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センチメンタル・ニューヨーク


COOLS「センチメンタル・ニューヨーク」

全然COOLSっぽくないところがいいなー^^
■1984年1月・・・

年末年始をmar'sNYで過ごした。予定では日本で過ごすはずだったが、突然の帰国にみんなは吃驚していた。オレは多くを説明しなかった。

ヤマシロスタッフと紗也乃ママ、三浦らで正月のおせち料理をつくり、大きな門松や国旗を揃えて日本のお正月を再現した。そして今年は「獅子舞」まであった。

そうして皆とゆっくりと過ごす正月は日本で過ごす正月よりも楽しかった。

5日には「ヤマシロ」「マンガク」「マンガク2」の各店がオープンし通常営業が始まった。

▼1月6日・・・午後

オレ
「ちょっとシカゴまで行ってくる」

紗也乃
「シカゴ?遠いのかしら?」

オレ
「西へ3つ行った州だよ1泊してくるから^^」

紗也乃
「そう。気をつけてね^^」

ジーンズにトレーナーに薄手のダウン・ジャケットそしてニット・キャップ。サングラスをかけて外へ出た。ラガーディア空港までイエローキャブで行った。

予定より30分早い便が空いていたのでそれに乗りオヘア空港へ・・・2時間半ほどでに着いたが、なんと時差が1時間ある事を始めて知った。

とりあえず市内のホテルにチェック・インした。電話をかけホテルロビーで待ち合わせをした。待ち合わせの時間までかなり余裕があったので、オレは初めて来たシカゴ市内をうろついた。

都市部はNYとそう変らない。オレはマグドナルドを見つけてそこに入った。ハンバーガーにコーク。窓の外の道行く人を眺めていた。

店内にあったフリーペーパーを見て、この街で働きながら勉強が可能な街なのか考えてみた。音楽をやるのならまだ可能性はあった。しかし・・・

約束の時間にホテルへ戻るとすでにジェシーは居た。

ジェシー
「ヒロ!^^よく来てくれたわ嬉しい(笑)」

オレ
「おう^^ちょっとシカゴ・ブルースを聞きたくなって(笑)」

オレたちは抱き合いキスをした。そして隣接するカフェに入った。

オレ
「親父さんのケガの具合はどう?」

ジェシー
「うん。なんとか仕事に復帰できるめどもついてひと安心なの^^」

オレ
「そっか!それは良かった。じゃーNYUに復帰しても大丈夫だな?」

ジェシー
「・・・それは、もうダメ」

ウエイトレスがコーヒーを2つ持って来た。小さなフレッシュが7,8個置かれた。オレはそれを2つ使った。

ジェシー
「そうだ。後でライブハウス行こうか?案内するわ」

オレ
「うん。是非頼む(笑)その前に・・・」

「うちの会社に奨学金を申請していたんだ。君の名前で」

「それが承認されて、半期分の小切手を受け取った」

「これだ」

オレはダウンの内ポケットから封筒を取り出した。それをジェシーに渡した。ジェシーは話を聞いていなかったのか表情を変えずにそれを受け取った。そして中身をみた。

ジェシー
「2万5千ドル・・・これは一体?」

オレ
「半期分の奨学金だ。授業料、滞在費、その他だ」

「半期分ずつ2年分支払われる」

「2年で卒業するのが条件だ」

ジェシー
「ヒロ・・・これは夢?それとも何かの冗談?」

オレ
「ははは(笑)まぎれもない現実だよ!」

ジェシー
「ヒロが・・・ヒロが全部手配してくれたの?」

オレ
「後でもう1度君がサインをした正式な書類の提出が残ってるけどな」

ジェシーはオレの隣に座り抱き付いて来た。そしてキスを何度も何度もその場でした。

ジェシー
「あーヒロ。信じられない。」

「NYUに戻れるのね!勉強続けていいのね!」

「あーーーなんて事^^」

ジェシーの興奮は醒めなかった。オレはジェシーと部屋へ行き、裸になってベッドに入りセックスをした。興奮はそのままキツイセックスとなり、ジェシーはいき続けた。

オレたちは服を着て食事に出かけた。そしてライブハウスへ行きご機嫌な夜を過ごした。その夜ジェシーは朝までオレと一緒にベッドに居た。

翌日、ジェシーは家に帰り在宅する母親に簡単に事情を説明してトランクに荷物を詰めて戻って来た。

そして飛行機でNYへ一緒に戻った。すぐにNYUの本校事務局へ行き、授業料や寮費を納めて事なきを得た。

オレはジェシーの案内で寮へ行った。

24時間ドア・マンが居て、建物内には食堂もありしっかりとした設備だった。それがNYの街中にある。授業が行われる建物も各所に分散されている。それがニューヨーク大学最大の特徴だった。

ジェシー
「ハーイ♪エミリー^^今日からまた一緒よよろしくね!」

エミリー
「まージェシー^^戻ってきたのー良かったー^^」

ジェシー
「紹介するわ^^ヒロよ!私の彼」

オレ
「やーエミリーよろしくジェシーと同じ演劇学科なんだ」

エミリー
「噂は聞いてるわ^^私は経済学部の2年なのよろしくね」

オレは初めてNYUの寮に入った。思っていたよりも狭い。これでふたりで暮らすと仲が良くなければやっていけないだろう。

オレ
「どんな噂なんだろう?」

エミリー
「ギターを弾いて歌を歌わせるのが上手なんでしょ?」

ジェシー
「おー「カラオケ」ね!私も1度しか見たことないけど」

オレ
「じゃー今度ジェシーとエミリーも1曲何か歌おう^^」

エミリー
「私は歌はダメ^^そういう芸術的な事は苦手なの」

オレ
「歌は誰だって歌えるさ(笑)ジェシーと一緒にパーティーに来いよ」

エミリー
「そういう機会があったら考えとくわ」

オレ
「楽しみにしておくよ^^じゃージェシーまた明日」

ジェシーはオレにディープなキスをした。オレは逃げるようにそこを出た。そしてバスに乗ってmar'sBLGへ戻った。

18時・・・Office夕食

オレと紗也乃、そして市橋と源、4人だけの食事だった。ヒロミは10日ならないと戻ってこない。遠山も東京の陶芸展が終わる15日まで向こうに滞在中だった。

紗也乃
「エンちゃん。うまく行ってるかしら?」

オレ
「さーどうだろう?(笑)帰って来たらゆっくり聞かせてもらおう」

市橋
「なんかドキドキしますよ」


「東京で反応が大きければ・・・これから大変ですよね」

オレ
「ん?」


「いえ、これからの製作が大変かなーと思って」

オレ
「いい意味でプレッシャーがかかる方がいい(笑)彼はそういうタイプだと思うよ」

紗也乃
「戻ってきたら「窯」の方へこもりっきりかしら?」

オレ
「たぶんそうだろうな^^」

オレは食事を終えてロフトに上がった。バスタブに湯を張った。TVを点けてイベント情報のフリーペーパーを眺めていた。冬のニューヨーク。インドア・イベントが多かった。

風呂にゆっくりと浸かって体を暖めた。風呂上りに軽くストレッチをした。股割りはすでに出来るようになっていた。開脚したまま上半身を床につける。問題なかった。スエットパンツのままバドを片手にリクライニング・チェアに座った。

