<< 憧れのスレンダーガール | main | トゥナイト >>
ハリケーン


ゴスペラーズが続きます。
PVの方も出来がいいのですが、あえてノーマルな方を^^

それにしても一旦更新が止まるとなかなかきっかけが掴めません(^。^;)

追記
動画が削除されたので、別のモノと差し替えました。

1979年10月PART5---------------

営業マン
「それじゃーサインをお願いします」

理沙はヤナセの納車証明書にサインを行った。これで正式にファイヤーバード・トランザムは理沙のモノとなった。そして営業マンと今後のサービスの担当者はもう1台のゴルフに乗って帰った。

オレ
「乗って^^」

助手席のドアを空けて理沙を乗せた。左ハンドルの為、助手席は右の道路側になる。オレは理沙が乗った後ドアを閉め運転席側に回ってトランザムに乗り込んだ。

エンジンをかける。V8/6600のエンジンがセル一発で始動する。腹に響く音。

理沙
「このクルマの匂いいいわね^^」

オレ
「新車の匂いだ。」

理沙
「中に乗っちゃうとこのクルマのキレイな外観がわからないわね」

オレ
「ははは^^そーだな。」

トルコン(AT)Dレンジにシフトしアクセルをゆっくりと踏み込む。西区、中央大通りを南に向かい、九条を過ぎたあたりで43号線に出て西へ・・・

新車なので3000キロぐらいまでは鳴らし運転ということであまりエンジンを回さないように・・・そんなウソは信じない。それまでにしっかりと回しておかないと、回らないエンジンになってしまう。

しかし、V8/6600はそんな事おかまいなしに2000回転ぐらいからの強烈なトルクでぐいぐいボディーを押し出していく。一気に神戸まで走った。

芦屋の宮川を北上して、芦屋有料道路の方へ向かう。右手の大きな邸宅を改造した店『スマイリング・リンカーン』の駐車場へトランザムを入れた。勾配のある階段を上がり玄関へ、表にスタンド型の看板があるだけで玄関周りはそのままだった。店内に入ると土足で当たり前のように入店できるようになっていた。黒服のウエイターが窓際のソファ席に案内してくれた。

珈琲を2つオーダーした。

理沙
「大きな家をこんな風にお店にしてるのね」

オレ
「内装にかける費用がなかったのかな?(笑)」

理沙
「でも逆にその方が落ち着いたフインキでいいんじゃない?」

オレ
「そーだな^^」

ウエイターがサイフォンで淹れた珈琲を運んできた。その後ろに昼間からタキシードを着た平井が居た。

平井
「ムーさん。いらっしゃいませ!おひさしぶりです^^」

オレ
「うん。流行ってるようじゃないか^^」

平井
「まだまだオープンしたばかりなんで」

オレ
「紹介しとくよ!友人の理沙さん。こちらはオーナーの平井君」

理沙
「お店らしくないところがいいですね^^」

平井
「ありがとうございます。^^どうぞごゆっくりして下さい」

平井は言葉少なげにその場を離れた。

理沙
「友達だったのね?」

オレ
「もともとここはヤツの自宅だったんだ。」

理沙
「そうなんだ。芦屋の邸宅がそのままお店っていうのがいいじゃない」

オレ
「オレが最初の店でマネージャーになった頃、偶然にもヤツがバイトで入ってきたんだ」

理沙
「あなたがディスコ・ボーイになったきっかけのお店ね!」

オレ
「(笑)」

もうずいぶん古い話のように思えるが・・・5年前、ミルク・ホールで働いていた頃の仲間だった。SPEAK EASYに移る時に営業部長と揉めたこともあって、彼はそのままミルク・ホールに残ることになった。

オレ
「ところで明日は何時ごろにこっちを出る?」

理沙
「向こうでお昼をとってから友人の旅館へ行ければいいと思ってるんだけど」

オレ
「オッケー。他に京都で行きたいところは?」

理沙
「せっかくだから神社とかお寺とかも行こうか?」

オレ
「付き合うよ(笑)」

30分ほど居てオレたちは平井の店を出た。そして大阪ミナミまでクルマで戻った。理沙は美容院へ行きそのまま店に出る。オレは事務所の地下駐車場へトランザムを停めた。

心斎橋の本屋へ寄って、道路地図と京都の詳細地図、京都の観光の本、それに頼んでいたCG(カーグラフィック)トランザム特集のバックナンバーを受け取り向かいの喫茶「ハーフ」に入った。

珈琲を注文し、入り口のピンク電話から事務所に電話を入れた。席についてCGを見ていた。トランザム用のエアロパーツ。あまりゴテゴテした仕様にしたくない。やるなら少し足回りを強化したいと思ったが・・・あのクルマにはあまり意味がないかも知れない。


