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夢想花


大阪を拠点に活動していた「ZOOM」というバンドがあった。確かうちでも何度かLIVEをやった。結構コンテストなどにも出ていて、キャリアもあり円さん(一応2コ上なのでセンパイ扱い^^)はプロ志向だったのだが・・・バンドとしてはそこそこ人気があったにも関わらず、なかなかデビューできないでいた。そんな彼がヤマハのディレクターのアドバイスを受けニューミュージック系のソロとしてポプコンに出たのが78年。そして「夢想花」を歌いみごとに優勝した。

世界歌謡際でグランプリをとった時、世良はかけより氏の腕を持って高く掲げた。^^

よく、ヒットは3曲続けて出さないと、生き残れない。と言われるが・・・このような音楽性の高い曲はそうそう続けてつくれるものではなかったようで、その後が続かないまま表舞台から消えていった。

もっとも、作曲家としては結構ヒットソングを提供しており活躍はしていたのだが、自身がもう1度クローズアップされるようになるのは、ずいぶん先の話でした。^^
1978年9月-------------

Mellow Beach

17時・・・

浜田
「ルイードに出てた顔の黒いグループなんて名前だっけ?」

間島
「確か・・・シャネルズだったと」

浜田
「そう。シャネルズ!あいつら絶対出てくるぞ」

オレ
「去年のヤマハのイースト・ウエストで入賞してたはずだ」

浜田
「そーなのか?」

オレ
「その時、サザンも出てたよ」

間島
「実力ありそうなバンドですよね^^」

浜田
「これから続々と色んなバンドが出てくるんだろうな」

間島
「ええ。始まったばかりですから^^」

8月の末に、浜田、間島、長井を連れて東京に行った。本来のオレの目的はシゴトで、東京の店の視察だったが、元のバンドメンバーに新しい刺激を与えるためにライブハウスも結構見て回った。そしてそれは思惑通り大阪で感じているよりももっと大きな波がきているのをそれぞれが肌で感じたようだった。

浜田
「ムトー今日も泊まっていいか?」

オレ
「うん。いいけど?」

浜田
「明日は朝からまた1Fで練習だし」

間島
「最近、浜田さんやる気満々ですもんね^^」

オレ
「大丈夫か?今日もLINDAでギター弾くんだろう?」

浜田
「あれはあれで結構面白い^^それに新しいやつらも結構集まってきたし^^」

新しい3LDKの部屋へ引越してから、浜田や長井、佐伯らがよく泊まりにくるようになっていた。それはいつの間にか第2のmar’sApartment houseの様相を呈していた。そして浜田は平日でも1Fのスピーク・イージーでギターの練習をしている。時にはギターテクニックを磨きたいという連中を集めてレッスンも行っていた。しっかりと音が出せる環境で練習が行えるというのはずいぶん違うようだ。

そして冴子が辞めた後の「LINDA」には関川がマネージャーとして入り、浜田はそこでカラオケがわりにギターを弾くようになっていた。

間島
「今週の日曜、ムーさん歌ってくれますよね?」

オレ
「オレは、あくまで飛び入りだ。3曲が限界だぞ(笑)」

浜田
「ムトーの出来次第で次を考えよう^^」

オレ
「じゃーひさしぶりに発声練習でもしとこーかな?」

間島
「ムーさん!その意気でお願いします^^」

間島をボーカルとした4年が中心のバンドに、浜田とオレが入って今週の日曜にLIVEをやることになった。あくまでも「飛び入り」というサプライズなので気は楽だった。

田川
「すみません。ムーさん内線入ってます」

オレ
「じゃー後たのんだぞ!」

間島にはゴンチチのLIVEの段取り、浜田にはLINDA。そしてオレは内線を受け、1Fに降りた。

前田
「おはようございます。松井がきてます」

オレ
「おはよう。じゃーちょっと外で話してくる」

前田はホールへ行き、松井を呼んできた。松井とふたりで一緒に店を出て、英国館に入った。
店内を見渡すと、見知った顔がチラホラ。目が合うと向こうからちいさく手を振ってきた。何度か1Fにきている女子大生のグループ。オレは大きく両手を振っておどけて見せた。もう一方の知り合いにも同じように手を振った。(笑)