オレはジェシーへの奨学金をスミス弁護士事務所経由で処理した。金は松村財団から出したが、松村財団で小切手を切るとオレのサインが表に出てしまう。それをジェシーに知られたくなかった。例えスミス弁護士事務所に問い合わせても松村財団の名前は出てきても個人の名前は一切出ないようになっていた。

2度目の冬。すっかりNY暮らしに慣れてしまっていた。あと1年と8ヶ月・・・それが終わったらどうするのか?まだ何も考えていなかった。

▼1月10日・・・13時Office

ヒロミが帰ってきた。ひとしきりOfficeで皆と話した後、さっそくピアノの練習室に篭った。

紗也乃
「ユーちゃんは日本でまたヒロミちゃんのおとーさんと遊んだの?」

オレ
「ミナミを案内しただけ(笑)ギャラクシーでちやほやされてご満悦でしたけどね」

紗也乃
「もしかして?(笑)」

オレ
「あははは^^前田が勧めるもんだからつい」

三浦
「もしかしてソープですかー?いやらしい(笑)」

オレ
「あははは^^ミナミのソープに勝てるとこは世界中探してもないと思う」

紗也乃
「ヒロミちゃんやヒロミちゃんのママにバレても知らないわよ!」

オレ
「(笑)」

日本へ帰るとユーコやヒロミの家に当たり前に出入りして泊まるようになった。双方の家人もそれに違和感を持たない。何度かNYへ来てるしうちの連中とも親しくなってるせいだろう。

オレは階下に降りた。北川がロクロを回していた。

オレ
「どうだ調子は?」

北川
「はい^^ちょっと形に拘ってみようと思って」

オレ
「ほー^^どうして?」

北川
「ロクロを自在に操れれば、何を焼いても通用するんじゃないかと」

オレ
「そっか(笑)」

オレも手動のロクロを使った。石膏の型を使えば量産は可能だが・・・それでは面白くない。微妙に形が異なるところが面白い。というのは結果論だ。限りなく同じ形のモノをつくる。それに拘る。今はまだその段階だと思った。

オレは30分ほどそうしていたが、途中で破砕機に入れた。

ショップに訪れるニューヨーカーも多くなった。「窯」を持ったことで高額な商品もラインアップ出来て、商品の幅が広がった。そして高額商品もよく売れていた。

▼1月17日・・・

遠山と刈谷が一緒に帰ってきた。遠山の日本での展示会を刈谷は手伝っていた。思った通り、展示会は公表でプレスでもかなり良い記事を書いてもらったようだ。主催者の出版社はすぐに6大都市でもやろう!と言っていたようだが・・・製作期間に入ったため次は3月と言う事で了承してもらったようだ。

遠山
「このまま2月いっぱいまで向こうに篭ろうと思ってるんですけどいいですか?」

オレ
「うん。エンちゃんの思うようにやって(笑)」

刈谷
「工房の方はどうします?」

オレ
「北川と市橋にやらせる」

遠山
「大丈夫かなー?」

オレ
「Q&Aのマニュアルを作成する。とりあえずはそれで対応して、周辺知識は徹底的に勉強させる。その為の書籍は相当量買い付けたから(笑)」

刈谷
「私も勉強します^^」

遠山
「モトちゃんにそう言ってもらえるとありがい^^」

紗也乃
「また楽しくなりそうね^^」

刈谷
「はい^^よろしくお願いします」

遠山は階下に降りて行きオレはロフトに上がった。NYUの図書館で借りてきた本と、日本で買いあさり航空便で到着した大量の本を分ける作業をした。

ドアがノックされた。

オレ
「いいぞー」

刈谷
「失礼します」

そう言って借家はウーロン茶を持って入って来た。

刈谷
「手伝います」

オレ
「いや、後にしよう」

オレはテーブルの前に座りウーロン茶を口にした。刈谷に正面に座るように言った。

オレ
「図面を引こうと思ったら机の上が本でいっぱいで・・・片付けだしたら余計に混乱した(笑)」

刈谷
「ムーさんがこんなに勉強家だって知りませんでした(笑)」

オレ
「まじめに芸大で勉強してたら・・・首席で卒業だったかな?(笑)」

刈谷
「そーですね^^」

オレ
「小山と石田。知ってるか?芸大でお前と同期のはずだけど」

刈谷
「写真をやってた小山君なら知ってます」

オレ
「うん。石田はデザイン学科でイラストをやってた。そいつらが今月末からこっちへ来る」

刈谷
「長期滞在ですか?」

オレ
「たぶんそうなるだろう。4階の2LDKに一緒に住まわせるつもりなんだけどな」

刈谷
「益々面白くなりそうですね^^」

オレ
「横山が送り込んできた。オレはどうでも良かったんだけどな(笑)」

刈谷
「聞いてます(笑)芸大の事務局長に呼ばれて色々と聞かれて困ったと言ってましたから」

オレ
「別に困ることはないだろう?」

刈谷
「だって1年間のNY語学留学のプレゼントでしょう?もう大騒ぎになってるそうですから(笑)」

オレ
「ははは・・・そのくらいで騒いでどうする(笑)」

刈谷
「今や東洋ビルのmar'sOfficeはいつも学生がいっぱい居て大変みたいですよ^^」

オレ
「ははは^^それは横山も頭が痛いだろうなー」

学長がオレに会いたいという話は聞いて居たが、12月は無理だったので3月に伸ばしてもらったが、その間に「留学プログラム」を発表したので混乱しているようだった。

オレ
「で、お前はどーなんだ?」

刈谷
「私ですか?^^私は(笑)」

オレ
「なんだ?」

刈谷
「ここへ置いていただければそれだけでハッピーですから!」

オレ
「親にはなんて言ってるんだ?」

刈谷
「親は浜田とこっちに1年間居ると思ってます」

オレ
「要するに親は心配はしていないと言う事なんだな?」

刈谷
「はい^^」

オレ
「じゃー遠山、小山、石田らのフォローを頼む」

刈谷
「了解です」

オレ
「(笑)」

こうして1月の下旬には小山、石田らがやってきてまた賑やかになった。2LDK1室、小山の部屋は部屋の半分を仕切って暗室をつくり、その手前にベッドを入れた。石田は机ひとつあればイラストを描けるので、もう1室を自由に使わせた。

