<< 泣けるわけがないだろう | main | フォー・ユー >>
ジョニーへの伝言


「ジョニーへの伝言」高橋真梨子

この映像は確か・・・NHKの「SONGS」だったと思います。
この後の「教会へ行く」もいいですねー^^
1982年3月PART2---------------

▼10時・・・スカイ・マンション1Fカフェ

ショーコ
「すっかり春らしくなってきたけど、オープンじゃまだ寒いよね」

オレ
「うん。でも朝はここの方が好きなんだ」

ショーコ
「1110号室、慣れた?」

オレ
「ん?まーな」

ショーコ
「私も引越しが終わってなんとか整理がついたわ」

オレ
「そっか^^」

ショーコ
「あの子・・・あなたの知り合いじゃないの?」

オレ
「ん?」

体の向きを変えショーコの視線の先を追った。カフェの入り口に立っている女・・・ユーコだった。

オレ
「スマン。ちょっとややこしくなりそうなんだ。行くよ」

ショーコ
「わかった。じゃー後で、気をつけてよ」

オレは返事もせずにその場を離れた。そしてユーコに近づいた。

オレ
「どした?こんなに早く^^」

ユーコ
「ちょっとお話があって・・・」

オレ
「そっか。じゃードライブしよう^^」

オレはユーコを連れて地下駐車場へ向かった。そしてクラウンにユーコを乗せてクルマを出した。カーステを小さな音で鳴らして、北へ向けて走った。

ユーコ
「ユーちゃん。結婚してて子供も居るって本当?」

オレ
「・・・誰に聞いた?」

ユーコ
「本当かどうか教えて」

オレ
「本当なんだ」

ユーコ
「・・・どうして」

オレ
「実は・・・シスコから帰って来て初めて子供が出来ていた事を知った」

「知った以上ほっとけなくて入籍した。もちろんその女を・・・好きだったから」

ユーコ
「そう。私はずっと騙されていた?」

オレ
「結婚した事を黙っていた事は・・・騙したことになるな」

ユーコ
「ユーちゃん。私まだ信じられない。ヒロミから聞いたのよ」

「ヒロミのおかーさんがヒロミを留学させない!って言い出して」

「ヒロミが怒って訳を聞いたらユーちゃんの事だって」

オレ
「そっか」

ユーコ
「ユーちゃん。私どうしたら・・・」

オレ
「うん」

ユーコ
「ユーちゃんの結婚した人は私の事知ったら怒る?」

オレ
「えっ?」

ユーコ
「結婚してるのに、私が居たらやっぱり怒るよね?」

オレ
「何故そんな事を?」

ユーコ
「ユーちゃん。ニューヨークへ行くんでしょう?」

オレ
「ああ」

ユーコ
「私も行くよ」

オレ
「それは・・・」

ユーコ
「お願いっ連れてって」

オレ
「・・・」

阪神高速から名神に乗り万博公園で下りた。そしてエキスポランドの駐車場へ車を停めた。

オレ
「中でソフトクリーム食おう^^」

オレがクルマを降りるとユーコはついてきた。そしてオレの腕に絡まった。いい天気だった。気温は上がっていたが風は少し冷たかった。

オレたちは人がまばらな遊園地を歩き、カフェのテーブルについた。アイスティーを2つとソフトクリームをひとつ買った。

ユーコ
「高校生の時にユーちゃんと来たね」

オレ
「そんな昔だったかなー?」

ユーコ
「そーよ!初めてユーちゃんの事務所に行った時よ」

オレ
「そうだった^^ユーコがお弁当つくって持ってきてくれた時だ」

ユーコ
「そーいえばあれから作ってないね(笑)」

オレ
「制服を着てコインロッカーに預けてよくゲーセンとかに遊びに行ったな?」

ユーコ
「うん。後でゲーセンも行こうか」

オレ
「ああ」

ユーコ
「一口食べてー^^」

オレはユーコの差し出したソフトクリームを一口舐めた。そしてすぐにアイスティーの紙コップを掴んで飲んだ。

ユーコ
「そんなに甘いものダメ?(笑)」

オレ
「ん?まーな」

ユーコ
「変らないなー」

オレ
「好みは変らないさ」

ユーコ
「最初はプータローだって言ってウソついた」

「ほんとは社長でお金持ちだった」

「女の人もたくさんいた」

「でも・・・子供みたいで好きだった」

オレ
「ユーコ」

ユーコ
「何?」

オレ
「大丈夫か?」

ユーコ
「ねー私の事好き?」

オレ
「ああ」

ユーコ
「ちゃんと言ってよー」

オレ
「ユーコがかわいくってどうしようもなく好きだ」

ユーコ
「・・・ユーちゃん」

オレ
「どした?大声で泣けよ」

ユーコ
「いや・・・泣かないもんっ」

ユーコは声を出さずに泣いていた。オレの心は張り裂けそうに痛んだ。傍に行って肩を抱いてやりたかったが・・・そうしなかった。ジェットコースターや観覧車の方に目をやってオレは我慢した。

