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泣けるわけがないだろう


「泣けるわけがないだろう」ショーケン

ドラマの主題歌でした。その映像付きのヤツが良かったんですけどね。削除されてましたので・・・(^。^;)

1982年3月-----------

▼9時・・・スカイ・マンション1Fカフェ

横山
「どうでした?ニューヨーク」

オレ
「とりあえずエージェントが紹介してくれた物件を見て回って、1軒は決めてきた。」

横山
「いいところがありました?」

オレ
「ニューヨークの中心マンハッタンはタイムズ・スクウェアだ^^」

横山
「オレでも名前だけは知ってる場所です^^」

オレ
「ブロード・ウエイもすぐそこだしな」

横山
「ヒットまちがいなし!ですね」

オレ
「・・・それはわからん。」

横山
「えっ?」

オレ
「何しろ、やっぱり鮨、和食だからな一般的ではない。当然高級路線になるし苦戦は免れない(笑)」

横山
「あらら・・・そうなんですか」

オレ
「まーでも勝算はある(笑)」

横山
「良かった(笑)」

まだ時差ぼけしているが、1週間の予定でニューヨークから昨日戻って来たばかりだった。先に自分たちのねぐらを確保するつもりでいたが、見て回るうちにいい立地のビルを見つけたので、先にそこを押さえた。そして1週間かけて周辺のレストランを見て回った。

実際にマンハッタンの中でタイムズ・スクウェアが良いのか?というと他にも良いと思われる地区はたくさんある。色んな事を考えているとなかなか決断できない。オレは自分の感だけでそこに決めた。

そして最初の店は鮨単体でやるよりは、日本食レストランとしてある程度メニューの展開を変更可能な形態で運営する方がよいと考えた。もちろん料理人が必要だが、山城屋さんとのコラボでそれが行えることもラッキーだった。

オレ
「それにしても寒かった。あんな寒い地域だとは思わなかった(笑)」

横山
「そーですかー^^でもそうして実際に場所が決まるとなんだかタイムズ・スクウェアにものすごく親しみが沸いてきますよ」

オレ
「うん。実際にオープンしたらすぐに来い(笑)」

横山
「はい」

オレはEVで11階に上がった。1110号室。すでに玄関ドアに書かれていたネームは取り払われて「武藤」の表札に変っていた。

インターフォンを押す。


「はい」

オレ
「オレ^^」

ドアが中から開けられて中に入った。まるでそこはコレまでのオフィスではなく、デザインされた一般住居に変っていた。

オレ
「へー一体ここは何処だ?(笑)」


「あなたの家よ^^もっとも2日前に出来上がったばかりだけど」

オレ
「靴を脱いで上がった。ドアを開けてリビングへ入った。右手がキッチンになっていてそこレイアウト的には同じだったがデザインは大きく変わり、カウンター付きの対面式になっていた。

そして以前よりは少しせまくなったリビング。これまでこの場所からすぐに部屋のドアがあったが、あらたに間仕切りも兼ねて廊下がつくられ、その分小さく感じた。もちろんそれは一般的には十分すぎるぐらいの広さの空間を有していた。

オレはリビングに入りソファに座った。玲子はキッチンからビールを用意してオレの隣に座った。オレはグラスを持った。玲子はビールを注いだ。


「ここだけは間に合ったんだけど、それぞれの部屋はまだ手付かずなの(笑)」

オレ
「なかなか落ち着いていい感じだ^^」


「沢木さんのデザインセンスはバツグンね!^^」

オレ
「うん。素晴らしい(笑)」

エスポワールのママとして、本名のまま「玲子ママ」として今週から店に出ていた。ここからだと徒歩で行き来できるため、箕面から2日前に引越してきた。


「昨夜は東京のホテル?」

オレ
「うん。4時に到着してホテルに入って2時間寝て、そして朝1番で伊丹空港。。。」


「お疲れ様。ニューヨークどうだった?」

オレ
「うん。ほんとに24時間眠らない街で、とんでもなく危険なところもあって面白そうだ(笑)」


「そう^^楽しみね」

オレは出店計画の若干の変更の説明や、タイムズ・スクウェア周辺の話などを聞かせた。そして下見してきたニューヨーク大学のことや少しだけ散歩したセントラル・パークの事も・・・

玲子は終始穏やかに聞いていた。

オレ
「そうだ。オレの部屋はそのまま?」

玲子
「向こうから持って来たものは入れたけど、まだ手をつけてないわ^^」

オレはソファから立ち上がり引き戸を開けて廊下に出た。一番手前の部屋のドアを開けると・・・そこは以前のままだった。なんとなくそれが前のイメージを引きずり違和感があったのだが、慣れの問題だろう。オレは玄関に置いた荷物をそこに入れて、ワードローブを開いて着替えた。そしてリビングへ戻った。

玲子
「そうだ。コレ!ここの新しい鍵よ」

オレ
「前のはもう使えないんだな?」

玲子
「うん。最新式の鍵に変ったし^^」

オレ
「ふむ」

オレはそれを受け取りジーンズのポケットに閉まった。そして南側の窓に近づいてブラインドを開けた。そこからの眺めは変って居なかった。

玲子
「ここからの夜の眺めはいいわね!」

オレ
「うん。想像もできなかった」

玲子
「何が?」

オレ
「いや何も(笑)」

玲子はそれ以上聞かなかったが、気付いただろう。ここは初代リョーコと暮らした場所。千日前から周防町に店を替り、ディスコ・ボーイをしながらまだ音楽に夢を持っていた頃・・・毎夜のようにリョーコを後ろから抱いてこの眺めを見ていた。

