<< 鳩山内閣支持率5月 | main | Night Birds >>
Song for Juli


長い間探していたJesse Colin Young「Song for Juli」がとうとうYou Tubeにありました。以前に探して見つからなかったので諦めていたんですが、昨年から今年にかけてそんな曲がバンバンアップされているようで嬉しい限りです。

1973年のアルバム「Song for Juli」から♪

とか言って内に削除されてしましました。音声のみはこちらから

1978年10月PART8-------------

▼10時・・・南警察署前

南署から西へ10メートル。任天堂の大阪支社前の喫茶店で待ってると山村弁護士は時間通りにやってきた。

オレ&理恵
「おはようございます」

山村
「おはようございます」

山村氏はウエイトレスに珈琲を注文して、手に提げていた鞄からファイルを出した。

山村
「登記のコピーとそれぞれの新しいテナント契約書です。ご確認下さい」

オレ
「ありがとうございました」

山村
「これですべてムトーさんの会社に移管できましたので(笑)」

オレ
「ひと安心です^^」

オレはそれぞれの契約書の契約者名を見ただけでとりあえずそれを閉まった。

理恵
「面会時間はどのくらいあるんでしょうか?」

山村
「たぶん15分ぐらいでしょう。私の方は今回3分ぐらいで終わらせますから、残りはどうぞ自由にお使い下さい」

理恵
「わかりました」

山村
「じゃー行きましょうか?」

オレ
「オレはここで待ってますから」

山村弁護士と一緒に理恵は南署へ向かった。高橋が逮捕されてから6日目。ギャラクシー騒動は無事に解決し、すべて高橋の希望通りになった。拘留中の高橋はまだ接見禁止は続いているようだが、山村氏の尽力で理恵だけは短い時間だが面会ができるようになった。そして高橋には一連の騒動の結末が知らされることだろう。

30分程度で山村と理恵は戻ってきた。理恵を見ると手にハンカチを握りしめていた。どうやら泣いたようだ。

オレ
「お疲れ様でした」

山村
「高橋さん安堵の表情でくれぐれもムトーさんによろしくと!詳しい内容については理恵さんからでも^^」

理恵
「後でゆっくり説明するね」

オレ
「はい。事件の方はどうなんでしょう?」

山村
「高橋さんは否認を続け無罪を主張してますので、その方向で進めます。」

オレ
「そうですかよろしくお願いします」

オレはここで詳しいことを聞くのを止めた。手短に結論だけを聞きあとはすべて山村氏に任せた。そしてオレたち3人は喫茶店の表で別れた。オレと理恵は西へ向かい堺筋の駐車場でトランザムに乗り、とりあえず事務所に戻った。

▼11時・・・スカイ・オフィス

オレ
「おはよう^^」

理恵
「おじゃまします」

村上
「いらっしゃいませ^^」

オレたちはそのまま応接室に入った。すぐにさっちゃんが珈琲を持ってきてくれた。

オレ
「高橋さんどうだった?」

理恵
「なんかあんな姿見るとそれだけで泣けてきちゃった」

オレ
「まーそーだろうな(^。^;)」

理恵
「とりあえず簡単に説明したの。ものすごく心配だったようで、大きなため息をついて安心したようよ」

オレ
「そーだろうなー弁護士がふたりもやってきたんだから、疑心暗鬼になってつい悪い方へ考えてしまうからな」

理恵
「でも郷田とあなたがやり合って郷田が引き下がったことをちょっと面白おかしく説明したら大笑いしてた」

オレ
「なんか大げさに言ったんじゃないのか?(笑)」

理恵
「それでこの何日間か私をしっかりと守ってくれたって言ったら・・・ムトーに大変な迷惑をかけて本当に申し訳ない!って」

オレ
「うん。自分のオンナを放ってエッチもしたもんな^^大迷惑だ(笑)」

理恵
「ごめんねぇ〜(笑)」

オレ
「白石のことは?」

理恵
「何も言ってない。心配させたくなかったから」

オレ
「そーだな。いずれ接見禁止がとけたらオレも面会に行くその時でいいな」

オレは応接室を出て何本か電話をかけた。さっちゃんに伝言を頼んで応接室に戻った。

オレ
「ちょっと早いけど昼飯にする?」

理恵
「私はいいけど、付き合うわ^^」

事務所を出て心斎橋を歩いた。理恵は当たり前のように腕を絡めてくる。オレはソバの専門店に入った。大きな店で評判の店だった。

理恵
「私も食べようかな?」

オレ
「残したらオレが食うから安心して(笑)」

和風デザインの店舗。昼前だがそこそこ客は入っていた。「天ざる」を2つ注文した。天麩羅の盛り合わせに、盛そば(ザル蕎麦)やはり理恵はちょっと手をつけただけで美味しかったと言って大半を残した。もちろんオレはそれも食った。

