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路地裏の少年


浜田省吾1975年にバンドデビューしてたんですねー^^76年にこの曲「路地裏の少年」でソロ・デビュー。そして79年8月、日清カップヌードルのCMソング「風を感じて」がスマッシュ・ヒット(オリコン25位、10万枚)

メッセージがガキっぽい。アレンジが下手。ということで、当時はオレよりずいぶん若いやつだと思ってました。(笑)まー長く続ける秘訣はそのあたりにあるのかも?

1979年7月、この時初めてソニーの「ウォークマン」が発売されて初期ロットで5台ぐらい買ったのを覚えてます。^^
▼1979年10月PART3--------------

翌日・・・

11時・・・スカイ・オフィス

村上
「東洋産業の毛利さまからお電話です」

オレは受話器をとった。

オレ
「はい。ムトーです。昨日はありがとうございました」

毛利氏は六本木の物件の詳細を教えてくれた。住所とビルの名前、それに店名を聞いた。今のところオレにはそれだけで十分だった。

オレ
「わざわざありがとうございました」

オレは受話器を置き時計をみた。午後から新幹線に乗ると夕方には東京に到着する。その時間から営業中の店の様子を見て周辺の様子も見てこれる。

オレ
「さっちゃん。悪いけどこれから東洋産業からの電話は女と同じ扱いにしてくれる?」

村上
「了解です」

さっちゃんも我々の返事の仕方を覚えたようだ。どんなお願いの仕方であっても業務に関連することは、業務命令としての応え方「了解」という言葉を使うようになっていた。質問はしない。命令として受け取ったという意味だった。

オレ
「それから、今から東京に出張してくる。これは別にオープンにしていい^^」

村上
「わかりました。ホテルの手配は?」

オレ
「できれば赤坂あたりで^^」

村上
「はい^^」

オレは自室に入って出張の用意をしたシャツとネクタイのいくつかと下着、その程度だった。ダーク系のスーツを選んだ。着替えていつでも出て行ける支度を整えた。声が聞こえた。横山の声だった。オレは部屋を出た。

横山
「おはようございます^^」

オレ
「おはよう^^」

横山
「出張ですか?」

さっちゃんの電話の内容とオレの服装をみてすぐに嗅ぎつけるところはさすがだ。

オレ
「ちょっと桑名の事務所へ行ってこようと思って(笑)」

横山
「いきなり売れちゃいましたもんねー!またいい話聞かせてください」

オレ
「おう^^」

17時・・・

東京・六本木・・・喫茶「アマンド」

すでに場所は確認していた。ロアビルの5階。現在ディスコとして営業中だった。アマンドの店内を物色した。未成年っぽい女の子ふたり組を見つけた。暫くその様子を見ていた。待ち合わせの様子はない。話し込んでいる様子もない。そこへ近づいた。

オレ
「すみません。ちょっといいですか?」

女の子1
「えっなに?」

オレ
「ディスコへ行きたいと思ってるんだけど、ひとりじゃ無理みたいなんで一緒に入ってくれませんか?」

女の子1
「えーーーディスコ」

オレ
「もちろん支払いは任せてください。^^」

女の子1
「んーーーどーする?」

オレ
「是非^^」

オレは双方の女の子に笑顔を振りまいた。そしてちょっと強引に彼女らの腰を上げさせてアマンドを出た。

オレ
「おなか減ってる?先に食事に行こうか?」

女の子1
「いいけど、何処へ?」

オレ
「実は出張でこっちに来ていてほとんどわからないから君たちのよく行くところでいいよ」

そう言って近くのパブに入った。彼女らにいくつかのメニューをオーダーさせてオレはジン・トニックを頼んだ。

オレ
「大阪の不動産会社のサラリーマンなんだ。ロアビルの5階のディスコへ行きたいんだけど」

女の子1
「カーブスへ行きたいの?」

オレ
「そう。カーブス^^」

女の子2
「あそこは最近あんまり流行ってないよ」

オレ
「そーなんだ。じゃーこの辺りで一番のところはどこ?」

女の子2
「やっぱり、ヘヴンかなー?」

オレ
「じゃーカーブスのあとヘヴンにも連れてってくれる?^^」

彼女たちが食事をする間、この街の最近の様子を聞いた。流行っている店やその客層など、彼女らは結構詳しいようだった。もしかしたら毎日のように誰かに誘われるのを待っているのかも知れなかった。