こんな風に一般マンションのレイアウトになるとその頃の記憶と重なり合う。

オレ
「まだ1階に顔を出してないから、ちょっと行ってくるよ」

玲子
「お昼はどうする?」

オレ
「ここで蕎麦食いたい」

玲子
「うん。じゃー用意しとく」

オレはアディタスのスニーカーを履き、ニューヨークで買った革ジャンを羽織ってEVに乗り1階へ行った。裏の通路からファミリー不動産へ入った。

四方
「お帰りなさい^^」

オレ
「ただいまー(笑)なんか変な感じだけど」

石井
「上と比べると手狭ですけど、仕事ははかどります」

前田
「ニューヨークどうでした?^^」

オレ
「タイムズ・スクウェアの近くで決めてきた(笑)」

石井
「そうですか!ついにというかとうとうニューヨークですね」

四方
「そんな1等地で大丈夫なんですか?」

オレ
「それが意外と安いんだ。東京と比べても安い。そして50年契約できた(笑)」

石井・前田・四方
「50年」

オレ
「まっ向こうの不動産事情も変ってると言うか、それが国際的と言うのかオレにはわからないけどね(笑)」

そんな話をしている間にも反対側の通りに面したショップから来店者がどんどんあり石井や前田がフォローしていた。

四方
「やっぱり3月ですから引越しが多いんでしょうねー賃貸住宅がすごく動いてます」

オレ
「そっか期末だし、3月は移動の季節だもんな!」

四方
「留守中・・・女性からの電話が頻繁にありました」

そう言って四方は連絡ノートを引き出しから出した。ユーコ、ヒロミ、ヨーコ、リョーコ。中でもユーコからの電話が多かった。

オレ
「ショーコとは仲良くやってる?」

四方
「えーまー(笑)ちょっとアリますけど」

オレ
「なんだ?」

四方
「ムーさんがなかなか私の言うこと聞いてくれませんから」

オレ
「えっ?そんな事ないだろう?あったか?」

四方
「この間の約束がそのままになってますから・・・」

オレ
「あははは^^じゃー午後から行こうか?」

四方
「えっ今日ですか?」

オレ
「ん?ダメか?」

四方
「ちょっと安全な日じゃないので」

オレ
「それは大丈夫だ心配しなくていい」

四方
「はぁ〜」

オレ
「じゃー後で^^」

オレはそのまま通路側から事務所を出た。そして上に上がりさっき渡されたカギを使って部屋に入った。

オレ
「ただいまー」

玲子
「おかえりー^^」

オレはダイニング・テーブルの前に座った。玲子はキッチンに入っていた。コッチを向いているので顔を見ながら話しができる。なるほどコレが対面キッチンの意味か?納得した。

玲子
「さっきおかーさまから電話があったの」

オレ
「おかーさま?」

玲子
「あなたのおかーさまよ」

オレ
「げげげっ!何だ?何て?」

玲子
「明日こちらへお見えになるそうよ」

オレ
「何でだ?」

玲子
「引越しのお祝いとか裕人の顔を見にくるそうよ^^」

オレ
「オレは居ないけどよろしく頼むよ」

玲子
「はいはい^^」

7年ぶりに自宅に戻って以来オフクロは何度か箕面の自宅には来ていたようだったが、まだ親父とは会っていない。意識して会っていないわけじゃなく、向こうは会いに来るものだと思っているようで、自分からは来る気がないらしい。

玲子
「それとおとーさまにはいつご挨拶できるかしら?」

オレ
「親父か・・・」

玲子
「あなたがニューヨークへ行ってしまうまでにはちゃんと会いに行こうねっ!」

オレ
「・・・」

玲子
「あなた高知にも来てくれて、私の家族にもうまく合わせてくれたじゃない?」

「そんな器用に振舞えるのに、どうしておとーさまはダメなの?」

オレ
「玲子の親族に合わせるのは当たり前じゃないか。自分の親父にはできないよ」

玲子
「どうしてそこだけ拘るのかなー?(笑)」

オレ
「あんな偽善者と仲良く出来ないんだよ」

玲子
「ふーん。信じられないぐらい子供っぽい理由ね?(笑)」

オレ
「・・・」

玲子
「なんか可愛い(笑)でも一緒に行ってご挨拶させてね」

オレ
「ああ」

オレは山盛りのざる蕎麦を2杯食った。そして地下駐車場へ行きクラウンを出した。長堀通りの路肩に停めて車内から電話をした。


「はい。ムトー商会でございます」

オレ
「オレ、長堀沿いにクルマ停めた」


「はい。わかりました。失礼します」

すぐに四方はやってきた。サングラスをかけてちょっと慌てた感じで助手席に乗り込んだ。オレは可笑しくなった。

オレ
「誰にも見られてない?」


「はい。大丈夫だと思います。。。」

オレ
「今のうちにリクエストを聞いとく」


「リクエスト?」

オレ
「好みの体位があれば・・・」


「・・・からかってるんですか」

オレ
「あははは^^ジョーダンだよ!ちょっと緊張してるみたいだから」


「ひどいヤツ」

オレは生玉のキング・コングへクルマを入れた。誘導灯に沿って部屋に入った。トロピカルなリゾート仕様。オレのデザイン。店も自分の部屋も女の部屋も全部変ったが、ここだけが最後に残った変らない場所になってしまった気がする。

四方はコートを着たままソファに軽く腰をかけた。暖房は入っている。オレは風呂場へ行ってジャグジーに湯を張った。

ベッドヘッドのパネルを操作して照明を落とし、Mをかけた。そして四方の隣に座った。


「よく利用するところなんですね」

オレ
「このホテルの部屋はオレがデザインした。一時期カンパニーの所有だった」


「あっそうなんですか。それで」

オレは四方の頭の後ろを持ってキスした。ちょっと抵抗する気配をみせたが、口を開いてオレの舌を受け入れた。四方の舌に絡ませて強く吸った。コートの中に手を入れて胸を掴むように揉んだ。キスをやめてそのまま抱くようにして服の上から乳を揉んだ。

オレ
「ベッドに行こう」

オレは革ジャンを脱いで、ソファに放り投げベッドカバーを外し、毛布を半分剥がした。四方の方を見るとまだソファに座っている。目が合うと視線を外して立ち上がりコートを脱いでソファにかけた。そしてこっちに近づいてきた。

オレは肩を抱いてベッドに座らせた。そのまま抱き寄せてキスをし舌を使った。ワンピースを上から脱がせた。四方は腕を前に持ってきて隠す。ブラジャーをはずして腕を退け乳を掴み押し倒した。もう一方の乳を口に含み舌を使い乳首を転がすように吸った。

そのまま服を下げて足元から脱がせた。四方は体を横に向けて隠す。オレは四方のストッキングと下着を一気に押し下げてそれも脱がせた。脚を絡めるようにして下半身を隠す。オレはその体を見ながら裸になった。オレのモノは痛いぐらい固く怒張していた。

四方の両腕を上に上げるようにして脇の下に顔を埋めた。舌を使って脇を舐めた。かなりの力で腕を下ろして逃げようとした。乳を手のひらで擦り付けるようにして揉んだ。四方の吐息が喘ぎに変る。乳を丁寧に揉み乳首を口にする。時間をかけて四方の乳を責めた。四方の太ももは擦りあわされ、股間の疼きに耐えている。