理恵はエステサロンへ行ってから、美容院へ行きそれから店に出るつもりだというので、オレはとりあえずエステサロンまで理恵を送って行った。

▼12時・・・スカイ・オフィス

事務所に戻るとすでに全員が出勤していた。オレは自分のデスクに座って連絡事項を見た。さっちゃんが珈琲を持ってきてくれた。

オレ
「ありがとう」

村上
「あとコレも」

小さなメモを渡された。優子と洋子から電話があったことがそれでわかった。女性からの個人名の電話は連絡ノートに書かないようになっている。オレは何本かの電話をした。松井、前田、関川、横山らは大きなミーティング・テーブルでそれぞれギャラクシーに関連する話をしていた。

オレは電話を終えてそっちのテーブルに座った。

オレ
「さっき山村弁護士からすべての名義変更が終わって、正式にカンパニーに所有権が移転したと言うことでした」

どよめきが聞こえた。

オレ
「という事で、『ギャラクシー』『ポール』『泉』の各店と生玉のホテルの経営管理を暫く行うことになりましたので、よろしく^^」

横山
「ムーさん。ちょっといいですか?」

オレ
「ん?」

横山
「人事の件なんですけど・・・」

オレは周りを見渡した。一斉にこっちを見ている。すでに話し合ったようで後はオレの承認を得るだけ?のように見えた。

オレ
「それで?」

横山
「当分の間、総力態勢ということで、ギャラクシーには松井さんを筆頭に、関川さん前田さん、そしてオレが詰めようと思ってます」

オレ
「それぞれの店は?」

横山
「Maggie北新地は嶋本、Maggieミナミは滝口、LINDAミナミは本山をそれぞれ責任者として入れたいと思ってます」

オレ
「ふむっ。それで問題はない?」

横山
「ありません。^^」

オレ
「わかった」

一斉に安堵の声が漏れたように聞こえた。

横山
「それに伴ってギャラクシーの事務室に新しい電話を引いて、夜間連絡先にしようと思ってます」

オレ
「そっか。じゃーそうしてくれ(笑)」

それぞれが勝手にオレにリクエストを出してくるより、言いにくい事はすべて横山に言わせる方がいいと判断しているようだ。そしてそれはオレにとってもよかった。

関川
「とりあえず反乱分子を一掃してすべての店をカンパニーの色に染めよう^^」

前田
「SPEAK EASYに居たバイト連中に声かけたら今日から3人やってくることになりました」

松井
「『泉』と『ポール』はどうします?」

オレ
「とりあえず『ギャラクシー』を押さえてからだな」

前田
「まー1週間ぐらいでしょうか?」

関川
「そんなもんだな。(笑)」

松井
「ムーさん。聞いていいですか?」

オレ
「うん」

松井
「ムーさんがあの時契約書にサインしてもあいつらには必要なかったんでしょう?」

オレ
「いや、あの契約書にオレのサインが入っていたら、高橋は信用して白紙委任状も同時に出しただろう」

松井
「そっか。ムーさんが気付かずにその後で店に行ってたら・・・」

オレ
「そう。やつらの予定では白紙委任状に「この店の一切を郷田に任す」とでも後で書き込んで、それをたてに理恵ママらを放り出すつもりだったんだろう。そしてチーママだった佐和子に店を仕切らせて、黒服やウエイターは力で抑え込む。そして表面的には身内のゴタゴタで解決され、すべてが郷田のモノになる。そんな筋書きだったんだろう」

松井
「なるほど。ところが弁護士に確認したらまだ委任状をとれていない。逆にこっちがそれを持っていると言ったので一旦引いたんですね」

オレ
「あそこで暴れて警察でも来たら、それこそ拘留中の高橋に確認をとることができるし、それを避けたかったんだろう」

松井
「あそこで一旦引く!という事は終わりですもんね」

オレ
「そうだな(笑)」

松井
「それにしてもムーさん。あの時、郷田相手に一歩も引きませんでしたね。」

オレ
「当たり前だ。あの段階でこっちは委任状とってたんだから(笑)」

松井
「あははは^^そういう問題ではないと思いますけどね。でも何故ムーさんは気付いたんです?」

オレ
「高橋はキレ者だよ。それがハメられて取調べを受けている。それこそがおかしいじゃないか?だからすべてを疑って考えてたから・・・もっとも確信はなかったけどな(笑)」