そしてロアビルの5階のディスコに入った。入場料制で入店すると特に決まったテーブルはなく空いている席ならどこに座っても構わない。オレはカウンターでドリンクを受け取り、適当な場所を見つけてそこに腰を下ろした。

時間が早いせいか客はそう多くない。内装は数年前のデザインで、今の豪華なデザインと比べようもない。売りに出されている訳は一目瞭然だった。女の子たちは傍に座った。DJはただ皿を回すだけで、しゃべりは入らない。スタッフはボーとしてただ客が帰ったあとの後片付けをしているぐらいだった。店の広さ、客席数、ダンスフロアの大きさなどを確認するために彼女らに断って、オレは店内をゆっくりと一周しながら細かく見て回った。

オレは再び彼女たちを誘って、流行っている店にいった。流行っている店はやはり活気がある。店内は思ったより明るく、ダンスホールは仕切られていた。たぶん取り外しが可能なものになっているのだろう。風速営業の許可を取る時には外して許可が下りると取り付ける。そんな程度のものだろう。遮音効果として考えられているようだった。いいアイデアかも知れない。同じように店内をうろついた。この店の客層の方が断然良かった。

彼女たちに礼を言ってオレは先にその店を出た。

タクシーを拾って白金台に向かう。示した住所のあたりでタクシーを降りた。いくつかのマンションを見て周り目的のところを見つけた。

オートロック。マンション前のインターフォンで部屋番号を押してから呼出しボタンを押す。


「はい」

オレ
「ムトーです」


「えっ」

オレ
「ムトーユーイチです」


「ちょっと待って降りて行くから」

オレはそこで暫くまった。ドアの向こうにキョーコの姿が見えた。ドアが開く。

キョーコ
「びっくりしたー!どーしたの?ユーイチ」

オレ
「いや、ちょっと近くを通ったもんで(笑)」

キョーコ
「近くって(笑)どうぞ入って^^」

EVに乗り3階で降りた。そして部屋に招き入れられた。


「えっ本当にユーイチ?!^^」

オレ
「あっカメイさん。ご無沙汰してます」

カメイさんは立ち上がった。オレは傍によって大げさに両手を広げ軽く抱擁した。

カメイ
「何年ぶり?」

キョーコ
「mar'sの定演以来じゃないかしら?たぶん5年ぐらい前」

オレ
「髪も短くなってすっかりサラリーマンですけど(笑)」

彼女らが座っている場所にはワインがグラスに入っていた。キョーコは新しいグラスと冷えたビールを持ってきてくれた。グラスを置いたままビールは注がれた。オレはグラスを持った。

オレ
「会えて嬉しいです^^カンパイ」

そう言ってオレはグラスをちょっと上げてビールを飲んだ。

カメイ
「それにしてもまた会えるとは思ってなかったわ」

キョーコ
「それがね、「ちょっと近くを通ったから」って言うのよ^^」

オレ
「ははは^^ほんとは出張なんだ(笑)」

カメイ
「でも良かった。こうしてまた3人で飲めるなんて」

カメイさんはまったく昔と変わっていなかった。あの当時と同じく美人のままで嬉しかった。

カメイ
「東京へはよく来るの?」

オレ
「んーーー3ヶ月に1度ぐらいは」

カメイ
「じゃーこれからも会えるわね^^」

オレ
「はい^^」

カメイ
「嬉しいなー♪ねーキョーコ」

キョーコ
「まーそのー^^」

カメイ
「何照れててんのよ!こういう時は正直に^^」

ひとしきりカメイさんと一緒に店(アルファルファ)をやっていた時の昔話をして騒いだ。モデルの仕事をしながら、親戚に頼まれてアルファルファのママとして店を切り盛りしていた。友人のケースケに誘われてオレもそこでバイトしていた。そしてキョーコと知り合った。いつの間にか一緒に居ることが多くなった。しかしエッチをしたのはずっと後の事だった。(笑)

そして旦那をほっぽり出していることに気付きカメイさんは帰って行った。

オレ
「じゃーオレもそろそろ」

キョーコ
「もう少し居て?まだ私と話してないでしょ(笑)」

オレ
「いいのか?」

キョーコ
「うん。せっかく来てくれたんだから^^」

改めてキョーコはオレの正面に座った。じっとオレを睨むように見ている。「こういう時は逆らわない方がいい」あの時のおばちゃんの言葉を思い出した。(笑)先にオレが口を開くほうがいいと思った。