脚を絡ませて四方の脚の間に膝を入れた。オレの手は乳から徐々に下へ・・・腹を撫で草むらを指先で掻くように弄った。四方の体はその度に反応して動く。そして割れ目を撫でると四方は思わず声を漏らした。

四方
「あっ」

四方は手で自分の口を塞ぐようにした。オレの指は割れ目の中のクリトリスを指で押すように責める。その度に四方の上半身は揺れた。クリトリスの下のヒダを指で開いた。すぐに熱いものが溢れ出した。周辺を探るように撫で、その下の後ろの穴の付近も指で押すように責めた。四方の体は伸び上がり逃げようとする。手は口元から離れない。

親指をクリトリスに当て、人差し指は軽く女の穴に・・・浅く入れて二本の指でそこを挟むようにして動いた。四方の体に被さって下半身を責めながら耳に舌を入れた。四方は頭を振り逃げた。オレは四方の口元の手を払ってキスをした。

四方の舌を強く弱く吸った。オレは片手で上に上げさせた四方の両腕を押さえた。再び乳にキスをしながら股間に入っている指の使い方を変えた。女の穴に指を二本付きたて穴の奥を強く探った。

四方
「あぅー」

声が漏れ始めた。腕を降ろそうとするがしっかりとオレの手が押さえていて降ろせない。顎を突き出して快楽の声を漏らさないようにしている。

オレは上半身を起して片手で乳を揉みながら片手で股間を責め続けた。四方は腕を使って顔を隠すように横を向いている。必至で声が漏れるのを押さえながら顔を見られないように隠す・・・四方の股間はすでにズブズブになっていた。

オレはゆっくりと四方の体に乗り太ももを軽く抱えて、オレのモノをゆっくりと入れた。

四方
「うわーーー」

口元を手で押させていても声が出てくる。オレの腰は動きつづけた。オレのモノは四方の穴の奥いっぱいまで入りまだその奥を目指すように動きつづけた。

四方
「あう あう あう」

断続的に声が漏れ始める。ピークの少し手前・・・動きを怠慢にしてその状態を保った。

四方
「うぅーうぅー」

ゆっくりと一定のリズムでまた動く・・・快楽のピーク寸前で何度も止め、拷問のように穴を責める。理沙や理恵なら泣きながら懇願し腰を振る。

オレは動きを早めた。女の状態をよく見ながらピーク寸前のところで半分抜くようにした。

四方
「うぅーーー」

オレ
「ほら腰を振って」

四方は動かない。オレはまた激しく動いた。

四方
「あぅ あぅ あぅ」

そして緩めた。

四方
「いゃー」

ようやく懇願する声を出した。オレはそのまま思いきり攻め立てた。

四方
「うぁーあーあーーあーーー」

四方の上半身がものすごい力で反り返った。指は折れるのはないかと思うぐらい曲がりベッドに突き刺さっている。

大きな声のあとぐったりとその体から力が抜けるようにベッドに沈み込んだ。オレは四方の脚を折り曲げてより激しく動く

四方は頭を振り声を出す

四方
「やめてっ いやっ やめてー」

オレのモノはまだ穴の奥を突き動きは止まらない。

四方
「うぁーーーあーーーあーーーあーーー」

立て続けに四方は行った。オレはゆっくりと四方の体がから降りた。四方の体はオレに背を向けた。

四方
「うぁーあぅ あぅ」

四方の体はまだ反応し続けている。体の中を快楽が走り回っている。クールダウンさせずにそのまま様子を見ていた。

四方
「うぅーうぅー」

「あぅ」

オレはベッドから降りた。冷蔵庫からビールとコークを出した。ベッドに戻りベッドヘッドに凭れてビールのプルトップを引いて口にした。

四方の体をひっぱってコッチに向かせようとしたが抵抗された。ビールを置いてベッドに潜り込んで四方を後ろから抱いた。前に手を伸ばして乳を掴んだ。四方の両腕は胸の前に持ってきてオレの手の自由を奪おうとする。

オレ
「もしかして怒ってるのか?」

四方
「・・・」

オレは尻の割れ目にオレのモノを充てた。四方の体が動いてそれを外した。オレは毛布を剥がして四方の裏返し、腰を持ち上げた。次にされることがわかったのか四方は抵抗する。力で腰を持ち上げて犯すように一気に後ろから入れた。激しく突き立てて責める。

四方
「うぁーーーあーーー」

オレは四方の両腕を後ろに回した。後ろで手で交差させるようにして持ち腰を使い続けた。四方の穴はよく絞まりオレのモノをあいっかり咥え擦りつける。いい穴だった。オレは歯を食いしばり自分の快楽を押さえ込んで責め続けた。

四方
「あーーーあーーーあーーー」

四方の穴の締りが少し緩んだ。オレの動きは止まらない。

四方
「いやーもう もう許して」

ようやく泣き始めた。オレは動き続ける。

四方
「あーあーーあーーー」

後ろから責められて四方は立て続けにいった。オレはその体を放り投げるように横に置いた。ベッドに潜り横抱きしてこっちを向かせた。

四方
「うぅー」

四方は涙を流して泣いていた。オレは股間に手を入れて穴のあたりを押すようにしてその体からきつい快感を逃がした。

泣き声に似た声がだんだんとおさまってきた。オレは四方の顔にオレの顔をこすり付けた。もう何も抵抗する力が残っていないのか四方はされるままになってオレに抱かれていた。

股間から手を離し、毛布を引っ張り上げて四方の体にかけた。毛布の上から背中を少し叩くように撫でた。1分も経ってないだろう。四方は眠った。

オレはベッドを降りた。風呂場に行ってジャグジーの湯を止めた。すでに溢れていた。冷蔵庫から新しいビールを取り出して飲んだ。ワードローブを開いてバス・ローブとバスタオルを取り出した。一組をベッドに置き、オレはバスローブを羽織った。