オレ
「アイス・コーヒーふたつ!」

ウエイトレス
「かしこまりました」

オレ
「さっちゃん。かしこまらないで、遊びにきてよ^^」

ウエイトレス
「今週、友達と一緒におじゃまするつもりです^^」

オレ
「オッケー楽しみに待ってるよ♪」

近隣の店のスタッフには積極的に声をかける。時にはお調子者と思われ顰蹙を買う場合もあるが、懲りずにそれを続けると、それはそれでひとつのスタイルとなって定着していく。サービス業の鉄則だった。(笑)

松井
「やっぱりオレ、ムーさん達と一緒にやりたいです」

オレ
「前田から話は聞いたが・・・もう会社を辞めたのなら仕方ないな。」

松井
「ありがとうございます。1からペーペーから始めます。^^」

オレ
「元ナンバー2のお前をペーペーで使うわけにはいかない(笑)」

松井
「でも、今のメンバーはオレのことを知らないヤツの方が多いでしょうし」

オレ
「まっでもそのあたりは前田と相談してうまくやってくれ!」

松井
「はい^^前田マネージャーをたてるようにやります!」

オレ
「この1年で多店舗化を進めるから頼んだぞ!」

松井
「はいっ!」

松井が戻ってきたのは嬉しい誤算だった。1度スピークイージーが潰れた時、当時付き合っていたオンナと結婚するために建設会社に勤めだしたが・・・上司とケンカして先月辞めたらしい。表向きはそんな「らしい」理由をつけていたが、本当のところはわからない。どちらにしても頼りになる部下が手伝ってくれるのはありがたかった。

松井は1Fに戻ったが、オレはそのまま周防町を東に歩き、「葡萄屋」へ寄った。9月に入っても残暑は厳しく陽が落ちても街中は熱気が残っている。台風が近づいている影響なのか風が強く、それだけで何かが起こりそうでわくわくした気分になった。

オレ
「外園店長居る?」

スタッフA
「あっ!少々お待ち下さい。すぐに呼んできます」

オレ
「ちょっと見ていい?」

スタッフB
「はい!どうぞ^^」

キャッシャーに居たスタッフに断りをいれ、店内に入った。客はまだ5分入りぐらいの状態だったが、うちと比べると小さい店なので、十分に流行っている印象を受けた。

外園店長
「わざわざスマンな^^」

オレ
「いえっ至近距離ですから」

外園店長
「ちょっと出てくる」

スタッフにそう言い、一緒に店を出た。店から少し離れたところの喫茶店に入った。オレは飲みたくなかったが、熱いコーヒーを頼んだ。

外園店長
「この間、LINDAへ行ったら『関川』が居て驚いたよ」

オレ
「今月から入ってるんですよ」

外園店長
「LINDAは『クラブ純子』の系列だったよな?」

オレ
「ちょっと事情があって側面支援することになりました」

外園店長
「そっか、お前は自由に出来ていいなー」

オレ
「そんなことないですよ」

外園店長
「実は、うちも新しい店をやることになってな」

オレ
「ディスコですか?」

外園店長
「いや、ただのスナックでオレはそこへ飛ばされることになった」

オレ
「新しい店ならいいじゃないですか?」

外園店長
「今更・・・って気もするが仕方ない」

葡萄屋は一族経営で、ディスコの他に喫茶店や、クラブなどを経営していた。純子ママの宝塚時代の先輩が妹で、そしてその姉が実質的なオーナーだった。そして外園氏はその妹の方とできていた。そういう意味では、オレとの関係も先輩と後輩という関係にあり、純子ママと出来ているオレとしてはなんか可笑しかった。

外園店長
「ところでミルク・ホールだが、今月一杯でディスコを止めるらしい」

オレ
「えっ!知りませんでした」

外園店長
「島や武田部長も辞めるらしい」

オレ
「・・・」

ディスコ・ブームの中にあって閉店とは、何か事情がありそうだったが、外園氏もそこまでは知らないようだった。この1年ぐらいで周防町にも2軒新しいディスコが出来て、ミナミの地図は大きく変わっていた。そういう状況の中、千日前では通用しなくなったのかも知れなかった。

外園店長
「そーだ。ギター弾き知らないか?」

オレ
「新しい店で?」

外園店長
「そう。居たら紹介してくれないか?」

オレ
「わかりました。心がけときます」

用件らしい用件はなかった。なんとなく愚痴を聞かされ、古巣の店が終わる話をそれが通用する相手に話したかっただけのように思えた。あれから3年・・・島はたまにうちの店に様子を見に来ることがあったが、オレは一度もミルク・ホールへは行ってなかった。思えばアソコからすべてが始まったと思うとちょっと感慨深いものがあった。

