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たとえ君がどこにいようと


「たとえ君がどこにいようと」鈴木雅之

同じような感じでもうひとつ^^

▼84年7月・・・

7月4日・・・18時

ジュライ・フォース(独立記念日)例年のように昼間はタイムズ・スクウェアの「ヤマシロ」からパレードを見た。そしてオレたちは予約していたロック・フェラー・センタービルにあるレストランに行った。シャンパンでカンパイした。

オレ
「もうすぐ花火が上がる^^ここからだとよく見えるはずだ」

理沙
「そーなんだ^^嬉しいわ」

オレ
「それにしても、なんかあっという間だったな」

理沙
「うん。こんなに毎日が楽しい生活がユーイチとできるなんて思いもよらなかった。ありがとう」

オレ
「理沙もなんて言うかNYに来てからずいぶん若くなって、より美しくなったな」

理沙
「うわー本当?嬉しい^^」

オレ
「ああ本当さ。きっとキャッツに戻ればまたモテモテだろうな^^」

理沙
「いっぱいユーイチと写真も撮ったし、店にも部屋にも飾るわ」

「あなたとNYで暮らしたこの3ヶ月。毎日が夢のようだった」

「一生の思い出よ」

オレ
「ははは^^理沙。まだまだ、もっともっと楽しい事はこれからもある」

「この程度じゃ終われないさ(笑)」

理沙
「そうね^^これからも楽しみにするわ」

オレ
「ほら^^花火が始まった」

理沙
「うわーキレイ♪」

窓の外に広がる摩天楼の夜景、そしてはじけては消える花火・・・シャンパンを飲みながら、もっと理沙を喜ばせてやりたいと思った。

食事を終え、スーツケースとバックだけを持ってヒルトン・ホテルにチェックインした。

そして理沙のNY最後の夜を一緒に過ごした。

翌日、オレはケネディー空港まで理沙を見送った。理沙は泣かないで笑顔で手を振り帰って行った。

▼7月10日・・・

独立記念日の喧騒も終わり、少しNYは落ち着いた。そして学校のフィットネス・ジムから帰ってくると紗也乃が居た。

オレは大げさに声を上げて紗也乃に抱き付いてキスをした。一緒にダイニングテーブルの前に座った。源が冷たいウーロン茶を持って来た。

オレ
「3ヶ月間お疲れ様でした^^」

紗也乃
「久しぶりにミナミのオンナをやってきて楽しめたわ^^」

オレ
「そう^^でも大変だっただろうなーありがとうございました」

紗也乃
「ううん。でもずっとはもう無理だってよくわかった(笑)」

刈谷
「あらどうしてですか?」

紗也乃
「NYが懐かしくなって早く帰りたいなーって思うもの」

刈谷
「そっかー(笑)もうニューヨークがここがホームになってるんだ」

紗也乃
「そうなの^^今回でそれがよくわかったわ」

オレ
「(笑)」

オレはミナミの細かな様子は後でゆっくりと紗也乃の部屋で聞こうと思った。さっそく紗也乃は源と一緒に夕食の買い物に行き、オレはロフトに上がった。

5分も経たない内に刈谷がドアをノックして入ってきた。トレーに冷たいウーロン茶を乗せていた。

刈谷
「ようやく元に戻ってほっとしました(笑)」

オレ
「そーだな(笑)紗也乃ママの顔をみたら落ち着くよ」

刈谷
「そうだといいんですけど^^」

オレ
「どうして?」

刈谷
「理沙さん帰ってしまって淋しいでしょう?」

オレ
「ははは・・・」

刈谷
「理沙、理沙って、ムーさんのあんな姿見たの初めてですもん(笑)」

オレ
「ちょっとデレデレし過ぎたかなー(^。^;)」

刈谷
「はい(笑)ちょっとショックでしたし、羨ましかったです」

オレ
「理沙とは長いんだけど、あんな風に過ごしたのは初めてなんだ」

刈谷
「日本ではそうじゃなかったんですか?」

オレ
「どっちかというといつもオレが好き勝手して、きっと泣かしてたと思う」

刈谷
「想像できないです。どこへ行くにも一緒でアツアツの恋人同士って感じでしたもん」

オレ
「帰りに理沙に言われたよ「一生の思い出」だって」

刈谷
「そーですか」

オレは冷たいウーロン茶が入ったグラスを口にした。理沙が帰ってからまた刈谷はロフトへ入ってくるようになった。

オレ
「三浦が喜んでたけど、店の方手伝ってくれてたんだって?」

刈谷
「ホールの雑用を手伝わせてもらいました^^」

オレ
「そっか。なかなか厳しいだろう?」

刈谷
「ええ。でも若いトモちゃんがバリバリ接客やら管理やらやってるのを見て感心しました。(笑)」

オレ
「あははは^^あいつはギャラクシーで鍛えられているから」

刈谷
「そうなんですね。私も負けられない!って思いました」

オレ
「別に刈谷が同じジャンルで張り合わなくてもいいさ」

刈谷
「トモちゃんが言ってました。ムーさんはオンナでも仕事ができないと相手にしないって」

オレ
「勘違いしているだけさ!刈谷は刈谷で得意な分野でやればいいさ」

刈谷
「・・・私、得意分野ありませんから」

オレ
「音楽、声楽があるじゃないか」

刈谷
「ピアノはヒロミちゃんにも負けますし、声楽も大したことないですから(笑)」

オレ
「いや三浦がびっくりしたよ。刈谷の英語はきれいな発音でネイティブのようだって」

刈谷
「そーですかっ^^」

オレ
「やっぱり音楽をやってるとアウトプット、発音がきれいになるよな」

「イントネーションのコントロールもしっかりできるし」

「人知れずそういうレッスンをしただろうし(笑)」

刈谷
「うわームーさん。どこかで見てました?(笑)」

そういう努力をしないとなかなか言語は上手になれない。それは経験則から来るものだったが、予想通り刈谷もそういう努力はしっかりとやっていたんだと思った。

オレ
「それにお前の書いたmar'sJournal好評じゃないか^^」

「女性のNYエッセイなんかは雑誌向けにいいと思うけどな?」

「出版社に送ってみれば?」

刈谷
「えーーーそんな大それたこと(笑)」

オレ
「ポジのイメージ写真を添えると絶対掲載されると思うぞ!」

「モノは試しにやってみろ^^」

刈谷
「はい(笑)」

オレはちょっと刈谷を甘やかしていると自分で思ったが、これまでのキャリアがない以上三浦みたいに厳しくは扱えなかった。あくまでもお客さんなのだから

22時・・・5F紗也乃の部屋

紗也乃
「色んなお客様が来てくれたのよ」

オレ
「キャッツの売り上げが3割以上アップしたって横山が言ってたよ^^」

紗也乃
「エスポワール時代のお客様にアプローチしたから、その分向こうが減ってるかもよ(笑)」

オレ
「向こうはもう代替わりしているから、客層が変っただろうし影響ないみたいだ」

紗也乃
「そう。なら良かった^^」

リビングのソファに並んで座り、紗也乃はブランデーの水割りをつくってくれた。

紗也乃
「香ちゃん。来てくれたわ」

「旦那様とご一緒に、本橋さんと本橋さんの旦那様と」

オレ
「そう」

紗也乃
「大きな人で社会人ラグビーをやってる人だって^^」

「香ちゃんにベタ惚れみたいで、幸せそうだったわ」

オレ
「良かった^^」

紗也乃
「帰りに「ユーちゃんの事、お願いします」って言われたわ」

オレ
「早く子供でもつくって、オレの事なんか忘れてしまえ!って言ってくれた?(笑)」

紗也乃
「時間が経てば経つほど、「いい思い出」として余計に忘れられない存在になるわ(笑)」

オレ
「まるで死んだ人間みたいだな(笑)」

紗也乃
「私は・・・みんなの替りに最後まで見届けるわよ^^」

オレ
「(笑)」

紗也乃は香たちの「結婚しました」葉書きを見せてくれた。白のウエディング衣装。オトコは大柄でそれでもタキシードを着ていた。何処かの教会で式を挙げたのだろう。住所をみると新居は神戸市灘区内のマンションだった。香の実家にも近い。いい場所だと思った。