オレはソファで少しまどろんだ。まだ時差ぼけの影響があるのかもしれない。四方の起き出す気配がした。オレは目を開けた。

オレ
「お目覚めの気分は?」

四方
「・・・私」

オレ
「一緒に風呂入ろう」

四方
「いいです」

オレ
「ダメだ。先に入るから来い」

オレは立ち上がり風呂場に向かった。シャワーを頭から浴び顔、首、肩で受けた。シャンプーを使い軽く髪を洗った。

ジャグジーに入る。湯が少し溢れた。手足を伸ばして屈伸した。

ふいに風呂場の明かりが消えた。ドアが開いて四方が入って来た。白っぽい体。それがとれてしゃがんでかけ湯をしたかと思うと浴槽に入って来た。

オレ
「怒って入ってこないかと思った(笑)」

四方
「・・・」

オレ
「ものすごい恥ずかしがりなんだな」

四方
「・・・」

オレ
「何か言ってくれよ」

四方
「知りません」

オレはスイッチを入れた。

四方
「きゃー」

浴槽の真ん中が盛り上がるようになりボコボコと音を立てて気泡が上がってきた。浴槽の中が照明で照らされて青になった。

オレ
「ほらキレイだろう^^」

オレは四方の体をこっちに引っ張った。ゆっくりと四方が近づいた。頭にタオルを巻いている。後ろから四方を抱き乳を弄った。もう抵抗はしない。諦めたようだ。

四方のふとももに気泡があたるように動かした。

オレ
「ほら気持ちいいだろう?」

四方
「・・・はい」

オレはスイッチを切り替えた。

四方
「あっ」

今度はジェット水流になり青から赤に水の色が変化した。風呂場の明かりが消えているせいかそれはとても明るく脚の形までよく見えた。

オレ
「キレイだなーお前の脚」

「振り向いてキスしてくれないか?」

四方は言われた通り上半身を捻って向き直った。少し怒ったような表情で顔を寄せてキスをした。舌は入ってこない。オレはキスを止めさせた。

オレ
「オレの頭の後ろを持って引き付ける様にキスをして舌を入れて」

四方は済ました顔をしてその通りにした。四方の舌が入って来たオレはそれに軽く吸ったオレが舌を入れると四方も同じようにした。オレは四方の体を持って膝の上に置くようにした。四方はオレの頭を持ったまま引き寄せた。

オレたちはキスをいっぱいした。

▼17時・・・ギャラクシー・オフィス

前田
「ムーさん。ニューヨークにも風俗店はあるんですか?^^」

松井
「お前もっと他に関心はないのか?(笑)」

オレ
「ははは^^まー本能的なモノは世界共通だ(笑)」

「まさしく人種の坩堝で、パーラーもイイオンナいっぱいいたぞ!」

前田
「うわーいいなー^^もうやりまくりですか?」

松井
「バッカヤロー(笑)」

オレ
「もう大変(笑)来る前に絶対鍛えて体力つけておけ!」

前田
「はいっ^^」

松井
「一応オレも鍛えておきます(笑)」

オレ
「あははは^^」

ドアがノックされ理恵が入って来た。

理恵
「あーなんかエッチな話してたでしょ?^^」

オレ
「いやシゴトの話だよ^^」

理恵
「まっちゃんは硬派だからアレだけどユーちゃんと前ちゃんが一緒だと絶対風俗の話題でしょ(笑)」

松井
「さすが理恵ママ^^よく見抜いていらっしゃる」

前田
「あはっオレはムーさんに付き合ってるだけですよ」

オレ
「でも、ミナミのソープの事は前田の方が詳しい」

理恵
「モテる男たちがどうしてなのかしらねー?^^」

ドアがノックされ佐和子が顔を出した。入れ替わるように松井と前田が交代して部屋を出て行きスタンバイした

佐和子
「おかえりさなさい^^」

オレ
「うん。ただいまー^^」

タイムズ・スクウェアに出店を決めたことブロードウエイが近いこと、日本料理で出店することなど等、思った以上に他の日本食レストランに日本人以外の客が多いこと等などを話した。

理恵
「へーそーなんだ。ニューヨークへ行くのがとっても楽しみになってきたわ」

佐和子
「うん。私たちが和服でサービスすればアメリカ人もイチコロだと思うわ(笑)」

オレ
「あははは^^いざとなったら助けてくれ(笑)」

▼18時・・・「菊水亭」

松村
「そうか^^それは何よりだったな」

山城
「何しろタイムズ・スクウェアですから、最高の立地だと思います^^」

オレ
「相当のレストランを見て回りましたが、大変勉強になりました。やっぱりNYで創作日本料理をメインに純粋なレストランとしてやる方がニューヨーカーにウケると確信しました」

山城
「日本食はアレンジの仕方によってフレンチやイタリアンと並ぶ料理だと思ってますから^^」

松村
「うん。楽しみにしてる(笑)」

ニューヨークには山城さんとふたりで行った。事前に紹介してもらったNYの和食レストランの経営者にも会い色々NY事情を教えてもらったり、現場の日本人スタッフとも話す機会あり面白い話を聞かせてもらうことができた。

紗也乃
「それにしても色気のないニューヨーク出張だったのね?」

山城
「ユーちゃんは何処かに出かけてたようですけど(笑)」

オレ
「あははは^^危険なところが好きなモンで」

紗也乃
「リョーコちゃんがむくれてましたよ!置いてきぼりにされたーって」

オレ
「今回は山城さんとふたりでハードスケジュールでしたから」

松村
「あいつは変なところがあって、そういうプロっぽいのが好きなんだ」

山城
「はて?プロっぽいですか?」

オレ
「レストランやりたい!って前にも山城さんに相談してたじゃないですか」

山城
「あーそう言えばそうでした(笑)」

オレ
「きっと今回の最終コンセプトを知ったら自分もやりたいって言い出すでしょう(笑)」

紗也乃
「さすがユーちゃん。よく見てるわね」

松村
「きっとあいつの事だから、すでにニューヨークへついて行くつもりじゃないかな?」

山城
「そうですね。その可能性は非常に高いですね!どうします?」

オレ
「えっ?オレですか?さー?(笑)」

ショーコとは何度かベッドを共にしていたが、だからと言ってその距離感が縮まることはなかった。大槻の一件も知られていなかったし、それ以降話題になることもなかった。出発直前に会った時にもNY出張の事は黙っていた。