外園氏と別れた後、そこから近かったこともあり周防町を一本北に上がり、鰻谷の「クラブ冴子」に行った。オープンして2週間、まだ開店祝いの花が飾られていて新しい店らしいムードがあった。時間が早いせいか客は2組。それぞれのテーブルに女の子がついているがなんとなく静かだった。オレは勝手にカウンターに座った。

オレ
「外は風が強くなってきた」

冴子
「台風が近づいているからみんな早く帰っちゃうのね」

オレ
「オレなんかはウキウキして出歩きたいけどなー^^」

冴子
「子供みたいに?」

オレ
「あぶない事が好きなんだ(笑)」

冴子はカウンターの中に居た。今居る2組の客は、特に重要な客ではない。というのがそれでわかった。カウンターの中にはもうひとり若いバーテンダーが居た。そして、何も言わないうちから、ジン・トニックが出てきた。

冴子
「こんな日は早く店じまいして帰りたくなっちゃう」

オレ
「ふーん」

冴子
「何よ」

オレ
「オトコでも出来た?」

冴子
「そーよ!って言いたいところだけど、今はシゴトに全力投球よ」

オレ
「自分の店だもんな」

結局のところこの店は冴子の希望通りの旧態然とした「クラブ」になっていた。これでは、中々イチゲン客を呼び込みにくく、上質な客を持たない冴子にとっては厳しい状況が続くと思われた。そしてオレはその経営方針をあえて反対しなかった。

冴子
「あなたこそ、彼女できた?」

オレ
「彼女はいなくても不自由はしてないから^^」

冴子
「そーよね。あーいう環境に居たら選び放題だもんね。オトコはいいなー」

オレ
「もしオレと君が入れ替われたら何をしたい?」

冴子
「えっ?あなたの体に私の精神が入るってこと?」

オレ
「そう。その体にオレが入ったら・・・やっぱりやりまくるだろうなー(笑)」

冴子
「一番最初はやっぱりソレになっちゃうかも^^」

周りからみるとそれはオトコとオンナのちょっと下品な会話のように思えただろう。しかし実態は同じビジネスをやっている仲間同士、いやそれを超えてオトコ同士に近かい間柄だった。

オレは1万円札を1枚置き、「ごちそうさま」といってカウンターから立った。冴子も形だけ見送るマネをしにカウンターから出てきた。

オレ
「じゃー頑張って!^^オレもシゴトに戻るよ」

冴子
「ありがとう」

そう言うといきなりオレの方へ倒れ掛かってきた。オレは冴子の悪ふざけだと思って抱き起こしたが、冴子の意識はなかった。

オレ
「おいっ!しっかりしろ」

冴子
「・・・」

オレ
「冷たいオシボリをくれ!」

カウンターの中にいたバーテンダーからオシボリを受け取り冴子の首筋にあてた。ほほを軽く叩いて呼びかえる。冴子はゆっくりと目を開けたが、視線は定まっていない。声をかけながらそのまま暫く見ていた。

冴子
「あっごめんなさい。。。」

オレ
「体調悪かったのか?」

冴子
「大丈夫・・・」

オレ
「頭痛とか吐き気とかは?」

冴子
「ううん。たぶん貧血だから大丈夫」

バーテンダーと相談し、とりあえず冴子は帰らせることにした。そしてその役目が果たせるのは・・・オレしかいないようだった。ゆっくりと冴子を立たせ、脇にオレの腕を入れて店を出た。

冴子
「大丈夫。ひとりで歩ける」

オレ
「いいから黙って言う事聞いてろ」

タクシーに乗せ、冴子に行き先を聞き運転手に伝えた。方向音痴なオレは住所を聞いてもそれがどっちの方向なのかまったくわからなかった。幾分マシになったのか冴子は運転手に道を伝え自宅に到着した。

小さなマンションの5階。部屋の入り口で一瞬オレは躊躇したが、中に入った。リビングのソファに冴子を座らせる。オレは勝手に冷蔵庫を開け、氷を取り出し冷たい水をつくり目の前にあったグラスに入れた。

オレ
「昼間も訪問営業してるのか?」

冴子
「・・・」

オレ
「寝不足と過労、それに貧血・・・1度医者に行った方がいいぞ」

オレは隣りに座り、水を渡したが冴子は口をつけなかった。顔色をみるために覗き込むと冴子は抱きついてきた。仕方なくオレは冴子の背中に腕を回し楽な姿勢になるように抱いた。そして暫くそうしていた。