オレ
「ん?何?なんか怒ってる?」

キョーコ
「なんて言おうか・・・迷ってる」

オレ
「実はな・・・こっちで仕事しようと思ってるんだ」

キョーコ
「えっ」

オレ
「また1からディスコ・ボーイを始めようと思って(笑)」

キョーコ
「・・・」

オレ
「大阪も飽きてきたし、どっか行きたいなーって思ってたところなんだ」

キョーコ
「ちょと来て」

オレはキョーコに言われるまま後についた。ドアを開けて部屋に入った。キョーコはスタンドのスイッチをいれた。

キョーコ
「まだ7ヶ月なんだけど、裕子って言うの」

オレ
「・・・」

その子はベッドで寝ていた。あまりにも小さくて、それ自体が動くのか?そんな不思議な感情を持ってみていた。そして部屋を出た。

オレ
「お前の子なんだ。きっとかわいい子になるんだろうなー^^」

キョーコ
「それだけが生きがいなの」

オレ
「そっか^^」

キョーコ
「だから・・・もう来ないで」

オレ
「・・・わかった」

キョーコ
「・・・」

オレ
「いつだってお前が決めればいい^^」

キョーコ
「勝手な事ばっかり・・・」

オレ
「悪いな」

オレは静かにキョーコを見ていた。ひとりで子供を育てて行こうと覚悟を決めているキョーコ。何か力になってやれることはないか?と思ったが、どうやら何もないようだった。

オレ
「カメイさんにも会えたし、オレは満足だ(笑)」

キョーコ
「・・・」

オレ
「あっなんだ?泣くな」

キョーコ
「泣いてない・・・」

キョーコは下を向いて必死で我慢している。オレは傍によってキョーコを立たせて緩やかに抱いた。

オレ
「でも・・・困った事があったらいつでも言ってこい」

そういいながら背中を撫でた。

キョーコ
「うわーーーん」

とうとうキョーコはオレの胸に顔を埋めて泣き出した。しばらくそうしていた。キョーコはひとしきり泣いたあとオレから離れた。

キョーコ
「ごめん。シャツ汚してしまった」

オレ
「ん?これぐらい、後で舐めとく(笑)」

キョーコ
「アホっ」

オレ
「じゃー^^」

オレは上着をとって帰ろうとした。

キョーコ
「泊まってく?」

オレ
「えっ?」

キョーコ
「もう難しい事考えるのイヤ」

オレ
「・・・」

オレは両手を大きく広げた。キョーコは飛びついてきた。キスをした。何度も・・・

オレ
「先のことはわからないけど」

キョーコ
「そんな事考えないで」

オレ
「悪いな」

キョーコ
「いちいち謝らないで」

オレ
「エッチなことしていいか?^^」

キョーコ
「ダメ!うそよ^^」

そしてオレはキョーコを抱いてセミダブルのベッドで一緒に寝た。翌日の朝早くキョーコの部屋を出た。

大阪で会った時、本当に最後の夜だと覚悟を決めていたのだが、偶然にも次の日、芦屋霊園で会ってしまった。その時、キョーコが子供を抱えてこれからはひとりで生きていく。という事実を知った。両親はすでに亡く兄弟も居ないキョーコ。そしてオレは東京へやって来た。仕事だと言いながら・・・オレは一体何をしようとしているのか?自分でもよくわからなかった。