松井
「税理士や弁護士も脅されていたのでしょうか?」

オレ
「オレも最初そう思ったが・・・彼らはもしかしたら何も知らなかったかも知れない。ただ単にオレに説明して高橋の依頼を遂行するつもりで居ただけかもな?白石がうまく立ち回ったんだろう」

松井
「でも売買契約書にムーさんがサインしてに高橋さんがサインをしてたら売買が成立してしまうじゃないですか?」

オレ
「そーなったらその契約書は白石が受け取って燃やしてしまっただろう」

松井
「そーですね。(笑)それと酒田はやはりさらわれたのでしょうか?」

オレ
「唆されたか?拉致されたか?はわからないが、未だにこっちに連絡がないということは唆されて協力したけど、金だけとられて放り出されたのだろう」

松井
「でも酒田が現れると向こうはヤバイと思いませんか?」

オレ
「こっちが徹底的に争う姿勢を見せればそう考えたかも知れないが、半分返す条件で手打ちに応じた以上、危険を犯してまで酒田を処分しないだろう」

松井
「じゃーやっぱりすべては白石の計画ですか?」

オレ
「白石は途中からだな・・・仕組んだのは梅木あたりだろう」

「郷田は前から高橋を引きずり降ろしたかった。それでハメた。そして店を乗っ取ろうとした。それで梅木が白石をそそのかした」

「協力すれば、「泉」と「ポール」ぐらいはお前にやる!とかなんとか、協力しなければお前のところはシノギもなく、同時に郷田と敵対することになると・・・」

「そうでなくても、店はわけのわからないムトーとか言うシロートに高橋は譲ろうとしている。それならその段取りをそのまま進めて、高橋から最低でも白紙委任状をとって、郷田に持っていけば、郷田の思い通りになる」

「そんな感じで魔が差したんだろう」

松井
「白石どうします?」

オレ
「どうとは?」

松井
「オレが白石なら、裏切った以上はとことん敵に回るか、或いはケジメをつけて元に戻ったからといってもそれはこの件が解決するまでで、解決した以上は消えますけどね。とてもじゃないが居場所なんてないですよ」

オレ
「やっぱりダメか?」

松井
「たぶん何処か行くでしょう」

オレ
「ふむっ」

松井
「一番わからないのは・・・高橋さんは何故ムーさんに譲ろうと思ったのでしょう?」

オレ
「よく聞いてくれた。^^実は・・・オレもそこがさっぱりわからないんだ(笑)」

松井
「あははは^^」

最初から関わっていたのは松井だけだった。それまでに他の連中から色々と質問責めにあっていたのだろう。オレは自分の考えを整理するつもりで、みなの前で質問に応える形で説明した。

オレ
「じゃー後は頼む。^^オレはちょっと出てくる。」

関川
「じゃー下までオレが」

まだガードが必要だと思っているのか?あえてオレは断らずに関川と一緒に事務所を出た。EVに乗ると・・・

関川
「ちょっといいか?」

オレ
「うん。じゃー下のカフェで」

すっかり秋の気配が濃厚になっている。オープンカフェの方へ行き珈琲をオーダーした。

関川
「純子ママには昨夜、電話でオレの移動の許可を貰った」

オレ
「そっか」

関川
「ギャラクシーの事を聞かれたので、まだよくわからないと伝えたが・・・」

オレ
「実は純子ママの後輩が理恵ママらしい。そしてギャラクシーには関わらないでくれ!と珍しく強く言われてたんだ」

関川
「んーーーそれは困ったな」

オレ
「それはプライベートな事だからなんとか説得する」

関川
「でも理恵ママともう寝ただろう?」

オレ
「・・・」

関川
「絶対にバレないようにうまくやってくれよ!できれば純子ママを籍に入れたらどうだ?」

オレ
「えっ」

関川
「オレはそうなったらいいと思ってる(笑)」

オレ
「考えとく^^」

関川
「お前の最大の理解者は、純子ママだ」

オレ
「そーだな」

オレは逆らわなかった。オレに他にオンナが居ることは関川も気付いているだろう。しかしそれは何処までいっても結婚に至る相手ではないと思っているようだ。あのショーコでさえ皆が彼女だと認めていても関川だけは笑っていた。