小山はmar'sがライブをやっていた頃から写真担当としてしょっちゅう出入りしていた。旧知の間柄だった。芸大を卒業後、写真スタジオに入り修行を積んで、そろそろ自分の写真を撮りたいと思っていた時に、mar'sJournalを読んでmar'sNYの活動を知った。そして横山に頼み込んで潜りこませてもらった。

石田も同様に平面デザインの製作会社に就職していたが・・・mar'sJournalを見て退職した。同じように横山に泣きついたそうだった。

▼2月・・・

オレは毎日学校へ行き、授業が終わると大学のフィットネス・ジムで汗を流していた。飛び級して新しい3年の仲間ともジェシー共々仲良くやっていた。

ケリー
「54丁目でやってる「マクベス」を見ておけ!ってライリー教授が言ってたけど、みんな見にいけるのか?」

ジェシー
「ちょっとすぐには無理よプラチナ・チケットだって言うじゃない?」

ピーター
「そーだよなーでも観たいなー」

オレ
「マクベスかぁ〜学割り利きそうにないもんなー」

ケリー
「うまく行くかどうかわからないけど親父に頼んでみるよ^^」

ピーター
「うん!親父の政治力でなんとかしてくれ!(笑)」

ジェシー
「そーなんだ?期待してるわ^^」

ケリー
「そーだ。ヒロ。今度オレと一緒にパーティーに来てくれないか?」

オレ
「何のパーティー?」

ケリー
「家でやる親父主催の小パーティーなんだが、「カラオケ」やってくれないかなー?それで親父を口説くから!」

オレ
「オッケー^^プラチナ・チケットの為だ協力するよ(笑)」

ピーター
「ヒロが行けばパーティーは盛り上がるさ^^パントマイムもあるしな(笑)」

ジェシー
「あははは^^アレは何度もみてもサイコーに笑える」

オレ
「別にオレはコメディアンを目指してるわけじゃないぞ!」

ケリー
「じゃー日程が決まったら知らせるよ」

オレ
「おう^^じゃーなー」

ケリーとピーターは約束があると言ってカフェから去って行った。

ジェシー
「チケット取れたらいいね」

オレ
「パーティーで頑張るよ(笑)」

ジェシー
「ヒロはミュージシャンでも通用するものね」

オレ
「NYは失敗だったかなー?シカゴでゴロゴロしてれば良かったかもな?」

ジェシー
「あはっ^^そーね!でもNYUだったから私たち出会えたのよ!私はこの運命に感謝してるわ」

オレ
「オレもだ^^」

英語で話すようになってそれまでのオレのスタイルは変った。それはオンナに愛情表現をする時も、少し照れた曖昧な微笑!などというモノは悪い誤解を与えるだけで決して理解されない。故に明確にちょっとオーバーなぐらい言葉にして表現する。という当たり前のコミュニケーションに変化していた。

もっともそれはすべてについて言える事だが、本質的な性格がそれに向いていると言うこともあってオレはすぐにそれに馴染んだ。

逆に日本語でもそういう傾向になりがちだったので、それは意識してこれまでと同じように自制しなければならなかった。

オレたちはジェシーの寮へ言って、ルーム・メイトのエミリーが居ない事を確かめてからジェシーの部屋でセックスをした。そしてオレはバスに乗ってmar'sBLGへ戻った。

16時・・・mar'sOffice

紗也乃
「お帰りなさい^^」

オレ
「ただいまー^^」

オレは大きなテーブルの前に座った。紗也乃はすぐに冷たいお茶を持って来た。

紗也乃
「モトちゃんは小山君を連れてお買い物に出てるわ。石田君は自室で、ユーコちゃんはピアノ弾いてる」

オレ
「なんだよ(笑)じゃー「おかえりー♪」だろう?」

紗也乃
「でも下に市橋君が居るから^^」

オレは立ち上がって紗也乃の後ろに回り後ろから抱きついた。紗也乃は首を回した。オレはその唇にキスをした。舌を絡ませて紗也乃の舌を吸い。乳を揉んだ。暫くそうした。

紗也乃
「あーもうダメ(笑)」

オレ
「じゃーすぐに紗也乃の部屋に行こう」

紗也乃
「どーしたの?^^」

オレ
「ちょっと甘えたくて」

紗也乃
「仕方ないわねー(笑)」

5階の紗也乃の部屋に行った。そしてすぐにベッドルームに入りオレは素っ裸になりベッドに入った。紗也乃はオレの目の前で裸になった。そしてゆっくりとベッドに入って来た。

オレは顔を擦りつけキスをし、乳を揉んだ。すぐに紗也乃の乳首を口にして手を紗也乃の股間に入れた。割れ目を撫でヒダを開くとすっかりと濡れていた。指を入れクリトリスを親指で押さえながら、軽く軽く穴を責めた。

紗也乃の喘ぎ声が聞こえる。乳に顔を埋めながら穴に2本の指を突き立てた。

紗也乃
「あぅ」

紗也乃の声を聞きながら激しく指を使う。

紗也乃
「あっ あー」

紗也乃が顎を突き出した。指の動きを早めて力強く責めた。

紗也乃
「あぅ あぅ あぅ」

紗也乃は指でいった。オレはすぐに紗也乃の体に乗ってオレのモノを突き刺した。そして自分の両脚で紗也乃の脚を挟み込んだ。オレは小さくゆっくりと動く。

紗也乃
「あー」

オレ
「こうしたらどうするんだった?」

紗也乃はオレのモノの動きに合わせるように小さく腰を使った。そうする事でオレのモノは紗也乃の穴の奥まで入る。

オレは紗也乃の体に完全に乗って腰を使う。そして紗也乃耳元で囁く。

オレ
「紗也乃愛してるよ」

紗也乃
「あーーーユーちゃん」

オレ
「あっいっていいか」

紗也乃
「はい」

オレ
「あっあーあーーあーーー」

オレは紗也乃の穴に注ぎ込んだ。。。ジェシーの穴であれだけ我慢していたものが紗也乃の穴ではあっけなくいってしまった。オレはゆっくりと紗也乃の体からおりた。

紗也乃は半身をオレの体に被せるようにして脚を絡ませた。オレがそうされるのを好きな事を知って・・・オレは片手を紗也乃の体に回していた。

紗也乃
「ユーちゃん。可愛くてたまらない。。。」

「我慢ばっかりしてたのね」

オレは紗也乃の肩を下に押した。紗也乃はオレの体の下に移動してオレのモノを口にした。指を使いオレのモノの先端を口に咥え上下に動く。オレはたまらず腰を突き上げた。口が離れたと思った瞬間用意していたオンナの穴がすぐにオレのモノを咥えた。