ホテルはチェックインしただけで利用しなかったが、着替えを取りに入っただけで支払いを済ませ新幹線で大阪に戻った。

▼14時・・・スカイ・オフィス

オレ
「ただいまー」

横山・村上
「おかえりなさい^^」

オレ
「先に着替えるよ^^」

オレは自室に入った。下着だけになって風呂場へ行き頭からシャワーを浴びた。そしてジーンズとTシャツに着替えた。冷蔵庫からバドを出した。

横山
「東京どうでした?」

オレ
「ひさしぶりだったから六本木あたりで飲んだ^^相変わらず向こうのディスコは遅れてるな(笑)」

横山
「ディスコですか?(笑)」

オレ
「新しく出来たミナミのディスコのどれか1軒でもあっちに進出すればウケるだろうな」

横山は何か感じたかも知れないが、オレはそれ以上その事について話さなかった。もう少し形が見えたら、その時にはキョーコの事を横山にだけは話しておこうと思った。

その後それぞれの責任者が出勤してきた。オレは自室に戻ってそこから東洋産業に電話を入れた。あいにく毛利氏は不在だった。

毛利氏との提携が出来なかった場合どうするか?やるのならいくつかのやり方があるが・・・

立地のいいところだから、多分居抜きの権利付きで譲渡したいはずだ。買い取る側はそんな現状に対して権利金を払いたくない。東京人相手じゃ値引き交渉もそんなに期待できない。向こうの言い値で買うのが一番早いだろう。全面改装を含めて、なんだかんで総額ベースで1億5000万ぐらいだろう。最低でも50%のキャッシュは必要になってくる。カンパニーが次の出店計画を止めて無理をすればなんとかなるが・・・どうする?今からだと急げば12月初旬のオープンは可能で、時期的にもいいスタートダッシュが望める。

とりあえずは早いこと毛利氏の動きをみて判断する必要があった。

デスクに戻った。すでに関川たちが出勤してきていた。ここで簡単に事務処理をしてからそれぞれの店に行くのだが、他店の責任者、仲間と顔を合わせてから仕事をするというのは安心感とともにライバル意識も同時に感じているようだった。これはここへ引越してきたひとつの効果かも知れなかった。

村上
「ムーさん。お電話です」

オレ
「ほい^^」

オレはデスクの前の受話器をとり外線のボタンを押した。

オレ
「ムトーです。」

「わかりました。すぐに伺います」

そう言って受話器を置いた。オレはもう1度自室に戻りスーツに着替えた。

オレ
「悪い^^先に出る」

「いってらっしゃい^^」

その場にいる全員から声がかかった。仕事でなかったらちょっと恥ずかしいぐらい声がそろった挨拶だった。

▼16時・・・東洋産業事務所

オレ
「おはようございます」

毛利
「どうも^^お呼び立てして」

相変わらずそれまでの姿勢はくずない毛利氏の対応はちょっと慇懃に感じた。

毛利
「先方とは金額ベースの交渉だけなんですが・・・」

オレ
「いくらですか?」

毛利
「8000万と言ってきています」

オレ
「高い気もしますけど、今のタイミングだと仕方ないんじゃないですか」

毛利
「というと?」

オレ
「カーブス昨夜、見てきました。」

毛利
「そうでしたか^^」

オレ
「競合ライバル店もいくつか・・・でも勝算は十分あります。」

毛利
「さすがに仕事が早いですね」

オレ
「全面改装して12月にオープンできれば初月から黒字は間違いないでしょう」

毛利
「全面改装にどの程度かかります?」

オレ
「金額で7、8千と期間の方はできたら1ヶ月以内と思ってますが、何しろ東京ですから」

毛利
「わかりました。時間との勝負ですね」

オレ
「はい。」

それだけを話してオレは東洋ビルを出た。1Fのクロスはまだ開店していなかった。心斎橋を北に向かって歩いた。そごう前からパルコ前あたりで周辺のディスコ各店のチラシマキが行われていた。その中の何人かがオレをみとめて小さく頭を下げた。SPEAK EASYでバイトしていた連中だった。

▼18時・・・喫茶「英国館」

オレ
「すみません。お忙しいところを」

村井課長
「私もちょうど会いたいなーと思ってたところです」

オレ
「SPEAK EASYもMellow Beachもなくなってから私自身はヒマなんです^^」

村井課長
「その分Maggie北新地にMary'sどれも絶好調じゃないですか」

オレ
「おかげさまでなんとか(笑)」

村井
「そろそろLINDAですか?^^」

オレ
「それもあるんですけど・・・もしかしたら東京に行く事になるかも知れなくて」

村井
「東京進出ですか!」

オレ
「まだどうなるかわからないんですけど一応六本木あたりなんですよ」

村井
「ほー中身は何です?」

オレ
「ディスコです(笑)」

村井
「そーですかー(笑)やっぱり一番得意なやり方で参入するんですね」

オレ
「私が現場に張り付こうと思ってます。それで色々と情報収集したいと思って村井さんにお願いできればと思いまして」

村井
「わかりました。私自身はこっちなのでわかりませんが、東京に居る後輩を紹介しますから何でも聞いて下さい。必要な情報は可能な限り調べさせます」

オレ
「是非お願いします。ありがとうございます」

オレは深く頭を下げた。初めて千日前ミルク・ホールでマネージャーになって以来、すべてこの人の適切なアドバイスと紹介でオレはこの世界でここまでくることが出来た。そういう意味では大恩人だと思っている。もしオレがこの先カンパニーを離れることになったら、村井さんにカンパニーの後見をしてもらおうと思っていた。