松村
「ユーちゃん。その事で後で相談にのってよ^^」

オレ
「はぁ〜」

それから暫くして菊水亭を後にした。そのままの流れでローズマリーに行った。ここは以前のチーママがそのまま継続してやっていた。すでに経営はムトー商会に移っていた。

奥のちょっと隔離されたような席、ギャラクシーの特別室のような使い方ができるソファ席だった。

綾香ママ
「いらっしゃいませ^^」

オレ
「うん。このメンバーで来るとボクがお客さんの気分になるよ^^」

紗也乃ママ
「私もまだママの気分が抜けないわ^^」

松村
「ワシはいつでも何処でも常連気分だ(笑)」

黒服がすぐにブランデーのセットを用意して、水割りとストレートをつくりそれぞれの前に置いた。正面に松村さんと紗也乃ママ。オレの隣には綾香が座った。暫く雑談をした後、綾香は「どうぞごゆっくりお過ごしください」と言って席を離れた。すると紗也乃ママまで席を立った。

松村
「アレにも困ったもんだ。ユーちゃんにも迷惑かけてるようだし」

オレ
「オレは別に・・・」

松村
「実を言うとワシの会社のひとつに調査会社があるんだ。大抵の事はわかるんだが・・・ユーちゃんのことになるとわからない部分が多いんだ」

オレ
「そーですか。継続調査の対象なんですね(笑)」

松村
「ショーコの遊び相手がユーちゃんを襲ったらしいけど、失敗して撃退されてしまったと聞いてる」

オレ
「そーいやなんかそんな事を松井が言ってました」

松村
「ユーちゃんを怒らせたら警察幹部だって首が飛ぶとも」

オレ
「それは知りません」

松村
「龍の女は見せてもらったし、ファッション業界ではユーちゃんと付き合ったモデルは出世するってジンクスまであるそうじゃないか(笑)」

オレ
「あははは^^」

オレは目の前の水割りを口にした。少し濃い目、オレの好みに合っていた。松村さんの表情が少し変化した。

松村
「ユーちゃんを始めて見た時は驚いたよ!」

「こいつがムトウ・ヒロカズか?って」

オレ
「ん?」

松村
「大学も行かずに夜バイトして・・・こんなヤツのどこに惚れたんだ?って」

「案の定、年上の風俗女と同棲して、二股かけられた」

「そして、相手にしてもらえず母親を安心させるために結婚した」

オレ
「松村さん。。。」

松村
「女の母親が亡くなったと知ったら・・・風俗女と別れてしまった」

「それから2年半、女を作らなかった。何故だ?」

オレ
「・・・あんた誰だよ?」

松村
「その間、風俗を回り歩き別れた女を捜した」

「一方で結婚してしまった女を気にしてる」

「女も昔の男がいつも気になっていた」

「どうしてその女を取り返しに行かなかった?」

オレ
「あははは^^大きなお世話だ(笑)」

オレはジーさんを睨んだ。立ち上がった。そしてその場から離れようとした。

松村
「ワシのもうひとりの娘なんだ・・・キョーコは・・・」

オレ
「デタラメもいい加減しろ!!!」

オレは切れた。激怒した。許せなかった。

松村
「この程度の事で何故怒る?やくざにも通用する「ミナミのムトー」が」

オレ
「勘違いするなよ!ジジー」

「オレはいつだってひとりでやってるさ」

オレは立ち上がったまま相手を見下ろして怒鳴っていた。気配を察して紗也乃ママがやってきた。

紗也乃ママ
「ムトーさんごめん。松村を許して」

オレ
「・・・」

紗也乃
「橘京子は松村泰蔵の本当の娘なの」

オレ
「カンケーねーよそんなモン!!!」

松村
「赤いバラの花束を持って毎年墓参りに行ってくれてるそうだな」

「京都の芸者だったんだ。ワシの子供を身ごもって芸者を辞めたんだが・・・」

「それをワシが知ったのはそれから数年後だった」

「ワシの援助を断って、自分で働いて京子を育てよった」

オレ
「今ごろになって何寝ぼけた事言ってんだ?」

「おばさんが亡くなる前に何故安心させてやらなかった?」

「そしたらキョーコは結婚しなかったかも知れない」

「オレは・・・」

オレはその場を離れ店を出た。EVに乗り外に出た。足早に歩いた。道頓堀の手前まで来た。右手にダイヤモンドビル。1階の喫茶「ミルバ」に入った。珈琲を注文した。ラークに火を付けて外を見た。向かいのビルの何処かのクラブのママだろう。ホステスを大勢引き連れてタクシーに乗り込む客に礼をしている。

そのビルの7階・・・クラブ「純子」が昔あった。今と同じようなシーンをオレは大阪に出てきたばかりの頃にこのミルバで見た。始めて純子ママ(玲子)を見た時の光景が思い出された。

入り口の公衆電話を使った。


「はい橘です」

オレ
「ムトーです」


「あらユーイチ^^珍しいわね?」

オレ
「お前の親父の名前なんていった?」


「どーしたのよ急に(笑)」

オレ
「いいから教えろ!」


「松村泰蔵よ!もっとも私が生まれる前に亡くなってるけど」

オレ
「おかーさん。京都で芸者やってたか?」


「うん。話でしか聞いた事ないけど・・・突然どうしたのよ?」

オレ
「・・・明日また電話する」

オレは受話器を置き東洋ビルの事務所に電話を入れた。横山は居なかった。オレは席に戻った。すでに珈琲は運ばれてきていた。ミルクだけを入れて口にした。ゆっくりとラークを吸った。

簡単に挑発に乗ってバカかオレは・・・知らん顔して聞いていれば良かったものを・・・

▼21時・・・ギャラクシーオフィス

オレ
「理恵ちゃん^^ただいまー」

理恵
「あらっご機嫌ねー^^」

オレ
「ははは^^時差ボケで眠いしすぐ酔っちまう(笑)」

理恵
「そうなんだ。じゃー今から一緒に帰って寝ようか?^^」

オレ
「うん^^」

ドアがノックされた。松井が声をかけて入ってきた。

松井
「松村さんがお見えです」

オレ
「・・・居ないって言ってくれ」

松井
「すみません。もう・・・」

オレ
「そっか。。。」

理恵
「紗也乃ママも一緒よね?特室にご案内して^^」

松井
「はい」

松井は出て行った。

理恵
「ユーちゃん。何かあったのね?私も一緒にいていい?それから帰ろう^^」

オレ
「・・・わかった」

理恵
「じゃー先に行くけど後で来てね^^」

理恵が出て行った。オレはラークに火をつけた。ゆっくりと吸い終わるまでそこに居た。事務室を出ると松井が居た。

オレ
「ジーさんの様子は?」

松井
「ひどくお疲れのようでした。紗也乃ママもなんだか沈んだ様子です」

オレ
「そう」

松井
「理恵ママがムーさんを帰さないように見ててくれって、どうします?」

オレ
「・・・今日はもうダメだ」

松井
「わかりました」

オレ
「悪いが消える」

松井
「はい」

オレはそのまま裏口から出てEVに乗ってギャラクシービルを出た。やはりどうしても怒りが収まらなかった。松村氏がキョーコの父親だと!19の時に大阪に出てきた時からオレの事を知っていただと!キョーコとリョーコは腹違いの姉妹じゃねーか!オレはリョーコも抱いちまった。