関川
「LINDA3はどうする?オレはどっちでもいいぞ」

オレ
「どっちでもとは?」

関川
「気を使ってくれてるようだが、Mary's2でもいいし、「泉」や「ポール」でもいい」

オレ
「いきなり増えたからなー全然頭の中の整理がついてないんだ」

関川
「そりゃーそうだろう。あんなスケールの騒動も初めてだったしな」

オレ
「まったくだ^^」

関川
「それにしてもお前、やっぱり修羅場の勝負運は強いな(笑)」

オレ
「ははは^^ションベンちびりながらの交渉だったさ」

関川
「これからはアブナイ場合は、絶対先にオレに声かけろよ!」

オレ
「あーわかってる。^^」

オレより4つ上の関川、ふたりで居る時はまるで実の兄貴のように振舞う。ありがたくもあり、時々迷惑な時もあったが、最初からそういう関係だったし、きっとこれからもそうなんだろうと半分諦めていた。

フランス映画ならこういうシーンの後、クルマが忍び寄ってきて銃撃を食らうのだが・・・と思わずアホな想像をしてみたが、現実はいたって平和だった。

▼14時・・・西区、デリカッセン「仏蘭西」

トランザムを路上駐車して、オレはカフェで電話を借りた。そして外のテラス席に座って待った。すぐに彼女はやってきた。

オレ
「悪いなわざわざ呼び出して」

マリー
「ううん。こういう所で過ごすのもいい^^」

オレ
「ちょっとシゴトがらみの話だったから」

マリー
「じゃーナミが居ない方がいいわね」

オレは立ち上がり、店内に入った。そしてサンドイッチと珈琲をオーダーして、それをマリーの居るテラスのテーブルに持っていった。

オレ
「食べながら話そう^^」

マリー
「うん^^」

オレ
「今のショーは2つのチームに分かれているよな?」

マリー
「人数が多くなってきたので、演目ごとに分けると自然にそうなったの」

オレ
「それはマリーのチームとジュリーのチームということか?」

マリー
「ふたつがバランス良くという分け方にしたらそうなっちゃった(笑)」

オレ
「1つだけのチームでやっても問題ないかな?」

マリー
「どういう事?」

オレ
「まだ誰にも言ってないんだけど、もう1店舗出すか?」

マリー
「ほんとに?だってMary'sはこの間オープンしたばかりなのにもう?」

オレ
「勢いのある内に攻めるっ!(笑)」

マリー
「わかった。^^あなたがその気ならやるわ♪」

オレ
「まだ秘密だから^^ショーの構成やら人の編成を中心に考えといて」

マリー
「了解^^」

オレ
「機嫌が良くてよかった^^」

マリー
「本当は良くないのよ!でもシゴトの話だから聞いてた」

オレ
「あっそう。。。」

マリー
「何か大きなトラブルがあったの?田川マネージャーが心配してたわ」

オレ
「あっあいつに知らせてなかったな・・・」

マリー
「私にも」

オレ
「うん。でももう少しで片付く^^」

マリー
「私のところへはいつ?」

オレ
「明日の夜、必ず行く」

マリー
「わかった。待ってるから^^」

LINDA3或いはMary's2の出店計画は既存の方針だった。東京進出のあるなしに関わらずそれは公言していたし、資金計画も問題なかった。ギャラクシーが割り込んだ形で大変な時期と重なるが、かえってその方が人の動きが大きくなりいいのではないか?と思った。

いいロケーションさえ見つかれば、12月のオープンは十分可能だった。

▼15時・・・

本町、相愛学園の前の道路にトランザムを停めた。気がつけばいいし、別に気がつかなくてもいい。オレはクルマの中でシートを倒して目を閉じていた。一連の騒動の中、極度な緊張感で頭痛も頻発していたし、夜は理恵と一緒に居ることが多かったのでほとんど眠れなかった。オレはクルマの中ですぐに睡魔に襲われ眠った。

窓を叩く音に目が覚めた。

シートごと体を起すとユーコが数人の友人と一緒に居た。オレは窓を開けサングラスを外した。

オレ
「乗るか?」

優子
「うん^^」

ユーコは制服のまま道路側に周り助手席に乗った。オレはすぐにトランザムを出した。

優子
「待っててくれたんだ?^^」

オレ
「たまたまこのあたりを通りがかったら眠くなって(笑)」

ユーコ
「素直じゃないなー(笑)」

オレ
「あははは^^」

オレはそのままトランザムを西宮まで走らせた。ユーコのマンション前で停めた。ユーコは一旦自宅に戻って着替え、すぐに降りてきた。そして夙川を北上し、駐車場の大きなレストラン・クリスボンに入った。