紗也乃
「あぁぁぁ」

紗也乃は緩やかな声を上げながらオレのモノを味わうようにゆっくりと動いた。オレは紗也乃を顔を見る。紗也乃もオレを見ている。泣きそうな顔、口を開き声を漏らしながらオレの名前を呼ぶ。そして・・・

紗也乃
「うぁーあーあーーあーーー」

紗也乃は自分のペースでオレのモノを咥えていった。オレは紗也乃の体を脇に降ろした。そして四つ這いにさせた。後ろから一気に挿入し、紗也乃の両手を後ろで組ませてオレはそれを持った。

一定のリズムでまるで馬に乗って揺られるような格好で紗也乃の穴を味わっていた。

紗也乃
「うぅ うぅー うぅーーー」

紗也乃の声、ピークに達する前の声、オレはだんだんとスピードを上げた。紗也乃の指がベッドをしっかりと掴んでいるその指にどんどん力が入っていった。

紗也乃
「うぅうわーあーーーあーーーー」

紗也乃の穴の奥が緩む、そして熱いモノが噴出する。オレは尚も激しく動き続けた。

紗也乃
「あぐぅーあぅーあーーーあーーーあーーー」

紗也乃の狂いだしそうな声を聞きながらオレも2度目の放出をした。そして紗也乃尻を放した。

紗也乃
「あぅー」

紗也乃はまだ体を仰け反らせながらふとももを擦りつけ悶え続けていた。オレは片手を伸ばした。紗也乃はオレに半身を被せながらも泣くような声を上げていた。いや泣いているかも知れなかった。

紗也乃の背中を撫でていた。

▼18時・・・Office「夕食」

ヒロミ
「またマービー教授に褒められちゃた^^」

紗也乃
「そう^^良かったわねー」

オレ
「ヒロミは頑張り屋だからなー」

刈谷
「私も時々弾かせてもらってるけどあのピアノはいいピアノだわー」

ヒロミ
「はい^^学校にあるどのピアノもアレよりいいのはないと思う」

「みんな不思議がってるの」

「ヒロミは一体いつ何処で練習してるの?って」

刈谷
「なんて応えてるの?」

ヒロミ
「それは「秘密」よ!って(笑)」

オレ
「あははは^^神秘的でいいじゃないか(笑)」

ヒロミ
「でも友達は薄々気付いているみたい」

紗也乃
「24時間いつでも練習できる環境なんてそうないものね」

刈谷
「ベッドルームの隣が完全防音の練習室なんて知ったら羨ましがられるでしょうねー」

ヒロミ
「はい^^」

ヒロミにはその環境の事を人には言うな!と言ってあったが、ヒロミが評価され常にトップクラスの成果を出すと、自ずとそれは話題になる。何故なら学校の練習室を一切使わないで、授業が終わると友人と雑談してとっとと帰ってしまうのだから・・・

他の連中はいいピアノがある練習場所を確保するために、ドアの外で長時間待って、時には泊まり込みで廊下でパンをかじりながら練習時間を待っているのだから

いつかバレて親しい友人が雪崩れ込んで来る日も近いだろうと思った。

▼24時・・・

オレはロフトでTVを点けながら、リクライニング・チェアに座って本を読んでいた。まだシェークスピアが読破できていなかった。

階下のドアの空く音がかすかに聞こえた。オレは降りていった。

オレ
「お疲れ^^」

田川&三浦
「ただ今戻りました」

オレはキッチンへ行き珈琲を入れようとした。

三浦
「あっ!私が」

オレ
「いい。疲れてるんだから座って待ってろ(笑)」

三浦
「いいえ。それはだめです」

オレ
「ほら。言ってるうちにもう用意できた^^」

三浦
「すみません」

オレは珈琲メーカーのスイッチを入れた。そして棚から食器を出しトレイに乗せた。フレッシュ&シュガーを用意した。大きな丸い缶に入っているクッキーを小さな皿に盛り準備を整えた。

オレ
「さっき岩崎が帰って来て、TV取材の話は聞いた」

田川
「そーですか!いや突然で驚いたんですけどまー宣伝になるか?と思って」

オレ
「CATVだったか?」

田川
「はい。NY1です」

オレは淹れたての珈琲をカップに注いで、トレーに乗せ大テーブルの方へ持っていった。

三浦
「すみません」

田川
「いただきますっ!」

オレ
「三浦。大丈夫か?」

三浦
「訪問営業を再度始めようかと思ってます」

オレ
「そーじゃなくてちょっと休んでゆっくりしたらどうだ?」

三浦
「いえ。始まったばかりですしまだまだこれからですから^^」

三浦は無理に笑顔をつくった。1月の末にオープンした「ヤマシロ2」がうまくのれていない。まーこの季節は仕方がないといえば仕方がない。オープン前から工事の遅れや印刷物のミスプリントなどでドタバタとしていた関係で責任者の三浦は相当精神的に疲れているだろうと思ったのだが、店の状態がよくないことを「大丈夫か?」の意味に捉えたようだった。

田川
「今月中旬ごろには記事広告などが順次出てくると思いますので、来月は期待できると思います」

オレ
「うん。打てる手は打ってあるからまだ焦る必要はないぞ!^^」

三浦
「ええ」

オレ
「じゃー今日はもうこれくらいにして早く寝ろ(笑)」

田川&三浦
「はい」

オレはそう言ってロフトへ上がった。TVを消して本を閉まった。ラークに火をつけた。ゆっくりと1本吸った。あまり旨くない。このところめっきりタバコを吸わなくなった。健康志向になったわけでもなかったが、酒を飲む機会も少ないことから自然とタバコも吸わなくなった。