ユーコ
「ジェット・コースター乗ろうよ」

オレ
「うん。1回だけな!(笑)」

オレたちは乗り物を一通り乗り最後に観覧車に乗った。ふたりで並んで乗った。軽く肩を抱いた。ユーコはオレに体を預けた。

ユーコ
「このままずーっと周っていたい」

オレ
「観覧車はいいなー^^」

ユーコ
「ユーちゃんはそのままがいいのに」

オレ
「んー何?」

ユーコ
「さっきの人もきれいな人だった」

「ショーで一緒だった北条さんも・・・ユーちゃんと付き合ってるって聞いた」

「でも、私の知っているユーちゃんは・・・違うの」

「驚かすのが好きで、ジョーダンばっかり言って、子供っぽくって、時々すごく大人でまるでおとーさんみたいで・・・」

「そんなユーちゃんが大好きなのに」

オレ
「そう」

ユーコ
「もう留学もできなくなっちゃった」

「ヒロミのおかーさんとうちのおかーさん仲いいから知ってると思う」

オレ
「そっか」

ユーコ
「ユーちゃんがニューヨークへ行ってしまったらもう会えなくなるね」

オレ
「・・・」

ユーコ
「また。いつか香露園の砂浜歩いて」

オレ
「ん?」

ユーコ
「前みたいに驚かせて」

オレ
「うん」

ユーコ
「その時には絶対今度こそいい彼を紹介するから^^」

オレ
「うん」

ユーコ
「キスして」

さっきまでニューヨークへ連れて行ってくれ!と言ってたユーコだったが、ここへ来て色んな事を思い出して、オレとの付き合いはこれ以上無理だと判断したのか?いや、オレに会いに来る前にすでに結論を出していたのだろう。

オレはユーコを抱きしめてキスをした。舌を吸った。涙の味がした。オレたちは観覧車を降りて駐車場まで歩いた。ごくごく普通の話をして・・・

名神でそのまま西宮まで走った。あっと言う間に香露園のユーコの自宅についた。

オレ
「ユーコ。砂浜を散歩しようか?」

ユーコ
「うん」

オレはクルマを停めて、ユーコのマンションの入り口の向こう側からビーチに降りた。海風に吹かれながら手を繋いで香露園浜を黙って歩いた。

オレ
「時々見てるよ」

ユーコ
「何を?」

オレ
「何年経ってもユーコの事を見てる」

ユーコ
「ほんとに?」

オレ
「あー約束する。だからユーコはいつも笑顔で元気で居てくれ」

ユーコ
「うん」

オレたちは手を繋いだまま階段を上がった。エントランスのところで手を離した。

オレ
「じゃーまたなっ^^」

ユーコ
「うん。またねー^^」

オレは背を向けてクルマのところまで歩いた。クルマに乗り込む前に振り返った。ユーコはこっちを見て手を振っていた。オレも大きく手を振ってクルマに乗った。エンジンをかけてハンドルを切りユーコの前を走り去った。

本当に胸が張り裂けそうだ・・・こんな思いをするなら会わないまま去った方が良かった。

43号線を飛ばして西へ向かって走った。海岸通りに出て「パーム・ツリー」の前にクルマを停めた。

サングラスのまま店内に入った。

オレ
「メシ食わしてくれー^^」

ヨーコ
「はいはい^^」

オレ
「どう元気にしてた?」

ヨーコ
「それはこっちのセリフよ!」

オレ
「オレはいつだって元気さ^^」

ヨーコは目の前にバドワイザーの缶を置いた。オレはプルトップを引いて一気にそれを飲んだ。

ヨーコ
「なんか色々あったみたいね」

オレ
「まーな。オレが居なくてもやっていけるように掃除をしてた(笑)」

ヨーコ
「私の知らないヒロの顔ね?危ない事ばっかりしてたんでしょ」

オレ
「ヨーコの知らない顔か・・・そうかも知れない」

ヨーコ
「後でちょっと付き合ってくれる」

オレ
「おう^^」

ヨーコ
「ちょうど良かった」

オレ
「ん?何が?」

ヨーコ
「何でもない」

メンチカツ定食が出された。それを見ると急に腹が減ってきた。一気に食べた。ヨーコは珈琲を目の前に置いた。

ヨーコ
「サンフランシスコ楽しかったね^^」

オレ
「うん。楽しかった。ヨーコと行けて良かった^^」

ヨーコ
「バイクで一緒に走った人達、あそこに行けばまた逢えるかなー?」

オレ
「彼らもあのスタイルで旅をしてたからなーでもきっと逢えるさ(笑)」

ヨーコ
「いつかまた行きたい」

オレ
「うん。また行こう^^」

ラークに火をつけた。ヨーコは店のバイトの女の子と簡単に打合せをしてそれから着替えて出てきた。

オレはヨーコの後に続いて店を出た。クラウンの助手席にヨーコを乗せて、オレは運転席に回った。クルマを出して北野あたりへ向けた。ヨーコの指示に従ってクルマを走らせ駐車場へ入れた。

レストランへ入った。前にも来た事のある店だった。空いているテーブルに行こうとしたらヨーコは別のところへオレを引っ張って行った。

ヨーコ
「紹介するわ^^今付き合ってる坂上さん」

「こっちは弟のヒロ」


「えっ!ヨーコさんの弟って亡くなったと言ってなかった?」

オレ
「死んだユーヤのダチでヒロです!今はヨーコの弟代わりです(ーー;)」

ヨーコ
「ヒロ!壊さなくていいのよ(笑)ちゃんと紹介しておきたかったの」

オレ
「あっそう」


「いやーびっくりした。ヨーコさんの弟の友人で弟代わりですか!^^」

オレはテーブルについた。ウエイターがオーダーをとりに来た。男は待っていたらしく食事のオーダーをした。オレの分も頼もうとしたのでオレは食べてきたばかりだと言って断った。そしてビールを注文した。