ユーコ
「最近この格好ばかりしてる^^」

オレ
「よく似合ってるよ」

ヨーコ
「うん。^^お気に入りなんだ」

オレ
「それはよかった^^」

ワッペンのついた革ジャンにジーンズ。髪はポニーテル。オレはそれが似合いそうな子には必ずそれを薦めた。

ウエイトレスが珈琲と紅茶、そして定番のチーズケースを運んできた。

優子
「でもトランザム見つけた時びっくりした」

オレ
「そう?」

優子
「胸がドキドキして、もし違ったらどうしようって」

オレ
「(笑)」

優子
「きっとまた明日学校で評判になっちゃうわ」

オレ
「もう少し離れて停めるべきだったな(笑)」

優子
「ううん。いいの^^それにしてもユーちゃん驚かすの好きなんだから(笑)」

オレ
「ははは^^でもあんまりびっくりしてなかったじゃないか」

優子
「だって、周りにみんなが居たもん」

ユーコはご機嫌の様子だった。オレはそんなユーコを見てるだけで何かしら癒される気持ちになっていた。

優子
「ユーちゃん。」

オレ
「ん?」

優子
「おかーさんが一度ユーちゃんを家にご招待しなさいって言うの」

オレ
「あらら・・・オレの事話しちゃったんだ?」

優子
「うん。この服どーしたの?って聞かれて、マミが『おねーちゃん彼に買ってもらったのよー』って言っちゃったの」

オレ
「ふむっ」

優子
「いいかなー?」

オレ
「やっぱり日曜とか?」

優子
「都合悪い?」

オレ
「ユーコのところの文化祭が終わる頃にしてくれたらありがたい」

優子
「うん。じゃーそう言っとく^^」

会うのを断る立場になかったし、会うのを嫌がる素振りも見せたくはなかった。内心はやっかいなことになったとまたひとつ憂鬱の種が増えたのだが、少し先伸ばしすることで少しは気持ちも楽になったのだが・・・

それからユーコは色んな事を話した。学校で文化祭に向けてみんな歌を練習していることや、友達の彼氏の事など固有名詞を並べたてて話した。オレは適度に質問を入れながら聞いていた。こういう話はボォーと聞いていてもすべて頭の中に入ってくる。一度出てきた名前などはほとんど忘れない。

オレ
「じゃー送っていくよ」

優子
「えっもう帰るの?」

オレ
「うん。これからまたシゴトなんだ」

優子
「そう。。。」

ちょっと哀しげな顔、オレはそういうのを見るのがイヤだった。レジで支払いをしながらショートケーキをいくつか買った。そしてユーコに渡した。

駐車場からトランザムを出して、そのまま夙川沿いを南下した。

オレ
「今度またジャグジー行こう^^」

優子
「うん」

クルマの中で軽くキスをした。ユーコは不満げだったが、気を取り直して明るく振舞い帰って行った。

▼18時・・・スカイ・オフィス

オレ
「あっまださっちゃん居たんだ。もう上がって」

村上
「何度かK芸能さんから電話がありました。こちらに伺いたいとの事でした」

オレ
「そう。じゃーさっちゃん上がって」

村上
「いえ。お客さまが来られるようなら残ってます。大丈夫です!私もカンパニーの一員ですから」

オレ
「ありがとう」

オレはK芸能に連絡を入れた。すぐに訪問する。という事になった。オレはスーツに着替えた。

インターフォンが鳴り、さっちゃんが応対に出で応接室に入ってもらった。

オレ
「始めましてムトーです」


「このたびK芸能に着任しました石井と申します。よろしくお願いします」

ソファに向かい合った座った。年齢は30前後、見た目はごく普通でとてもヤクザには見えない。もっともK芸能にやってくる人間はすべてそういうタイプなのだが

さっちゃんが珈琲をふたつ運んできた。応接室を出るのを待った。

石井
「私、高橋の弟分です。ムトーさんには今回大変お世話になったようで、ありがとうございました」

オレ
「いえ、運が良かっただけです。」

石井
「昨日、渡辺から依頼がありまして急遽K芸能に入ることになりました」

オレ
「高橋さんの代わりですか?」

石井
「はい。それから白石は他所へ出されました」

オレ
「そーですか」

すでに大まかなところは知られているようだった。たぶん白石に白状させたのだろう。表面的には白石はケジメをつけているという事もあって、それ以上の処分はないようだが、たぶん冷や飯を食うことになるんだろうと思った。

