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君の瞳は1万ボルト


1978年当時の「三越」の売り場のようですねー(笑)カラーTVが55000円ですか?家庭用ビデオデッキもそろそろ出てきたはずですが・・・もう少し時代背景としては進んでいたのではないか?と錯覚してました。(元の画像が削除されましたので差し替えました)

さて、「君の瞳は1万ボルト」78年秋の資生堂キャンペーンソングでした。堀内さんがソロで歌ってますが、本来アリスでやるはずだったのが、谷村さんが入院したため結果ソロになったとか・・・

アリスは前年にヒットを飛ばしメジャーになったのに相変わらず地方周りでコキ使われて体を壊したのでしょうね。^^
1978年9月PART3-----------

日曜日・・・PM6時

MellowBeachはLIVE時テーブルを少なくして客席をつくる。そうすることで100名超が入るのだが、すでに満席で立ち見も出ていた。mar'sClubの連中が動員をかけたのか?一般の客も結構集まっているようだ。間島の1曲目を客席の後方で聞いていた。

浜田
「そろそろスタンバイしようぜ」

オレ
「ん?あーそうだな」

オレはグラスの中のバーボンを飲み干した。一度MellowBeachの階段を下りて、厨房の横の内部階段を上がると、ステージ脇に出るようになっていた。暫く待った。3曲目が終わりMCになった。

間島
「今日はたくさんの方に見てきていただいてありがとうございます。それではお待ち兼ねのゲスト、私たちのボスに歌ってもらいましょう^^」

照明が暗転になる。オレと浜田は静かにステージ正面に立った。震えるような緊張感。浜田のカウントと同時にイントロが始まり、歌いだしと同時に一斉に照明がオンになった。

ライトを避けるように目の前のマイクに視線を集中し、声を振り絞る。2小節を過ぎたぐらいで遠くの客席をみた。立ち見が揺れている。その中にアイツがいた。一瞬リズムが途切れそうになり、視線が動かす。俯瞰で自分の姿をイメージしながら集中し歌い続ける。

短いサビ。リードギター。左側に居た浜田が前に出る。右を見る。ベースの長井と目が合う。オレは大きくうなづいてまたマイクの前に戻り歌う。

1曲目が終わった。

オレ
「こんばんわムトーです。mar'sが解散してから活動してなかったんですが、半年ぶりにです。短い時間ですが、最後までお付き合い下さい」

手を振りオフマイクでカウントをとる。ツー、スリー、フォー

2曲目、3曲目と連続で歌いきり暗転の中、ステージ脇に引いた。横山からタオルを受け取り汗を拭った。他の連中も次々と戻ってきた。そして会場からアンコールの声が聞こえてきた。

浜田
「どーする?」

オレ
「他に何かやれるか?」

間島
「他のmar'sのレパートリーは無理だと思います」

オレ
「じゃーオレと浜田だけでなんかやるか?」

浜田
「オッケー(笑)」

再び、ステージに戻った。ゆっくりと明るくなり手を上げる。大きな拍手がきた。

オレ
「えーーーと、実は3曲しか合わせてなかったので、mar'sの元メンバー浜田と二人でやります」

そう言っている間に、長井がセミアコを用意して持ってきた。

オレ
「ギターぐらい弾けって?(笑)」

長井は大きくうなづき会場に向けて拍手をすると、会場からも再び拍手が沸いた。

「ムーさん頑張って^^」

会場から声がかかる。

オレ
「じゃー頑張ります^^」

そしてバラードっぽい曲を2曲やって、ステージを降りた。非常階段の下で横山が待っていた。

横山
「お疲れ様でした。やっぱりムーさんシビレますよ!!!^^」

オレ
「お前はいつだって褒めてくれるな^^」

間島
「ほんとに良かったですよ^^」

浜田
「いや、よく声も出てたし良かったぜ!」

オレ
「おいおい皆で煽ててその気にさせようってか?(笑)」

魂胆はわかっていたが、それでも気持ちよく歌った後にオセージでも評価されると嬉しかった。(笑)そしてオレは着替えて階段を上り、MellowBeachに戻った。

帰る客と出くわす。

客1
「今度いつやるんですか?^^」

オレ
「いや、予定は全くありません(笑)」

客2
「mar's復活してー^^」

オレ
「そういうリクエストが多かったらね」

仲間ではない見知らぬ客からそう言われてちょっと驚いた。それなりにmar'sは知られていたんだと思うと、今更ながらにもっとしっかりとやっておくべきだったと反省した。(笑)