ヨーコ
「結婚を前提に付き合ってるの」

オレ
「ふーん」


「まーそのー私が一目ぼれしまして・・・(^。^;)」

オレ
「何してるんですか?」


「何って?えーと仕事は機械設計の会社に勤務してます」

オレ
「おいくつですか?」


「32歳です。」

オレ
「結婚歴は?」


「ありません。独身です」

オレ
「モテそうなのに独身でヨーコに一目ぼれですか?」

ヨーコ
「ヒロ!失礼でしょ」

オレ
「ヨーコは黙って聞いててくれよ」


「何でも聞いて下さい」

男は真剣な目つきでオレをまっすぐに見てた

オレ
「何故これまで独身で?」


「正直・・・結婚しようと思った人は居ました。私の我侭でうまく行きませんでした」

オレ
「へーどんな我侭です?」


「クルマが好きで・・・機械イジリが好きなもんでレースに夢中になってました」

オレ
「それで女が愛想尽かししたんですか?」


「まーそんなところです(笑)」

オレ
「でヨーコと結婚してもそういう我侭を?」


「いえ、もうレースは終わりました。これからはしっかりと社会人として・・・」

オレ
「そーですかヨーコを幸せにする自信は?」


「一生懸命ヨーコさんと暮らしたいと思ってます」

オレ
「そーですか・・・」


「メシ食ってもいいですか?」

オレ
「どーぞ勝手に食って下さい」

ヨーコ
「ヒロ・・・いい加減にしなさいよ」

オレ
「いきなり連れて来たのはそっちなんだから(笑)それともオレがいい子で大人しく座ってるとでも思ってたか?」

ヨーコ
「思わないけど・・・こんな弟が居ると思うと嫌われるかも知れないじゃない?(笑)」

オレ
「うむ。それも困るなーヨーコにはとっとと結婚してもらわないと(笑)」


「ははは・・・そーですか」

オレ
「ユーヤはオレのせいで死んだようなもんなんです。オレの中にユーヤが居ます。だから血は繋がってなくてもヨーコはオレのアネキなんです」

「坂上さん。こいつ恥ずかしがりで素直じゃないところもありますけど、いいヤツなんです。」


「はい」

オレ
「よろしくお願いします。。。」

ヨーコ
「ヒロ」

オレ
「ヨーコ。うまくやれよ(笑)元気でな」

オレは立ち上がって男に挨拶もせずに店を出た。

ヨーコ
「ちょっとヒロ!待ってよ」

ヨーコは店の外まで追ってきてオレの腕を掴んだ。

ヨーコ
「怒らないでよ」

オレ
「怒ってなんかないさ。喜んでるさ!これでお前の事心配しないで済むと思ったらせいせいしてさ(笑)」

ヨーコ
「ヒロ。気に入らないのならそう言って」

オレ
「そんな事言ってないじゃないか」

ヨーコ
「だから言いなさいよ!私にひとりで居て欲しいなら・・・」

オレ
「・・・」

ヨーコ
「それに永遠の別れみたいな言い方するし」

オレ
「ヨーコ。あいついいヤツそうだ。結婚しろ!」

ヨーコ
「・・・ほんとにいいのね?」

オレ
「あーオレが許す!もう行け!変に思われるぞ!じゃーな」

オレはクラウンに乗り込み乱暴に車を出した。バックミラー越しにヨーコが見えた。オレはクルマを飛ばした。オレはやっぱり・・・どうしようもなく我侭だ。

▼20時・・・Maggie

関川
「大変だったそうだな」

オレ
「んー?あー大変な1日だった」

関川
「スマンな。力になれなくて」

オレ
「別に力に・・・何のことだ?」

関川
「郷田とまた揉めてたそうじゃないか」

オレ
「なんだ。そんな事か・・・」

関川
「他に何かあったのか?」

オレ
「いや(笑)」

関川の作ったジン・トニック。清水さんゆずりのようで微妙に違ったがそれはそれでオリジナルの味がして良かった。

オレ
「なー大事なモノってなんだ?」

関川
「ん?難しいこと聞くなー?やっぱり・・・仲間だな」

オレ
「そっか。仲間か」

関川
「オレはエラソーに言えないが、お前は誇れるだろう」

オレ
「なんでだ?」

関川
「お前には松井や前田が居るじゃないか」

オレ
「それはお前も同じじゃないか」

関川
「オレは・・・違う」

オレ
「何が違う?一緒だよ!(笑)あいつらだってその内わかるさ」

関川
「つい焦ってな。お前の居ない間に大きくしておこうと思って」

オレ
「(笑)なんだよ今ごろ?ミルク・ホールからSPEAK EASYに移るときお前の描いた絵がなかったら、あんなにうまく行かなかった」

関川
「ずいぶん古い話だ(笑)」

オレ
「オレはまた1から始める。今度はニューヨークだ^^」

関川
「オレもその内行くよ」

オレ
「おう^^そん時は金髪女とやりまくろうぜ!」

関川
「あははは^^金髪かー(笑)」


「ムーさん。ご機嫌のご様子ね?」

オレは振り向いた。

オレ
「よっ!偶然だなー^^」


「偶然のわけないでしょ(笑)探し回ってたの」

リョーコはオレの隣に座った。関川はウインクをした。

オレ
「ここのジン・トニックは最高だぜ!」


「じゃーソレ頂くわ^^」

オレ
「で、何処に居たんだ?」