そして、会おうと思えばいつでも会える。オレはそう思っていた。

▼7月15日・・・

23時・・・ロフト

理沙が帰国し紗也乃が戻って来た事で、オレは三浦や刈谷そしてヒロミなどを少し構ってやれるようになった。

昼間はバイクに乗りマンハッタンを走り回り色んな店に行った。サーフォークにも泊まり、港から船をチャーターしてみんなで釣りもした。そろそろいい時期だと思っていた。

インターフォンが鳴った。オレは受話器を取った。

オレ
「お帰り」

「オッケー今開ける」

オレは階下に降りて行きドアを開けて四方を招き入れた。

四方
「すみません。遅くに^^」

オレ
「遅くまで仕事か?大変だな^^」

四方
「仕事は学校で習ったことばかりですから、特に問題はありません(笑)」

オレ
「そっか」

オレは冷蔵庫からウーロン茶を出した。四方は手伝おうとキッチンに入ってきた。

オレ
「あれ?酔ってるのか?」

四方
「ちょっと食事をしたついでに^^」

オレ
「珍しいな(笑)」

四方
「それで、ムーさんと飲みたいなーと思って」

オレ
「ははは^^オレとか?」

四方
「ロフトにも上がりたいなー」

オレ
「仕方ねーなー(笑)じゃーロフトで一杯飲ませやる」

オレはブランデーセットをロフトに持って行き、四方を部屋に入れた。すでに夜の照明に変っている。中央のテーブルにブランデーセットを置いて、水割りを作った。

四方
「あまり変ってませんね」

オレ
「うん。本棚の本が増えたぐらいだ」

四方
「ここへ入ったのは今日で2度目です」

オレ
「あれ?そうだったか?(笑)」

オレたちは軽くグラスを合わせてオレはそれを口にした。

四方
「こっちへ来てもう2年と3ヶ月になりますね」

オレ
「もうそんなになるか」

四方
「みんな居なくなったけど、私は戻ってきましたよ」

オレ
「うん(笑)」

四方
「褒めてくれないんですか?」

オレ
「ん?」

四方
「1110号に居た時、「お前は留学してキャリア・ウーマンになれ」って言ったじゃないですか」

オレ
「そーだっけ?(笑)」

四方
「こっちへ来てもムーさんが女子大生を面倒みろっていうから・・・」

「それに1日20時間も髪振り乱して勉強して」

「男の誘いも断って・・・」

「ヒック」

オレ
「あら?タカコは泣き上戸なのか?(笑)」

四方
「ムーさん。私はムーさんの言う事をちゃんと聞いてきたんですよ」

オレ
「ははは・・・」

弱ったなー四方がこんなに酒癖悪いとは知らなかった。週末だし仕方ないか。オレは一気に水割りを飲んで新しいのを作った。

オレ
「うん。タカコははよく頑張った。それは誰もが認めている。シューさんだって泣いて喜んでたぜ」

四方
「・・・他の人に褒めてもらわくてもいいんです」

オレ
「タカコはえらい!オレの希望通りにちゃんと難しい大学を卒業して」

「しっかりとこっちで働いてくれて」

「期待するイイオンナになった^^えらいぞータカコ(笑)」

四方
「なんかバカっぽい褒め方ですけど、まーいいです(笑)」

オレはまた一気に水割りを飲んだ。なかなか旨い^^新しいのを作った。

オレ
「初めてここへ来た時は・・・大変だったよな」

「先に到着しているはずの荷物が足りなくて、布団もなけりゃー毛布もなかったよなー」

「ボイラーの調子が悪くて湯が出なかったり、上のバスルームから水漏れしたり」

「その度に住民から文句言われて(笑)」

四方
「ムーさんは人に気をつけろ!って言っておきながら、イエローキャブにカバン置き忘れてパスポート失くすし」

「バスの行き先番号をアレだけ説明しても、すぐに来たバスに乗って迷子になるし」

「カップ麺つくったらスープの袋を入れたまま食べてるし、あんな味のないものよく食べれましたね?」

オレ
「あははは^^お前そんな事ばっかり覚えているのか?(笑)」

四方
「でもあの頃が一番楽しかったですよ(笑)」

オレは四方に悪いなーと思った。こっちへ来て何もなかったあの頃が一番楽しかった。なんて言われたらオレは哀しくなる。オレは水割りを呷るように飲んだ。

オレ
「よし♪明日はハーレーに乗って何処かドライブに行こうか?」

四方
「ほんとですか!私をケツに乗せてくれるんですか?」

オレ
「あははは^^そーだ。ケツに乗せてやるっ!そのかわりノーブラだぞ(笑)」

四方
「ノーブラ?」

オレ
「いや、ノーヘルの間違いだ(笑)」

四方
「ふーん。オンナをケツに乗せる時は、ノーブラで乳を背中にくっつけさせるんですね(ーー;)」