「ムーさん。^^」

オレ
「ん?えーーーとカズミちゃんだっけ?^^」


「はい。ちょっといいですか?」

オレ
「うん。どーぞ!ひとりで退屈してたんだ(笑)」

いきなり声をかけられた。そう言えばこの店には昔から相愛女子の高校生がよく来ている。オレも昔少しだけ付き合っていた子とここでよく待ち合わせをした。


「学校帰りで、川端さんと待ち合わせなんです」

オレ
「そっか。土曜だしミナミで遊ぶんだ^^いいなー」


「今日は、川端さんが長井さんにお願いに行ってるんです」

オレ
「そう。^^」


「実は、今度の文化祭でうちのクラスは『歌声喫茶』をしようということになったんです」

オレ
「歌声喫茶とはまたレトロな^^」


「それで、川端さんにお願いしたら長井センパイに相談してみるって」

オレ
「そっか!じゃー長井か佐伯がきっと手伝ってくれるだろう」


「ムーさんは?」

オレ
「えっオレ?」


「ユーコもお願いしてみる!って言ってたから」

オレ
「あっここんとこバタバタしてて、まだ聞いてなかった」

何度かユーコから電話が入っていたが、オレは忙しさにかまけてアレ以来話していなかった。相愛女子の文化祭・・・高校2年の時に行ったきりだった。

オレ
「実は、ユーコが怒ってるんだ。オレがウソをついてたって、もちろんそうなんだけど、なんか聞いてる?」


「私、ユーコは知ってるもんだとばかり思って、色々川端さんから聞いてたこと話したら・・・知らなかったみたいで」

オレ
「うん。全部オレが悪いんだ。だから別にカズミちゃんが気にすることじゃないんだ」


「でも私もびっくりしました。^^川端さんなんかムーさんの事、伝説のセンパイでほとんど話したことない。って言ってましたから」

オレ
「あははは^^オレはあんまり学校へ行ってなかったから、そういう噂だけが一人歩きしてるみたいだ(笑)」


「うちのクラスでもムーさんは有名人になってますよ^^」

オレ
「そっか・・・じゃーオレも文化祭に招待してくれる?」


「是非!」

オレ
「ありがとう。^^ユーコにもそう言っとく」

その後、川端が現れた。オレと一緒に居るところを見て驚いた様子だった。川端は偶然にも事務所に行って長井と打ち合わせをしていたらしい。そしてオレも顔を出す言うと、是非一緒に何かやりたいと言い出した。長井と相談して楽曲を決めるように言ってオレは先に店を出た。

▼17時・・・スカイ・オフィス

すでに事務所にはさっちゃんだけが居た。オレはさっちゃんに上がるように言って、連絡事項ノートをチェックしていた。

村上
「さっきまで長井さんが来てました。」

オレ
「入れ違いだったなーなんか言ってた?」

村上
「特にはありません。それから何度か電話がありました」

電話が鳴った。さっちゃんが出た。

村上
「お電話です。さっきの方です^^」

オレは目の前の受話器をとり、外線ボタンを押した。

オレ
「はい。ムトーです」

「じゃーそこに居てください。今から向かいますから」

オレは受話器を置いた。着替えずにオレはそのままさっちゃんと一緒に事務所を出た。

▼心斎橋マグドナルド

オレ
「オッス!^^だいぶ早くからこっちに居た?」

優子
「学校終わってすぐぐらいから」

オレ
「ヒロミちゃん。ひさしぶりー^^」

ヒロミ
「あっこの間はごちそうさまでした^^」

オレは一瞬考えた。そう言えば以前ウイリアムスで彼女らの伝票をオレが支払った。その事を言ってるんだと理解した。

オレ
「今日はふたりでどっかアソビにいくの?」

優子
「行かない」

ヒロミ
「今日はムーさんにちょっと相談があって」

オレ
「そう^^どんな相談?」

ヒロミ
「実は、文化祭で・・・」

ヒロミは本来はユーコが言うべきことだと思っているせいか、言いにくそうだった

オレ
「オッケーわかった」

優子
「何がわかったの?」

オレ
「だからわかったって(笑)」

優子
「まだ何も言ってないでしょ!」

ユーコのご機嫌は相当悪いらしい。ふたりっきりならちょっと遠慮するところだが、ここはヒロミも居ることだしちょっとからかってみようと思った。

オレ
「だって優子の顔に書いてあるじゃないか」

優子
「何言ってんのよ」

オレ
「文化祭に来て欲しいって」

優子
「・・・」

オレ
「そして、ギターを弾いて欲しいって」

優子
「えっ!」

オレ
「ヒロミちゃん。ユーコの顔に書いてるよね?(笑)」

ヒロミ
「えーーー?何処に?」

優子はヒロミと見合った。真剣に確かめるように見合っていた。

オレ
「あははは^^」

オレはハンバーガーを頬張りながら、ふたりが驚いている様子を見ていた。ユーコは益々怒り出した。

優子
「どーして知ってるのよ!!!」

オレ
「オレはユーコのことは何でもわかるんだ」

優子
「・・・」

オレ
「そのポテト食っていい?」

ヒロミ
「どーぞ(笑)」

優子
「カズミの彼に聞いたの?」

オレ
「さっき喫茶店でマンガ読んでたら偶然カズミちゃんと会った」

優子&ヒロミ
「えっ!」

オレ
「川端と待ち合わせしてる喫茶店に偶然オレが入ったんだ(笑)」

ヒロミ
「じゃームトーさんも来てくれるんですか?」

オレ
「ユーコのオッケーが出たら行こうと思ってる」

ヒロミ
「良かったじゃないユーコ^^」

優子
「・・・」

オレ
「川端は長井に相談したらしいけど、入れ違いでまだ長井から詳細は聞いてないんだけどね」

優子
「だったら最初からそう言えばいいじゃない」

オレ
「あははは^^」

優子
「それで?」

オレ
「ユーコさえ良ければ」

優子
「じゃー来てもいい」

ヒロミ
「ユーコそんな言い方・・・」

優子
「いいのっ!」

オレ
「我侭娘なんだから(笑)」

優子
「我侭なのはそっちでしょ!!!」

オレ
「相当ご機嫌よろしくないようだな^^」

ヒロミ
「すみません」

ここ数日オレと連絡が取れなかったこと、それに対して電話もなかったこと、それまでの事情も含めてユーコは苛立っているのはよくわかっていた。それにもまして学校の行事でオレにお願いしなければならないことに憤りを感じていたようだった。

オレはその行事のタイム・テーブルの作り方を教えた。縦軸を基本に時間別のスケジュールを書いたものを事前にこっちに渡すようにお願いした。前日の仕込み(用意)機材の搬入出、必要な電源確保、その他、学校で用意できる電飾や効果照明など、一般のイベントと同じ扱いで書面にするやり方を教えた。