オレはカウンターに近づいた。

田川
「ムーさん昨夜のお客さんが」

オレ
「?」

客席に向かう。昨夜の・・・

由紀
「ユーイチ黙ってたなんてヒドイじゃない(笑)」


「よう!頑張ってるな」

オレ
「あっ満さんっ!」

全く気が付かなかった。ステージから全ての客を見たつもりだったが・・・立ち見の客がサイドにも溢れ、影になっていたのかも知れなかった。オレはそのテーブルに座った。満さんの隣にはダークスーツの男が居た。視線が会うと軽く会釈をしてきた。オレも会釈を交わした。

オレ
「見られてしまった?」

由紀
「今日の事、昨日教えてくれなかったわよね(ーー;)」

オレ
「いやー自分のバンドじゃないし、あくまで飛び入りだったから」


「昨日は由紀がずいぶん世話になったらしいな!ありがとう^^」

オレ
「いえ、懐かしい人を連れてきてくれてオレも楽しかったです」

由紀
「突然今朝帰ってきたのよ!私もつい自慢げに話してしまったら、すぐ行こうという事になったの(笑)」


「今度はオレと遊んでくれ(笑)」

オレ
「いやー大したおもてなしはできませんけど(^。^;)」


「ところで、さっきのバンドはお前のバンドじゃないのか?」

オレ
「えーうちのクラブの後輩連中です」


「何だそのクラブっていうのは?」

一通り、学校でのクラブの説明をした。そして当然ながら世良との関わりも聞かれて、正直にそれも話した。


「で、お前はいつプロになるんだ?」

オレ
「オレはプロにはなりません。(笑)」


「なんでだ?」

オレ
「自信ないし(笑)」


「オレが保証する」

満さんの「保証」それは決してオレの実力のことではなく、満さんが駆使できる力の「保証」という事で、ソレを使えばオレじゃなく誰でも売り出すことはできる。

田川
「すみません。ムーさん」

いいタイミングで田川が呼びに来てくれた。

オレ
「ちょっと失礼します」

そして他のテーブルに近づいた。

オレ
「ディスコよりうるさくてすみませんねー^^」

チーママ
「びっくりよ!かっこ良すぎ^^惚れ直しちゃった」

女の子1
「きゃー私もー」

女の子2
「バンド、すごくよかったわー^^」

玲子
「知らなかった。私も本当に驚いたわ」

オレ
「あはっ^^どもども^^」

「クラブ純子」のご一行様は早くから1Fスピーク・イージーに来ていた。そして約束通りLIVEをみせた。

オレ
「今度みんなでLINDAに行って一緒に歌いましょう^^」

そう言ってオレは満さんたちの席に戻った。戻りたくて戻ったわけではない。彼らから目を離すわけには行かなかった。

満さん
「紹介しておくよ!神戸芸能の高橋だ」

隣の男
「高橋と申します。どうぞよろしく」

オレ
「初めましてムトーです。よろしくお願いします」

彼は立ち上がり頭を下げ、名刺を差し出した。満さんと同じような年齢に見えた。それでも紹介されるぐらいだから、それなりの地位のようで名刺には営業部長の肩書きになっていた。オレは田川を呼びオレの名刺を持ってこさせ3人に渡した。それにしてもいきなり「神戸芸能」とは・・・だが深く考えないことにした。


「ユーイチ、何かあったら高橋に連絡しろよ!事務所は近くだしオレとも頻繁に遊んでいるから」

オレ
「はい。ありがとうございます」

由紀
「これで私も常連になれるわ^^」

オレ
「えっ?しょちゅう来る気?」

由紀
「そうよ覚悟してね^^」


「オレはお前の歌を聞きにくる」

オレ
「そんなに頻繁に歌ってないですよ」

由紀
「昨日のお店でいいじゃん」


「色んな店がありそうだな?その内オレも招待してくれ(笑)」

それから暫くして満さんたちは帰っていった。そしてほぼ同時に玲子たちも帰った。残っているのはクラブの連中と常連客、普段のMellowBeachになり静かになった。

オレはカウンターの中に入った。

浜田
「今までのmar'sのレパートリー全て練習することになったようだ」

オレ
「ん?」

間島
「さっそく来週から始めます」

オレ
「おいおい。お前たちはお前たちでmar'sとは別の音楽性があるだろう」

間島
「それはそれでやります。^^」

長井
「ムーさんデモテープつくりませんか?」

オレ
「ん?何だ?」

長井
「バンドの音楽に合わせて映像化すれば面白いんじゃないかと」

この時、長井の何気ない一言を聞いて愕然とした。そう。オレたちは芸大なんだ。そこには制作に必要な人と設備はすべて揃っていた。(笑)