オレ
「あははは^^そんな事要求してないよ(笑)」

四方
「どーせ私の乳は理沙ママみたいに大きくありませんからっ!」

ふむ。この間、理沙とバイクに乗ってた時の事を言っているのか?確かにあの時理沙はノーブラだったが、見破っていたんだな?オレは新しい水割りをつくった。

オレ
「あっ!思い出した。タカコの乳♪小さいけど乳首はいい色だったじゃないか」

四方
「アホっ!そんな事思い出さなくていいです!!!」

オレ
「あはっ!また見たいなータカコの桜色の乳首^^」

四方
「ムーさん。お願いですからそんなバカっぽい顔して言わないで下さい」

「あーミナミの伝説の男が・・・」

「どーしてそーなのかなー」

オレ
「へっオレが伝説か?(笑)」

オレは大笑いしそうになった(笑)こいつのオレのイメージはソレなのか?オレは安心して水割りを飲んだ。そして新しいのをつくった。

オレ
「どんな伝説か知らないけど・・・」

「やくざとケンカして、警察とも対立して、挙句の果ては強盗のマネごとまでして」

「ミナミを「所払い」になってニューヨークへ来たのさ(笑)」

「ほんとはなータカコ。オレはシスコでずっと漁師してても良かったんだ」

「あん時、ギャラクシーを取り返した時点で帰るべきだったんだ」

「それを調子に乗って人助けだなんて言っていい気になってたから」

「刺されてしまった。死にかけたんだぜ!」

「やくざじゃねーぞ!三角関係のもつれで刺されたたんだ」

「アホらしくて死んでも死にきれねーから神様が生かしてくれたんだ(笑)」

「おい。聞いてるか?タカコ」

タカコはテーブルで寝ていた。。。せっかっく人が正直に話してやってるのに・・・

オレはタカコを抱きかかえてオレのベッドに運んだ。服を脱がせた。ついでだから素っ裸にした。ふむ。乳首はきれいなままだ。オレは思わずそれを口にした。タカコが体を捻った。ドキっとしてオレは離れた。大丈夫起きてない。オレは毛布をタカコにかけてやり、服をハンガーにかけ、下着はイスの上に置いた。その前に少し匂いを嗅いでみた。なかなかだった。(笑)

オレは新しい水割りを作った。

オレ
「こんな話は誰にもできねーけどな」

「NYへ居ても時々逃げ出したくなる時があるんだ」

「もうアメリカも飽きたしな今度はヨーロッパへ行くんだ」

「ほんとはひとりで放浪したいんだけどな。そうもいかなくて」

「間島と1週間ほど過ごす約束をしちまった」

「そー言えばタカコ、お前と間島は似てるな?頑固というか融通の利かないところなんかそっくりだぜ(笑)」

オレは水割りを飲みながらベッドで寝ているタカコを見ながら独り言を続けた。

「でも帰ってくる。ここまで頑張ったんだからな。9月から学校が始まる。そしてオレも来年の5月で卒業だ」

「その後の事は・・・ヨーロッパを見てから決める」

「パリかミラノのどちらかにするか?東京にするか?この夏の体験次第だ」

「20代最後の年だ。もう少しだけ我侭させてくれ(笑)」

「さてと・・・じゃー寝るか」

オレはその場で素っ裸になりタカコの眠るベッドに入った。タカコの体を端に寄せて背中あわせに寝た。


翌朝・・・

タカコの起き出す気配でオレも目が醒めた。

オレ
「なんだ?早いなー」

四方
「・・・なんで」

オレ
「ん?お前が一発やってくれーって潜りこんできた」

四方
「ウソ・・・」

オレ
「あははは^^痕跡はないだろう?オレも酔いつぶれてしまって、するの忘れて眠っちまった(笑)」

「見ろ^^我慢してたから朝立ちしてらー(笑)」

オレは起き上がった。タカコは逃げるようにベッドの端へいった。オレは素っ裸のまま怒張したモノを隠さずにそのままシャワールームに入った。頭の芯にまだ酒が少し残っているようだった。

頭から熱いシャワーを浴びた。首、肩、胸、オレは自分のモノをしごくように指をつかいシャワーをかけて洗った。

ハブラシを口に咥えながら頭を洗った。そして脱衣場で腰にバスタオルを巻いて出た。

オレ
「あっなんだよ待ってたの入ってこねーと思ったら、もう服着ちまったのか?残念(笑)」

四方
「洗面だけさせてください」

オレ
「ゲスト用のタオルとか棚に入ってるから使え^^」

オレはジーンズとTシャツに着替えて、頭にトニックを振りかけながら階下に下りた。そしてキッチンへ行き珈琲を淹れた。タカコはすぐに降りてきた。コーヒーをカップに入れて持って来た。そしてフレッシュ・ミルクだけを入れてオレの前に置いた。四方はダイニング・テーブルの向こう側に座った。