ヒロミ
「どんな風にまとめようかと思ってたんです。ありがとうございました」

オレ
「事前にある程度歌う曲がわかってたらベストなんだけど、一応傾向として参考程度にわかったら教えといて^^」

優子
「ありがとう。。。」

オレ
「どーいたしまして^^」

ヒロミは一応目的を果たすと気を利かせて先に帰っていった。

オレ
「歌声喫茶。ウケそう?」

優子
「クラス全員が賛成した」

オレ
「ユーコのプラン?」

優子
「言いだしっぺはカズミ・・・」

オレ
「そっか(笑)」

優子
「カズミが『ユーコの彼に頼めばバッチリでしょ』って」

オレ
「ユーコは賛成じゃなかったのか?」

優子
「だって・・・」

オレ
「だって何だよ?」

優子
「もう別れようかと思ってたし」

オレ
「・・・」

なんとなくソレはオレも感じていた。ユーコがそう思っているんだったらオレは出来るだけ直接的に関与せずにフェードアウトするつもりだった。

オレ
「今回の件は気にしなくていい。大阪芸大mar'sClubのボランティアだと、クラスの皆にもそう言っていいから^^」

優子
「・・・」

オレ
「最初で最後のパーティーだと思って楽しくやろう^^」

優子
「何でそんな風に簡単に言うのっ!」

ユーコはオレを正面から睨んでいた。そしてその目には見る見る涙が浮かんできた。ヤバイ・・・ここで泣かれたら

優子
「なんでそんな・・・うわーーーーん(泣)」

店内の客が一斉にこっちに視線を向けた。ユーコはおかまいなしに泣いている。オレは革ジャンのポケットを探ったがハンカチなんか入っていない。慌てて店のペーパーを渡そうとした。

オレ
「わかった。わかったから泣かないでくれ」

優子
「だってユーちゃんが」

オレ
「うん。そうだ。オレが悪い。ゴメン。謝る。だから」

それでも暫くユーコは泣いた。冷たい周りの視線。もしかしたら店の人から注意を受けるかも知れない。オレはそこから早く出たかった。

オレ
「行こう^^」

オレはユーコを強引に立たせて店を出た。ひとりで歩かせるわけにもいかず、手を回してユーコを抱くようにして歩いた。そして事務所に連れていった。

大きなテーブルの前に座らせた。冷蔵庫からバドとコークを取り出し、氷を入れたグラスと一緒にユーコの前に置いた。

オレ
「それにしても大きな声だったな(笑)」

優子
「ユーちゃんがヒドイ事ゆーから」

オレ
「えっ?オレそんなヒドイ事言った?」

優子
「・・・」

わかった。きっと誤解だ。でももうその話は終わろう。誰がいなくても泣かれるのはゴメンなんだ。暫く放っておくほうがいいと思った。

オレはピンボールに100円玉を入れた。1球目からエキストラを狙う。台を少し押す。「TILT」が出てしまいフリッパーが動かなくなってしまった。今日は調子が悪い。スコアよりも癖のあるその台特有の裏技が決まらない。3球目も失敗した。

優子
「ヘタクソ」

オレ
「ん?ちょっと調子が悪いだけだ。この台ボロだし(笑)やってみろよ」

オレはコインを入れてユーコと代わった。1球目を右のフリッパーで受け止めてゆっくりと点滅しているエキストラボタンを狙う。見事に決まってファンファーレと共にボールが1球増えた。その後のスコアも良くいっぱしのピンボーラーの成績を残した。

オレ
「チクショー(笑)」

優子
「ふんっだ」

オレ
「ゲーセン行って特訓したな?」

優子
「してないよ」

オレ
「いーやしたはずだ。でないとこのスコアは出ない」

優子
「センスの問題でしょ^^」

オレ
「あははは^^」

この日始めてちょっとすましたユーコの笑顔を見ることができた。

オレ
「じゃー送って行こう^^」

優子
「・・・」

オレ
「新しいクルマなんだびっくりするぞ!」

優子
「ユーちゃん。」

オレ
「ん?」

優子
「私・・・どうしたらいいの?」

オレはユーコを立ったまま軽く抱き寄せた。ユーコの頭を持って抱いた。少女っぽいいい匂いがした。

オレ
「あんまり深く考えないで、これまで通りでいいじゃないか」

優子
「私は、ユーちゃんの彼女?」

オレ
「・・・そうだ」

ユーコは伸び上がってキスをしてきた。オレは舌を入れてユーコの舌を吸った。強く緩く、ユーコの体がから力が抜けていくのがわかった。オレはそばのイスに座りユーコを膝の上に乗せた。ユーコはオレの体に腕を回した。

キスをしながらユーコの胸をまさぐった。セーターの下から手を入れてシャツのボタンをはずす。ブラジャーを跳ね上げて乳を手のひらで揉んだ。小さな乳首が手のひらで転がった。ユーコを抱き寄せて両方の乳を強く撫で続けた。指で掴んで揉み上げるように・・・固く目を閉じているユーコの眉間に皺が寄る。

胸から手を放した。抱きしめてキスをした。

オレ
「送っていくよ」

優子
「・・・」

オレ
「来週の火曜日、楽しみにしてるよ」

優子
「ジャグジー?」

オレ
「うん」

優子
「その時・・・してもいいよ」

オレ
「ん?」

優子
「・・・」

オレはまた軽くキスをした。

トランザムに乗せてユーコを自宅まで送って行った。帰り際になってようやくいつものユーコに戻ってオレは安心したが・・・

そのまま43号線に戻り大阪とは逆の方向に走った。神戸、元町、ヨーコの店の前にクルマを停めた。

表のオープン・カフェには客は居なかった。店内に入ると半分ぐらい客が居た。カウンターに座る。

▼20時・・・パームツリー


「いらっしゃいませ。^^ヨーコさんちょっと出てますけどすぐに」

オレ
「そう。あっビール下さい^^」

この間ショーヘーときた時に居た女の子だった。表に居る子はこの間の子ではなかった。バドワイザーの缶とグラスがカウンターに置かれた。店内では何組かの客が同じように酒を飲んでいた。