オレは部屋を出てEVに乗り5階へ行った。インターフォンを押した。

オレ
「ムトーです」


「あっちょっと待って下さい」

暫くドアの外で待たされた。ドアが開き招き入れられた。三浦はシャワーから出てきたところらしくまだ髪は乾いていなかった。

オレ
「あっもうシャワーを使ってしまったか?」

三浦
「はい。。。」

オレはソファに座った。三浦はバスローブ姿で冷たいウーロン茶を入れてくれた。そして隣に座った。

オレ
「明日から暫くオレもホールに立とうと思って(笑)」

三浦
「いえ。大丈夫ですからムーさんは出ないで下さい」

オレ
「どーして?」

三浦
「私の責任でやりとげたいんです」

オレ
「そっか。あんまりムキになるな(笑)」

三浦
「はい」

オレは三浦を引っ張って抱き寄せた。そして抱きしめた。三浦は少し抵抗をしようとした。オレは強引にキスをした。そしてそのまま抱きしめていた。

オレ
「お前は頑張っている。だから焦るな。もう少しリラックスしろ」

「今週の日曜は川向こうのレストランへ行こうか?」

「小さな丘の上にあって、こっちの夜景がきれいなところだ」

「恋人気分でデートしないか?」

「それともエキサイティングなアイス・ホッケーの試合でも見に行くか?」

「なんならスケートも教えてやるぞ^^」

三浦
「・・・」

オレは背中を撫でていた。優しく言葉をかけたのがきっかけになったのか三浦は少し泣いた。そしてオレの胸に顔を埋めていた。

オレ
「少し汗の匂いがする方が好きなんだけどなー」

三浦
「来るの知ってたらシャワー浴びなかったのに・・・」

オレ
「変な事しないから裸でベッドで抱き合って寝るか?」

三浦
「変な事しないで寝るなんて、そんな変な事できません」

オレ
「ダメかー?」

三浦
「変な事してくれるのならいいですけど」

オレ
「ははは・・・じゃーちょっとだけ」

オレは三浦と共にベッドルームへ行き朝までそこで寝た。もちろん変な事をいっぱいした。

▼2月10日・・・

雪の振る日が多くなった。それに伴ってNY市内でもラッシュ時間は相当の渋滞が起きているようだった。いくつかの橋からマンハッタンへ入ってくるクルマはその渋滞に巻き込まれ往生する。マンハッタンの冬は厳しかった。

サーフォークの別荘へ行った。刈谷と小山、石田の4人で地下鉄に乗り、そこからイエローキャブで向かった。周辺には雪が積もり家に入る前に靴が雪だらけになった。

市橋
「あっいらっしゃいませ!」

オレ
「おう^^ここは相当積もってるな」

市橋
「はい。昨晩から降り続いて」

オレたちは家に入った。すぐに熱いコーヒーを市橋が入れてくれた。

市橋
「エンさんは火の様子を見に窯の方へ行ってます。呼んできましょうか?」

オレ
「いやいい。後でオレたちが行くから(笑)」

刈谷は持って来た日本酒を市橋に渡した。市橋は礼を言って嬉しそうに受け取った。

石田
「ちょっと離れるだけでこんな環境があるんですね^^」

小山
「この辺りは高級住宅地なんでしょう?」

刈谷
「まー高級という部類に入るかどうか?って微妙なところですね」

オレ
「石田はこっちの方がいいか?」

石田
「いえ。mar'sBLGがいいです(笑)NYのど真ん中がいいです」

小山
「うん。それこそ街全てが被写体で飽きないですよ(笑)」

オレ
「ははは^^」

一息ついてから「窯」の方へ行った。遠山は火の様子を観ながらイスに座って本を読んでいた。

遠山
「あっムーさん」

オレ
「やっぱりここは火の前だから暖かいな^^」

遠山
「ええ。この時期はなかなか過ごしやすいです」

オレは小山と石田を紹介した。遠山は簡単にこの「登り窯」を説明した。小山は遠山に断ってシャッターを切りながら話を聞いていた。

オレはそこから湖の方を見た。この時期には何が釣れるだろう?春先になるまで釣りは無理だろうと思ったが、ここにくるとルアーを投げてみたくなる。

オレはそこで遠山と簡単に打合せをした。3月の日本での展示会のコンセプトなどを話し合った。

家に戻ると市橋が部屋を案内していた。工房にはロクロが数台。その隣の部屋には簡単な展示室。裏口を出ると「登り窯」の脇に出る。大きな倉庫のようなところには「薪」「藁」「土」などが保管されていた。その広いスペースには明日にも焼きあがった作品が並べられるだろう。

日が暮れる前にオレたちは別荘を出た。帰りは市橋が駅までクルマで送ってくれた。

▼17時・・・mar'sOffice

紗也乃
「向こうも寒かったでしょう?」

刈谷
「窯の前は快適でしたよ(笑)」

オレ
「冬の製作は集中できていいかも知れないな」

刈谷
「反対に夏は大変でしょうねー^^」

紗也乃
「夏はみたくないわね(笑)」

オレは夕食までの間ロフトに上がっていくつかの郵便物を見ていた。理沙からよく手紙が来る。オレの返信は何枚かの写真と、その時々のメモに似た駄文。その程度でも理沙は楽しみにしているようだった。

ドアがノックされ刈谷が声をかけて入った来た。

刈谷
「冷たいのがいいかな?と思って」

オレ
「ありがとう^^座ったら」

刈谷
「はい^^」

オレはテーブルの方へ移動した。

オレ
「小山と石田のプロフィールを作って、日本の出版社へ送付しよう」

刈谷
「それは一体?」

オレ
「連絡先はmar'sNYに統一して、彼らの仕事のオファーを受けるようにしよう」

刈谷
「はい」

刈谷
「作品サンプルも何点か同封してファイル化して保存しやすいようにデザインした方がいいな」

刈谷
「相談して作ります」

オレ
「それからmar'sJournalは次回からお前が書け!」

刈谷
「えっ私がですか?」

オレ
「自分の視点で好きに書けばいい(笑)もちろんヒットを狙うんだぞ!」

刈谷
「えええーーー(笑)」

オレ
「それから小山に暗室作業を教えてもらえばいい」

刈谷
「なんか急に色々と・・・(^。^;)」

オレ
「1年ぐらいあっと言う間だ。ここに居る間に自立する道を探せ!」

刈谷
「・・・」

オレ
「昔からお前が一番手がかかるな(笑)」

刈谷
「ムーさん。。。」

オレ
「そろそろメシだ。降りよう^^」

刈谷
「・・・はい」

▼2月15日・・・

マッキントッシュ。TVCMを見て欲しくなった。コンピューター・一体何をするものなのか?よくわからなかったけどそのデザインを見て興味を持った。そして今朝届いた。

ジェシー
「ねーそれは一体何をするもの?」

オレ
「何でもできるコンピューターだそうだ(笑)」

ジェシー
「ふーん。なんか可愛いね^^」

オレ
「そーだな」

机の上のオブジェになりそうな気がしたが、とりあえずタイプライターよりは誤字の修正が楽そうだったので、これからはレポートに使えそうだ。

オレはジェシーに引っ張られてMacの電源を入れっぱなしのままベッドにひっくり返った。ジェシーはオレの上に馬乗りになり服を脱ぎ始めた。ジェシーの黄色人種より少し黒っぽい胸を掴んだ。そしてきついセックスをした。