オレ
「外はいい天気みたいだな^^バイク日よりだ」

四方
「すみませんでした」

オレ
「ん?なんだ?(笑)」

四方
「確かに昨夜は私がムーさんの部屋に行ったのは覚えてるんですけど」

オレ
「そこでどんな事を話したか?覚えてるか?」

四方
「・・・私、何か絡みました?」

オレ
「あーさんざん絡んで責められた(笑)」

四方
「うわっどうしよう・・・」

オレ
「でも、その後オレもひとりで飲んでてよく覚えていない(笑)」

四方
「ほんとですか?」

オレ
「ああ。ただ褒めてくれ!ってうるさく言われたのは覚えてる」

四方
「ははは・・・」

オレ
「裸にした時に、つい乳にはキスをしたけどな!他には何もしてない(笑)」

四方
「・・・」

オレ
「そんなに怒るなよ」

四方
「別に・・・怒ってません」

オレ
「なら良かった(笑)着替えてこいよ!バイクの乗って朝飯でも食いに行こう」

四方
「はい^^」

四方はOfficeを出て行った。ほんとは我慢できずに乳を揉んだ。でもそれだけだ。お前とは起きている時に、さんざん恥ずかしがらせて抱くほうがいいから我慢したんだ。と言いたかったが・・・朝っぱらからそこまでは言えなかった。言えばしたくなるから(笑)

ハーレーのケツに四方を載せてバッテリーパークまで走った。スタンドでホットドックとコークを買って港のベンチに座ってそれを食った。朝早いのにフェリー乗り場にはもう乗船待ちの客の列があった。

オレ
「タカコはリバティー島は上がったことあるか?」

四方
「船の上から何度か自由の女神は見ましたけど、上陸した事はないです」

オレ
「オレもないんだ。面白いのかな?」

四方
「さーあれだけ並んでますから見所があるのかも知れませんね」

オレ
「よし!じゃー行こう^^」

オレは乗船チケットを買った。朝1番だったのでまだ余裕があった。バイクに乗り乗船の順番を待った。

船に乗り込みリバティー島まではすぐだった。フラットな島でまるで埋め立てのような島だった。自由の女神は建物、台座部分の上にまで上がれるようになっていて、最上部は王冠のところが展望台になっていた。広く大西洋を望み、古くは移民を乗せた船がニューヨーク港へ入船する度にこの女神を見て自由の国アメリカへの期待を膨らませたと言う。

オレ
「この王冠の突起は七つの海と七つの大陸に自由に繋がるんだって」

四方
「なんかワクワクしますね^^」

オレ
「タカコ。裸で抱き合って寝たわりには固いな?」

四方
「えっ」

オレはその場でキスをした。四方の舌を吸った。四方はオレを押しのけるように離れた。

四方
「もうっムーさん。(笑)」

オレ
「へへへ^^」

オレたちは観光客に混じってオレのニコンを渡して記念写真を何枚か撮ってもらった。そしてハーレーで島内を一周して帰りの船に乗った。途中、客の大半はエリス島で下船したがオレたちはそのまま戻った。そしてまたハーレーに乗ってリトル・イタリーのレストランで昼食を摂った。

オレ
「まるでこっちへ来た当時の観光を思い出すな(笑)」

四方
「うん。ムーさん。mar's New Yorkを成功させるぞーって叫んでた」

オレ
「それから2年が過ぎて、店は4店舗になってそこそこ流行ってる」

四方
「加納も横山も居ない」

オレ
「ふむ。オレとお前だけだ」

四方
「やっぱりフランスへ行くの?」

オレ
「お前・・・起きてたのか?」

四方
「(笑)」

オレ
「なら一発やれば良かった^^」

四方
「してくれれば良かったのに(笑)」

オレ
「あははは^^言ってくれるじゃねーか(笑)」

笑い事じゃねー全部こいつは聞いてたんだ。チクショードジった。オレとしたことが・・・(笑)まーいいや

オレはタカコとまたハーレーで走り、ホーランドトンネルを抜けニュージャージに入った。そしてお目当てのモーテルに入った。オレたちは抱き合い裸になりベッドに入ってきついセックスをした。

▼7月17日・・・

10時・・・Office

田川
「えっフランスですか?」

オレ
「うん。パリだ(笑)」

三浦
「どのくらい行くんですか?」

オレ
「約1ヶ月ぐらい。その間に出来ればミラノにも行く」

刈谷
「イタリアね^^」

オレ
「という事で行ってきていいかな?」

田川
「いいも何もムーさんの決めたことならどーぞ行って来て下さい(笑)」

紗也乃
「そう^^パリに行くのねー」

刈谷
「すごく急な話なのね?」

三浦
「色んな事考えちゃうなー?」

オレ
「この反応だけでなんか決まってしまいそうだな(笑)」

三浦
「何がですか?^^」

オレ
「これは重要なひとり旅なんだ。」

「9月から大学が始まると5月まで必死の勉強が続く」

「そして、卒業だ」

「その後・・・どうするか?」

「それについてゆっくりと考える旅だ」

三浦
「それはムーさん個人の卒業後についてですか?」

オレ
「ははは・・・オレにプライバシーがないのは分ってるよな?」

三浦
「じゃーやっぱりCompanyもくっつていると考えていいんですね」

オレ
「三浦。回りくどいぞ(笑)言いたい事があればはっきりと言え」

三浦
「はい(笑)mar's Parisを是非つくってください^^」

オレ
「ははは^^じゃー明日から行って来る」

三浦
「えーーーもう?(笑)」

紗也乃
「はい^^いってらっしゃい」

オレはロフトに上がった。そして大きなトランクに旅行に必要なモノを詰め込む作業を始めた。タキシード、サマースーツ、カジュアルスース、シャツ、その他日用品。足りない物は向こうで調達すればいい。

