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ARB


今ではすっかり役者としての知名度の方が高い「石橋凌」だが、1978年秋にデビューしている。安易に歌謡ロックに走らず自らの音楽性を重視した活動をしていたため、なかなか売れなかったが・・・バンド自体も色々な騒動があり、そんなこんなに嫌気がさしたのかその後石橋は役者に転向し、ARBから脱退した。

当時は、全然知らないバンドでした。(^。^;)
1978年9月PART2--------------

土曜日

浅い眠りから覚めた。ベッドサイドに置いたサブ・マリーナを手にした。8時半・・・隣で眠っている玲子を起さないように気をつけてベッドを抜け出した。オレの部屋へ行きポロシャツとジーンズに着替えて、顔を洗った。

ハブラシを口に突っ込みながら窓を開けて空を見上げる。台風一過、快晴だった。

リビングに戻ると、コーヒーのいい香りがしていた。玲子を起さないように気をつけたつもりだったが(^ー^;

玲子
「今、食事の用意するから」

オレ
「いや、コーヒーだけでいいよ。」

玲子
「急ぐの?」

オレ
「うん。バンドの連中と待ち合わせてるんだ」

玲子
「今日はもう戻ってこない?」

オレ
「たぶんそのままシゴトに出て、土曜だから朝までだ」

9時過ぎに玲子のマンションを出た。タクシーを拾いそのまま店に行こうと思ったが、思い直して冴子のところに向かった。途中、デリカッセンを見つけてサンドイッチとオレンジジュースを買った。

インターフォンを押す。


「はい」

オレ
「ムトーです」

ドアのカギが開く音がして冴子が現れた。そのままリビングに通され室内を見渡したが昨夜と変わりない。まだ尚子はきていないようだった。。。

オレ
「ほれ!朝飯だ^^」

冴子
「ありがとう^^」

オレ
「気分はどう?」

冴子
「うん。もう平気」

冴子は、スッピンでコーヒーメーカーを使いコーヒーを淹れてくれた。たぶんうちにあるのと同じフィリップスのコーヒーメーカーだった。

オレ
「台風も去ったようだし、外はいい天気だぞ^^」

冴子
「そーなんだ。昨夜は久しぶりにゆっくりと眠れたわ」

オレ
「それでも医者には行っとけよ」

冴子
「はいはい^^」

そうは言いながら、冴子はたぶん医者には行かないだろう。悪くなるまでほうっておいて、最後は救急車で運ばれる。性格的にそういうタイプだった。もっともオレもそうだが、B型というのは似たタイプが多いようだ。

冴子
「わざわざ来てくれたんだ。優しいね^^」

オレ
「尚子に頼んでたんだけどな。まーついでがあったし」

冴子
「あの子、朝弱い方だから来ても昼ごろだと思う(笑)」

オレ
「そーだコレ返しとくよ」

オレは昨日預かったこの部屋のカギを冴子に渡した。

冴子
「ずっと持ってて貰おうと思ってたんだけどなー」

オレ
「そういうプレッシャーは苦手なんだ」

冴子
「でも昨日、しちゃった」

オレ
「あの誘惑には勝てなかった。(T▽T)」

冴子
「でも、あなたいかなかったじゃない」

オレ
「我慢するのに必死だった^^」

冴子
「ほんと?我慢なんかしなくても良かったのに^^」

冴子の回復を確認し、部屋のカギも返せた。ちょっと肩の荷が降りた気分だった。そしてこれでこの件は終わりにしたかった。しかし・・・このまま見せかけの優しさを保つだけでいいのか?仕事仲間だと思うのなら、未然に最悪の状態に陥ることを防ぐアドバイスはすべきではないか?