村井
「じゃー早速東京の連中に連絡しておきます」

オレ
「よろしくお願いします」

村井氏はこの時間から顧客周りをする一番忙しい時間帯だった。とりあえず用件だけの話で終わったが、これで必要な情報は瞬時に集まることは間違いなかった。とりあえず今できることはこの程度だった。次のステップで店舗デザインに入るわけだが・・・大阪なら沢木さんに任せておけばよかったが、東京ではそうもいかなかった。これも村井さんルートであたるしかないと思っていた。

▼19時・・・スカイ・オフィス

シャワーを使い。ジーンズとシャツに着替えた。バドを片手に持ち連絡事項に目を通していると電話が鳴った。オレは受話器をとった。

オレ
「はい。BPCです」


「ムーさん?」

オレ
「はい。そうですが・・・」


「今、新大阪の駅なの。どこかで会える?」

オレ
「(笑)じゃースコッチ・バンクまで来れるか?」


「うん。すぐに行く^^」

オレはもう1度スーツに着替えた。そして歩いてスコッチ・バンクに向かった。

店長
「いらっしゃいませ!^^」

オレ
「ご無沙汰してます^^」

ここに来るのも久しぶりだった。待ち合わせだと言うといつもの奥のソファ席に案内された。席に付いてウエイターが来る前に入り口で待ち合わせの人物が見えた。彼女が店内に入ってゆっくりとこっちへ近づいただけで一斉に注目を浴びた。しばらく見ないうちに栗色の髪はかなり長くなっていた。

沙耶
「ムーさん。ひさしぶりー^^」

オレ
「うん。沙耶も元気そうだな^^」

沙耶
「ムーさん。髪短くなったね」

オレ
「仕事一筋で音楽もやってないから(笑)沙耶は髪長くなったな」

沙耶
「うん。私も東京で頑張ってるよ」

オレ
「活躍は聞いてるし、たまに雑誌も見てる^^」

ウエイターにジン・トニックとモスコ、そしてオードブルのセットをオーダーした。沙耶は人気のファッション雑誌の専属モデルになっていたし、いくつかの平面広告にも出ていた。オレは時折思い出したようにそれらを見ていた。

沙耶
「でも我慢出来ずに来ちゃった^^」

オレ
「せっかく今まで我慢出来てたのにもったいない(笑)」

沙耶
「そんな意地悪言うと泣くぞっ(ーー;)」

オレ
「あはっそれは勘弁してくれ(笑)」

ウエイターがドリンクを持ってきた。軽くグラスを合わせて乾杯した。

沙耶
「ほんとはムーさんの顔みただけで泣きそうになったんだから」

オレ
「そっか^^オレはお前が居なくなった後、さんざん泣いたよ(笑)」

沙耶
「ほんと?!」

オレ
「あーほんとだ。浜田や長井もすぐ出て行って淋しくて(笑)」

沙耶
「なんかちょっと違うような気がするけど(笑)」

ほぼ1年ぶりに見る沙耶は変わっていない。いや見た目の美しさは目を見張るほどだった。もともとクォーターでスタイルはよく顔立ちははっきりとしていたのだが、やはり東京で仕事をするうちによりその美しさに磨きがかかったようだった。