オレ
「横になってもう寝たほうが・・・」

冴子はキスをしてきた。乱暴に跳ね除けることもできず、ゆっくりとその場から逃げようとしたが、冴子は抱きついたままだったので、自然とオレはソファに倒れる形になりオレの体の上に冴子がいた。

オレ
「お前、調子が悪いんだから大人しくしてろ^^」

オレは冗談で済ませようとした・・・冴子はオレの手をとり、自分の下半身に持っていった。いつの間に冴子は下着をとったのか?それとも元々つけていなかったのか、陰毛の感触と同時に熱く濡れた秘部に押し付けられた。そしてオレの指は与えられた秘部の奥に入った。

冴子は荒い息をしながらワンピースの前だけを開きブラジャーをずらし乳房を出した。自分で自分の乳房を持ち、オレの顔へ近づけた。オレはソレを口にして、秘部に入った2本の指に力を加えて責めていた。

冴子
「うぅー」

うめき声を漏らしたと思うと冴子は上体を起し、オレの腰のベルトをはずしスラックスを脱がせ始めた。オレは自分でも手を添え、下着と一緒にスラックスを脱いだ。起き上がり前から冴子の腰を抱えてオレの膝の上に乗せるようにして挿入した。

冴子
「あぁー」

胸を反らせ仰け反る冴子を強く抱いてひきつけた。冴子の両脚が宙に浮く。しっかりと冴子の体の芯までオレのものが届いている感触。オレの両手は冴子の尻を持って上下にリズミカルに動いた。冴子はしっかりとオレに抱きつき、背中に爪を立てて果てた。

冴子を抱き上げ、見当をつけた寝室に運びベッドに寝かせた。オレはソファに戻り下着とスラックスをつけた。もう1度寝室に入った。照明は点けずにベッドの横の小さなイスに座った。

冴子
「楽になった・・・」

オレ
「それは何よりだ」

冴子
「ごめん。バッグとってくれる」

リビングに戻りシャネルのバックを持ってきて渡した。冴子はその中からカギをひとつとりはずしてオレに渡した。

オレ
「ん?」

冴子
「出て行く時に、ドア閉めていって」

オレ
「わかった。カギはポストにでも入れておくか?」

冴子
「無用心だから持ってて」

オレ
「ん?」

冴子
「この次に返してくれたらいい」

オレ
「じゃー少し眠れ」

冴子
「うん」

冴子は目を閉じ静かになった。オレはゆっくりと立ち上がり玄関へ向かい音をたてないように部屋を出た。体調不良で、少し気弱になっている相手に望まれて抱いた。それだけのことだよな冴子。

風は強く、街路樹がざわめいていた。人通りがまったくないオフィス街を抜け、大きな通りまで出てタクシーを拾った。

10時過ぎ、まだ早かったが部屋に戻った。
留守番電話を解除して、スーツを脱ぎそのままシャワーを浴びていると電話が鳴った。裸のまま出て受話器をとりあげた。

オレ
「はい」

沙耶
「ムーさん今帰ってきたとこ?」

オレ
「うん」

沙耶
「じゃークッキーつくったから持ってく」

オレ
「今、シャワーを浴びているから、5分待ってくれ」

沙耶
「わかった^^」

オレは電話をきり、『クラブ冴子』に電話を入れた。LINDAから冴子についてきていたホステスの尚子を呼び出し、冴子が眠ったことを伝え、明日の朝、様子を見に行くように頼んだ。そしてMellowBeachにもかけ、何かあったら自宅に連絡するように言った。

タオルで頭を拭きながら、ジーンズとTシャツに着替えた。プレイヤーに乗っているレコードに針を落とし、髪にトニックを降りかけていると、インターフォンが鳴った。玄関ドアを開け沙耶を招き入れた。