オレ
「土曜は忙しい?」


「昼間はそうでもないですけど、夜のお客さんは多いです^^」

オレ
「そっか^^」

もう少し効果的に照明を変化させてギターでも弾けば、それっぽくなるな?と思った。バドを飲み干すと後ろで声がした。

ヨーコ
「ユーイチ。じゃなかったヒロ^^来てくれたんだ?」

オレ
「ちょっと通りがかったから(笑)」

ヨーコ
「もしかして表のトランザム?」

オレ
「(笑)」

ヨーコ
「うそー見せてー^^」

オレ
「オッケー(笑)」

ヨーコはカウンターの中の女の子にすぐに戻ると言ってオレと一緒に再び店を出た。

ヨーコ
「イーグルマスクにデカール^^やっぱりトランザムはコレよね!」

ヨーコはクルマの周りを一周しながら丁寧に見て回った。キーをヨーコに渡した。オレは助手席にまわりこんだ。

ヨーコはシートとバックミラーを調節してセルを回した。ドッドッドッ!V8/6600のエンジンが始動した。

ヨーコ
「すごい!ユーイチこれ新車じゃない」

オレ
「たまたま去年のモデルがあったからつい(笑)」

ヨーコ
「トランザムは今のより絶対コレが美しいわ」

ヨーコはクルマを出した。最初はゆっくりと車体の間隔を確かめるようにいくつかの交差点を回った。そして43号線に出てスピードを上げた。

オレ
「最初から回していいぞ」

ヨーコ
「オッケー♪」

ヨーコはアクセルを踏み込んだ。圧倒的なトルクでトランザムは加速した。オレはカーステにカセットを突っ込んだ。

交差点で止まるたびに隣の車が覗き込んでいるのがわかる。まして運転しているのが女だとわかるとその視線は離れない。迫力のトランザムに女。注目されないわけがなかった。

ヨーコ
「んーーーやっぱり気持ちいい^^」

オレ
「圧倒的なパワーでがんがん走る。それがこのクルマの良さだな(笑)」

いつの間にか須磨の海岸線に出ていた。ヨーコはレストランの駐車場にクルマを入れた。

ヨーコ
「最近できた店なんだけど流行ってるわね」

オレ
「土曜だからな」

オレたちは店に入った。4人掛けの窓際、海が見える席に案内された。だか今の時間、そこから見える海はただ暗いだけで行き交う船の灯りしか見えない。ヨーコはバドといくつかの料理を注文した。

オレ
「店ほっといていいのか?」

ヨーコ
「たまにはいいのよ。それにふたりでドライブするなんて初めてじゃない^^」

オレ
「そう言えば、そーかな?(笑)」

ヨーコ
「あのSRもすぐに評判になっちゃったわよ」

オレ
「そりゃーオープンでイイオンナが走らせてりゃー評判になるさ」

ヨーコ
「あんなに丁寧に手を入れてくれてありがとう^^」

オレ
「アレは出来る限り長く乗る」

ヨーコ
「嬉しくてついプレゼントされたってお客さんにも言ってしまって(笑)」

オレ
「あははは^^新しい彼氏に誤解されるぞ」

ほとんど同時にバドと料理が運ばれてきた。ビンのバドの栓を手でとりオレはヨーコのグラスにビールを注いだ。同じようにヨーコもオレのグラスにそれを注いだ。

軽くグラスを合わせた。

ヨーコ
「この間、3人で食事しようと言ったけど、止めていい?」

オレ
「ん?」

ヨーコ
「なんか急に冷めちゃって」

オレ
「一緒にメシを食うのが?」

ヨーコ
「ううん。もう交際やめるっ(笑)」

オレ
「なんだー?それでしつこくされたら・・・またオレの出番か?」

ヨーコ
「うん。そーなったらよろしく^^」

昔、ヨーコが付き合っていた相手と別れる時、しつこくされると必ず裕也かオレが新しいオトコ役で相手に脅しを入れたものだった。

オレはタコスに似た料理を手で持って食った。味は濃くスパイスが効いていて旨かった。いくつでも食べられそうだった。

ヨーコ
「暫くはお店で頑張る事にしたの(笑)」

オレ
「ったく。しょーがねーなー(ーー;)とっとと結婚でもしれくれればと思っていたのに(笑)」

ヨーコ
「まだまだイヤよ」

オレ
「きっと裕也もため息ついてるだろうな(笑)」

ヨーコ
「ヒロ・・・長いこと裕也の代わりさせてゴメンね」

オレ
「きっと風呂場でヨーコの裸見た時からそーゆー運命だったんだ^^」

ヨーコ
「あははは^^」

ヨーコはオレのグラスにビールを注いだ。そして自分のタコスをオレの皿に移した。

ヨーコ
「うちのバイトの女の子たちに私の弟だと言ったらびっくりしてた」

オレ
「出来の悪そうな弟だって?(笑)ショーカイしてくれよ?」

ヨーコ
「ダメよ!(笑)そーいえばフラれたって言ってたわね」

オレ
「ん?あーオレが遊び過ぎて(笑)」

ヨーコ
「ヒロは裕也と違ってそういう事あまりしないはずだったのにね」

オレ
「商売柄、誘惑が多くて(^。^;)」

ヨーコ
「そう。(笑)」

オレはヨーコの分のタコスも食った。

オレ
「だけどオレやショーヘーが頻繁に出入りすると、ヨーコファンの客は減るだろうな」

ヨーコ
「どーしてよ」

オレ
「元不良少年を操る怖いアネゴだと思われるじゃないか」

ヨーコ
「あはっ!それいいじゃない(笑)」

「ヒロ・・・楽しいね^^」

「ほんとに頻繁に来てよ」

オレ
「メシ食わせてくれるんなら(笑)」

ヨーコ
「お安い御用よ^^」

帰りはオレが運転してヨーコの店の前でトランザムを停めた。オレは先に下りて反対側に回った。ヨーコが降りるのを待った。店の表でオレはヨーコを軽く抱いた。ヨーコのいい匂いがした。

オレ
「ほんとはキスもしたいんだけど店の前だからやめとく(笑)」

ヨーコ
「(笑)次はキスしよ^^」

オレ
「おう!じゃー」

ヨーコ
「うん。気をつけて」

オレはトランザムに乗って走りだした。ヨーコは暫くみていた。

オレに兄弟は居ない。沙耶が妹ならヨーコはまさしく姉貴だった。そういう肉親に近い愛情だった。ちょっとドキドキしながら抱き合いキスをする。ずっとそんな距離感でいたかった。もっとも沙耶とはエッチをしてしまったが・・・(^。^;)