石井
「郷田さんにはムトーさんのところにはご迷惑をかけないように!と渡辺が直接指示してますのでご安心下さい」

オレ
「ありがとうございます」

石井
「高橋の件ではムトーさんの方で弁護士さんまでお世話していただいてるそうで、お手数ですけど費用の方はK芸能の方へ回していただけませんか?」

オレ
「いえ、今回の件はうちで処理しますから」

石井
「それはいけません。事件の弁護まで引き受けてもらってるわけですから、これは是非お願いします。」

オレ
「わかりました。じゃーこうしましょう。うちの全店舗にプラントリースをお願いします」

石井
「それはいけません。高橋に怒られます」

オレ
「いえ、これは了承してもらいます。正式な契約として、理恵さんにも納得してもらいますから」

石井
「すみません。ねーさん。お元気ですか?」

オレ
「ちょうどいい今から行きましょう」

石井
「いやでも・・・」

オレ
「理恵さんも顔を見たいと思いますよ」

プラントリース。それはいわゆる毎月支払う守代(ミカジメ料)だった。本来は店の規模や売り上げなどに対してそれぞれランク付けがあるはずだが、オレは全店舗に対して支払うつもりでいた。

オレと石井はすぐに事務所を出た。さっちゃんには上がるように伝えたが、事務室に用があるらしく少し離れてついてきた。

▼19時・・・ギャラクシー

EVを降りると牧田が居た。

牧田
「いらっしゃいませ!どうぞご案内いたします」

オレたちは牧田の後に続いて、長いアプローチを抜け店内に入った。

松井
「ようこそ!いらっしゃいませ」

本来であればここでホステスが付くはずだが、オレたちは一般の客ではないので松井がボックス席まで案内した。松井は他の席に付いている理恵のところに行った。

ウエイターがブランデーのセットを持ってきた。一緒についてきたホステスが笑顔でオーダーを聞いた。ストレートか水割りか?

理恵ママ
「いらっしゃいませ^^」

石井
「ねーさん。お久しぶりです」

石井は立ち上がって理恵に挨拶した。

理恵ママ
「うわーケンちゃん久しぶりー元気にしてた?^^」

石井
「はい。ねーさんこそ」

理恵がオレの隣に座ると石井も再び席についた。理恵はホステスを下がらせた。

オレ
「K芸能の責任者として今日、赴任されたようです」

理恵ママ
「そーなんだ。これで磐石だわ^^ありがとうケンちゃん」

石井
「はい。これからはお任せ下さい^^」

理恵は石井の昔話をいくつか聞かせてくれた。見た目はインテリヤクザだが、やはり強烈な武勇伝も持っているようだった。石井はテレながら恐縮した姿を見せた。そして高橋をハメたやつの正体を暴いて、1日も早く高橋を出すことを理恵に約束して店を出た。

▼21時・・・ギャラクシー事務室

横山
「島田マネージャーと待機中のウエイターが辞めました。それとSPEAK EASYに居たバイトが3名こっちに復帰させました」

オレ
「スタッフリストは?」

横山
「ほぼ出来上がりましたが、ホステスの方はまだ手をつけていません」

オレ
「じゃーそれは理恵ママの方からホステスに言ってもらおう」

横山
「経理はどうしましょう?」

オレ
「明日にでもここの税理士のところへ行って話を聞いてみよう。その上でこっちの税理士に一元化しよう」

横山
「それから、各店の売り上げ管理とホステスの口座売り掛けの管理が複雑です。できれば専任が必要かと」

オレ
「そっか。暫くは把握するためにもオレとお前でやろう」

横山
「了解です。あと仕入れ業者もチェックした方がいいでしょうね。各店でばらつきがあるようですし」

オレ
「特別な関係があるかも知れないな?一応理恵ママに相談してみてくれ」

毎日の売り上げは一旦10時で大雑把な現金がギャラクシーに集まることになっていた。翌日には正確な数字が報告されるが、伝票類は10日1度各店のマネージャーが整理して持ってくることになっていたが、かなりいいかげんな内容だった。各店の責任者の移動とともにそれらを改める必要があった。