オレ
「長井、お前いつからそんな事考えていたんだ?」

長井
「いや、いつからというか、たった今ふとそう思って」

オレ
「よし、ソレ相当の予算をつけるからお前らの卒業制作のオマケにしろ^^」

佐伯
「ほんとですか?^^いやー面白くなってきた。」

長井、佐伯はオレと同じ映像計画学科だった。特に本編志向の学生ではなかったが、やはりそこは学業との連動で大いに興味を示した。

浜田
「あれ?ムトーいやに乗り気だな?」

オレ
「ビデオパッケージにするんだ。絶対面白いぞっ!」

間島
「バンドの音楽と映像。それをパッケージにして配っちゃうんですか?」

オレ
「配る?ふむ。ビデオデッキ持ってたら家でソレが見れるな!」

間島
「プロダクションやレコード会社に送りつけてもインパクト大きいですよ」

長井
「学校の機材を使えばオン・エアー(放送)仕様にも耐えられる映像。じゅうぶん可能ですよ」

佐伯
「じゃー撮影は8ミリじゃなくて16ミリで行きます?金かかりますけど」

オレ
「よし16ミリでやろう!長井、佐伯、さっそく製作委員会つくれ!^^」

12時・・・

MellowBeachはクローズした。オレは「マージャンに誘われている。」という理由をつけて部屋のカギを浜田に渡した。長井や佐伯も同じように泊まるようだった。そして1Fに降りた。スピーク・イージーはこの時間でもまだ盛況だった。

オレ
「悪いが先にあがる」

松井
「おまかせ下さい^^」

オレ
「だけど、お前らとマージャンすることになってるから」

松井
「わかりました。^^」

松井と前田どちらかひとりが居れば、何かあっても問題はない。そして今日は前田も残っていた。オレはタクシーを拾い玲子のマンションへ行った。

玲子
「ずっとあんな風に過ごしていたんだ」

オレ
「ん?バンドで歌ったのは半年ぶりだよ」

玲子
「音楽もそうだけど、後輩や部下がたくさんいたんだ」

オレ
「そりゃーしとりじゃ何もできないでしょ(笑)」

玲子
「全然違う世界のあなたに見えた」

オレ
「そーかなー?」

そういえば、玲子はスピーク・イージーが再オープンしてからは来ていなかったし、ましてやバンドのメンバーやクラブの学生たちを見るのも初めてだった。もしかしたら年齢的なギャップを感じたのかも知れなかった。

玲子
「そのうちプロになってTVとかに出るようになるのかな?」

オレ
「ならない。ならない(笑)」

玲子
「どうして?」

オレ
「もうそんなに純粋じゃないから」

玲子
「どういうこと?」

オレ
「デビューすることはそんなに難しいことじゃないけど、売れるかどうか?それはわからない」

玲子
「あなたなら売れるわよ」

オレ
「そう言ってくれる人もいるけど、売れるまでが悲惨なんだ。たぶんオレはそんな状況に耐えられないと思う」

玲子
「そうなんだ」

オレ
「そしてそんなバンドはごろごろいる(笑)」

元はと言えば、学校の軽音(クラブ)にも入らず自分たちでなんとかしよう!というところから始まった。偶然にもディスコで働くようになり、ディスコを練習場所にすることができた。学校内にもmar'sClubというサークルを確立することもできた。そして自由になる小屋(SPEAK EASY & MellowBeach)を持つことができた。今はまだ出張ディスコや小さなファッションショー程度だがそれらに必要なPAや照明などの機材も揃ってきた。商業施設(百貨店のイベントスペース)へバンドを突っ込むことも可能になった。それらの過程の中でオレの志向性はいつの間にかプレイヤーから「プロデュース」へと傾いていった。

そして東京出店(ディスコ&LIVE)ができたらプロダクションをやってもいいと思っていた。もちろんそんなギャンブル性の高いビジネスだけでなく、バックグランドにはいわゆる「水商売」をしっかりとやり、収益を確保するための多店舗化を自前で進める必要もあったのだが・・・すべてを1からつくり始めるにはまだまだ時間がかかった。

一方でそんな風にアグレッシブに考える自分とひとりになって何処かでブラブラしたい!と思っている自分が居て日々揺れ動いていた。そんなユーヤの亡霊はいつだってオレの中に居たし、由紀や満さんの事も・・・

そして、バンドのプロモーションビデオ。これがとんでもない影響を及ぼすことになるのだが・・・それはもう少し先の話だった。^^


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