オレ
「社長とはうまく行ってるか?」

冴子
「どういう意味?」

オレ
「色んな意味を含めて」

冴子
「今は店に集中しているから」

オレ
「ところで、今の店の契約書あるか?」

冴子
「あるけど、いきなりどうしたの?」

オレ
「ちょっと見せてくれないか?」

冴子
「かまわないけど」

冴子は隣の部屋に行き、しばらくするとファイリングした大き目のノートを持ってきた。オレはそれを受け取り不動産契約書の契約内容をみた。

オレ
「借主は冴子か、当初より保証金がずいぶん安くなってるな?」

冴子
「そういう交渉をしたんだと思う」

オレ
「うちの社長がか?」

冴子
「たぶん」

オレ
「君と社長との間で何か個人的な覚書とか交わしたか?」

冴子
「一応・・・それが何か?」

オレ
「それも見せてくれ」

冴子
「・・・いいわ」

もう1度冴子は隣室へ行き別のファイルを持ってきた。オレはそれを一読し、契約書のファイルと一緒に返した。

オレ
「今月、赤字だったら社長が補填してくれるのかな?」

冴子
「名義も私になってるから、私の責任でなんとかするつもりよ」

オレ
「どのくらいの期間耐えられる?」

冴子
「運転資金の用意はしてないけど・・・」

オレ
「そっか」

オレ
「いや、うちの社長は見切りが早いから」

冴子
「・・・」

今のままの「くらぶ冴子」の営業形態では、すぐに売り上げがあがるとは思えない。そして、赤字が3ヶ月続くと、社長は店を処分する方向で動くだろう。権利、保証つきで賃貸に出し家賃プラスアルファの利益設定をする。それもうまく行かなければ確実に損切りする。それまで長くて半年程度だろう。それらを含めて冴子が負う負債は・・・覚書に書かれていた。

そうなれば、いやその前に店の処分はオレに任される。そしてその店は・・・「クラブ純子」に渡ることになるだろう。

冴子
「社長から何か言われてる?」

オレ
「いや、何も・・・」

冴子
「まだ2週間よ!流行らせてみせるわ」

オレ
「そーだな。余計なお世話だった(笑)じゃーオレは帰るよ」

オレは立ち上がり、帰りかけた。

冴子
「待って」

オレ
「ん?」

冴子
「何か考えがあるの?余計なお世話・・・して」

冴子の表情は決してオレに甘えようとしているわけではない。逆に怒りを含んだ挑戦的な目でオレを睨んでいる。

オープン前は誰しも自分の店を持つことが夢でありゴールのように錯覚する。そしてその後の経営は短期で赤字が出てもそれは仕方がないと考える。ましてやスポンサーが後ろにいると甘えが出てしまう。冴子と社長との関係が良好ならそれもいいだろう。しかし、冴子はどうやら・・・

オレ
「LINDAは今うちが管理してる。男の客連れて一度見に行ってこいよ」

冴子
「えっ!あなたのところがLINDAを?何故?」

オレ
「スムーズな交渉の結果さ」

冴子
「やっぱりあなたに迷惑かけてしまったんだ」

オレ
「いや、そーでもない。2週間後にLINDA2がオープンする」

冴子
「なっなんですって!」

オレ
「それも条件だったからな」

冴子
「あなた・・・純子ママに取り込まれたのね?」

オレ
「それは問題の本質と関係ない」

冴子
「・・・」

オレが「クラブ純子」に肩入れしていることはいずれバレる。先に言っておくことで、オレがビジネス上の仲間なのだということを最優先で理解させる方がいいと思った。

「クラブ冴子」が窮地に陥ってからでは、以前LINDAの所有権で社長と揉めた時のように「助ける」ことは出来ない。利益さえあげていれば、すべてがうまくいく。その為にも以前と違う「LINDA」をみてその営業方針をマネろ!と言いたかったのだが、露骨にそれを言っても反発するだけだろうと思った。

オレ
「とりあえず、売り上げが低くても利益を出る店にしよう」

冴子
「わかった。来週会ってくれる?」

オレ
「医者に行ってからだ」

冴子
「何よそれ」

オレ
「じゃー帰るよ^^」

昨夜と同じように大通りまで歩いた。ビジネスマンが忙しそうに行き来し、街は通常の活動に戻っていた。そしてオレは自らすすんで「やっかいごと」を抱え込んでしまった。

タクシーを拾い自分のマンションに戻ることにした。店に寄り練習を見ていると長くなりそうだったし、それでなくても今日は土曜日、長い1日になりそうだったのでちょっと休息ををとろうと思った。

昨夜は数人泊まっていたはずだが、部屋はきれいに片付いていた。留守番電話をチェックした。昨夜の業務連絡の他に、沙耶から「戻ってきたら連絡下さい」というのが入っていた。つい今しがたのメッセージのようだった。とりあえず電話した。