ドアがノックされて松井が入ってきた。

松井
「チーママの佐和子さんが今日から出勤してますが?」

オレ
「理恵ママが判断したんだろう。仲良くしてやってくれ」

松井
「了解です」

オレ
「そうだ松井、辞めた島田には怪我させてないだろうな?」

松井
「はい^^かかってきたんで、腕をねじり上げた程度ですから(笑)」

オレ
「やり過ぎるなよ(笑)」

▼23時・・・スカイ・オフィス

オレは事務所内を見渡した。ここをもう1度改装してオレの住居専用にしようと思った。これだけ店舗数が増えると、やはり事務所機能は基幹店舗に集約した方が効率がいい。

ギャラクシーには、スタッフの更衣室、ホステスの更衣室、待機室、事務室、倉庫、それに特別室などの余裕がある。そこのスペース配分を見直して、事務室を拡充する。そして移転させる方が効率的かも知れない。

ジーンズとTシャツ、革ジャンに着替えて地下駐車場へ行った。トランザムを出してギャラクシーのビル前にハザードを点滅させて停めた。サングラスをかけてクルマから降りた。

K芸能の連中が来ていた。胡散臭いと思ったかのかオレに近づいてきた。オレはサングラスを取って「お疲れさん」と声をかけた。それでも怪訝な顔をして警戒していた。

高坂
「あっムーさん。お疲れ様ですっ!^^全然わかりませんでした(笑)」

オレ
「うん。^^さっき石井さんがわざわざ挨拶に来れられた。ありがとう」

高坂
「いえ、とんでもありません」

オレ
「じゃー」

オレはEVを待っていると、もう一基のEVからスタッフやホステスが降りてきた。サングラスをかけているオレに気付きもしないようで無言で通り過ぎた。オレはソレに乗って7階で降りた。

牧田
「申し訳ございません。当店はすでに閉店いたしました」

オレ
「うん。知ってる」

オレはサングラスをはずした。

牧田
「あっ!オーナー」

オレ
「その呼び方は勘弁してくれ!ムーさんでいいから」

牧田
「了解しました」

オレはそのまま店内に入った。松井と前田に先に出ると行って理恵を待っていた。理恵は着替えてこっちへ来た。

理恵ママ
「まーとっても若い^^」

オレ
「ははは^^普段はこうなんですよ!クルマで送ります」

理恵ママ
「ありがとう。嬉しい^^」

理恵を乗せて彼女のマンションに向かった。理恵はチーママの佐和子を許し復帰させた事をオレに伝えた。それはそれで彼女の判断なのでオレは口を挟まなかった。理恵はオレが泊まるものだと思っていたようだが、今日は帰ると言うと察したようでそれ以上は誘わなかった。オレはマンションの入り口まで付いてい行き、そこまでで帰った。