オレ
「それにしてもキレイになったなー^^」

沙耶
「ふふふっモテモテなんだぞー^^」

オレ
「当然だ。(笑)彼氏とハッピーにやってるか?」

沙耶
「うん。」

オレ
「そっか^^それは良かった。一安心だ(笑)」

沙耶
「ウソだよー^^」

オレ
「あー?」

沙耶
「何人かと付き合ったけど・・・ダメっ」

オレ
「あらら・・・」

沙耶
「見た目はイイオトコなんだけど中身がなかったり、優しいけどキザだったり、人を歩くアクセサリーだと思ってたり、どうしようもないのばっかり(笑)」

オレ
「んーーー」

沙耶
「ムーさんこそ相変わらずモテモテなんでしょ?」

オレ
「いや、オレは(笑)」

沙耶
「失恋もして大変だったとか?」

オレ
「あははは^^そういう噂が広がってるんだ?(笑)」

沙耶
「大抵の事は知ってるつもり^^」

オレ
「昨日はオレ東京に居たんだぜ」

沙耶
「それも知ってる。」

オレ
「ホントに何でも知ってるんだな(笑)キョーコはなんて?」

沙耶
「あなたもユーイチと会ってきたら?って言われた^^」

オレ
「そっか」

沙耶
「そーだ。LINDA行こ^^ムーさんの歌聞きたいっ!」

オレ
「オッケー^^」

キョーコがオレに会いに行けと言ったのか?沙耶がウソを?いや沙耶はオレにそんなウソをつくわけがない。キョーコの真意がわからなかった。

そう言えば沙耶はMaggieを知らない。LINDAでギターを弾いているのは長井だった。関川は沙耶のことをあまり知らない。ちょうどいいかも知れなかった。

LINDAに入ると長井がギターを弾いていた。そして客が歌っていた。オレたちはボックス席に向かい合って座った。

沙耶
「長井さんもひさしぶり^^なんかカッコ良くなってるし」

オレ
「浜田が独立して長井も幹部で頑張ってるんだ」

ブランデーセットが運ばれてきた。オレは手早く水割りをつくった。沙耶のはかなり薄い水割りにした。

客のリクエストが終わると長井はこっちを見てギターを上げた。オレは頷いて上着を脱いだ。そしてセミアコを受け取り代わってもらった。

長井
「沙耶ちゃんところに行っていいですか?^^」

オレ
「あー頼む。行ってやってくれ^^」

オレが座っていた席に長井が座った。店内に見知った客は・・・一組居た。mar'sClubの現役学生がどうやら遊びにきているようだった。若い女の子を何人か連れて、顔見知りがいればそこへ向けて何か話しかけるようにMCを入れるのだが・・・今日は沙耶と一緒なのでそれはしなかった。ちょっと緊張する。そして1曲歌うと、もう1曲歌いたくなる。(笑)結果、2曲歌ってちょっと未練を残しながらギターを置いた。

長井
「じゃーオレは次行きます。沙耶ちゃん。会えて嬉しかった^^」

沙耶
「うん。これからしょっちゅうくるから^^」

オレは長井と入れ替わりテーブルについた。長井は後輩のテーブルに行って何かエラソーなことを言い次の店に移動した。

沙耶
「ムーさん。やっぱりいいー^^」

オレ
「そんな事言ってくれるのmar'sを知ってるヤツだけだ」

沙耶
「そんな事ないよ!みんなこっち見てるよ」

オレ
「それはお前を見てるんだ(笑)」

沙耶
「そう言えば、キョーコさんも聞きたいって言ってた」

オレ
「ひとりでギター弾いてサマになる楽曲は、みんな愚痴っぽいバラードになるからダメだ(笑)」

沙耶
「でも今日は私の事なのかなーって思っちゃった^^」

オレ
「あははは^^」

沙耶
「だから今度は私の番・・・」

オレ
「ん?」

沙耶
「今日はずっと一緒に居て」

オレ
「・・・」

オレは自分の水割りをつくった。沙耶は飲んでいないようだった。飲ませて潰すか?ちょっと考えたが諦めた。

沙耶がオレの元を去った理由・・・いつまで経ってもオトコとオンナの関係にならず、オレは沙耶にキョーコの影を見ていた。それに耐え切れず沙耶は東京へ行った。そしてオレとキョーコが再び会いその決着が着いた事でやって来た。そんな覚悟で来た以上、沙耶を納得させる方法はひとつしかなかった。

オレ
「ところで何処かホテル予約してるのか?」

沙耶
「あっ!すっかり忘れてた(笑)」

オレ
「オレ今、事務所暮らしなんだ」

沙耶
「知ってる!やっぱりそれも失恋のせい?」

オレ
「ははは^^一体誰に聞いたんだ?」

沙耶
「それは秘密(笑)」

オレ
「じゃー行こうか」

沙耶
「うん」

オレの失恋。きっとショーコが結婚する。という噂が広がり結果的にオレと別れたことで、オレが失意し、事務所暮らししている。という周辺の理解なんだろう。そしてオレと近い誰かと沙耶は連絡をとりあっているようだった。