沙耶
「はい」

オレ
「おはよう^^」

沙耶
「ムーさん?」

オレ
「まだシゴトに行ってないのか?」

沙耶
「今日から東京なの。だから午後から」

オレ
「そっか」

沙耶
「もしかして・・・今、部屋に居る?」

オレ
「ピンポーン」

沙耶
「じゃーちょっと来て?見せたいものがあるの」

オレ
「じゃーちょっとだけ」

エレベーターを使わずにマンション内の階段を使った。そっちの方が早いということもあり1階上に歩いて上がった。インターフォンを押すとすぐにドアは開いた。

沙耶
「見て!」

オレ
「ん?」

沙耶
「新しいソファ買ったの^^」

オレ
「ふむ」

沙耶
「座ろう^^」

沙耶はオレの腕をとりソファに並んで座らされた。ファブリックなソファは見た目は2人用だが、十分大きかった。そこに座ると正面にTVとステレオセットがある。そしてその上部を見て驚いた。

オレ
「なんだアレは?」

沙耶
「いいでしょ!お気に入りなの^^」

オレ
「いつの間に?どーして手に入れた?」

沙耶
「クラブの小山さんにつくってもらった^^」

モノクロのLIVEシーン。ポスター大の写真パネルにはオレが写っていた。たぶん春の解散時のシャシンだ。4年の小山、写真学科でオレたちのLIVEは必ず撮っていたが、いつの間に沙耶は・・・

沙耶
「アレもいいでしょ^^」

サイドボードの上に置かれた。フォトスタンド、オレと沙耶がふざけて顔をくっつけているツーショット。ちょっと古い写真だ・・・確かキョーコと3人で写ってたはずだが、うまくトリミングされて沙耶とのツーショットになっていた。

オレ
「なーあのLIVEパネルは他の場所に移動させないか?」

沙耶
「どーして?」

オレ
「例えば沙耶の友人が遊びに来たら、ここへ座るだろう?」

沙耶
「たぶん」

オレ
「すると目の前の大きなシャシンを見るよな?」

沙耶
「そーね^^」

オレ
「で、どんな説明をするんだ?」

沙耶
「もちろん。私の・・・(笑)」

オレ
「それはお前にとってきっとよくないことだと思う」

沙耶
「私はいいもん^^」

オレ
「・・・」

まーこの部屋にオレの身内が入ってくることはないだろうから・・・それ以上は反論しなかった。そして飽きた頃に何か変わりのモノを持ってくることにして諦めた。

沙耶
「昨日、浜田さんに聞いた。。。」

オレ
「何?」

沙耶
「明日、MellowBeachでLIVEやるんでしょ」

オレ
「クラブの4年の連中だよ」

沙耶
「ムーさんも歌うって言ってた」

オレ
「んーーー急に決まってそうなったらしい」

沙耶
「私も見たい」

オレ
「まー見に来るぐらいはいいけど」

沙耶
「じゃー東京キャンセルする」

オレ
「あっ!それはダメだ」

沙耶
「見たい」

オレ
「ダメだ」

沙耶
「・・・」

まずい・・・このままだとシゴトに行かない可能性が高かった。演出家の石原さんにも迷惑がかかるが、それを言っても通用しないだろう。何か妥協させる方法を考えなければ・・・

オレ
「ショーの進行表あるか?」

沙耶
「ない」

オレ
「ちょっと電話かりるぞ」

オレは石原事務所に電話し、ショーのスケジュールを聞いた。本番のショーは2回、それが終わって打ち上げに出ずに飛行機で戻ってくれば・・・やっぱり微妙に間に合わなかった。オレは礼を言って電話を切った。

オレ
「沙耶が東京から帰ってきたらLINDAに行こう」

沙耶
「ふたりだけで?」

オレ
「うん。そこでお前の為だけに歌うから^^」

沙耶
「わかった。約束よ^^」

とりあえず安心した。この春先から沙耶は急速に売れだして、東京のメジャーなショーのオーディションにも積極的に受けているようだった。もっとも所属する藤川事務所が力を入れているし演出家にも可愛がられていたから、少しは本人もプロとしての自覚も芽生えているのか?