ジェシー
「ヒロのタキシード姿、カッコ良かったわ^^」

オレ
「ジェシーのドレスの方が断然美しくてセクシーだったさ!みんな注目してた」

ジェシー
「私たちが一番最初ね「マクベス」見たの」

オレ
「うん。ケリーに大きな借りができたな」

ジェシー
「あら、ヒロがパーティーで「カラオケ」やって好評だったからでしょう?」

オレ
「さー?(笑)」

レスポールとアンプ、リズム・ボックスを基本とした「カラオケ」は、ニューヨーカーにも好評だった。アメリカンポップスからロックンロールまで楽譜をかき集めて、大抵の曲ならアレンにできた。やっかいなのは歌詞で、誰かに歌わせようとすると歌詞カードが必要だった。

結局ケリーの親父がその政治力を使ってブロード・ウエイ・ミュージカル「マクベス」のチケットをとってくれた。オレたち4人はドレスアップしてそれを見に行った。オレはジェシーと5番街に買い物に出かけて、流行のタキシードとジェシーのドレスを買った。

オレは演出論のレポートを「マクベス」をテーマにMacで書こうと思っていた。

オレは服を着けて冷蔵庫から冷たいウーロン茶をグラスに入れた。ひとつをまだベッドの中に居るジェシーに渡した。

ジェシー
「ヒロのお気に入りの『ウーロン茶』ね?」

オレ
「ああ。健康にとってもいい。ソレより何よりこの「テッカンノン」はとても旨い^^」

ジェシー
「そうかしら?」

オレ
「慣れるともう止められない(笑)」

そしてジェシーは紗也乃に誘われるままにここで皆と楽しく夕食をとった。珈琲が出たあと、ジェシーは礼を言って帰っていった。オレはバス停まで一緒に行きジェシーがバスに乗り込むまで見送った。

2月に間島が来ると言っていたが、3月にオレが帰国する予定だったので、こっちに来るのをもう少し季節が良くなってから来るように変更させた。

代わりに3月に金沢へ行った時は少しゆっくりと滞在することを約束させられた。

こうして2月は緩やかに大きな問題もなく過ぎていった。

▼3月・・・

刈谷
「ムーさん。これいいですね!^^」

オレ
「ん?あーMacか(笑)文書がデータのまま保存できるのがいいだろう」

刈谷
「もうタイプライター使えませんね」

オレ
「んーーーならもう1台買って下で使うか?」

刈谷
「はい^^」

遠山の製作は順調に進んでいた。今月、大阪での展示会も予定通り行えそうだった。オレ、遠山、刈谷の3人で帰国して刈谷には遠山をサポートさせる。オレは初日の様子を見るだけで後はこっちの用事を済ませようと思っていた。

刈谷
「今年はやっぱりLAブームなんでしょうか?」

オレ
「そーだな(笑)夏のオリンピックを前に騒がしいだろうな」

「そう言えばショーヘーから何か連絡はあったか?」

刈谷
「いえ。ありません」

「でも夏は恒例のmar'sClubのNYツアーがありますよね?」

オレ
「ん?うん。今年で3年目だな。お前と居候たちに任せるよ」

何処で何をしてるんだ?あのバカは・・・それに刈谷、仮にもお前は嫁だろう?もっとその話題に集中してもいいんじゃないか?と言いたかった。

刈谷
「それはいいですけど、他に何かあるんですか?」

オレ
「ん?」

刈谷
「ムーさんはこの夏何かするんですか?」

オレ
「どーして?」

刈谷
「なんとなく」

勘のいいやつだな?と思った。いや単なる勘じゃなくて、洞察力が優れているのか?それなら気をつけないと・・・変な事を思った。

オレ
「ひとりでヨーロッパを放浪して来ようと思ってる」

刈谷
「うわっ!やっぱりとんでもない事を考えていたんですね(笑)」

オレ
「ははは^^誰でも考えるだろう。うちの居候たちだって次はヨーロッパにでも行ってみようかな?って思ってるはずだ」

刈谷
「それはまーそーでしょうけど」

オレ
「なんだよ(笑)」

刈谷
「ちゃんと帰って来て下さいよ!」

オレ
「当たり前だ。プータローじゃないんだから」

刈谷
「パリやミラノの大学に編入するなんて言い出さないで下さいよ」

オレ
「あははは^^お前、よくそーゆー事を思いつくなー(笑)」

刈谷
「笑い事じゃありません。ムーさんはすぐそういう事しそうじゃないですか!」

オレ
「ぎゃははは^^横山みたいな事言うな(笑)」

刈谷
「・・・」

オレ
「でも、それいいかも知れないな?」

刈谷
「ムーさん」

オレ
「すぐの話じゃないさ。語学の問題もあるしな。NY後の話だ(笑)」

昼間の連絡事務は刈谷がすべて取り仕切るようになっていた。それまで午後から三浦が出てやっていたが、ここんとこ新店「ヤマシロ2」の営業にムキになっているので、午後からも訪問営業などで出払っているため、必然的に刈谷がすべてを賄うようになっていた。

そしてオレが学校から帰ってくると、2階のOfficeでは急ぎの用件だけを話し、その後オレがロフトに上がってからやってくる。そこでゆっくりと話をする事になるのだが・・・

オレ
「帰国したら芸大の学長と会う約束になってるから、定期的な留学生の受け入れを要請されるかも知れない」

刈谷
「そんな話があるんですか?」

オレ
「事務レベルで話が進んでいるそうだ。横山はそんな事を言ってた」

刈谷
「無料でボランティアやってるんですから・・・せめてムーさんは名誉教授ぐらいにして欲しいですね」

オレ
「あははは^^オレは中退だぞ?(笑)」

刈谷
「だからですよ!今更卒業に変更は出来ないでしょうから^^貢献度を考えるとそれぐらいの事はしてもらわないと!」

オレ
「とりあえず1年間の無料語学留学は4名でスタートする予定だ^^」

刈谷
「はい」

▼3月10日・・・

オレ、遠山、刈谷の3名で帰国した。そしてスカイ・マンションの1110号に全員宿泊して展示会に備える事になった。オレの部屋以外の2室はすでにゲスト・ルームとしてベッドやライティング・デスクなどがセットされていた。

横山
「基本的には前回東京で行ったスタイルと同じと言う事で、後は遠山さんの大物の作品が少し増えるだけです」

遠山
「新作は3点だけですから(笑)さっき見たら無事到着してました^^」

横山
「後で、タイムズ・スケジュールをお渡しします」

オレ
「オレは初日は立ち会うけど後は任せていいな?」

横山
「はい。大丈夫です」

2ヵ月半ぶりの日本・・・その日は全員でMaggieへ行った。本橋もやって来た。長井や佐伯も混じって歌を歌い楽しく過ごした。そしてオレは直接理恵の部屋に行って泊まった。