▼25時・・・メゾン西本町

オレはインターフォンを鳴らしてから鍵を使って部屋に入った。

オレ
「ただいまー」

理沙
「おかえり^^」

理沙は近づいてきた。オレは両手を広げた。理沙は軽く抱き付いてきた。オレはキスをした。

オレ
「ちょっとバタバタしてて」

理沙
「うん。聞いてる」

オレは革ジャンを脱いだ。理沙がそれを受け取りハンガーにかけようとした。オレはソファに座る。TVを消してカセットをかけた。

理沙
「こんなモノ必要だったの?」

理沙はオレの革ジャンから財布やら何やらを取り出す。うっかり入れたままになっていたケース入りの特殊警棒を見つけたようだ。

オレ
「ん?あーそれ用心の為無理やり持たされたんだ」

理沙
「無理しないでよ」

オレ
「うん。もう大方は片付いた^^」

理沙はビールとグラスを持ってオレの隣に座った。グラスを持つと理沙はビールを注ぐ。

理沙
「結局なんだったの?」

オレは簡単に一連の騒動の顛末を説明した。

理沙
「じゃーあなたが気付かなかったら今頃ギャラクシーは乗っ取られて、理恵は追い払われてたわけ?」

オレ
「そういう可能性もあった」

理沙
「それで、理恵を抱いた?」

オレ
「ぶぅーーー」

理沙
「そっかアレを見ちゃったんだ」

オレ
「・・・」

理沙
「でも覚えておいてね?これが限界よ(笑)」

オレ
「怒ってないのか?」

理沙
「理恵が相談に来た時そうなる事を予想して、あなたに「関わらないでっ」て言ったらあなた関わらなかった?」

「あなたはお金やオンナでは動かないけど、身近な人間が本当に困って助けを求めてるのを黙って見てられないでしょ?結局のところ関わってしまう」

「そして理恵はあなたにアレ見せる。あなたのウィーク・ポイント。もっともそれは私が以前に彼女に教えてしまったんだけど」

「だから私はイイカッコして我慢する方が、あなたのオンナで居られると思った」

オレは淡々と話す理沙を見ていた。そして思わず抱きしめていた。キスをした。オレの舌は理沙の舌に絡み強く吸った。理沙のスカートの裾を捲り上げた。理沙の太ももを抱え上げて「蒼い蝶」をみた。それは同時に無毛の性器が開き縦のくっきりとした割れ目の下まで開いて見えた。

蝶にキスをしたあと、性器をしゃぶりつくように口にした。

理沙
「あーーーユーイチ」

オレはキスをしながらスラックスと下着を脱いだ。理沙を抱きかかえてオレの膝に乗せた。理沙はオレのモノに手を添えて自分の穴にあててそのまま咥え込んだ。

理沙
「うぅー私のオトコ」

理沙はオレにしがみ付いて腰を使った。オレもその動きに合わせた。

理沙
「あー好き、愛してるわ」

オレのモノは理沙の穴の奥いっぱいに入ったまま理沙の動きに翻弄された。ピークの少し前の快楽が永遠に続く。

理沙
「お願いっあなたも言って」

オレ
「理沙、愛してるよ」

理沙
「あーーーユーイチ」

今日の理沙は普段と違う。オレが理沙の親友と寝たことがそうさせているのか?理沙は激しく腰を使いいった。

オレは理沙を膝から降ろして、床に四つ這いにした。後ろから一気に突き立てた。

理沙
「うぅー」

理沙の両手を後ろから持った。馬に乗るように理沙の尻に乗って責め立てた。理沙の顔が床に着き横を向いている。一気に責めた。

理沙
「あーーーあーーーあーーー」

理沙がいったその瞬間、オレの脳はスパークして強烈な快感とともに放出した。オレは理沙の尻から降りた。素っ裸になって風呂場へ行った。

熱いシャワーを頭からかぶる。理恵とは寝たが、オレは1度もいっていない。きっとそれは理沙にもわかっただろう。

後ろを向いて首から背中にシャワーを浴びる。気持ち良かった。

理沙が入ってきた。頭にタオルを巻いただけでオレに抱きつこうとした。オレはそれを押しとどめて、その全身を見た。バランスのとれた体。下腹部には小さな蝶が2匹見える。3匹目の内ふとももの蝶はこの角度からは見えない。そして裸のまま抱き合った。

理沙はシャンプーを使いオレの頭を洗った。そしてタオルと手でオレの体の隅々まで丁寧に洗う。

理沙
「我慢してくれていたのね?」

オレ
「んー(笑)」

理沙
「まだ私の中に残ってるわ。いっぱい」

オレ
「恥ずかしいー^^」

理沙
「どうして恥ずかしがるのよ」

オレ
「自分の欲望の証拠みたいで恥ずかしいじゃないか」

理沙
「変な人ねー(笑)私は嬉しいわ」

オレ
「オレはミナミのオトコか?」

理沙
「そうね^^間違いなくミナミのオトコだわ(笑)」

オレ
「あははは^^」

こうして一連の騒動は終息した。結果的にオレが背負ったものは大きく、カンパニーに関わる人間ももそれらを吸収して一気に増えた。そしてこの時まだオレはよくわかっていなかったが、すぐに『ギャラクシー』が持つ本当の力を思い知ることになった。


Nest Story>>>>>
<<<<<Back Story


━…━…━…━…━…━…━
 My History Index
━…━…━…━…━…━…━
| My History | 08:55 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP









http://kaizin.jugem.cc/trackback/1339
CONTROL
PROFILE
━…━…━…━…━
My History Index
━…━…━…━…━

メールフォーム

クリックで救える命がある。

RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
  • 迷子のフクロウ保護
    kina
  • ポール ライブ イン オオサカ
    pio
  • 宇野くん元気そうだ!
    るーく
  • 宇野くん元気そうだ!
    みく
  • キーボード
    るーく
  • キーボード
    みく
  • キーボード
    みく
  • キーボード
    るーく
  • キーボード
    みく
  • 週刊朝日
    るーく
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES

このページの先頭へ