「ローズ・マリーで友達と飲んでた^^関川さんに連絡もらってきたのよ」

オレは関川を見た。知らん顔をしてジン・トニックを作っていた。そしてそれをリョーコの前に置いた。


「ありがとう^^松井さんがひとりで現れるならここだろうって関川さんを紹介してくれたの」

オレ
「あっそう」


「父がユーちゃんに会えって言ってたし^^」

オレ
「ったく。あのジジーは」


「あははは^^父とケンカしたんでしょう?ジジーになっちゃったんだ(笑)」

オレ
「ん?ちょっとな(笑)」


「有り得ないバカな話よ」

オレ
「ん?」


「父とケンカできるなんて面白いわー^^本当の息子たちだって父の顔色見ながらびくびくしてるのに」

オレ
「オレはただの酒飲み仲間だから別にケンカぐらいするさ」


「父には利害を超えたそういう関係の人って居ないのよ!」

オレ
「だろうな!我侭なジーさんだから」


「あははは^^父の前でもそうなの?」

オレ
「うん?まーこの間はオレも酔ってたし、いいかげんにしろージジーって怒鳴ってしまった」


「うわー見たかったなー^^」

オレ
「ちょっと大人気なかったと反省はしてるけどね(笑)」


「でも仲直りはしたんでしょ?」

オレ
「まーな」


「ところで、話ってなーに?」

オレ
「ん?ジーさんがそう言ってたのか?」


「そーよ^^」

オレ
「んーーーリョーコはジーさんの息子たちとは仲がいいか?」


「2,3度しか会った事ないわ」

オレ
「兄妹を意識してるか?」


「まったくしてないわ」

オレ
「そっか」


「息子さんたちが何か?」

オレ
「いや・・・」


「どーしたの?ストレートに言って?」

オレ
「同じ境遇の姉が居る」


「姉?私の?」

オレ
「そーだ」


「ふーん。何故ユーちゃんから聞かされるのかしら?」

オレ
「会いたくないか?」


「別にどっちでもいいけど?」

オレ
「京子って言うんだけどな。年はオレと同じで・・・昔付き合ってた」


「私の姉とあなたが付き合っていた?」

オレ
「ジーさんとのケンカの原因はそれなんだ」


「あなたは知らなかったって事?」

オレ
「ああ」


「姉と妹が偶然にもひとりの男を愛したって事」

オレ
「んーーー」


「父に私と2回寝たって言ったのよね?」

オレ
「いやジジーに言ったわけではなくてキョーコに白状させられて(^。^;)」


「それであなたは私と一緒になってくれるわけ?」

オレ
「なんでそうなるんだ?」


「そーよね。今日のあなた全然優しくないもの」

オレ
「今日はちょっと色々あって凹んでるんだ。すまない」


「私の事、男を見る目がないバカなオンナだと思ってる?」

オレ
「そんな事思ってるわけないだろう」


「バカな男がヤクザを使ってあなたを襲った。反対にやられてしまった。って聞いてる」

オレ
「そう」


「この先もそんな風に私を守ってくれるの?」

オレ
「困ったことがあれば相談に乗る。その程度しかできない」


「そう。じゃー父を困らせればあなたが動いてくれるのね」

オレ
「なんか誤解があるようだな?」

「オレはジーさんとそんな約束をした覚えもないし、そんな気もない」

「ただ・・・君の姉を誰よりも知っているから1度は一緒に会う機会をつくろうと思っているだけだ。」


「そう。私にはそれ以上の関心がない!って事ね?」

オレ
「言っただろう?オレはジゴロみたいなもんだって、だから君の姉にも愛想尽かしされた。関心のあるなしじゃない」


「あなた最初からわかってたでしょう?私があなたに関心があるのを」

オレ
「もの珍しさ、その程度の興味だろう?」


「あなたは私のテストにすべて満点で合格したわ」

オレ
「そっか。テストだったんだ(笑)」


「父との関係においては想像外の結果よ」

オレ
「ジーさんとはただの飲み友達だ。関係ない」


「大有りよ!私は父の納得する相手でないと結婚もできないわ!そう言う意味では私も父もあなたを認めてる」

オレ
「ジジーと同じぐらい傲慢なヤツだな」


「そーかも知れない。でもホントよ」

オレ
「だからと言ってどうにもならない」


「そうね。あなたは私に関心がないんじゃ仕方ないわ」

オレ
「そういう問題じゃないって言ってもそこへ結びつけるんだな」


「いいわ。あなたの昔の女の姉に会うわ」

オレ
「・・・いや、やめておこう」


「どうしたのよ?」

オレ
「オレが混じってややこしくなるんならオレが居ない方がいい。会いたければジジーに頼んで会えばいい。オレはこの話から降りる」


「ずいぶん勝手で卑怯な話ね?」

オレ
「そーか?君は純粋に姉に関心があるんじゃなくて、オレの昔の女を見てみたいだけだろう?」

「オレが姉であるキョーコには関心があって、妹のリョーコには関心がない。」

「そう思って、その事に憤りを感じてその相手を見てみたい。そう思ってるんだろう?キョーコには迷惑な話だ」

「それの何処が勝手で卑怯なんだ?見解の相違という平行線だ」