タクシーを拾って生玉のホテルへ行った。沙耶はサングラスをかけオレに腕を絡ませて緊張する様子もなく部屋に入った。

何かいう前に沙耶は抱きついてきた。キスをした。サングラスがオレの顔に当たる。

オレ
「サングラスとっていいか?」

沙耶
「ごめん(笑)」

オレは沙耶のサングラスをとった。見覚えのあるサングラス。それはオレのだった。そしてその目は今にも涙が毀れそうになっていた。

オレ
「どーした」

沙耶
「ずっと会いたかったんだから・・・」

そう言った瞬間にその大きな目から涙がこぼれた。オレは抱きしめた。沙耶が可愛くて愛おしくてたまらない。できればこのままずっと抱いていたい。わかるか?オレは何年、何十年経ってもお前と会えば人前もはばからずこうして抱き合ってキスをしたいんだ。

しかしそんなオレの我侭で同じ事を繰り返すわけにはいかなかった。そしてそれはオレの方からより強く求めなければならなかった。

オレ
「沙耶、オレの前で裸になってくれるか?」

沙耶
「うん」

沙耶は服を脱いだ。下着をとり何も隠すことなくオレの前に立つ。長い髪と同じ栗色の薄い恥毛。完成された肢体、それは見ているだけで美しかった。

オレ
「ベッドに」

沙耶はベッドに入った。オレも裸になって沙耶の隣に・・・裸で抱き合いキスをする。オレの手は沙耶の股間に入った。割れ目に指を這わせた。少し力を入れて撫でる。沙耶の吐息が乱れた。ひだを開いて指を這わせる。熱く濡れていた。

胸にキスをする。沙耶の手がオレの頭を撫でる。

沙耶
「あーユーイチ」

指に力を入れ穴に入る。

沙耶
「あー」

穴の中を揉みほぐすように指を使った。沙耶の声が漏れ続ける。オレは指を抜いて沙耶の体に乗った。少し脚を抱えてゆっくりとオレのモノを入れた。

沙耶
「うあーーー」

大きなストロークで穴を責めた。沙耶の声は大きく、その喜びを声にする。徐々にスピードを上げた。声の変化を確かめながら一気に責め立てた。

沙耶
「あーーーあーーーあーーー」

沙耶の体は大きく反り返り、それまで強くオレのモノを締め付けていた沙耶の穴は少し緩んで熱いものがほとばしった。オレはゆっくりと沙耶の体から降りた。横抱きにして背中を撫で続けた。

沙耶
「愛してる」

そう言って沙耶は腕を回してオレに抱きついてくる。沙耶の体が上になった。

沙耶
「キスしていい?」

オレ
「ああ」

沙耶の体が下に移動する。オレのモノを舌を使って舐めた。そして口にする。あまり上手ではない。もしかしたらそういう事をしたことがないのではないかと思った。オレは上半身を起してそれをやめさせた。そしてベッドに座ったまま沙耶を抱き抱え、膝に乗せ挿入した。

沙耶
「あー」

オレはそのまま後ろに倒れこんだ。沙耶はオレの上で両手をついて体を支えた。沙耶の腰を掴んでゆっくりと動かした。沙耶の上半身が揺れ続けた。そして沙耶はいった。オレの体に倒れこんできた。気持ちのいい重さがオレの体を圧迫する。

沙耶
「こっちに帰ってきていい?」

オレ
「ダメだ」

沙耶
「・・・」

オレ
「せっかく東京でメジャーな仕事をしてるんだから」

沙耶
「そんなくだらない理由?」

オレ
「大事なことじゃないか」

沙耶
「絶対帰ってくるっ」

オレ
「いや、オレが東京へ行く」

沙耶
「えっ?」

オレ
「もしかしたら六本木に店を出すかも知れない」

沙耶
「ほんとに?」

オレ
「だから早まるな(笑)」

沙耶
「じゃーちょっと待つ(笑)」

沙耶の本気はわかっていた。こうなった以上何を言ってもダメなことも・・・そしてまた傷つくことになってもそれはもう覚悟の上のことなのだ。妹のように感じていた気持ちはセックスをしたことによって少しは変化が起きるか?と思ったが、なんら変わることはない。

それは沙耶とのセックスが良くないという事ではない。逆に思っていた以上にオンナとしての沙耶はいい。しかし沙耶に対してはその快楽を必死に我慢することさえオレにとっては一種の快楽だった。

それにしても、こうなる事はわかっていたはずなのに何故キョーコは沙耶を?それだけが気がかりだった。

そして翌日・・・沙耶を新幹線に乗せ東京へ帰した。


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