ドアがノックされた。刈谷がお茶を運んできた。中央のテーブルに置いた。オレはその前に座った。刈谷はオレの正面に座った。

刈谷
「ムーさん(笑)驚きました」

オレ
「ははは^^」

刈谷
「すごい刺激です」

オレ
「オレはヨーロッパ初めてなんだ」

刈谷
「私は1度・・・新婚旅行で(笑)」

オレ
「そっか。どんな印象を持った?」

刈谷
「ツアーパッケージでしたから(笑)ただキレイなところだけを見て回ったので特には」

オレ
「そっか^^何かを決める前に、パリを見ておきたいと思って」

刈谷
「はい。いい事だと思います^^」

オレ
「いずれバレるだろうから先に言っておくけど・・・1週間だけ間島を呼ぶ。それ以外はひとりだ」

刈谷
「そーですか^^間島、いい思い出になるでしょうね」

オレ
「あいつには・・・何もしてやれてないから」

刈谷
「はい。間島を喜ばせてあげてください^^」

オレ
「我侭ばかりで、悪いな」

刈谷
「何言ってるんですかそんな事ぐらいで(笑)」

オレ
「ははは・・・」

オレは冷たいウーロン茶を飲んだ。オレは間島の友人でもある刈谷がそう言ってくれただけで嬉しかった。

刈谷
「さっきムーさんが言った。「オレにはプライバシーがない」ってどういう事です?」

オレ
「言葉通りだ(笑)」

オレ
「オレと関係のある女性はオレの情報を共有していい」

「だから誰が何を知っていようとオレは構わない」

「オレは好き勝手するけど、誰かが一緒に居たいと言えば拒否しない」

「大きく動く時は、個人的な行動はないと言う事だ(笑)」

刈谷
「そんな・・・」

オレ
「(笑)」

翌日・・・オレはパリに旅立った。

エールフランスでニューヨークから約9時間の飛行でドゴール空港に着いた。そしてタクシーで1時間。パリ市内に入りシャンゼリゼ通りのホテルにチェックインした。

数日前に「革命記念日」のお祭り騒ぎは終わっていたが、それでも観光シーズンという事もあり、ホテルのロビーは混雑していた。

荷物を置いてさっそく街に出た。

セーヌ川「パリプラージュ」が始まっていて、多くの人出がありよう様な仮設店舗も出店されていた。その一角でオレはビールを飲みながら様々な人の流れを見ていた。

翌日・・・

再び空港へ間島を迎えに行った。スムーズに遭遇できオレはNYスタイルで抱き合いキスをした。そして間島とともにホテルへ戻った。

バスタブのあるスイート・ルーム。オレは間島と居る1週間はまるで新婚旅行のような旅にしようと思っていた。

オレ
「オレも昨日着いたばかりで、まだ何もパリがわからない(笑)」

間島
「うん。一緒にパリを楽しもう^^」

オレ
「その前にお前の体で楽しみたい」

間島
「アホっ^^」

オレはさっそく間島を抱き、ひさしぶりに間島の匂いを嗅ぎながらセックスをした。

それから1週間・・・間島が持っていた日本語のパリ・ガイドブックとオレが持ってきていた英語のガイドブックを見ながらパリ市内の観光をした。

毎日、街のレストランに出て食事をし、寺院や美術館巡りをした。そして大量の買い物もした。

フランス料理に飽きれば、パリでも日本食を食わせる店があった。「ヤマシロ」を出店させればそれになりにヒットするとオレは思った。

パリの陽は長い。

間島
「あっと言う間だった」

オレ
「そーだな(笑)」

間島
「あなたはまだまだ居るのよね?」

オレ
「ああ。スイートをチェックアウトしたら安宿へ移る」

間島
「優雅な気持ちにさせてくれてありがとう」

オレ
「贅沢な時間を過ごすのも仕事のうちさ」

間島
「もしかして、私だけ?」

オレ
「何が?」

間島
「パリに呼ばれたの」

オレ
「ああ。元々はひとり旅のつもりだったからな」

間島
「嬉しい」

オレ
「オレもさ^^」

間島
「パリ・・・腰を据えようと思ってる?」

オレ
「そーだな。何をするにしてもここに拠点は必要かな?」

間島
「そうなったら、いいなー(笑)」

オレ
「またフランス語1から勉強だぜ(笑)」

間島
「うん。今からそのつもりで用意する」

オレはワインボトルを持って自分のグラスに注いだ。間島はもういいようだった。

間島
「でもムーさんがこんな風になるとは想像できなかった」

オレ
「こんな風って?」

間島
「すごく洗練されて・・・どんどんイイオトコになっていく」

オレ
「あははは^^どーしたんだ?(笑)オレは昔からクールじゃないか」

間島
「そーなんだけど、うん。私も頑張るわっ!^^」

オレ
「おう^^まだまだこれからさ」

翌日ホテルをチェックアウトして間島を空港まで送っていった。そして間島が飛び立つまで空港にいた。

フランスの夏。1ヶ月もバカンスをとる。という事で市内の人口が少ないのか?と思っていたが、そこにはやはり他から観光客が入ってきてそれほどでもない。

オレは空港でレンタカーを借りた。そして自分の荷物を持ってカルチェラタンの安ホテルに移動した。荷物を置いてホテル周辺をうろついた。予想通り、周辺の飲み屋(ビストロ)やカフェは学生相手の店が多く、すぐに馴染めそうなところだった。

そしてその日は大人しくホテルで寝た。

翌日からはクルマである程度目的の場所まで行き、そこから徒歩でぶらぶらした。

昼間はカルチェラタン周辺を散歩して、夕方まで色んな店に入って時間をつぶした。夕方になって、ピガール通りのムーランルージュ。そこでフランスオンナと一発やった。それでも飽き足らずその店を出た。

クルマに戻って、ガイドブックに乗っている次の娼婦街を目指した。

通りに色んな女が立っている。妥協はしない。イイオンナを探した。同じ年頃の金髪、ショートヘアーのイイオンナが居た。英語が通じた。彼女と交渉して、オレのクルマでその女、ジョエルのアパートへ・・・ある程度のリスクを覚悟していたが杞憂に終わった。

非常に良心的な価格でバツグンのサービスだった。ついタブーの「何故こんなことをしている」と聞きそうになった。それからもオレはジョエルに連絡をして何度かセックスをした。