「ずいぶんムキになるのね(笑)」

オレ
「・・・」


「今日のあなたはサイテーだわ!まだ自分の欲望に素直なバカ男の方がマシよ」

オレ
「そーだな(笑)」


「じゃーさよなら」

そう言ってリョーコはカウンターを降りて店を出て行った。

関川
「いいのか?」

オレ
「ん?まー仕方ない(笑)今日はもういいや」

関川
「ふむ」

オレ
「周りにチヤホヤされて思いあがっているんだ。たまには思い通りにならない事もあるってわかったんだよ」

関川
「そうか」

オレ
「何納得してんだ?(笑)オレの事なんだけどな」

関川
「なんだそーなのか?ははは・・・」

周りの女たちに甘えて、なんでも自分の思い通りになると思っている。自分がただの女ったらしだって事がよくわかった。

オレ
「さてと、じゃー先にサウナに入ってカプセルで寝るよ^^」

関川
「おう^^オレも後でいく(笑)」

オレは店を出て東洋ビルに行った。そしてその通りにした。


▼10時・・・スカイ・マンション1110号室


玲子
「おかーさまご機嫌だったわよ」

オレ
「そう。それは良かった。ありがとう」

玲子
「もっとも裕人が懐いてきたからだと思うけど(笑)」

オレ
「そう^^」

玲子
「できたわ^^」

オレはリビングからダイニングテーブルに移った。朝ゴハンが用意されていた。もっともさっきリョーコとマグドナルドで済ませてきたばかりだったが・・・

玲子
「あなたの方はどうなの?」

オレ
「ん?」

玲子
「なんか色々とあって大変だったみたいだけど」

オレ
「もう色々あり過ぎて何から話していいやら・・・(笑)」

玲子
「松村さんとケンカしたって話は?(笑)」

オレ
「それか・・・」

玲子
「あなたが怒鳴ったってめったにある事じゃないもの?」

松村さんが以前からオレを知ってた事。キョーコの父親だった事。キョーコと引き合わせた事。今度リョーコとキョーコを引き合わせる事。など等を話した。もっともリョーコとエッチをした事は省いた。

玲子
「そんな偶然って・・・何か運命的ね」

オレ
「食えないジジーさ」

玲子
「あはっ!とうとう松村さんまでジジーって呼ぶようになったのね?(笑)」

オレ
「内海さんも口は悪かったが、まだ真っ直ぐだったからな」

玲子
「そうね^^キョーコさんは元気そうだった?」

オレ
「あいつはいつだって元気さ!オレの前では・・・」

玲子
「あなたの子じゃないのにあなたの名前付けたって聞いてなんかわかる気がするもの」

オレ
「そう?」

玲子
「会う機会をつくってよ!」

オレ
「なんで?」

玲子
「あなたがずっと愛してた人なんでしょう?会いたいわ^^」

オレ
「・・・その内にな!ごちそうさま^^」

オレは出されたものをきれいに残さず食べた。そしてリビングの方へ行ってブラインドを開けて外を見た。温かい陽射しが入り込んでくる。ミナミの街も昼の顔で動き出していた。

オレ
「今晩エスポへ行くよ!ひさしぶりに「純子ママ」を見に行く」

玲子
「ほんと?^^」

オレ
「あーふたりでちょっと飲もう(笑)」

玲子
「待ってるわ^^」

オレ
「じゃー打ち合わせに行ってくる」

玲子
「いってらっしゃい^^」

▼11時・・・沢木建築デザイン事務所

沢木
「厳しいスケジュールねー(笑)」

オレ
「あくまでも目安です。ぎりぎりまで広告戦略は伸ばしますから多少の遅れは覚悟してます」

沢木
「そう言いながらプレッシャーをかけるのはいつもの事じゃない」

オレ
「あははは^^」

沢木
「でもニューヨークでやれたら私にとっても大きなプラスになるわ」

オレ
「そう言ってくれるとなんかオレも嬉しいです^^」

沢木
「この間から向こうの信頼できる施工業者をいくつか紹介してもらってるから後はこっちから持っていく什器の輸送を急がないと・・・」

オレ
「そーですね。よろしくお願いします^^ところで沢木さん。陶芸家に知り合い居ます」

沢木
「居るわよ^^」

オレ
「是非紹介して下さい」

沢木
「お店で使うのに必要だもんね」

オレ
「それもあるんですけど・・・自分でつくりたいなーって思って」

沢木
「自分で?」

オレ
「少し大きな電気炉を持ち込もうと思ってます」

沢木
「電気炉・・・そうかそれがあれば都会でも可能よね!土はこっちから送ればいいし」

オレ
「何でも自分でやりたがる悪い癖なんですけど(笑)」

沢木
「それがいいのよ^^ムトー君は自分でも図面引けるしデザインも出来るし店舗設計のプロデューサーで通るもの」

オレ
「その内ニューヨークで和食器の店でもやろうと思ってるんですよ」

沢木
「うん。面白いわ^^」

オレ
「じゃーよろしくお願いします^^」

歩いて周防町に出た。ぶらぶらと心斎橋を目指して、そごうを通り過ぎパルコの向いのウィリアムスへ入った。約束の時間より少し早い。珈琲を頼んで沢木さんのところで貰った家具の新しいパンフレットを見ていた。