一度事務所に戻りシャワーを使った。着替えをバックに詰めて、キッチンの冷凍庫からタン・シチューの用意を圧力鍋とともに持ち出した。

▼24時・・・メゾン西本町

ダイニングテーブルに食事の用意をした。リビングのソファで道路地図と京都の市内地図をみていた。

玄関の開く音がした。理沙が帰ってきた。

オレ
「おかえりー^^」

理沙
「ただいまー!なんか変な感じ(笑)」

オレ
「どーして?」

理沙
「先に来てるとは思わなかったから」

オレ
「メシの用意できてるから着替えたら」

理沙
「えーほんとっ!じゃーすぐに着替える」

オレはキッチンに入り、タン・シチューを温めた。氷をクラッシャーにかけてワイングラスに梅酒を注いだ。サラダを盛って、シチューを用意した。それぞれをテーブルに配置した。

理沙
「うわー本格的なんだ^^」

オレ
「明日は和食だろうからちょっと濃いのをつくった」

オレは理沙の正面に座る。梅酒でカンパイした。

理沙
「美味しい。コレ梅酒?」

オレ
「濃いだろう?バドを飲みながら飲むとまた旨いんだ(笑)」

理沙はシチューの蓋をとった。ナイフ・フォークを使い口にした。

理沙
「ユーイチ。すごい^^美味しいわ」

オレ
「そっか。^^」

理沙
「こんな事できるんだ。今まで私が作ってたのなんか恥ずかしい(笑)」

オレ
「ははは^^店で出してるやつをアレンジしただけだから」

オレは今日のキャッツの店の様子を聞き、何人かの常連の話題を聞いた。理沙はいつもは小食だがキレイに残さず食べた。

リビングのソファに移ると理沙はブランデーの用意をしてオレの隣に座った。京都の観光スポットの本を見せて、明日行くところを選ばせた。オレは理沙の友人がやっている旅館の住所を確かめて、京都市内のマップで大体のところを頭に入れた。

カーグラのトランザム特集を見せた。アレがどれだけいいクルマか理沙に説明をしながら・・・

理沙
「トランス・エーエムって言うんだ?」

オレ
「そうトランザムって呼ぶのは日本だけなんだ」

理沙
「デカールもいいね^^」

オレ
「うん。紺色のボディーに金の火の鳥!バッチリだよ!ホラこれ見て」

理沙
「うん?」

オレ
「これが今の79年型なんだけど、フロントグリルが違うだろう?」

理沙
「そう言われれば、イーグル・マスクの方がいいわね」

オレ
「そう。^^トランザムはイーグルマスクでないとダメだ(笑)」

理沙はいきなり抱き付いてきた。そしてキスをした。

オレ
「ん?どーした」

理沙
「ユーイチ。なんか可愛くって^^」

オレ
「ははは・・・」

▼翌日・・・

午前中に名神高速に乗り京都南で降りた。市内に入ってトランザムを停めようと思っていたが、民間の駐車場はどこも「外車お断り」が多くて苦労した。小型のヨーロッパ車ならなんとかなるのだろうけど、アメ車はことごとく断られてしまい予定が大きく狂った。

時間は早かったが、理沙の友人の旅館に先に行ってトランザムを停めた。そこから観光タクシーを手配してもらって市内に入り、リクエストした神社や寺を見て回った。タクシーの運転手がガイドもしてくれ、それはそれで結果的には満足した。

小さな庭が見える総ヒノキづくりの風呂。その部屋のみの風呂ということで、カップル客に人気だそうだが、あまり宣伝はしていないという。

オレ
「あーーー気持ちいい^^」

理沙
「気に入った?」

オレ
「風呂好きにはたまらない。」

理沙
「でも、ふつうはひとりで入るものでしょ?」

オレ
「ふたりで来て別々の風呂に入るのはやっぱりおかしい(笑)」

湯船の中、後ろから抱くように理沙の乳に触れる。オレのモノは理沙の体に圧迫されてすでにボッキしていた。

理沙
「神社とかお寺とか退屈だったでしょ?」

オレ
「いや、今みるとなかなか面白いなーと思うよ」

理沙
「そう?よかった^^」

オレ
「今度は紅葉シーズンに来よう」

理沙
「いいわね!」

オレは湯船から出た。理沙も続く。一切隠さない。「蒼い蝶」が揺れる。思わずオレはそこに顔を近づけキスをする。理沙はヒノキの壁に手をついて体を支えた。割れ目に舌を這わせてクリトリスを吸った。きれいに脱毛しているからそれが簡単にできる。

理沙
「あー」

悩ましい声を上げる理沙。湯船に前のめりに座らせた。後ろから抱きオレは怒張したモノを理沙の股間にこすりつける。すべってなかなか入らない。理沙が前から手を添えたそのまま腰を前にすると理沙の穴に入った。理沙はオレのモノが全部入るように尻を突き出した。

理沙
「あぅー」

オレは後ろから乳を揉みゆっくりと腰を使った。理沙の声を聞きながら・・・それに合わせてスピードを上げると理沙はいった。そして理沙の体から離れた。

オレ
「今日はゆっくりと長くしよう^^」

理沙
「うん」

部屋に戻ってもオレは常に理沙の体に触れていた。常に体に触れられて性的快感が続く。一気に爆発的にやってくる頂点の快楽はこないが、それを予感させる終わりのないセックスが一緒に居る間中続いた。

翌日は旅館で朝食をとり一度市内に入った。公共施設の駐車場へトランザムを置いて、そこからタクシーを使ってまた寺をいくつか回った。昼食後、名神に乗り大阪へ戻った。マンション前で理沙を降ろしてオレは事務所へ向かった。

▼14時・・・スカイ・マンション

連絡事項を確認して何本かの電話をかけた。東京に依頼していた必要なデータも集まっていた。それとともに東洋産業の毛利氏に電話を入れ明後日には大阪に戻る予定を聞いてアポを入れた。

村上
「午前中に浜田さんが荷物を持ってきてくれました」

オレ
「あっそう?」

オレは室内を見渡した。ピンボール台に隠れてわからなかったが、アンプとオレのフェンダーそしてその他の小物などがコンパクトにまとめられていた。とりあえずオレはそれらをセットして音を鳴らしてみた。