それからマルセーユに行き、あまり期待したほどの事もなかったので、ニースまで脚を伸ばした。オレはここを一発で気に入ってしまった。

そして一旦イタリアへ行き、1週間ほど居てまたパリに戻った。

パリ滞在最後の週・・・

オレは意を決して電話をかけた。

オレ
「マダム・ショーコを」

「オレはムトー」

慣れないフランス語の後は日本語に切り替えた。オレは最初に泊まっていたホテルの名を告げて待ち合わせをした。安ホテルに戻り、シャワーを浴び夜用のスーツに着替えた。そしてシトロエンでホテルに向かった。

ホテル・ロビー

待ち合わせの時間のずいぶん前にオレは到着していた。ショーコは5分前に現れた。清楚だけどセクシーさも増していた。

オレ
「ちょっと通りがかったもんだから^^」

ショーコ
「ユーイチ。ありがとう^^」

オレは抱擁もせずちょっと緊張感を隠しながらショーコを予約しておいたホテルのレストランに誘った。

メニューを見ながら、前菜と肉料理それにちょっといいワインをフランス語で頼んだ。

オレ
「勝手に頼んだけど良かったかな?」

ショーコ
「うん^^それにしてもフランス語も決まってるわ」

オレ
「少し、練習したから(笑)」

ショーコ
「そう^^」

ワインが運ばれてきた。オレはソレをチェックして頷いた。ワインはそのままギャルソンがそれぞれのグラスに注いだ。オレたちは軽くグラスを合わせてカンパイした。

ショーコ
「でもよく来てくれたわ。会いたかった」

オレ
「急に呼び出して悪かったな」

ショーコ
「あなたの声を聞いた瞬間わかったわ。パリに来てるんだ!って」

「何があっても会いたいと思った」

「いつ?」

オレ
「もう1ヶ月近くパリに居る(笑)」

ショーコ
「うっそーどうしてもっと早く・・・誰かと一緒?」

オレ
「いや、一人旅だ」

「来年5月で卒業だし、ヨーロッパを見てからどうするか決めようと思って」

ショーコ
「そう。何か決まった?」

オレ
「まだだ(笑)」

オレは、「登り窯」を作って遠山を売り出している事、mar'sBLGには紗也乃と四方が居る事、店が4店舗になった事、留学生が増えた事などなどを話した。その間にも料理は運ばれてきた。

ショーコ
「すごく懐かしい^^」

オレ
「ショーコはどうなんだ?」

ショーコ
「なんとか・・・うまくやってるわ(笑)」

オレ
「チェロも?」

ショーコ
「うん」

オレはワインを飲み干した。ショーコはそれを注いでくれた。1年半前にホテルで食事をして別れたその日の事を思い出した。

ショーコ
「ほんというと、もうユーイチとは会えないんじゃないかと思ってた」

オレ
「どうして?またなっ!って別れたじゃないか(笑)」

ショーコ
「だけど、ユーイチは会ってくれないだろうと思ったわ」

「だから、こうして会えて本当に嬉しいの」

オレ
「そう」

確かに目の前に居るのはショーコだ。でも・・・もうオレの記憶にあるショーコと何処か違っているように思った。西本町のメゾネット・マンションによく来ていたショーコ。ミナミのスカイマンション1110号で一緒に暮らした2週間・・・そしてNYでの生活。それぞれ少しづつ変化しながら、今ここに居るショーコはマダム・ショーコなんだ。