「お待たせー^^」

オレ
「いやちょっと早く着きすぎた^^」


「昨日はどうだった?」

オレ
「ん?」


「かわいい女の子」

オレ
「うん。振られてしまった(笑)」


「そう。残念ね」

オレ
「あんなキレイな人が居るんだ・・・って」


「えっ!私のせい?嫌だー(笑)」

オレ
「あははは^^」


「もうっ!でもちょっと嬉しい(笑)」

ショーコはアイス・ティーをオーダーした。オレもそれを追加で頼んだ。


「意外と近くに居たわ^^陶芸家」

オレ
「うん。どんなやつ?」


「備前焼の窯元の次男坊^^私たちの学校の同級生よ」

オレ
「ほー^^昔付き合ってた男か?」


「残念ながら付き合ってない(笑)」

オレ
「そっかでも相手はショーコに憧れてたんだな?」


「さーどうかしら?それよりどうする?行ってみる?」

オレ
「備前・・・岡山だな?よし明日朝1番で行こう」


「オッケーじゃーそれで連絡しておくわ」

オレ
「さっそく本屋にでも行って備前焼の予備知識入れておかないとな」


「本気でやるの?」

オレ
「オレはいつだって何でも本気だ(笑)飽きっぽいけどな」


「そう?^^誰かにやらせるのかと思った」

オレ
「誰かに?」


「北条さんとか?」

オレ
「相変わらず勘がいいなー(笑)でもみんなでやろう^^」


「いいわよ^^ところで住むところは決まった?」

オレ
「まだだ・・・なかなか物件が見つからない」


「どんな部屋でもいいわよ^^」

オレ
「部屋?いやビルを丸ごと手に入れる」


「ビルって、そんな事考えてるの?」

オレ
「店1軒ぐらいじゃなかなかグリーンがおりない。今は厳しくて学生ピザの取得も難しいようなんだ」


「それでビル1軒丸ごと買うつもりなの?」

オレ
「後から続々来るし、その都度部屋探しするのも大変だしな(笑)」


「そう(笑)もうあなたの考えてるスケールが違うものね」


「ショーコは何かやる事決めたか?」


「ううん。私は何も・・・」

オレ
「じゃーショーコはチェロでニューヨーク・フィルを目指せ!」


「うわーそんなの無理よー(笑)」

オレ
「無理なことないさ!ショーコなら東洋の美人チェリストで通用する!」


「ユーイチ・・・ありがとう」

オレ
「ん?礼を言うのはまだ早い^^これから始まるんだから」


「うん。でもあなたと居ると元気がでるわ(笑)」

オレ
「それより腹減った。。。メシ行こう」


「うん^^」

ショーコと一緒に心斎橋の蕎麦屋に入った。ショーコは蕎麦を半分以上残した。オレはそれも平らげた。ショーコはムトー商会の1F事務所に向かった。オレは顔を出さずに地下駐車場へ行きクラウンに乗って神戸に向かった。