沙耶
「あれ?ムーさんだけ?」

オレ
「うん。ちょっとくたびれてたから先に戻ってきた。他の連中は後でくるだろう」

沙耶
「たくさん作っちゃったんだ^^」

オレ
「珈琲でいいよな?」

オレは冷蔵庫からバドワイザーを取り出し、沙耶にはフィリップスのコーヒーメーカーを使いコーヒーを淹れた。

オレ
「そろそろひとり暮らしは慣れたか?」

沙耶
「うん。今までとあんまり変わらない」

オレ
{ん?」

沙耶
「家に居る時もほとんどひとりで部屋にこもってたし」

オレ
「ふーん」

沙耶
「こうしてムーさんとこに遊びにこれるだけ楽しい^^」

オレ
「あっそう。。。」

沙耶
「やっぱり迷惑?」

オレ
「少しはそんな風に思ってるのか?(笑)」

沙耶
「少しだけね^^」

オレ
「これじゃーオレは益々彼女ができないよ」

沙耶
「へへへっ^^」

もし沙耶がオレのオンナだったらここまで寛容にはなれないだろう。自分のオンナではないから、やっかいだと思いながらも許せてしまっているのかも知れない。しかしオレのまわりの連中は、しっかりと誤解しているし、オレはあえてそれを否定していない。何故かって?沙耶は皆の前ではそれらしく振舞っているし、あえてそれを否定しても誰も信じてくれそうになかったから(笑)そして、その方がいろんな意味で沙耶の安全を確保しやすいということもあった。

オレ
「うん。結構イケル^^」

沙耶
「そーでしょ^^私これでも料理も得意なんだから」

オレ
「そーなのか?見かけによらないというけど」

沙耶
「今度腕を振るっちゃう^^」

オレ
「いつかご馳走してくれ(笑)メニューは和食ならなんでもいいから」

沙耶
「和食かぁ〜頑張る^^」

オレ
「明日はシゴトか?」

沙耶
「うん」

オレ
「じゃー今日は早く寝ろよ」

浜田たちが戻ってきたのは11時を過ぎていた。沙耶は一通りクッキーを褒めてもらって満足して部屋に戻った。その後、オレは「マージャンに誘われてる」といって、部屋を出て玲子のところへ行った。風は益々強くなり、今夜半に上陸するとタクシーの運転手に知らされた。

玲子のマンションにつくと、勝手にカギを使って部屋に入った。ちょっとオレの方が早かったようだ。冷蔵庫からバドワイザーを出してTVを見ていると、玄関のドアの開く音がした。

オレ
「おかえりー^^」

玲子
「あら、珍しい」

オレ
「オレも今きたところだよ」

玲子
「ちょっと待ってて着替えるから」

玲子が着替えに入った部屋へオレも入った。髪はアップのままでちょうど和服を脱ぎ終わったところだった。オレは後ろからベッドに押し倒し、ふとももを開き玲子の性器に顔をうずめた。

玲子
「どうしたのよちょっと待って」

押しのけようとする玲子を強引に押さえ込んで、性器にきついキスを続けた。

玲子
「・・・」

玲子の沈黙、瞬間的な快楽に押し黙る。玲子の性器は敏感に反応し、小さなクリトリスは屹立していた。オレは伸び上がり玲子の胸を露にして乳首にキスを続け、性器には2本の指を突き立てた。表情をみると眉間にしわを寄せて押し寄せる快楽に抵抗しようとしているのか?受け入れてながら我慢しているのか、声を出すぎりぎりのところのようだ。

オレは自分のモノを取り出し、玲子の秘部を見ながらゆっくりと挿入した。

玲子
「うぅ・・・」

玲子の脚を折りたたみ、大きく股を開かせゆっくりと責めたてる。

玲子
「あーーー」

しばらくそうしていると、涼子はオレの腕を掴んだ。

玲子
「お願いっ」

太ももを持ち上げたまま、玲子の上に乗った。オレのモノがいっぱいまで玲子の中に入った。

玲子
「くぅー」

一気に激しく動く、玲子の体の芯を貫くように責めたてた。

玲子
「あぁぁぁ」

エクスタシーを味わったあと、すぐに次の大きな波がくるのを待つように玲子の穴の奥は開ききっていた。休まず攻め続けると、間をおかずに玲子は2度目の絶頂の瞬間を声にした。

玲子
「あーーーあーーー」

玲子から離れ、リビングに戻り新しいバドワイザーを取り出した。TVのニュースは関西の何処かの海辺から台風の様子をリポートしていた。ソファに座り荒れる夜の海をみていた。