村上
「ここでムーさんが歌ってくれるんですか?^^」

オレ
「いや、神戸の知り合いの店でちょっとイベント的に使おうかと思って」

村上
「残念(笑)」

オレ
「ふむっ!ここにワンセットあってもいいな?オレも練習できるし」

村上
「そーですよ!是非ここでムーさん歌ってください」

オレ
「そんな風に言ってくれるのさっちゃんだけだよ^^優しいなー」

村上
「私の友達はムーさんのファン多いんですよ(笑)」

オレ
「そう?^^是非ショーカイして」

村上
「ムーさんはモテるから必要ありません!」

オレ
「あははは^^」

冗談を言ってる内にそれぞれの店の責任者が続々と出勤してきた。オレは彼らの話を聞きながら、混ぜっ返していた。

関川
「ところで次は決まったのかな?」

オレ
「スマン。まだだ・・・立地条件で今不動産屋を当たっているところなんだが」

関川
「年内オープンの予定は?」

オレ
「一応そのセンで考えている」

次の店はこれまで公表してきた計画通りだと「LINDA3」だった。現在のLINDA1(ミナミ)から2年。次の大きな店にやる気満々の関川がみなの前で確認してきた以上、その前提で応えなければならなかった・・・

隣で成り行きを見ている横山は口を挟まなかった。そしてそれをきっかけにそれぞれの店に戻っていった。

オレ
「何か言いたそうだな?」

横山
「いえ。どっちにしても関川さんがやればいいと思ってますから」

オレ
「そっか。あっちになった場合は最初に嶋本を付ければいいか?」

横山
「嶋本には、関川さんの後のLINDAミナミを任せて、フォローにはオレが付きます」

オレ
「ふむっ」

さっちゃんに対する口止めは横山が抜かりなくやるだろう。LINDA3を純粋な北新地のクラブとしてやるプランは玲子に相談しなければならなかったが、今の状況ではできない。

ふと理沙の顔が浮かんだ。あいつは引越す際に、部屋のデザインをオレに依頼した。オレは自分が気に入ったものを選別し、改装工事をした。そして今回またトランザムを買った。すべてキャッシュで支払っている。何かしら戻すプランを考えたほうがいいのか?もっとも理沙に事業欲があればの話だが・・・

横山はMaggie北新地へ行き、さっちゃんは17時になると先に上がった。

▼19時・・・パームツリー

ヨーコ
「いらっしゃい^^」

オレ
「メシ食わせてくれー♪」

ヨーコ
「オッケー」

オレはカウンターに座った。ヨーコは黙ってバドとグラスを目の前に置いた。オレは自分でグラスにビールを注いだ。


「一瞬、裕也かと思った」

オレは声がした方を見た。カウンターの端にいる女。すぐには誰かわからなかった。

オレ
「おいっユカか?」

由佳
「何年ぶりかなー?」

オレ
「驚いた。」

ヨーコ
「最近よく来てくれてるの」

オレ
「そっか。元気でやってるか?^^」

由佳
「まーね!ヒロも元気そうで安心した」

オレ
「あははは^^相変わらずフラフラしてるんだけどね(笑)」

由佳
「食事済んだらちょっと付き合ってくれる?」

オレ
「あーいいよ^^」

オレはヨーコの表情を見たかったが、あえて視線をそこへ向けずに由佳に返事をした。そして定番のメンチカツを食って、ヨーコには後で戻ってくると言って由佳と一緒に外へ出た。