▼14時・・・神戸「兵庫県警本部」

受付で来意を告げた。名前を聞かれたので「ムトー」とだけ伝えた。5分ほど待たされた。現れた男は特に表情も変えず近づいてきた。


「外へ出るか」

オレ
「ああ」

隣のビルの1階にカフェがあった。そこへ入った。珈琲をオーダーした。


「昨日かーさんが行ったらしいな」

オレ
「オレは会ってない」


「引越したそうじゃないか」

オレ
「事務所に使ってた悪名高きスカイの1110号だよ」

珈琲がふたつ運ばれてきた。オレは自分のカップにフレッシュだけを入れて口にした。


「で、今日はなんの用だ?」

オレ
「今週の日曜の午後家に行く。3人で行く」


「そうか」

オレ
「ニューヨークに行くと長くなるから今のうちに紹介しておくよ」


「ニューヨークへ本当に行くんだな?」

オレ
「向こうの大学へ入ろうと思ってるから4,5年はかかる」


「今頃になって勉強か。家族は?」

オレ
「単身で行く。オレがこっちに居ると色んな人が迷惑するみたいだし」


「・・・お前今、要注意人物だからな」

オレ
「もう関係ないよ」

「それにアレは恐喝じゃない。自分のモノを返してもらっただけだ」

「だから礼は言わない」


「ふんっ」

オレは珈琲を飲み干した。


「日曜の午後だな?」

オレ
「ああ」

オレは席を立った。これ以上は無理だった。


「待て!」

オレは振り返った。


「ばーさんが金沢病院に入院してる。目が悪い。行ってやってくれないか」

オレ
「じゃー今から行くよ」

オレは立ったままそう応えて店を出た。7年ぶりに会ったオヤジ。最後の一言がなかったら肉親の情さえ感じなかったが・・・

オレは駐車場からクラウンを出して、神戸駅前の花屋でバラの花束をつくってもらった。そして灘区の金沢病院に行った。

受付で部屋を確かめてそこへ行った。何人かの入院患者が居た。オレはサングラスをはずして看護婦さんに聞いた場所へ行った。

仕切られるようになっているカーテンをそっと開けた。ばーちゃんは上体を起して窓の外を見ていた。

オレ
「ばーちゃん。オレ^^」

ばーちゃんはこっちを見た。表情は変らない。

オレ
「オレだよオレ!ユーイチだよ^^」


「えっユーイチ」

オレ
「7年ぶりぐらいだから^^オレ変ったかな?」


「ユーイチ^^ちょっと、もうちょっとこっちへ」

オレはベッドに近づいた。


「あーーーユーイチ^^大きくなって、もっともっと見せて」

オレ
「うん^^」


「目が悪くなってあんまり見えないんだよ」

オレ
「そう。でもちゃんと入院してたらきっと治るさ」


「ユーイチ^^お嫁さん貰ったんだって?男の子も出来たんだって?」

オレ
「うん。もう1歳半になるんだ。名前は「裕人」って言うんだ」


「おーーー「裕人」ひろとなんだね」

オレ
「うん」


「武藤の跡取りだねー元気な子かい?」

オレ
「うん。元気だよ今度連れてくるよ」


「ほんとかい?」

オレ
「あーほんとだ。日曜に来るよ」


「あー楽しみだわ^^」

オレ
「うん。じゃー日曜にまた来るよ」

オレはバラの花束を看護婦さんに渡して部屋を出た。オヤジは会った事もないくせに、すでにばーちゃんに裕人の事を伝えているようだった。けったくそ悪かった。

▼16時・・・灘区「赤坂通り」

車内から電話をかけた。

オレ
「ムトーです」


「ユーちゃん^^」

オレ
「ちょっと出れる?」


「うん。着替えるからちょっとだけ待ってて^^」

オレは車外に出て待った。暫くすると香は玄関から出てきた。後ろにおかーさんが見えた。オレはそこで礼をした。香はクルマに近づいた。オレは助手席のドアを開けて香を車内に、そして運転席に回り、もう1度玄関の方に会釈してクルマに乗り込んだ。