翌朝・・・

スカイ・マンション1Fカフェ

松井と前田らとの打ち合わせが終わると、本橋が現れた。

松井
「じゃーオレたちはこれで失礼します」

オレ
「うん。後でまた連絡淹れる」

本橋
「ごめんなさい。お仕事の打ち合わせの場所に出てきちゃって」

オレ
「ん?いや、あっ!そうか昨夜は刈谷の部屋で泊まったんだ?」

本橋
「はい^^」

やってきたウエイターに本橋は紅茶を頼んだ。オレは珈琲をお替りした。

オレ
「もしかして香のことか?」

本橋
「はい」

オレ
「何か変わったことが?」

本橋
「香ちゃんには内緒にしておいてくれって言われてますけど・・・私にはそれはやっぱり無理ですから」

オレ
「・・・」

本橋
「実は、香ちゃん。今付き合ってる人が居るんです」

オレ
「そっか」

本橋
「昨年の秋からです。」

「私には全部話してくれます」

「最初はただの友人だったようですが・・・」

オレ
「本橋はその相手を紹介してもらったか?」

本橋
「はい。先月初めて一緒にお茶しました」

「誠実そうな人でした」

「香ちゃんとは見た目のバランスは悪いんですけど、香ちゃんはすごく安心した表情で終始穏やかでした」

「うまくいってるんだなーと思いました」

オレ
「そう。それでオレはどうすればいい?」

本橋
「それはムーさんが・・・」

オレ
「このままもう会わないほうがいいか?それとも会ってその事をちゃんと話して別れた方がいいか?お前が決めろ!」

本橋
「私がですか?」

オレ
「そうだ。香の事はお前が一番よく知ってる。あいつの為に良いと思う方を選んでくれ」

本橋
「会って話し合った方がいいと思います」

オレ
「わかった。そうする」

本橋
「ムーさんは?」

オレ
「あいつに幸せになって欲しいと思ってる」

ウエイターが新しい珈琲と紅茶を持って来た。本橋は珈琲にフレッシュ・ミルクを入れてオレの前に置いた。

オレ
「本橋・・・香が結婚しても付き合ってやってくれるか?」

本橋
「はい」

オレ
「ありがとう。恩に着る」

本橋
「何言ってるんですかー(笑)私とムーさんの仲じゃないですか」

オレ
「ははは・・・どんな仲だ?(笑)」

本橋
「私ほど、特別は存在は居ないでしょう?残念ですけど、唯一肉体関係がなかった女(笑)」

オレ
「あははは^^」

オレは珈琲を口にした。そう言われればそうだ。何度もヤバイフインキにはなった事もあったが、オレは我慢し続けた。それは親友の斉藤に頼まれていたからだった。

オレは本橋にとりあえず「神戸に行ってくる」と言って別れた。地下駐車場に降りてクラウンに乗り神戸に向かった。

阪神高速神戸線・・・芦屋で10キロの渋滞。その間に車内から何本かの電話をした。それでもこれまでの43号線を走るよりかなり早かった。

芦屋で降りて北上し2号線に出た。十二間道路を右に折れて「本山」駅の方へ向かった。

11時・・・「あおやま」

ジーンズにTシャツ&革ジャン。そしてサングラス。扉を開けてカウンターまで行って座った。カウンターに入っていた女はすぐにオレに気付いたようだった。

ヨーコ
「ヒロっ!お帰りぃー^^いつ帰って来たの?」

オレ
「ははは^^昨日帰ってきた」

ヨーコ
「そう^^ごはん食べる?」

オレ
「ああ。頼む」

オレは外にいた女の子がもってきたオシボリを使いサングラスを外した。

オレ
「やっぱりこっちは暖かいな^^すっかり春めいてる」

ヨーコ
「もう春よ^^今月の末頃には「桜」も咲くわ」

オレは店内を見渡した。何も変っていない。ここへ来るたびにオレは10年前の自分に戻った気になる。

ヨーコはメンチカツを手早くつくり目の前に置いた。旨かった。この間NYでも紗也乃が同じモノを作ったが、やはり味はそれぞれ違うものだ。オレはこの味に慣れている。

食べ終わると、サイフォンで淹れた珈琲が出てきた。オレはクリームだけを入れた。

ヨーコ
「夏はやっぱりLAのオリンピックとか見に行くの?」

オレ
「いやまだ何も決めていないけど、たぶん行かない(笑)」

ヨーコ
「そう^^ショーヘーはLAでのんびりやってるみたいね」

オレ
「ん?連絡でもあった?」

ヨーコ
「絵葉書が来てたわ^^そう言えば今東京じゃないかしら」

オレ
「えっ?」

ヨーコ
「何でもビザの関係で3ヶ月ごとに日本へ帰らないとダメだからって」

オレ
「そっか(笑)」

ショーヘーが結婚した形になっている事や、嫁と別々に行動している事などヨーコがどこまで知っているのかわからなかったので、何も言わなかった。横山がPlayer'sを見ているので、給料などはそのまま毎月振り込まれているはずだから、なんとかLAでもやっていけているとは思うが・・・観光ビザのままウロウロしているとは・・・

オレ
「裕也は元気か?」

ヨーコ
「うん^^男の子なのにちょっと弱気で困ってるんだけどね」

オレ
「あははは^^やっぱりオレに似てるんだ(笑)オレも子供の頃はそうだったから」

ヨーコ
「そう^^って・・・なんでヒロに似るのよ(笑)」

オレ
「ん?細かいことはいいじゃないか^^」

ヨーコ
「あはっ!」

今更ながらにヨーコが結婚してくれて良かったと思った。こんな幸せそうな表情でこんな楽しい会話が出来て、オレは嬉しかった。

オレ
「じゃーまだ家に帰ってないから行くよ!」

ヨーコ
「うん。NYへ帰るまでにまた来てよねっ!」

オレ
「おう^^」

本山駅前の小さなロータリーを1週してオレは迷った。もう1度車内から電話をした。自宅に電話をするとオフクロが出た。黙ってオレは電話を切った。どうやら玲子は外出しているようでオフクロが留守番に来ているようだった。

ユーコの家に電話するがまだ誰も帰っていないようで繋がらなかった。

オレは芦屋まで行って駅前の花屋でバラの花束を作ってもらった。そしてそのままクルマに乗って「芦屋霊園」へ行った。管理事務所で桶と柄杓を借りて、水を入れた。

キョーコのおかーさんの墓の前。バラの花束を置いて手を合わせた。

キョーコは東京で親友のカメイさんの近くで暮らしている。最近は沙耶もそこで一緒にいる。すでにキョーコは松村さんの遺産を手にしているので、働かなくても大丈夫だ。カメイさんと沙耶に囲まれて娘の裕子も元気にやってる。心配はない。オレは・・・時々です。そう報告した。

山の上の霊園から南側を見た。阪神間の風景がパノラマのようによく見える。少し霞がかかっているようでヌケがよくないが、穏やかないい日よりだった。

香に恋人が出来た。昨年の秋からと言うが12月に香と会った時にはそんな兆候はないように思えたが・・・今年に入ってから進展があったのか?オレは耐えられるだろうか?