オレはトランザムの助手席に由佳を乗せた。

オレ
「何処まで?」

由佳
「近くのホテルのバーでどう?」

オレ
「オッケー」

オレは店からさほど離れていないPホテルへ行った。最上階のバーに2人で入った。革ジャンにジーンズだったが、特に問題なかった。

由佳はシャンパンとオードブルをオーダーした。

由佳
「いつか会いたいと思ってたの」

オレ
「オレもだ(笑)」

由佳
「ウソばっかり(笑)」

オレ
「それにしても懐かしい」

由佳
「裕也の葬儀以来じゃない?」

オレ
「そんなになるか?」

シャンパンクーラーに入ったシャンパンがワゴンに置かれてサービスされた。黒服がシャンパンの栓を飛ばした。それぞれのグラスにそれを注いだ。

由佳
「再会を祝して」

オレ
「カンパイ」

軽くグラスを合わせて半分ほど飲んだ。旨いシャンパンだった。

由佳
「あの時、ひどい事を言ってごめんね」

オレ
「ん?何だっけ?(笑)」

由佳
「覚えてない?そんな訳ないよね」

オレ
「死んだやつの事なんかとっくに忘れた」

由佳
「・・・」

オードブルが運ばれてきた。テーブルの真ん中に置かれて、小さな取り皿がそれぞれの前に大げさにナイフ&フォークまで

由佳
「ヨーコさんはヒロが店に来てることを教えてくれなかった」

オレ
「つい最近だから(笑)」

由佳
「バイトの女の子が、『弟さんが来た』って言っててすぐにわかった」

オレ
「あははは^^死んだ人間が現れるわけないもんな」

由佳
「私、結婚してるの」

オレ
「そっか^^良かった。(笑)」

由佳
「最近は裕也の夢も見なくなったわ^^」

オレ
「オレもだ(笑)」

由佳は裕也の彼女だった。当時何人かと付き合ってた裕也だったが、由佳は間違いなく彼女だった。裕也の家にもよく来ていたし、オレとも仲が良かったのだが・・・

由佳
「ヒロはどうしてるの?」

オレ
「オレ?オンナに食わしてもらいながらフラフラしてる(笑)」

由佳
「ウソばっかり」

オレ
「(笑)」

由佳
「音楽は?」

オレ
「金に換えてる」

由佳
「mar'sはどうなったの?」

オレ
「大学も中退してバンドも解散した」

由佳
「せっかくそういう時代が来たのに」

オレ
「ボーカルが居ないんだからしょうがない(笑)」

由佳
「ヒロが歌ってたんでしょ?」

オレ
「はははダメさ^^mar'sのボーカルはやっぱり裕也でないと」

オレは由佳のグラスにシャンパンを注いだ。銘柄をみるとドンペリだった。オレは自分で自分のグラスにそれを注いだ。

由佳
「そう。やっぱりヒロは私の事嫌いなんだ」

オレ
「何で?」

由佳
「事故の事であなたを責めたし・・・私は元々性格良くないし」

オレ
「ん?オンナは性悪ぐらいがちょうどいいんだ(笑)」

由佳
「ありがとう。じゃー時々こうして一緒に飲んでくれる?」

オレ
「お前は結婚してるんだろう?」

由佳
「別にいいの」

オレ
「オッケーじゃーヨーコの店に戻ろう!歌ってやるから」

由佳
「えっ?」

オレはキャッシャーに向かった。オレが支払おうとすると由佳は強引に自分のカードで支払った。

ヨーコの店に戻り、オレはトランザムのトランクに乗せていたギターとアンプセットを運び入れた。

オレ
「そこのテーブル席1つつぶしていいか?」

ヨーコ
「うん^^」

イスとテーブルを片付けた。カウンターのスツールをひとつ持ってソコにセットした。客は半分ぐらい。酒を飲んでる客はいなかった。

マイクのセッティングと簡単なチューニングをしながら・・・

「昔・・・と言っても8年ぐらい前なんですけど、mar'sというバンドがあって当時ハードロックばかりやってました。そのボーカルがイイオトコで声量はあるし、ルックスはいいし、ケンカも強くて・・・オンナにモテモテでした。そしてオリジナルをやりだし一躍人気バンドになりました。ではその曲を代わりに・・・(笑)」

アップテンポな曲を2曲続けてやった。客は帰ることなくこっちを見ていた。そしてまばらな拍手もあった。

「その時、オレはギターも出来たんですけどくじ引きでベース担当になってしまいボーカルの後ろでベースを弾いてました。(笑)モテるのはボーカルばかりで、面白くありませんでしたが、そいつが居なくなった後、代わりにオレが歌うようになりました。でも・・・そいつほどモテませんでした。」