沙耶はレコードに針を落とし、キッチンへ向かった。「プリズム」のアルバムがかかった。午前中の曲にはぴったりだ。そして新しいコーヒーが出てきた。

暫くとりとめのない話に付き合ってから部屋に戻った。

▼7時-----------

9月も後半に入りまだ残暑は厳しかったが、夏のアウトドアシーズンが終わり多くの客が戻ってくる季節に入った。

また「映画」サタデーナイトフィーバーのヒットもあり、それまでディスコと縁のなかった一般客も増えて、1Fスピークイージーは盛況だった。

入店待ちの客の列は店外に溢れだし、チェックアウトを行うも一向にその数は減る様子がない。

オレはホールに居た。4人掛けのテーブルには2名づつの客が相席となり、補助イスを加え3人用につくられたテーブルもあった。中には席がなくてもいいから入店させてくれ!という常連もいて、無理をお願いできる常連には我慢してもらった。

オレ
「これ以上はどうしようもないな」

前田
「諦めて他所へ行く客もいますが、それでもあまり減ってません」

フロントには見知った客が何組かいた。ここにオレが居る以上、なんとかする必要があったので声をかけた。

オレ
「どうですか?4Fでお待ちになりませんか?もちろん無料です」


「えっ?いいんですか?」

オレ
「どうぞ!ご案内します」

男女4名の客をMellowBeachに案内した。1ドリンクプラスオードブルを無料で提供し、暫くの間そこで待っても貰うことにした。同様にもう1組招きメMellowBeachに入れた。30分〜1時間程度、そこで過ごしてもらい再度、1Fに案内する。

土曜日はMellowBeachもLIVEがあるので、普段と比べて客は多い。それでもまだそれらを受け入れるだけの余裕はあった。

内線で前田が「面会のお客様がこられてます」と告げた。とりあえず内階段で降りてフロントへ向かった。

由紀
「あっ!本当に居た(笑)」

オレ
「ゆっ由紀ちゃん!」

由紀
「来ちゃった^^」

オレ
「あはっ^^何だよ!吃驚するじゃないかー(笑)」

由紀
「うん。宏枝と真由子も一緒なのよ」

オレ
「えっ!宏枝もかっ!」

入店待ちの客は、店の外にも溢れていた。きっと、彼女らは外に居るのだろう。しかし、MellowBeachには客を入れたばかりでもう余裕はないし・・・

由紀
「ずいぶん流行ってるのね?入れそう?」

オレ
「んーちょっと待ってて」

オレはスコッチバンクに電話を入れて、4人の席の確保を頼んだ。

オレ
「OK行こう^^」

由紀
「えっ?どこへ?」

オレ
「他の店^^」

オレは由紀たちを連れて、スコッチバンクに行った。この店も流行っている。きっと店長の村松さんは周辺の客に相席をいくつかお願いして、オレたちの席をつくってくれたのだろう。LIVEがよく見える大きなテーブル席に案内された。

由紀
「びっくりしたでしょう?宏枝に久しぶりに会って」

オレ
「一瞬心臓が止まりそうだったよ」

3年半ぶりに会ったH(宏枝)だったが、髪の長さも以前と同じで変わっていない。瞬間的に当時の記憶が蘇った。

宏枝
「あなたはずいぶん変わったわね」

オレ
「ん?どこが?オレが変わるわけないよ(笑)ねぇ?」

真由子
「やっぱり変わったわよ!大人っぽくなってる(笑)」

由紀
「この間までナマイキな高校生だったのにね(笑)」

オレ
「ははは^^みなさんはお変わりなく、お美しいままだ^^」

そういえばオレは彼女らより年下で、知り合った頃からいつも弟扱いされていた。運ばれてきたスコッチのセット。オレは手早く水割りとコークハイをつくった。

オレ
「それでは、今日の良き日を、神に感謝!^^」

軽くグラスを合わせ乾杯した。

由紀
「宏枝、来月結婚するのよ」

オレ
「えっ?結婚?宏枝が?」

宏枝
「そーよ!何かおかしい?」

オレ
「いや、それは・・・オメデトウ^^」

由紀
「ユーイチどうしてるかな?って言うから調べたの」

オレ
「調べたって、探偵でも使って?」

由紀
「そんな事しないわよ、ミナミのディスコに片っ端から電話して、『ムトーユーイチさんお願いします。』って言って探したら、3件目でヒットした」

オレ
「そっか。(笑)」

由紀はみんなの前でうまく誤魔化してくれた。由紀とは頻繁に連絡は取り合っている。常にオレの居場所は教えてあるし、半年に1度ぐらいは会っていたし自宅にもよく行っていた。宏枝が結婚する事はすでに聞いていた。