玲子は着替えを終わり髪を下ろしていた。さっきまでのオンナとは別人のように見えた。まだ満足していないオレはちょっと凶暴になっていた。

玲子は珍しくオレの隣に座った。

玲子
「ちょっと怒ってたんだけど」

オレ
「機嫌直った?」

玲子
「あんなことされたら怒れないじゃない」

オレ
「あんなことって?」

玲子
「言わない」

オレ
「(笑)」

玲子を抱き寄せキスをした。オレの手は玲子の服の上から乳をもてあそぶように力強く触った。

玲子
「暫く居れそう?」

オレ
「昨日まで遅番が続いて、今日から早番だから大丈夫だ^^」

玲子
「良かった。^^おなか減ってる?」

オレ
「うん」

玲子
「おソバでもつくろうか?」

オレ
「いいなー^^」

思ってた通り、先週1週間来てなかったので怒ってたようだが、なんとか機嫌が治ったみたいで一安心した。実のところ、オレに早番も遅番もない。1Fのスピーク・イージーは前田がマネージャーとして仕切っていたし、4FのMellowBeachは田川がマネジャーとして運営していた。横山は外部的な営業活動をし、また両方の店をみていた。それの松井が戻って来た事で益々オレは楽になっていた。そんな風にカンパニーとして業務は進むようになっていたので、オレ自身が店に居ようが居まいがあまり関係なかった。ただそんな細かい事を知らせていなかった。

オレは玲子と話がしやすいようにダイニングテーブルの方へ移動した。

オレ
「葡萄屋さん新しい店やるんだって」

玲子
「どんなお店?」

オレ
「LINDAみたいな店だって(笑)」

玲子
「あらまたライバルになりそうね」

オレ
「外園さんが任されるらしくてボヤいてたよ」

玲子
「あそこは女系だから」

オレ
「玲子だってそうじゃないか」

玲子
「あらっ私にはあなたが居るじゃない!」

シゴトの方もオレに任せているということだろうか?まー今後はそういうシステムになるのだが・・・

ソバを茹で、つゆもどうやら作っているようだった。声の調子からもご機嫌なのが伺える。玲子は年のわりにはオトコに対して案外素直なタイプなんだと思った。しかしそれはあくまでも今の玲子であって、和服姿の時の「純子ママ」からは誰も想像できないだろう。

玲子
「できたわ!どうぞ^^」

ネギにわさび、そして鶉の卵まで用意されていた。そしてもう一品、出し巻き卵まで出てきた。オレはさきにそれを一口食った。

オレ
「旨いっ!」

玲子
「この間、特製の卵焼き用のを買ったの」

オレ
「いや、道具だけじゃこんな卵焼きはつくれないよ」

玲子
「そう?ありがとう^^」

オレ
「ひとりでもこんな風に毎日作ってるの?」

玲子
「ひとりじゃつくっても美味しくないわ」

余計なことを聞いてしまった。(笑)オトコに食べさせるために美味しい料理をつくろうとする。そういえば、沙耶もクッキーをつくっていた時、同じような事を感じていたのか?オレはひとりで3人前ぐらいの量のソバを食って満腹になった。

オレ
「ごちそうさまでした」

玲子
「あっお風呂用意してくる」

自分の部屋から持ってきたボサノバのカセットをかけた。リビングに1台、寝室に1台、オレの部屋に1台、合計3台の発売されたばかりのオートリバースのカセットデッキを買ってセットしていた。

玲子
「そうだ。今日常連のお客さんが面白い人を連れてきたの」

オレ
「どんな?」

玲子
「カメラマンだって」

オレ
「ふーーーん」

玲子
「それで、撮らせて欲しいって懇願されちゃった」

オレ
「面白そうじゃん」

玲子
「ダメよ今更、ちゃんと断ったもの」

オレ
「なんで?」

玲子
「若いときなら考えたけど(笑)」

オレ
「十分若いよ!オレが保証する。いや若いときよりきっと今の方がいい^^」

玲子
「あら、賛成なの?」

オレ
「和服の時の「純子ママ」とプライベートの髪を下ろした「玲子」オレも撮りたいよ」

玲子
「あなた写真できるの?」

オレ
「この春まで、芸大生だったんだぜ」

玲子
「へーーーそうなんだ」

オレ
「ヌードもいいだろうなー」

玲子
「写真って結局人に観せるんでしょう?」

オレ
「発表するということはそういう事だよ」

玲子
「だったらダメ(笑)」

オレ
「オレのオンナはこんなイイオンナなんだぜ!って見せたいよ^^」

玲子
「もう^^」

mar'sClubの中にも写真学科のやつは数人いた。彼らはLIVEの写真も結構撮ってくれていたし、業務に関連したファッションショーやディスコのドキュメントっぽい写真も学校の製作と共用してずいぶん撮影していたはずだ。オンナを撮る!面白かも知れないと思った。