3曲目は裕也が歌っていたラブソングを歌った。4曲目はバラードをやった。

「という事で、ありがとうございました^^」

オレはギターを置いてカウンターに戻った。

ヨーコ
「懐かしくて泣けてきた(笑)」

由佳
「歌ってるヒロは裕也そのものじゃない・・・」

オレ
「何言ってるんだ。裕也はオレより男前だっただろう(笑)」

オレはヨーコにバドを注いでもらって一気に飲んだ。

オレ
「今度はショーヘーに来させるよ!あいつの歌もなかなかなんだぜ」

由佳
「みんな音楽やってるんだ」

オレ
「違う。金に換えてるだけだ」

ヨーコ
「ショーヘーも歌うんだ?楽しみができたわ(笑)」

由佳の言葉に過剰反応するオレ、何故かイラついていた。ヨーコはあえて割って入るようにショーヘーの話題にからんできた。確かにオレは無理をして歌った。

オレ
「じゃー暫く置いておくよ!使える客が居れば使ってもらっていいから」

由佳
「人前でギター弾いて歌える人・・・いないでしょうね(笑)」

オレ
「いや、今時はカラオケ人気で普通の人でも抵抗なく歌うさ」

洋子
「うん。お客さんにもアピールしてみる」

オレ
「じゃーオレそろそろ帰るよ!」

由佳
「私も・・・」

店も終わりの時間になっていた。そして由佳と一緒に店を出る形になった。

由佳
「送ってくれる?」

オレ
「あー」

由佳をトランザムの助手席に乗せた。

オレ
「何処?」

由佳
「岡本」

オレ
「オレの家に近いな?(笑)」

由佳
「そうね」

43号線に出た。この時間クルマは自由に走らせることができた。瀬戸の交差点まで飛ばした。そして北上した。

オレ
「どのあたり?」

由佳
「ねーもう少し話たい」

オレ
「何を?」

由佳
「色々・・・」

オレは住吉川沿いをぐるりと回って、南に向けてトランザムを停めた。窓を少し開けてラークに火をつけた。

由佳
「ヒロはショーヘーらと今も一緒なんだ」

オレ
「斉藤と3人で同じ大学へ入ったから(笑)」

由佳
「そうだったわね。私は・・・色んな人と付き合ったけどダメだった」

「結局大学を卒業してすぐに親が薦める年の離れた見合い相手と結婚しちゃった」

「昔の事を話せる相手もいないし」

「ヨーコおねーさんとも実はひさしぶりなの」

オレ
「そう」

由佳
「ヒロは全然変わってないね」

オレ
「歌を歌ったからそう思うだけだ」

由佳
「裕也そのものだと思ったけど、違うね」

オレ
「そっか(笑)」

由佳
「裕也は今のヒロほどイイオトコじゃなかったし、歌も下手だった」

オレ
「そんなことないさ。生きてりゃーもっとイイオトコになってたさ」

由佳
「ううん。裕也はそんなイイオトコじゃなかった」

オレ
「・・・」

由佳
「私以外にもオンナはいたし、優しくなかったし」

オレ
「ははは^^」

由佳
「おかしい?」

オレ
「いや、今のオレがまったくその通りだから(笑)」

由佳
「そうなんだ。彼女は?」

オレ
「オンナはいっぱい居るけど、彼女なんてそんな上等なものはいない。」

由佳
「じゃーそのいっぱい居る中のひとりにしてくれない?」

オレ
「ダメに決まってるだろう」

由佳
「やっぱり私の事嫌い?」

オレ
「裕也のオンナを抱けるわけないだろう(笑)」

由佳
「助けて」

オレ
「・・・」

開けた窓の外から虫の声が聞こえる。暫く黙った。裕也の声が聞こえるか?と思ったが何も聞こえてはこなかった。

オレはトランザムのカーステを鳴らした。今来た道を引き返した。そして三宮のラブホテルに入った。由佳はオレの差し出した腕にからんで部屋に入った。

由佳を抱いてキスをした。由佳の舌を吸った。オレは服を脱いで由佳の前で素っ裸になった。すでにオレのモノは怒張している。由佳の服を脱がせベッドに入った。

キスをしながら乳を揉んだ。乳首を口に含んで手は股間に入った。草むらを掻き分けて割れ目探り指を使う。潤んでいる穴に指を軽く入れクリトリスを摘むように愛撫した。

由佳の喘ぎ声・・・キスをして舌を強く吸っては緩め、また強く吸った。離れて由佳の表情を見る。苦しげに見えた。優しく責めていた穴に指を2本突きたてた。

由佳
「あー」

声と共に顔が逃げるように横を向いた。力強く指を使った。益々表情は苦しげだった。
オレは由佳の体に乗り荒々しく挿入した。

由佳
「うあー」

由佳の脚を抱えてオレのモノを穴の奥深くまで入れた。大きなストロークで責めた。由佳は声を上げ続ける。その声に合わせるように徐々にスピードを上げた。

由佳
「あーーーあーーーあーーー」

絞まりのいい穴の奥が少し緩んだ。オレは由佳の体からおりた。由佳の体を裏返して腰を持ち上げた。由佳は手をついて四つ這いになった。後ろからそのまま突っ込んだ。

由佳
「うぅー」

オレは片方の膝を立ててこれ以上入らないところまで突っ込んだまま、由佳の腰を軽く動かし始めた。由佳の泣く様な声が漏れ続ける。短いストロークで穴の奥を突き続けた。

由佳
「うあーーーあーーー」

由佳はまたいった。同じ姿勢でスピードを上げて突き続けた。

由佳
「うあーーーあーーーあーーー」

由佳は立て続けにいった。穴から離れると由佳はそのまま倒れこんだ。オレはベッドを降りた。風呂場に行き浴槽に湯を入れた。ラブホテル特有の妖しいフインキの風呂場。

冷蔵庫から缶ビールを取り出しベッドに戻った。由佳はまだ動かない。ベッドヘッドにもたれて缶ビールを半分ほど一気に飲んだ。

片手を差し出し由佳の上体をこっちに向けた。オレは由佳の背中を撫でてやった。

オレ
「後で一緒に風呂入ろう^^」

由佳
「・・・」

オレ
「イヤか?」

由佳
「ううん」

由佳は上体を起して同じようにベッドヘッドにもたれた。シーツを上げて胸を隠した。オレは肩を抱いて引き寄せた。

オレ
「お前に女を紹介してもらった。裕也とお前の4人でオールナイトの映画を見た後、ホテルへ行ったことあったな^^」

由佳
「うん(笑)」

オレ
「結局あの女はアレっきりだった(笑)」

由佳
「知ってる^^」

オレ
「裕也はオレに大きな貸しをつくったつもりでいたぞ」

由佳
「でもすぐその貸しを返したでしょ?」

オレ
「あー裕也に女を紹介した(笑)」

由佳
「私はあなたにも怒りまくった^^」

オレ
「あははは^^」

バイクと音楽とオンナ・・・毎日が輝いて楽しかった昔話、オレにもそんな話ができる相手はほとんどいなかった。

オレはビールを由佳に渡した。由佳はそれを飲んだ。オレはベッドから降りて風呂場へ行った。シャワーを頭からかぶった。由佳が入ってきた。振り返ると髪を上げてタオルを巻いていた。オレは顔から胸、そして黒々としたところまで見た。

由佳
「なんか不思議。全然恥ずかしくない^^」

オレ
「昔を知ってるし、一発やったからさ(笑)」

由佳
「そんな簡単じゃない。死ぬかと思ったんだから」

オレ
「あははは^^」

オレはシャワーをかけてやった。胸から下半身、そして後ろを向かせて肩口にかけた。もう1度正面に向かせてキスをした。

由佳
「ヒロ。キスも上手」

オレ
「オレは昔からキスは大好きだ^^」

シャワーを由佳に渡してオレは浴槽に入った。ぬるい湯だったが気持ちよかった。由佳はシャワーをとめて入ってきた。オレの体に背を向けてもたれかかっていた。オレの手は由佳の乳を掴んでもてあそんだ。

由佳
「なんかすごく楽しい^^」

オレ
「そっか^^」

由佳
「こんな気分ひさしぶりかも」

オレ
「じゃー風呂上りにもう1度やろう(笑)」

由佳
「うん^^」

言葉通り風呂から上がってもう1度由佳を抱いた。由佳は奔放に声を上げて体はよく反応した。そして着替えてホテルを出るとすでに午前1時を過ぎていた。由佳のマンションの近くでトランザムを停めた。

由佳
「そこの角を曲がったマンションなの」

オレ
「もう少し離れて停めた方が良かったな」

由佳
「そんなこといいの。それより電話してきて!いつでも出れるから」

オレ
「わかった」

由佳は軽くオレにキスをしてトランザムから降りた。由佳が角を曲がるのを確かめた後も暫くそこに留まった。

裕也の告別式の時・・・オレは松葉杖をついていた。由佳はオレの前で泣きながら叫んだ。

「どうして裕也を助けてくれなかったのよっ!」

周囲の友人たちが由佳を抱きかかえるようにオレの前から離した。オレはただ立ち尽くし由佳をみていた。そのセリフ・・・由佳は覚えていただろうか?さっき「助けて」と言われた時、オレはあの時と同じように返す言葉がなかった。

たかがセックス。それで精神が少しでも健康になるんならそれでいいじゃないか。難しく考えるな。裕也がそう言ってるように思えた。だけど、生きてる人間はまた傷つく・・・


Next Story>>>>>
<<<<<Back Story


━…━…━…━…━…━…━
 My History Index
━…━…━…━…━…━…━
| My History | 07:40 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP









http://kaizin.jugem.cc/trackback/1334
CONTROL
PROFILE
━…━…━…━…━
My History Index
━…━…━…━…━

メールフォーム

クリックで救える命がある。

RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
  • 迷子のフクロウ保護
    kina
  • ポール ライブ イン オオサカ
    pio
  • 宇野くん元気そうだ!
    るーく
  • 宇野くん元気そうだ!
    みく
  • キーボード
    るーく
  • キーボード
    みく
  • キーボード
    みく
  • キーボード
    るーく
  • キーボード
    みく
  • 週刊朝日
    るーく
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES

このページの先頭へ