周防町を西に歩いた。東洋ビル。カプセル・イン・トーヨーに入った。入り口には川村が居た。オレは顔パスで入り2階のサウナへ行った。

サウナでしっかりと汗を出して、大浴場で「アカスリ」を頼んで、おばちゃんに体を洗って貰った。そして3階で簡易ベッドで「マッサージ」も受けた。その頃には時差ボケもあったのか半分眠っていた。

体は軽くなり少しは気分も収まった。そのまま5階のカプセルに入って眠った。

▼午前5時・・・

東洋ビルを出て、歩いてスカイマンションに戻り自室に入った。そしてスーツを脱ぎ、ジーンンズとTシャツに着替えた。リビングに戻り珈琲を淹れた。

ソファに座って室内を見渡した。すっかり普通の居間に変わってしまっている。寝室のドアが開いて玲子が起きてきた。

玲子
「まー早いのね^^」

オレ
「ん?あー起こしてしまったか。悪いな!まだ早いから寝てろよ」

玲子
「ううん。大丈夫よ!」

玲子はキッチンに行き、出来上がった珈琲を用意していた。そしてそれを持ってオレの隣に座った。玲子はフレッシュ・クリームだけを入れてスプーンを使った。オレはすぐにそれを口にした。

玲子
「疲れてるのね」

オレ
「そーでもないさ」

玲子
「日本に帰ってきてから、信じられないぐらい騒動続きだものね」

オレ
「ははは・・・」

玲子
「もうすぐニューヨークよ^^楽しい事だけ考えてあと少し頑張って」

オレは玲子を抱き寄せた。そして玲子の顔に自分の顔を擦りつけた。玲子の匂いをいっぱい嗅いだ。そして寝室に入ってセックスをした。

玲子の言う通りだった。あともう少しだ。問題山積だけど、全部自業自得なんだからひとつひとつ解決していくしかない。その後には・・・ニューヨークが待っている!

▼10時・・・掬水亭「はなれ」

松村
「ユーちゃん。昨夜は済まなかった」

そう言って松村さんはテーブルに手をついて頭を下げた。オレはもう怒らないようにした。

オレ
「いえ、気にしてませんから手を上げてください」

紗也乃
「そう言って頂けるとほっとします」

松村
「決して放って置いたわけじゃないんだ。何度も京子の母親と接触して本当の事を話して会わせて欲しいと言ったんだが・・・その度に断られた。会わない約束を守ってくれと」

「もちろん何度かそっと近くで見たことはある」

「もしあの時、ワシが現れたら京子は結婚せずユーちゃんを待ってかも知れない」

「そしたらユーちゃんは京子と一緒になって、幸せに暮らせたかも知れないな」

オレ
「・・・」

オレはテーブルの上の茶碗を手にした。熱いお茶だった。一口、口をつけた。

オレ
「オレを初めてみたのはいつです?」

松村
「ずいぶん前だ。ユーちゃんが千日前のディスコとやらで働いていた時だ」

オレ
「そーでしたか。じゃー鮨屋で会ったのは?」

松村
「アレにはワシも驚いた。偶然だ」

オレ
「オレを見極めようとして仲間に入れてくれと?そして店までオレに・・・」

松村
「それは本当にユーちゃんを信用しているからだ」

オレ
「何故最初にキョーコの事を言わなかったんです?」

松村
「言えばこんな風にはなれなかっただろう?」

オレ
「じゃー何故今になって?」

松村
「ユーちゃん。京子と会わせてくれないか?」

オレ
「別にオレに断らなくても会いたければ勝手に会えばいいじゃないですか」

松村
「ワシは母親と約束した。だからワシから名乗り出て会いに行くことは出来ない」

「ユーちゃんが京子を連れてきてくれたら、死んだ母親も文句は言わないだろう」

「それより何よりユーちゃんが居れば京子が安心する」

オレ
「麻里子ママは知ってるんですか?」

松村
「ワシと紗也乃以外知らない」

オレ
「じゃーどうなるかわかりませんけど・・・キョーコに聞いてみます」

松井
「わかった。ありがとう」

紗也乃ママ
「ムトーさん。ありがとうございます」

オレ
「それからエスポワールとローズマリーはお返しします」

紗也乃ママ
「ムトーさん。それは・・・」

オレ
「ダメです」

--------------------------------
2日後・・・ロイヤル・ホテル
--------------------------------

キョーコ
「なんか・・・ちょっと怖い」

オレ
「ただのジーさんだ(笑)オレはお前の横に居る」

キョーコ
「うん」

ジーさんの弁護士がキョーコに連絡をいれて父親の存在を告げた。そしてオレと一緒に会いたいとキョーコに伝え、今日の日がセットされた。

オレ
「じゃー行くか」

キョーコ
「・・・」

オレは立ち上がりロイヤルホテルのカフェを出た。キョーコはオレの後ろを付いてくる。EVに乗り最上階のスイートに行った。ドアをノックする。ドアが開き紗也乃ママに招き入れられた。キョーコはオレの腕を掴んだ。指に力が入りオレの腕は少し痛んだ。