オレ
「よしじゃー練習がてら明日からポラで撮影しよう」

玲子
「えっ?あなたが?」

オレ
「そう。人に絶対見せられないシーンなんかも^^」

玲子
「ダメよ^^」

すでにオレはその気になっていた。現像に出せない写真も含めてすぐに上がりが確認できるポラはちょうどいい。大判のカメラで撮影する前の練習にもってこいだ。

玲子
「そーだ。今週の日曜日なんだけど、店の子たちを連れて行っていい?」

オレ
「ん?どこへ?」

玲子
「あなたのディスコ」

オレ
「んーーー日曜か、それしかそっちの休みはないよな」

玲子
「都合悪い?」

オレ
「いや、いいけど」

日曜はMellowBeachでLIVEをやることになっている。1Fで相手しててもすぐに4Fへ上がらなければならない。そしてきっとディスコにはすぐ飽きて4Fに来るだろう。

玲子
「辞めとこうか?」

オレ
「仕方ない。見せてやるよ」

玲子
「何を?」

オレ
「オレたちのLIVEを」

玲子
「えっ?何それ?」

オレ
「この間まで、バンドのボーカルやってた。」

玲子
「それってロックの?」

オレ
「そう」

玲子
「今流行ってるツイストみたな?」

オレ
「あいつらは、大学の同級生だ」

玲子
「えっ?そうなの?」

玲子はオレがバンドやってることは知らなかった。だから世良との関わりなども全く話していないし、それ以上話すこともなかった。そしてそれはその後も誰にも詳しく話したことはない。

玲子
「うちのチーママがどうもあなたのファンみたいなのよ」

オレ
「私のオトコだからダメよ!って言ってやれよ(笑)」

玲子
「言いたいのは山々なんだけど・・・気をつけてね?」

オレ
「どう気をつけるんだ?」

玲子
「誘惑されないように^^」

オレ
「あれ?オレはオンナ嫌い通っていたんじゃなかったか?」

玲子
「そーよね!この間まで私もそう思ってた。(笑)」

オレ
「今は?」

玲子
「オンナったらし」

オレ
「何処が?(笑)」

玲子
「あなたと付き合ったオンナはみんなメロメロになるでしょうね」

オレ
「ならない。ならない。(笑)」

玲子
「そんな風に、自分のことがまだわかってないところも魅力なんだけど」

オレ
「へっ?それはアバタもなんとかいうやつだよ」

玲子
「これでもオトコを見る目はある私が言うんだから間違いないわ」

オレ
「オンナったらしのお墨つきを貰っても嬉しくないなー(笑)」

玲子
「勝手に居なくなっちゃダメよ!」

1日に二人のオンナとセックスをするヤツ!やっぱりオンナったらしかも知れない。(笑)そして、この時、玲子が何気なく言ったことは、まるでオレの本音を見通しているようだった。

元はと言えば、mar'sを何とかしたい。という気持ちからスタートしていた。ダイバーのバイトで稼げなくなってこの世界に入ったが・・・そこには尊敬すべきセンパイもいなければ、美しい街もない。ただその時々の欲望だけの戦いが渦巻くどうしようもない世界だった。

そしていつの間にかそこでの戦いに勝利し自分の世界を作り上げた。周りから煽てられ虚飾に満足している自分を何処か冷たく見捨てているもうひとりの自分が居た。ひとつひとつが勝負であるならば、負けたまま去ることはできないが、大きな勝利を得た後は喜んでそこから去ることができる。

自分の欲望以外の「何かの為」それがなければ戦う意味がない。

あの時、明確に誰にも意志を示していなかったが、もしかしたらオレは世良の純粋さに共鳴し、参加してもいいと思ってたのかも知れない。逮捕さえされなければ・・・今頃ベースを弾いて単純に音楽だけに没頭している自分が居たかも知れなかった。

夢が金に変わってしまった今の現実には飽き飽きしていて、どうにも我慢できそうにない。設定したプロジェクトを早く終わらせて、また新しい何かを見つけて走りだす。だからこれまでのものは、全部捨ててしまっても構わない。

常に今を否定するもうひとりの自分がいた。それは・・・ユーヤの影だったかも知れない。



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