでもりあがり網のように頭全体を覆っている。たぶんそこの髪は切られたのだろう。整髪が気になった。少し歩いただけで悪寒、そして吐き気をもよおし激しい頭痛が・・・暫くは何もできそうになかった。



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