宏枝
「学校はどうなったの?」

オレ
「今年の春に退学した。(^ー^;」

宏枝
「それでも今年の春まで居たんだ?」

オレ
「バンドやってたからな」

真由子
「バンド組んで歌ってるの?」

オレ
「いや、他のメンバーが今年卒業したから、もうバンドは解散したんだ」

真由子ちゃんはバンド好きでその方面では博識だった。そして彼女とは宏枝と知り合う前からバイト先で一緒だったこともあり、等しく仲が良かった。

真由子
「確かTWISTと同じ大学だったよね?関係はなかったの?」

オレ
「同級生だから、少しははあったよ(笑)」

真由子
「それで向こうは今やロックアイドルで、ユーイチはディスコのマネージャー?」

オレ
「そーゆー事(笑)」

由紀
「きっとユーイチもその内デビューするわよ^^」

宏枝が結婚するから会いに来たはずだが・・・バンドの話になると面倒だった。下手なオレたちのバンドに最初から関心を示していた真由子だが、未だにそこに興味を持っていること自体がやっかいなことだった。由紀は神戸からあまり外へ出ない。ミナミに、オレの居るところへ来るのも初めてだった。

由紀
「お店忙しいのにここに居ていいの?」

オレ
「ここまで忙しいと逆にすることがないから(笑)」

真由子
「でも、遊んでていいわけじゃないでしょう?」

オレ
「休憩時間をちょっと早めただけだよ」

JAZZのLIVEが始まった。レギュラーバンドで比較的オーソドックスな曲を普段からやっている。ボーカルは30代の女性でちょっとハスキー・ボイスだった。何度かMellowBeachにも来て、一緒に飲んだこともあった。

由紀
「それにしても来て良かったね!宏枝」

宏枝
「生死が確認できてよかった。(笑)」

真由子
「ずいぶん出世してるみたいだし」

オレ
「なんだかんだ言ってこのシゴトも長いから」

由紀
「今日はね3人で遅くまで遊ぼうという事になってるの」

オレ
「そっか、宏枝の独身最後の夜遊びなんだ?」

真由子
「ユーイチは何時まで仕事?」

オレ
「今日は朝4時まで^^」

できることなら、仕事を理由にこで終わりたかったが・・・彼女らは遅くまで遊ぶという。しかし、由紀が大人しくミナミで過ごせるとは思わなかったし、もし問題が起こると当然こっちへその矛先がくる。オレは覚悟を決めた。

オレ
「遅くまで遊ぶということは何処かホテルでもとってる?」

由紀
「まだ決めてない」

真由子
「後でディスコ行ってもいい?」

オレ
「いいよ。じゃーちょっと連絡しとく」

オレは店内の電話で連絡を入れた。VIPルームの確保を依頼し、ついでにDoホテルの支配人にも連絡してシングル3室をお願いしたが、満室でやりくりしてもツインを2部屋しか用意できない。と言われた。とりあえずそれでお礼を言って予約を入れた。たぶん今からではどこのホテルをあたっても満室だと言われるだろう。