オレはクルマに戻って香に電話した。


「はい。北条です」

オレ
「ムトーです」


「ユーちゃん。^^もしかして近くに居る?」

オレ
「うん。今芦屋だ」


「うわー会いたいなー」

オレ
「今から出れるか?」


「うん^^」

オレ
「じゃー迎えに行く」


「はい^^」

オレは電話を切った。香の弾んだ声、それだけでオレは嬉しくなった。そしてクルマを走らせて香の自宅へ行った。

家の前にクルマを停めてオレは車外に出た。門のところのインターフォンを押した。


「はい」

オレ
「ムトーです」


「はいすぐに^^」

香は出てきた。そして助手席に乗せた。オレは運転席に回り込みクルマを出した。ミナミへ500メートルほど走らせて王子動物園の駐車場にクルマを入れた。

クルマを降りた瞬間から香は笑顔で腕を絡ませてくる。そこには何のためらいも不自然さもない。これまで通りだった。

動物園に入園していつものように遊園地前のカフェに向かった。風も温かくすっかり春だった。オレたちは売店でコークをふたつ買った。そしてオープンなテーブルに座った。

オレ
「どう?皆変わりない?おかーさんは?」


「うん。みんな元気で母も大丈夫よ!弟はもうすぐ東京に行ってしまうけど」

オレ
「そう言えば就職だったな。じゃーこれからは3人なんだ?ちょっと淋しくなるか?」


「そーね。でも弟はこれまでもあんまり家に居なかったから(笑)」

オレはコークの入った紙カップに刺してあるストローをとってそのままカップに口をつけた。


「ユーちゃんの方はどう?」

オレ
「うん。真面目に学生やってるよ!遠山と一緒に帰って来たんだ。あいつの個展が心斎橋のパルコであるんだ」


「そーなんだ^^私も見に行っていい?」

オレ
「あーもちろんだ。遠山も喜ぶと思うよ」


「ニューヨーク。楽しかったなー」

オレ
「香もロクロ、うまくなったのにな」


「うん。あんなに楽しい事は、もうないだろうなー」

オレ
「・・・」


「ユーちゃん。知ってるんだ?」

「私に付き合ってる人が居ること・・・」

「ユーちゃん。聞いてくれる?」

香はテーブルに置いていたオレの左手をとり両手で包むように手にした。そしてオレの顔を正面からしっかりと見た。


「ユーちゃん。ごめん。この間、初めてその人と朝まで過ごしたの」

オレ
「そう」


「ごくごく普通の人でユーちゃんと似てるとこなんか全然ないの」

オレ
「うん」


「結婚して欲しいって言われた」

オレ
「そう」

オレは必死で気持ちを隠した。絶対に読ませない。無になって相手の言うことだけを聞いて頷く・・・


「隠さないで?」

オレ
「・・・」


「4月になったらNYへユーちゃんに会いに行こうと思ってた」

「結婚して・・・いい?って聞こうと思って」

「あっ言っちゃった」

オレ
「もう決めたんだろう?」


「・・・うん」

オレ
「そいつはお前の秘密を知ってるのか?」


「ううん。知らない」

オレ
「言わないつもりか?」


「うん」

オレ
「そっか」

オレはもう一方の手で香の手を同じように包んだ。その瞬間香の熱い気持ちが一気に流れ込んできた。香の目に涙が溢れて零れ落ちた。


「こんなにユーちゃんが好きなのに・・・」

オレ
「ああ。オレも今そう思ってる」

オレは手を離して革ジャンのポケットを探ったが・・・ハンカチなどというシャレたものはなかった。


「ユーちゃん。安心してくれる?」

オレ
「ああ」


「これからも・・・会える?」

オレ
「ああ」


「あーウソついた」

オレ
「ははは・・・ガードしてたつもりだったんだけど」


「うん。読めなかった(笑)」

オレ
「ちっ!ひっかけたな(笑)」


「じゃーもう会えないの?」

オレ
「いや、香がつらかったり、困ったりした時はいつでも駆けつけるさ!」


「まるで正義の味方♪みたい^^」

オレは視線をはずして遊園地の方をみた。そしてコークの入った紙コップに口をつけた。

オレ
「ちょっと寒くなってきたな」


「ううん」

オレ
「帰ろう」


「嫌」

オレ
「もうそんな我侭は聞けない」


「だって・・・」

オレ
「ダメだ」


「・・・」

オレ
「オレだって・・・」

オレは上を向いたが間に合わなかった。必死で我慢していたのに、不覚にもガードも外れて涙がこぼれた。


「ユーちゃん。。。」

「そんな・・・」

「どーして」

オレ
「思ってる事と口に出すことは違う」

「オレの場合、口に出すことがすべてだ」

「そう思え」

オレは不覚にも「愛してる!」「離したくない」「行かないでくれ」そんな色んな思いが溢れてガードがはずれた。香に読まれてしまった。

オレは指で涙を拭ってサングラスをかけた。

オレは席を立った。手を差し出して香の手をひいた。オレたちは手を繋いで歩いた。動物の声、獣の匂い、小学生の集団、桜並木、少しオレは落ち着いた。

園内を一周するように歩いた。あまり人気のないコース。その先にあるブラインドになった林・・・

オレ
「覚えてるか?」


「うん。前にここでキスをした」

オレ
「そーだったな」


「キス・・・して」

オレ
「うん」

オレは正面から香を抱いてキスをした。香の舌に自分の舌を絡ませて強く吸った。香はそれに応えるようにオレの舌を吸った。抱きしめて香の匂いをいっぱい嗅いだ。そしてゆっくりと離れた。

オレたちはまた手を繋いで歩いた。そして動物園を出た。オレは手を上げてタクシーを停めた。そして香をそれに乗せた。


「ゆーちゃん・・・」

オレ
「じゃーまたな^^」

タクシーの自動ドアはすぐに閉まった。オレは駐車場へ向かって歩き出した。オレの名前を呼ぶ香の声が心に響いた。

香、オキナワに一緒に行く約束、守れなかったな。お前が高飛込みをするシーンも見ないままだった。それだけが心残りだよ。



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