ショーコ
「少し見ない間にユーイチも変ったのね。」

オレ
「オレは変らないさ」

ショーコ
「ううん。イイオトコになってる」

オレ
「それは君の方さ」

「あのフェア・レディーのショーコがマダム・ショーコだもんな^^」

ショーコ
「日本へは帰ってる?」

オレ
「色々とあるから時々は」

ショーコ
「私は・・・1年前に父が亡くなってその時戻ったけど」

「家もなくてホテル住まいしたわ」

オレ
「横山に連絡すれば、1110号室はいつでも使えるぞ」

ショーコ
「・・・うん」

オレ
「オレの部屋はそのままだ」

「お前が忘れて行った岡山で撮ったオレたちの写真をそのまま飾ってある(笑)」

ショーコ
「・・・」

オレ
「なんだ。どした?」

ショーコ
「ううん。大丈夫」

オレ
「ははは^^パリまで来て昔話も可笑しいな(笑)」

ショーコ
「ねー来年卒業したら・・・パリへ来て!」

「ユーイチが何をするにしてもピエールの人脈フルに使って私がサポートするから!」

「お願い。来て!」

オレ
「じゃー「ヤマシロ・パリ」でも作って、またショーコにマネージャーやってもらおうかな?(笑)」

ショーコ
「あはっ^^それもいいわね(笑)」

ようやく前のショーコに戻ったように思えた。そして食事を終えてオレたちはレストランを出た。

ショーコ
「ここに泊まってるの?」

オレ
「いや(笑)カルチェラタンの方に」

ショーコ
「明日、家に来て!紹介したい人が来るから」

ショーコは16区の住所をオレに教え、午後に来るように言って帰って行った。オレはジョエルに電話をして彼女のアパルトマンに向かった。

翌日シトロエンに乗りショーコの家に行った。鬱蒼と茂る林の中にある大きな構えの家、中世ヨーロッパの歴史を感じさせる家だった。

クルマ止めにシトロエンを停めた。玄関まで歩きインターフォンを使った。すぐにドアが開き、メイドのような女性が現れ中に招き入れられた。

吹き抜けになっている玄関ホールの左に2階へ続く階段があった。先導する女性はその階段を上がりオレはその後ろを付いていった。

木製の大きなドアの前で立ち止まり、ノックをして声をかけてドアが開かれた。女性はオレの方を振り返り、手でそこへ入るように示した。

オレは部屋に入った。

ショーコが立ち上がり笑顔でこっちを見た。

ショーコ
「どうぞこちらへ」

オレはソファセットの方へ近づいた。すでに先客が居た。その男は立ち上がった。

ショーコ
「画商の村木さん」

「こちらは私の従弟のムトーユーイチ」


「初めまして村木と申します」

オレ
「ムトーです。どうぞよろしく」

オレはショーコの隣に座った。

ショーコ
「村木さんはパリにもう20年いらっしゃるの」

「ピエールがお世話になっていて、色んな出物を紹介してくれてるのよ」


「とんでもない。ピエールさんにいつも無理を言ってお世話になっています」

オレはなんともいい様がなかった。さっき案内してくれた女性とは別のメイドが現れて、オレの前にコーヒーを置いて部屋を出て行った。


「ムトーさんはNYで陶芸家を育てていらっしゃるとか?」

オレ
「はい。日本の備前焼をNYでやっております」


「日本の陶芸はヨーロッパでも高い評価を受けています。是非その方にもパリでデビューしてもらいたいものですね」

オレ
「ええ。私もなんとかそうできたらと思ってます」


「その為には少しNYでもその名を知られるような仕掛けが必要ですね」

オレ
「仕掛けですか?」

ショーコは口を挟まなかった。オレはその男が言う仕掛けの中身を興味深く聞いていた。それはニューヨークで行われるザザビーズ・オークションを利用する単純なものだったが・・・グループで多額の費用をどぶに捨てる覚悟が必要なプランだった。


「もし興味をお持ちでしたら、NYの友人をご紹介いたします」

オレ
「はい。是非よろしくお願いします」

オレはmar'sNYの名刺を取り出してその男に渡した。男も同様に自分の名刺を出した。

ショーコ
「じゃー村木さん。従弟をよろしくお願いします」

村木は笑顔で立ち上がりショーコに礼を言った。ショーコも立ちあがりオレもつられて同じように立ち上がって礼を言った。男は部屋から出て行った。

ショーコ
「遠山君の作品をザザビーズに出品させて、話題づくりをしてからパリで個展でも^^という事なのよ」

オレ
「相当の費用をドブに捨てる覚悟が必要という事か?」

ショーコ
「先行投資というか広告宣伝費みたいに考えるかは自由だけど、パトロン仲間に入れば、逆にそういうメンバーからの申し入れもあったりするからいいんじゃないかと思う」

オレ
「そういうのに詳しくなったんだ?」

ショーコ
「ピエールの仕事を少し手伝ってるから」

オレ
「そっか。それでショーコはオレがそれを今やっておく必要があると思って紹介してくれたんだな?」

ショーコ
「うん。ほんとうは私がやってあげれればいいんだけど」

オレ
「わかった。やってみるよ」

ショーコはコーヒーにクリームだけを入れてオレの前に出した。オレはそれを手にして飲んだ。

オレ
「ところで何でオレがショーコの従弟なんだ?(笑)」

ショーコ
「血の繋がりがあると言った方が何かと都合がいいの(笑)」

オレ
「そう^^」

ショーコ
「いつまでパリに?」

オレ
「もうそろそろ帰る。mar'sClubの連中がくる頃なんだ」

ショーコ
「そう^^9月にもう1度来れる?」

オレ
「必要があれば・・・」

ショーコ
「ちゃんとピエールにも紹介するわ」

オレ
「わかった」

ピエールとは一度「ヤマシロ」で会っている。その時にお互い自己紹介を兼ねて話した。オレとショーコの関係をどう理解したかは知らないが、あらためてショーコはオレを紹介するつもりのようだった。今回の件とも関連するのだろう。

▼8月15日・・・mar'sNY 2FOffice

空港から直接イエローキャブに乗ってウエスト・ビレッジのmar'sBLGに戻った。
荷物を持ってカールに冗談をいいドアを開けてもらった。EVで2階に上がってインターフォンを押してから中に入った。

紗也乃ママ
「お帰りなさい^^」

三浦
「お帰りなさいムーさん」

田川
「お帰りなさいムーさん」

オレ
「ただいまー^^」

オレは大きなスーツケースとボストンバックを入り口を入ったすぐ横に置いた。すぐに紗也乃が冷たいウーロン茶を大きなテーブルに置いた。オレはそこに座った。

田川
「刈谷さんユーコちゃんらがmar'sClubの連中を連れて観光に出かけています。夕方には戻る予定です」

オレ
「そう^^みんな変わりない?」

三浦
「はい^^お店の方も大丈夫ですし、特に問題はありません」

紗也乃
「パリはどうだったのかしら?」

オレ
「うん。一応向こうに拠点をつくろうと思う」

三浦
「やったー(笑)」

田川
「そーですか(笑)」

紗也乃
「んーそれは楽しみねー(笑)」

オレ
「あははは^^先に上で風呂に入る」

オレはそう言ってロフトに荷物を上げた。田川がスーツケースを持って一緒に上がってきた。1ヶ月ぶりに帰ってきた部屋に入ると、ほっとした。すでにパリから送った荷物は届いていた。

オレ
「向こうはシャワーはあるんだけどバスタブがないところが多いんだ。だから暫く風呂に入ってない(笑)」

田川
「へーそーなんですか!風呂好きのムーさんは苦労したでしょうね」

オレ
「うん。あれはなんとかしないとダメだな(笑)」

オレはシャワー室に行き、バスタブに湯を張った。外に出るとまだ田川は居た。

田川
「実は、ユーコちゃんとヒロミちゃんがどうもケンカをしたようで・・・お互い口も利かずに困った状態です」

「真美ちゃんはNYUのALIで寮生活ですが、毎日のようにこっちに来てます」

オレ
「そう。後でユーコに事情を聞いてみるよ。スマンな」

田川
「いえ。これまで仲が良かったからちょっと気になったもんですから」

「じゃー下に居ます」

オレ
「うん。ありがとう」

オレは早速裸になってシャワーを浴び、風呂に入った。熱い風呂に肩まで浸かる。気持ちが良かった。そのまま眠ってしまいそうだった。

ジーンズとTシャツに着替えた。デスクの上の郵便物をチェックした。理沙と間島から手紙が来ていた。それぞれの封を切ってそれを読んだ。どちらも感謝の気持ちがこもった内容で安心した。オレはそれを元に戻して机の引き出しに仕舞った。