その後、彼女たちをスピーク・イージーへ案内した。前田に彼女らをしっかりケアするように頼んで4Fにあがった。さっき案内した客が1組残っていた。

オレ
「あれ?まだ1Fへは?」


「いやここの方が面白そうなのでここで過ごすことにしました^^」

オレ
「そーでしたか!ありがとうございます」

一通り店の見渡し、常連客に挨拶をしてカウンターに戻った。

オレ
「今日はやっかいな客の接待で、つきっきりになるから後は頼む」

横山
「やっかいな客ですか?珍しいですね」

オレ
「うん。とんでもないのがひとり混じっているんだ(笑)」

横山
「土曜はいつだってとんでもない日ですから(笑)」

1Fに降りて正面から入ったが、まだ入店待ちの客はいた。今日は終電近くまでこの調子だろう。まさに稼ぎ時だった。そして店内を一周してVIPルームへ向かった。

宏枝と真由子はダンス・フロアーにでも居るのかそこには由紀がひとりでいた。

由紀
「ここは静かでいいわね」

オレ
「最近の流行なんだよ。VIPルーム」

由紀
「彼女できた?^^」

オレ
「ああ。たくさん居る(笑)」

由紀
「しょーがないわねー(笑)」

オレ
「こういう仕事やってるとつい」

由紀
「この間、東京の兄のところへ行った時、ユーイチの話になって兄も合いたがってたわ」

オレ
「そっか。満さんやっぱり映画のプロデュースの仕事が忙しいんだ?」

由紀
「そうみたい^^ユーイチも映画に出して貰えばいいのに」

オレ
「あははは^^」

由紀
「こっちでトラブルには巻き込まれてない?」

オレ
「あー大丈夫だ(笑)」

由紀
「何かあったら必ず連絡してよ?」

オレ
「そっちこそ!彼とはうまくいってる?」

由紀
「なんとなくね(笑)」

まるで昔別れた男と女の関係のような話だったが・・・そんな生易しい関係ではなかった。それは誰にも言えない由紀本人でさえ知らないオレの秘密だった。

このところのサーファーブームでファッションはすべてアメリカン・カジュアル。そして独特のコロンを使っているせいか連中は臭かった。何故か彼らにもうちの店は人気があり店内にもそれっぽい客が多かった。

真由子
「あーーー面白かった^^」

宏枝
「慣れると面白いね^^」

ふたりが戻ってきた。この時間、一般客にも抵抗がないような選曲でダンスフロアーには客が溢れていた。誰かに見られるという意識をできるだけ少なくして、初めての人にも抵抗感がないような演出をしていた。それらを含めてDJのセンスが問われた。

すぐにウエイターが氷の入った新しいグラスと、コークを数本持ってきた。オレは彼女らにアルコールの入っていないコークを渡した。

オレ
「さてと、次行こうか?」

真由子
「ここでいいわよ。ユーイチも居るし」

宏枝
「別に居なくてもいいけど(笑)」

由紀
「ユーイチ、付き合ってくれるの?」

オレ
「少しぐらいなら^^」

4階、MellowBeachに案内した。2回目のLIVEが終わった時間だったが、それでもほぼ満席に近い状態だった。オレは彼女らと一緒にテーブルに付き、メニューを見て勝手にオーダーした。暫くするとシャンパンが用意された。田川はそれをいい音を出して空け、それぞれのグラスに注いだ。

オレ
「じゃーあらためて、宏枝ちゃんの結婚を祝して^^乾杯!」

それぞれがシャンパングラスを掲げ乾杯した。

真由子
「このお店もユーイチが関係しているお店?」

オレ
「経営者が同じなんだ^^」

由紀
「ふーん。そうなんだ。面白そう^^暫く通うかな?」

オレ
「それは困った(笑)」

宏枝
「遊んでいるだろうと思っていたけど、とんでもないわね」

オレ
「だから、働いているんだって^^」

ウエイターが料理を次々と運んできた。メインは「タン・シチュー」これはバラの木にも負けない絶品のメニューだった。

オレ
「夜はこれからだから、しっかり食事して下さい」

オレはテーブルを離れ、キャッシャーへ向かい、そこからLINDAに電話を入れた。関川にボックス席の確保をお願いし、店の様子も聞いた。そして電話を切ると由紀ちゃんが近づいてきた。

由紀
「ホテルどこかあるかな?」

オレ
「近くのホテルにツインを2部屋確保したけど、それ以上は無理だった」

由紀
「ありがとう」

オレ
「神戸に帰るのならクルマで送るけど?」

由紀
「今日は帰らない(笑)ユーイチも宏枝と一緒に泊まる?」

オレ
「オレは朝まで仕事だって」

由紀
「そうだったわね」

オレ
「食事が終わったら、次行こうか?」

由紀
「えっ?まだいいの?」

オレ
「今日は最後まで付き合うよ(笑)」

オレは3人を連れてLINDAへ向かった。行く道すがら、そこここから声がかかり、大きなアクションでそれに応えた。土曜の夜の周防町は、終電がせまっていてもまだまだ人通りは多かった。