「ちょうどユーちゃんの事話していたところよ」

オレ
「そう^^どんな話?」


「ニューヨークへ行って一緒にまたモデルの仕事する話よ」

オレ
「うん。向こうの教会で結婚式のシーンを撮るようだし楽しみだな」


「すっごく楽しみよ^^」

嬉しそうに話す香・・・ふとユーコの泣き顔が浮かんだ。

阪急六甲の駅前ビルに行った。大きな書店へ入り陶芸関係の本を買い漁った。それを持ってカフェに入った。


「陶芸始めるの?」

オレ
「うん。その内に^^とりあえず学校の先輩で岡山で備前焼をやってる人が居るらしいから明日そこへ行ってくる」


「そっかユーちゃん芸大だったもんね色んな人居るんだ」

オレ
「まー話を聞くにしても予備知識程度は調べておこうと思って」


「もしかしてニューヨークでそれを?」

オレ
「とりあえずは店で使う和食器を頼もうと思ってるんだけど、できれば自分でやりたいなーと思って」


「やっぱりユーちゃん色んな事考えてるんだ^^」

オレ
「香も一緒にやろう^^」


「えー私全然そんな事したことないわよ」

オレ
「オレだって全然ない(笑)」


「ほんと?ユーちゃんなんでも出来そうじゃない」

オレ
「ただの土いじりだ^^難しく考えずに一緒にやろう」


「うん^^」

香がどこまで陶芸に興味を持つかわからなかったが、向こうで何かアクションを起して和を広げる役に立てばいいと思った。もちろん他にそれが見つかれば尚いい。

そしてそのままクルマでラブ・ホテルへ行ってエッチをした。。。

▼19時・・・周防町「Mac珈琲」

オレ
「どうしたんだ?急に」

浜田
「うん。ヒロ・・・スマン。ニューヨークへ行けなくなった」

オレ
「あらら・・・またどうして?」

浜田
「うん。理由は後でゆっくりと・・・」

オレ
「そっか。まー何度かチャンスはあるから気にするな!」

浜田
「ははは・・・そーだな。。。」

オレ
「ショーヘーどうした?」

浜田
「いや、ちょっとMaggieへ来てくれないか?」

オレ
「いいけど・・・変なヤツだなー(ーー;)」

ポケベルが鳴ったのでこっちへ戻ってくる間に電話緒入れた。浜田がギャラクシーに居て話がある。というのでここで待ち合わせしたのだが・・・

先に浜田が入りオレは後に続いた。奥の方の席・・・

本橋
「ムーさん^^おひさしぶりでーす!」

オレ
「うわーなんだ。お前らどーして?」

本橋
「ちょっと実家に用があってそれに間島も来るっていうのでみんなで集まりました^^」

間島
「いくら待ってても金沢に来ないしねー(ーー;)」

刈谷
「私も久しぶりなんで来ちゃいました^^」

オレ
「そっかー^^いやーなんかみんな色っぽくなってぞくぞくするぞー^^」

オレは席についた。浜田は案内してきただけですぐにステージの方へ行き、演奏の用意に入った。

オレ
「本橋!エッチしてるかー?^^」

本橋
「いっいきなり何ですかー(笑)」

オレ
「そろそろ子供できねーのかーって」

刈谷
「やっぱりその話題になりますよね」

間島
「まだまだ斉藤さんとラブラブで居たいんでしょ」

オレ
「なんならいつでも呼んでくれたら手伝いに行くぞっ!」

本橋
「きゃー手伝ってくださーい^^」

刈谷
「アホっ!」

ブランデーの水割りを隣に居る間島がつくってくれた

オレ
「刈谷もどーなんだ?ハッピーにやってるか?」

刈谷
「それがー」

オレ
「ん?」

間島
「モトコはついこの間、離婚したそうです」

オレ
「えっ!もう離婚したのか?」

本橋
「やっぱりお見合いはダメですよねー好きな人が忘れられなくて」

刈谷
「ゆりっ!違うでしょそんな事言ってないわよ」

間島
「まーでも同じ事よ^^」

オレ
「ん?なんだー?浜田がニューヨークへ行かない理由はそれか?!」

刈谷
「ムーさん。ご迷惑をかけてすみません」

オレ
「あははは^^そーか!そーだったのか!そりゃーいい!」

間島
「最近離婚が流行ってるのかしら?加納さんも離婚したみたいだし」

本橋
「えーあの加納先輩も離婚したの?ほんと?」

刈谷
「うわー知らなかった。間島は何で知ってるの?」

間島
「私にはそういう事をちゃんと教えてくれる人が居るの(笑)」

オレ
「一体誰なんだ?」

間島
「ムーさんには関係ありません」

オレ
「まーそうかも(笑)」

オレ
「よし!せっかくだから間島^^なんか歌おうぜ!」

間島
「はい^^」

オレと間島、そして浜田と長井、久々のユニットでオレが2曲、間島が1曲歌った。まるで学生の時に戻ったように・・・

その後、浜田と長井も混じって大騒ぎした。本橋と刈谷は一緒に帰り、オレと間島は店の表で彼女らを見送った。

オレ
「ホテル予約してるのか?」

間島
「はい^^南海ホテルに」

オレ
「そっか。じゃーもう少し飲むか?」

間島
「はい」

オレは腕を出した。間島は軽く絡んできた。周防町を西に歩きスコッチ・バンクに入った。いつもの席、間島と来るのは・・・何年ぶりだろう。ブランデーセットとオードブル。

間島
「ここは変りませんね」

オレ
「そーだな」

間島
「結婚したって聞きました」

オレ
「うん・・・」

間島
「じゃー私もそろそろ結婚しよーかなー」

オレ
「ダメだ」

間島
「・・・」

オレは間島の作った水割りを飲んだ。間島はオレの正面からオレを睨んだ。

オレ
「失敗するに決まってる結婚なんかするな」

間島
「私は失敗なんかしません。跡取りをつくる為だけの結婚ですから・・・」

オレ
「オレが結婚した事はいつ?」

間島
「すぐです」

オレ
「あっそう」

間島
「ショックでした」

オレ
「そう?」

間島
「後悔しました」

オレ
「ん?」

間島
「私も早くそうしていれば良かったと」

オレ
「何?」

間島
「ムーさんを襲ってでても子供つくって・・・」

オレ
「あははは^^恥ずかしがり屋のお前には無理だ(笑)」

間島
「命懸けに恥ずかしい事なんかありません」

オレ
「ははは・・・」

オレは飲んだ。間島は新しいのをつくる。

オレ
「お前のところは九谷焼だったな?」

間島
「えっ?」

オレ
「石川県、金沢は九谷焼が有名だろう?」

間島
「はい。その九谷焼ですか・・・確かにそうですけど」

オレ
「やっぱり旅館の食器などもそういうのを使っているのか?」

間島
「はい。一部のお料理には使ってますけど、それが何か?」

オレはニューヨークで日本料理店をやりながら陶芸もやろうと思っている事を説明した。そしてシンプルな備前焼きと色づかいの鮮やかな久谷焼きを知りたいと思ってることを伝えた。

間島
「ムーさん。金沢へ来て下さい。九谷焼ご案内しますから」

オレ
「うん。じゃー来週早々に行く」

間島
「ほんとですか?!約束ですよ!絶対に!」

オレ
「そんな大げさに心配しなくても行くよ(笑)」

間島
「ムーさん。(笑)さっき言った事もう1度言ってください」

オレ
「さっき?」

間島
「結婚するな!って」

オレ
「それは(笑)」

間島
「ムーさん。私の性格はご存知ですよね」

オレ
「うん。言い出したら聞かない」

間島
「私は、ムーさんの子供を生みます。できたら女の子を」

「そしたら男なんてあなた以外に必要ありません」

「いつでも私は金沢に居ますから」

間島は怖いほど真剣な表情で言った。そしてそれは美しかった。そんな覚悟を持った女が居る。オレは正直逆らえない・・・と思った。

もうオレは一般的な社会通念や常識などとはかけ離れたところに居る。そんなことに思い悩めば、また何もかも放り出して行方不明になるしかない。

そしてその日オレは南海ホテルに泊まり間島と一緒に寝た。


Next Story>>>>>
<<<<<Back Story


━…━…━…━…━…━…━
 My History Index
━…━…━…━…━…━…━
| My History | 16:11 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP









http://kaizin.jugem.cc/trackback/1386
CONTROL
PROFILE
━…━…━…━…━
My History Index
━…━…━…━…━

メールフォーム

クリックで救える命がある。

RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
  • 迷子のフクロウ保護
    kina
  • ポール ライブ イン オオサカ
    pio
  • 宇野くん元気そうだ!
    るーく
  • 宇野くん元気そうだ!
    みく
  • キーボード
    るーく
  • キーボード
    みく
  • キーボード
    みく
  • キーボード
    るーく
  • キーボード
    みく
  • 週刊朝日
    るーく
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES

このページの先頭へ