オレは応接セットのようにセットされたソファの前に立った。ジーさんを睨みつけた。ジーさんはスーツを着ていた。

松村
「キョーコ。すまなかった」

ジーさんは床へ座り手をついた。

京子
「・・・そんな事しないで下さい」

松村
「すまない。許してくれるか?」

京子
「はい。ただ突然の事なのでまだ信じられません」

オレ
「座ろう」

オレたちはソファに座った。キョーコはオレの顔を見た。オレは頷いた。お前の思う通りの事を言えばいい。

キョーコ
「松村泰蔵っていう人が父で私が生まれる前に亡くなった。そうおかーさんから言われて育ちました」

「おかーさんが亡くなって、その後おかーさんの遺書に松村泰蔵さんは生きてると書かれてありました」

「びっくりしました。。。ただびっくりしただけです」

「でも私はすでに結婚していて、目の前のことで精一杯でしたから・・・」

「だからこの間、ユーイチから父の名前を聞かれた時も、生まれる前に亡くなってる。と答えました」

松村
「君とは会わないと言う約束をおかーさんとしていた。ワシは会いたかったが・・・最後まで許してもらえなかった」

「ずいぶん前にムトー君とキョーコが一緒に居るところを見た」

「そしてつい最近になってムトー君と偶然知り合った」

「すぐにワシは気付いたのだが・・・この事を言わなかった」

「ムトー君がどんな男かを調べていた」

「そして信用できる男だと確信して京子の事を話した」

「ムトー君を激怒させてしまって・・・」

「申し訳ない」

オレ
「オレの事はどうでもいいです」

「それから京子、このジーさんは調査が好きなようで、オレのこともキョーコの事も大抵の事は知ってるようだ」

京子
「松村さん。今になってどうして?」

松村
「ワシには残された時間がなくて・・・どうしても謝っておきたかったんだ」

京子
「そうですか・・・」

オレ
「・・・」

京子
「ユーイチ。これ読んでくれる?」

京子はバックから封筒を出してオレに渡した。封筒の表には「京子へ」と書かれていた。

オレ
「コレは・・・」

京子
「おかーさんからの最後の手紙。遺書よ」

オレは封筒の中から便箋を出した。そして読み進んだ。京子との思い出話、父親が生きてる事、それを今まで言わなかった事、京子の結婚の事、そしてオレの事・・・いつの間にかオレは泣いていた。涙が溢れて止まらなかった。

キョーコがハンカチを手渡してくれた。オレは胸が詰まって言いたい事も言えなかった。

便箋を畳んで封筒に入れてキョーコに返した。

京子
「よかったら松村さんもどうぞ」

キョーコはそう言って松村さんの前にそれを置いた。

松村
「いいのか?」

京子
「はい」

松村
「ありがとう」

松村さんも読み始めた。オレほどではなかったが目には涙が浮かんでいた。そして読み終えて丁寧に便箋をしまい京子に返した。

松村
「本当に・・・ありがとう」

「それからもうひとりだけ会って欲しい人が居るんだ」

オレ
「約束が違う!」

松村
「うん。今日は来ていない。説明だけさせて欲しい」

オレ
「・・・」

松村
「京子と同じ境遇の涼子という娘が居るんだ。京子より3つ年下の妹になる」

「その子の母親も5年前に亡くなった。表面的には元気な子なんだが・・・淋しがりやで今は孤独感でいっぱいなんだろうと思う。姉が居ることを知ったら少しは」

キョーコはオレの顔を見た。視線が合った。

京子
「ユーイチは知ってるのね?」

オレ
「ん?あー」

京子
「もしかして・・・」

オレ
「2回だけだ。オレもその時はお前の妹になるとは知らなかった」

京子
「ったく・・・どうするのよ」

オレ
「いや、どうもこうも」

京子
「会う時はユーイチも一緒よ!」

オレ
「・・・わかった」

松村
「ありがとう」

キョーコにそういうウソは通用しない。。正直に応えるしかなかった。ジーさんは少し笑ったような気がした。オレはイラついた。

オレ
「じゃーコレで」

オレは立ち上がった。ジーさんとキョーコも立ち上がった。

松村
「また会えるかな?」

キョーコ
「はい。ユーイチと一緒なら」

松村
「ユーちゃん。よろしく頼む」

そう言ってジーさんは頭を下げた。オレは知らん顔をしてそのまま部屋を出た。キョーコと一緒にEVに乗り1階へ降りた。そしてロビーに続くカフェに入った。オレは珈琲と紅茶をオーダーした。