浜田がギターを弾いて、客が歌っていた。顔なじみの常連客と冗談を言い合いながら、ひとつだけ空いているボックス席へついた。

由紀
「へーギターを弾いて歌わせているんだ」

真由子
「リクエストして歌えるの?」

オレ
「あまりマイナーな曲じゃなければ大丈夫だと思うけど」

宏枝
「あなたは歌うの?^^」

オレ
「歌わない(笑)」

真由子
「バンドマンはカラオケで歌わないのね」

オレ
「みなさんの歌を聞いてるよ(笑)」

カウンターには関川がいた。何もオーダーしないうちからスコッチのセットとトロピカル・カクテルがサービスされオレにはジン・トニックが出てきた。

由紀
「ねーやっぱりここも?」

オレ
「さっきの店とは経営者は別だけど、運営はオレたちがやってる」

真由子
「スゴイね!ユーイチ^^私も通うわ」

オレ
「いっぱいお客さんを連れてきてくれるのは大歓迎だよ!^^」

宏枝
「少しはマジメにやってるのかと思ったけど、相変わらずねー」

オレ
「ん?お気に召しませんか?」

宏枝
「全然」

由紀
「なんか歌おう?」

他の客が歌っているのに触発されたのか、真由子が歌い由紀が歌い、そして臆していた宏枝までもが歌って彼女らはご機嫌だった。それが終わると浜田は休憩をとりに店を出た。

カウンターには見知った客が何人か居た。その中のひとりがこっちを見た。目が合うと・・・

客1
「ムーさん歌ってー^^」

せっかくしらばっくれて済まそうと思っていたのに・・・思いもしないところから声がかかってしまった。。。

由紀
「ふーーーん。歌うんだ(笑)」

真由子
「えっ!ギター弾いて歌うの?」

宏枝
「歌えー」

オレ
「んーーーじゃーちょっとだけf^^;)」

浜田はセミアコを使っていたが、オレはそこあるフェンダーをとりあげ、軽くチューニングをした。そしてリズムボックスを調整して・・・歌った。時折ベースやリードを混ぜながらmar'sの時に歌っていたオリジナルのバラードっぽい歌を2曲歌った。

由紀
「ユーイチ!すごいいいじゃない^^」

真由子
「ほんとびっくり♪バンド続けたら?絶対通用するよ^^」

宏枝
「ずっとやってたんだね」

オレ
「もう解散した(笑)」

由紀
「今度、お兄いちゃん連れてこよ」

オレ
「あっ!それは勘弁して^^」

由紀
「どーしてよ!お兄いちゃんも聞きたがると思うし」

オレ
「そんなことないから、無理に連れてこなくても」

由紀
「まっ暫くは私だけが楽しむことにするわ」

由紀のアニキの満さん。そんなのが来たら店が、いやミナミの夜がそれこそ大変なことになる。しかしきっとそれは時間の問題だろうと、今日最初に由紀を見た時から大きな不安として感じていた。

すでに時計は午前1時を回っていた。由紀はまだ大丈夫そうだったが他の二人は結構酔っていた。このあたりが限界のように思え、オレは彼女らをホテルに案内した。

由紀
「こんな楽しかったの久しぶりよ^^ユーイチ。ありがとう」

真由子
「また来よーーーとっ!」

宏枝
「たまには神戸にも帰っておいでね^^」

オレ
「じゃーおやすみなさい^^」

そう言ってオレはホテルを出た。暫く歩くと自販機を見つけ、コーラをふたつ買ってホテルへ戻り、宏枝の部屋に向かった。ノックするとドアが開いた。

宏枝
「あっ」

ドアを閉めようとしたが、オレは靴先をドアに入れて強引に部屋に入った。抵抗する宏枝をベッドに押し倒し下半身に手を入れた。下着の上から強く指を突き立てる。何度かそれを繰り返すと、宏枝は抵抗しなくなった。下半身の下着を取り払い、穴に乱暴に指を入れた。

そして宏枝の乱れた髪を指でかきわけ顔をみた。

眉間にシワがより目は堅く閉じられている。オレは自分の顔を宏枝の顔に擦りつけた。懐かしい匂い。キスをして優しく宏枝の舌を味わいながら、下半身の指の動きはまるで指で犯すように力をいれていた。そうすると宏枝の体が喜ぶのを知っていた。激しく指を使い続けた。宏枝の体に力が入り、突っ張ったかと思うと弛緩した。同時に穴の奥がは少し緩み熱い液体が溢れだした。

オレは自分のモノを出し、宏枝の手をとり触れさせた。

オレ
「ほらお前のオトコだ」

宏枝の手はゆっくりと動きオレのモノを緩く愛撫する。オレも宏枝のクリトリスを指で軽く撫で始めた。

宏枝の胸を開き、力強く乳を揉み乳房を荒っぽく口にした。指は再び穴に入った。今度は優しく穴の上側を愛撫した。知り尽くしている体は予想通りの反応を示し、オレの好みを知っている宏枝の指はオレのモノを愛撫しつづけた。

宏枝
「うぅー」

オレは横になりオレのモノを宏枝の性器にあてて動いた。素またの責めにあえぐ宏枝は苦しげな表情のままだ。敏感すぎるクリトリスはそれだけで絶頂には至らず、悶え続けた。オレは自分のモノに指を添えて穴を擦る。