ドアがノックされた。「どーぞ」と声をかけるとドアが開きユーコが入って来た。

ユーコ
「ユーちゃん♪おかえりー^^」

オレ
「おう^^待たせて悪かったな(笑)」

オレはたちは抱き合ってキスをした。ユーコの匂いをいっぱい嗅いでオレは嬉しくなってきた。

オレ
「早かったな?」

ユーコ
「うん。私はこの時間に戻る予定だったから^^」

「それよりユーちゃん。パリに行ってたんだって?どうだった?楽しかった?」

オレ
「あははは^^そんな優雅な旅じゃないから^^クルマを借りてパリ市内を隅から隅まで走り回っていた」

ユーコ
「ふーん^^向こうで仕事するの?」

オレ
「来年卒業したら店は出そうと思ってるけど、オレはまだ何をするか決めていない」

オレはユーコをベッドに座らせオレも隣に座った。ユーコはオレの体に被さるようにしてまたキスをした。オレはユーコを軽く抱いた。

ユーコ
「私が3月に卒業で、ユーちゃんが5月に卒業・・・なんだか同級生みたいだね^^」

オレ
「そーだな^^来年の夏はユーコのCA姿が見れるかなー?」

ユーコ
「うん。絶対合格してみせる!頑張ってるんだから^^」

オレ
「そう^^楽しみにしとく(笑)」

「明日はバイクでロング・ビーチにでも行くか?」

ユーコ
「うん。ユーちゃんも私とふたりだけで過ごしたい?」

オレ
「もちろんさ。特に今夜はここでユーコと朝まで一緒に過ごしたい^^」

ユーコ
「仕方ないわねー(笑)じゃー来てあげるわ^^」

オレ
「ありがとう(笑)」

ユーコも今年23歳になる。ユーコが高校3年年の頃に知り合い、かれこれ5年の付き合いになる。色々あったが、今ではユーコのママや妹である真美とは家族のような付き合いになっていた。ユーコやその家族と居るとオレは普通の暮らしに憧れる。明るくて無邪気で、少しの母性を見せるユーコがオレは大好きだった。

夕食・・・

mar'sClubの3年、4年のNYツアー組みが6人、それに刈谷、ユーコ、真美、ヒロミ、小山、石田、紗也乃の大人数での食事となった。メニューはメンチカツとマカロニサラダ、ひじきに味噌汁に漬物・・・と純和風のメニューだ。

オレは食事の前に挨拶をさせられた。

そして食事をしながらも、オレはmar'sClubの連中に質問責めにあった。「どうしてビジネスに成功したのか?」「なぜ映像から演劇に変ったのか?」「これから芸能活動に入るのか?」「隣の美人は彼女か?」など等・・・オレは応えられる範囲で応えた。

食事が終わった後も彼らは部屋に戻ろうとはせずに、その場に残って今の芸大内でのmar'sClubの活動についてあれやこれや議論をしていた。そしてやはりその矛先はオレに向いた。

オレはそれをギターを弾きながら歌を歌い、パントマイムを披露し、体の柔らかさを示すために股割をして彼らの疑問に応えた。

彼らはいつの間にか宴会のノリでそれらを見て楽しんだ。そして解散した。

後片付けをしその場に残ったのは紗也乃と刈谷だけで、後の者は打ち合わせがあると言って部屋に戻らせた。

紗也乃が珈琲を淹れた。

刈谷
「ムーさん。若いなー^^サービス精神旺盛だし(笑)」

オレ
「ははは^^オレは学校でもあんなもんだ」

紗也乃
「どれもこれもカッコ良かったわ^^」

刈谷
「うん。カッコ良かった」

オレ
「そうか?アフリカのサバンナの部落へ行っても通用しそうだろう?」

刈谷
「うんうん^^絶対通用する」

紗也乃
「ユーちゃんはそう言う事考えてるのねー(笑)」

オレ
「ははは・・・」

▼8月28日・・・

ユーコはオレがパリから戻って来てから昼間はオレとハーレーに乗ってマンハッタンを走り回った。mar'sBLGに戻って来てもロクロを回し、夕食の時はオレの隣に座り、夜はいつもロフトに居て当たり前のように一緒に寝てセックスをした。

ヒロミとのケンカはいつの間にか仲直りしていてオレがその理由を聞く前にこれまでと変らない関係に戻っていた。

mar'sClubの連中も第2陣が帰国しmar'sBLGもようやくひと段落した。そして真美のNYUでのサマースクールも終了して、本日帰国することになった。

真美
「皆さんには大変お世話になりありがとうございました」

ユーコ
「私だけじゃなく妹までここでお世話になって、本当にありがとうございました」

紗也乃
「毎日賑やかで楽しかったわ^^また是非来てね!」

刈谷
「mar'sClubの人たちのお世話もしてくれてほんと助かったわ」

三浦
「うん。お店まで手伝ってもらってまた是非遊びにきて」

田川
「お疲れ様^^気をつけて帰ってね」

オレはユーコと真美をダッジに乗せ、田川とともに空港まで送って行った。

オレ
「9月になったらま勉強で忙しくなるな!同じようにオレも学校が始まるけど、頑張ろうな?(笑)」

ユーコ
「ユーちゃん。12月には帰ってきてね。。。」

オレ
「うん。真っ先にユーコの家へ行くよ(笑)」

「真美ちゃんもまたおいで^^」

真美
「はい^^とっても楽しかったです。絶対また来ますからっ!」

オレはユーコを抱きしめてキスをした。ユーコはしがみ付くようにオレにくっつき別れを惜しんだ。そしてユーコらはゲートの向こうへ行った。何度も振り返りながら・・・オレは彼女らが見えなくなるまで手を振った。

こうしてオレとユーコの学生生活最後の夏休みが終わった。そして来年の夏はオレはもうニューヨークに居ないだろう。ユーコも社会人になっているはずだ。新しい環境の中で、どんな風にオレたちは過ごしているだろうか?

駐車場へ向かう道すがらそんな事を想像してみた。

空はすでに高く、風は涼しげだった。ニューヨークはもうすっかり秋の気配に変っていた。


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