京子
「今日は帰らないといけないの」

オレ
「うん。急だったもんな」

京子
「これも運命なんだね」

オレ
「ん?」

京子
「ユーイチとは縁が切れない。(笑)きっとおかーさんがそうしてるんだわ」

オレ
「明日にでも報告に行ってくる」

京子
「うん。ありがとう^^」

その後、新大阪まで一緒に行きキョーコが新幹線に乗るのを見届けてからミナミに戻った。

▼18時・・・鮨処「満楽」

横山
「良かったですね^^」

オレ
「何が?」

横山
「キョーコさん。すごく安心したと思いますよ」

オレ
「いきなりオヤジが現れてキョーコが喜んでる!っていうのか?」

横山
「そーじゃなくて、そのオヤジさんとムーさんが親しいって事にですよ」

オレ
「だけどオレはあんなやり方をするジジーは嫌いだ」

横山
「でもキョーコさんのおとーさんですよ」

オレ
「カンケーねーよ!」

横山
「まーそれはいつもの事ですから(笑)」

オレ
「ふんっ」

横山はオレにビールを注いだ。オレはグラスを一気に空けた。

オレ
「田川!ビールとマグロ」

横山
「ムーさん。店ほんとに返しちゃうんですか?」

オレ
「当たり前だ」

横山
「ムーさんらしくないですよ」

オレ
「何が?」

横山
「いつものように笑い飛ばしてなかった事にしましょうよ^^」

オレ
「・・・」

横山
「きっとキョーコさんも喜びますよ」

オレ
「ったく。この間まで悲壮な顔して「再起を図る!」なんて言ってたお前が」

横山
「あははは^^すみませんねー(笑)」

オレ
「勝手にしろっ!(ーー;)」

オレはビールを一気飲みした。

「いらっしゃいませ」

景気のいい声がかかった。オレはがっくりきた。ジーさんと紗也乃ママが現れた。

紗也乃
「ユーちゃん。あっちの席で飲みましょう^^」

オレ
「ん?ママの奢りならいいけど(ーー;)」

紗也乃
「どうぞどうぞ^^飲めるだけ飲んで^^」

オレ
「何だよママご機嫌じゃないか」

横山
「ムーさん。行きましょう^^オレは食えるだけ食いますから(笑)」

奥の座敷に4人で入った。ビールで無理やりカンパイさせられた。

横山
「エスポとローマリですが、このままうちで営業を続けようという事になりました。」

紗也乃
「良かったーありがとうユーちゃん」

オレ
「コイツがどーしてもって言うもんですから(-o- )」

松村
「横山君。ありがとう。胸の支えがひとつ降りたようでほっとした。」

横山
「ムーさん時々こんな風にふてくされる時があるんですよ!すみません^^」

オレ
「じゃー聞くが、おばさんが亡くなる前にじーさんが現れていたら・・・キョーコは結婚しなかったか?」

横山
「んーーー難しい問題ですけど、あの時ムーさん仕事で行き詰って大変だったし、キョーコさんの問題よりもムーさんの方に問題があったんじゃないかと」

オレ
「・・・」

松村
「横山君もキョーコの事はよく知ってるんだね」

横山
「はい。3人でよく遊びましたし、キョーコさんが結婚してからもボクはずっと連絡をとりあってましたから」

紗也乃
「ユーちゃんと京子さん。今日見ててなんか姉弟のような信頼関係があるように思えたわ」

横山
「キョーコさんもムーさんの事わかってますから、ほんとは女嫌いだって^^」

「あの時・・・もしオレたちの仕事がうまく行ってて、おばさんの病気の事を知ったら・・・ムーさんはミナミから離れて、きっとダイバーに戻ってキョーコさんと一緒になってたと思います」

オレ
「ケッ!わかったようの事を言うじゃねーか」

紗也乃
「どう言う事かしら?」

横山
「あの時、ムーさんに付いて来ていた仲間がいっぱい居ました。店が危うい状況の中で、自分だけ女の事に構って居られなくて・・・」

「オレも何度もキョーコさんに会って、もう少しだけ待ってくれって!お願いしたんですけど・・・」

「だから全部終わった時・・・ムーさんはリョーコさんとも別れてひとりになったんです」

オレ
「わかった。もういい。ここでリョーコと言うとややこしくなるから」

横山
「?」

オレ
「麻里子ママの本名が涼子なんだ。そしてジーさんの娘なんだ」

横山
「そーでしたか」

オレ
「バカかお前」

横山
「えっ?あっ!キョーコさんの妹なんだ」

オレ
「今度3人、いや4人で会う事になった。」

横山
「そーですか(笑)」

オレ
「お前を入れて4人だ」

横山
「えっ?なんで?」

オレ
「なんでもだ」

横山
「ムーさん。もしかして・・・」

オレ
「知らなかったんだからしょーがねーだろう(ーー;)」

横山
「おとーさんの前でそんな事・・・」

松村
「いやいいんだ横山君。きっとリョーコが強引に誘ったんだ。ワシは全然気にしとらんよ」

横山
「いやーでもそれはマズイでしょう?キョーコさんにバレたら・・・」

オレ
「・・・」

横山
「もしかして・・・もう?」

オレ
「あいつはすぐに見破るから」

横山
「あははは^^オレはしーらないっ!と(笑)」

紗也乃
「まるで子供みたいなのに(笑)何かあったら豹変してミナミのムトーに変るのね」

松村
「横山君。ワシからもよろしく頼むよ」

横山
「はぁ〜」

オレは酔っていたかも知れない。キョーコと横山が親しい事を示すために余計な事を言ってしまった気がするが・・・それも仕方ない。

この日はそれでお開きにしてオレはキャッツへ行った。

▼20時・・・キャッツ

未来
「いらっしゃいませー^^」

オレはカウンターに案内された。シューさんは来ていないようだった。長井と佐伯が演奏していた。すぐに理沙がオレの隣にやってきた。

理沙
「ユーちゃん。飲みに行こうか?」

オレ
「えっ?いいのか?」

理沙
「うん^^」

理沙はチーママに後を頼んでオレと一緒に店を出た。通りでタクシーを拾った。そして梅田の丸ビル前で降りて、そこの最上階にあるレストラン&バー「トップ・サーティー」へ行った。

黒服に案内されて窓際の席に付いた。

理沙はシャンパンとビール。そして肉料理をオーダーした。

オレ
「理沙。今日は何の日だっけ?^^」

理沙
「特に何もないわ^^でもなんとなく嬉しくて」

オレ
「そう^^なら良かった(笑)」

シャンパン・クーラーを乗せたワゴンが押されてきた。黒服がハデに栓を飛ばしてシャンパンを空けそれぞれのグラスに注いだ。

オレ
「今日の良き日を神に感謝♪」

「カンパイっ!」

オレは大きな声でそう言った。周りの客が振り向いていた。

理沙
「ユーイチと一緒なら恥ずかしくないわ(笑)」

オレ
「そう^^」

理沙
「前田君と横山君が頻繁に来てくれるわ」

オレ
「あいつらにとって理沙のところは居心地がいいんだろう」

理沙
「そう?だったら嬉しいわ^^」

オレ
「前田はあー見えて結構女ったらしなんだぜ」

理沙
「あー見えてって(笑)前田君も松井君もイイオトコじゃないみんなモテるわよ」

オレ
「そっかー?」

理沙
「そーよ^^」

オレ
「横山は?」

理沙
「彼も可愛くていい感じよ^^私は好きよ」

オレ
「へー理沙の好みなんだ(笑)」

理沙
「あなたの事よく知ってるし、色々教えてくれるのよ秘密の話を」

オレ
「ははは^^オレに秘密はないけどなー」

理沙
「あいつは無理してるようだから・・・頼む!って言ったんでしょ?」

オレ
「なんだもうしゃべっちまったのか」

理沙
「ユーイチがそんな風に思ってくれてるなんて嬉しかった^^」

オレ
「んーそう?」

理沙
「照れないでよ^^もっとロマンティックして?」

オレ
「良し^^今日はジゴロのようにいっぱい迫ってイチャイチャしようか?」

理沙
「うん^^」

食事が終わった後、バーラウンジに行った。最近流行のカップル席に並んで座った。30階から見える都会の夜景を見ながら、オレは自分が本当ジゴロになった気分で理沙に接した。理沙は微笑んでうっとりとした表情でオレに体を預けて嬉しそうにしていた。

そしてそのまま丸ビルのホテルに部屋をとって朝まで一緒に過ごした。

格好をつけている男はバカだと思っていた。女を口説く男も同様だ。だけどすぐに茶化して笑わせる男も大人じゃないと最近思うようになってきた。例え何十年一緒に暮らしている女でも、時には甘い言葉を囁き、ささやかなプレゼントを渡し、丁寧に優しく振舞う事も必要なんだと思うようになってきた。

いや、それは女だけでなく家族にもそうすべきなんだろう。もうすぐオレはまた日本を離れる。それまでにできるだけそうしようと思った。


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