オレ
「乗って欲しいか?」

宏枝
「・・・」

オレ
「乗ったらちゃんと声を出すんだぞ」

ゆっくりと宏枝の体の上にのり、宏枝のふとももを抱えて一気に挿入した。

宏枝
「あっあーーー」

広江の両手はベッドのシーツを掴み体は伸び上がって、すでに絶頂に達しようとしていた。間をおかず責めたてる。

宏枝
「あーーーあーーーあーーー」

口が開き声をだす宏枝の表情は、オトコを喜ばせるエロティックな表情だった。そして宏枝は絶頂感を暫く味わいぐったりとするが、オレの動きは止まらない。宏枝の上体はイヤイヤをするようにちょっと抵抗する仕草を見せたが、すぐに次にやってくる大きな快楽を思い出したようだった。

オレ
「ほら、すぐにきただろう」

宏枝
「うぅーうぅー」

声が漏れ始めるすぐにまた彼女は到達する。

宏枝
「あーーーあーーー」

今度はオレにしがみついてオレの背中に思いっきり爪を立てた。

オレはベッドを出て、中途半端に来ていたスーツをすべて脱ぎ裸になった。宏枝が身につけていたものも全部剥ぎ取った。ベッドに入り宏枝を抱き寄せた。ぴったりとオレの体に張り付く感触。それは宏枝の体独特のいい感触だった。

オレは宏枝の手をとりオレのモノを触らせた。宏枝の指はゆっくりと動き始めた。

オレ
「やっぱりお前が一番いい」

宏枝
「・・・」

宏枝の顔に顔を擦りつけた。

オレ
「上になれ」

宏枝は上になってオレのモノを銜えた。その瞬間に口が半開きになり、表情が変わる。

オレ
「ほら、もっとしっかり動くんだ」

上になった宏枝は大きなストロークで動き出した。しかしそれも長続きはしない。硬く目を閉じて何かに耐えるように動きが止まる。

オレ
「肘をついてかぶされ」

宏枝はその通りにした。オレは宏枝の腰を両手で持ってゆっくりと動かした。瞬間的に口元が開き眉間にシワがよる。オトコを残酷にするいい表情だった。必死に声を出さないようにしているのがわかった。

オレ
「キスしろ」

宏枝は口を近づけ、オレの舌を吸った。ひとつひとつを指示しないと自分からは決して何かをしようとしない女だったが、オレとのセックスのパターンは覚えているようだった。穴の奥いっぱいに入れたままに入れたまま宏枝の腰を強く動かす。

宏枝はキスをやめ顔を背けて声を漏らした。

宏枝
「うぅー」

このまま動き続けると、すぐに宏枝は声をあげていくだろう。オレは動きをとめた。両方の乳を掴み上体を起した。宏枝は結合部分を中心にオレの上に座る形になった。

オレ
「オナニーをするように自分で動け」

宏枝の腰が動きだした。オレのモノを根元まで銜え込んだまま段々と動きは早くなってくる。乳を掴んでいるオレの手を持ち、バランスをとるように激しく動く。
苦しげな表情で喘ぐ宏枝。腰の動きが微妙に変化した・・・

オレ
「ほら声を出して」

宏枝
「いっいくぅー」

「あーーーあーーーあーーー」

ぐったりとしてオレの上に倒れ込んだ。宏枝を脇にのけて上半身を起した。ベッドサイドのコーラのプルトップをひいて開けた。両足を開き間に宏枝を入れる。オレのモノの上に宏枝の顔があった。指示する前に宏枝はオレもモノに顔を擦りつけ始めた。舌を使いオレのものをしっかりと舐め指を使った。他の女だといかないはずが、不思議に宏枝にそうされるとオレは安心していくことができた。

オレ
「いくぞ宏枝」

快感と同時に放出する。そのタイミングを逃さず宏枝の指が動き、最後の一滴まで搾り取ろうとする。放出したものを宏枝はすべて口の中で受けて飲み込んだ。

オレは穴に指を入れ、ゆっくりと動かしながら

オレ
「来週電話する」

宏枝
「・・・」

オレは指に力を入れながら

オレ
「しない方がいいか?」

宏枝
「・・・して」

宏枝の体から離れ、スーツを着てホテルを出た。午前3時、あと1時間・・・ラストスパートのつもりで仕事に戻った。(笑)


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