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リバーサイドホテル


「リバーサイドホテル」井上陽水

これは歌詞が非常に面白い^^1982年だそうです。
1985年3月---------

遠山は冬場の制作が終わり、mar'sBLGに戻って来た。今月の後半に東京、大阪の2都市で出版社の後援を受け展示会が行われる。あらたに大物作品3点を発表する予定となっていた。

オレはNYの美術商と共同でギャラリーを開設する準備を進めていた。

遠山
「5番街でですか?」

オレ
「うん。うちの方からは遠山作品を展示する。大物を数点を考えてる」

遠山
「なんか恥ずかしいなー(笑)」

オレ
「でも大物の常設展示は絶対必要だと思う」

遠山
「ありがとうございます」

オレ
「いつまでギャラリー形式でやれるかどうかはわからないんだけどね」

遠山
「いえ。そんな事は気にしていませんすべてお任せしていますから」

オレ
「うん。もともとニューヨーク発だから、それ以外にも色んな形で展開を模索してみよう」

遠山
「はい」

オレはロクロを回すのを止めて階上へ上がった。そしてキッチンで手を洗った。間島がやってきて珈琲を用意し始めた。

間島
「さっき紗也乃ママから電話があって、無事にサンタモニカに到着したって」

オレ
「そっか^^向こうは暖かいから喜んでるだろうな」

間島
「もしかして、気を使ってくれたんじゃないかなーと思うんだけど?」

オレ
「そう?刈谷が風邪をこじらせたのは偶然だぜ!まっそれを機会にママも暖かいところで少しゆっくりすればいいんだ。気にする事はない(笑)」

間島
「そうね。そういう好意に甘えるわ^^」

オレは大きなテーブルの前に座った。間島は珈琲をオレの前に置いて正面に座った。そしてフレッシュ・ミルクだけを新たに入れてステアし再度オレの前に出した。

オレ
「夕食は紗也乃の替りに北川がつくってくれるから心配ない」

間島
「あらっ私も作るわよ」

オレ
「そう?^^大丈夫かなー?」

間島
「んーレパートリーは少ないんだけどね!(笑)」

オレ
「オレも手伝ってやるよ(笑)」

間島
「あなたにそんな事させられないわよ」

オレ
「ここはNYだ。日本じゃないからいいんだよ」

間島
「ありがとう^^」

間島がこっちへ来て1ヶ月・・・毎日のように学校から帰って来たら間島は居る。そしてふたりで出かけて買い物に行ったり、ファーストフード店で食事をしたり、イベントを見たりごく普通のNY生活を楽しんだ。

オレたちはロフトに上がった。

部屋に入ってすぐに間島を抱き寄せてキスをした。間島にもキスのルールを教えた。1度目はオレが舌を入れる。2度目は相手が舌を入れる。そしてお互い強く緩く舌を吸う。間島はそれに慣れた。

オレはMacの電源を入れてフロッピーディスクを差し替えながらシステムを立ち上げた。そしてwordを起動させた。

間島
「ヒロミちゃんのピアノすごいわね^^」

オレ
「ん?あーこっちではスタンウエイが1番ポピュラーなんだ」

間島
「うん。あの練習環境もすごいけど彼女の才能も素晴らしいわ」

オレ
「そっか?」

間島
「正直私も自信あったつもりなんだけど、とてもとても(笑)」

オレ
「そう(笑)ジュリアードで1番をキープしてるからな」

間島は部屋の冷蔵庫からウーロン茶のボトルを出した。備前焼のカップにそれを注いでオレの前に置いた。

間島
「それは何?」

オレ
「舞台演出のレポートを書いてる」

間島
「タイプライターの一種?」

オレ
「あーこれか『Mac』と言うコンピューターだ」

間島
「へーコンピューター?何をするの?」

オレ
「文章を書いてるけど、これで音楽を作る事も出来る!」

間島
「そう^^」

オレは一通り音楽関連のソフトを立ち上げてデモンストレーションして見せた。間島は興味を示した。オレはもう1台のMacを立ち上げて、間島にそれで遊ばせた。

デスクの上の電話が鳴った。オレは受話器を取り上げ英語で対応した。石井からだった。暫くオレは電話で話した。石井が話す内容を聞きながら、時折質問を入れる程度だった。20分ほど話して電話を切った。

間島
「そろそろ夕食の準備をするわ^^出来たら呼ぶわね」

オレ
「うん^^よろしく」

間島はオレの方へ近づいて軽くキスをして部屋を出て行った。

オレはレポートの続きを進めた。

▼18時・・・2階Office「夕食」

オレ
「誰が日本へ同行することになった?」

遠山
「結局市橋と源のふたりとも連れて行くことにしました」

市橋
「ひさしぶりの帰国なんで^^」


「オレもちょっと友人関係と会って色々と話をしてきます」

オレ
「そっか^^2本目の大阪が終わったらちょっとゆっくりしてこい」

遠山
「すみません。オレも岡山へ帰って、土の仕入れなんかでオヤジのところへ顔を出してきます」

オレ
「うん。たまにはゆっくりしてくればいい」

ヒロミ
「ムーさんは帰らないんですか?」

オレ
「うん。卒業に向けた最後の追い込みだからちょっと無理なんだ」

間島
「ここでコケるわけには行かないものね(笑)」

ヒロミ
「じゃー私も帰らずにここに居ます」

オレ
「えっ?パパもママも楽しみにしてるだろう?」

ヒロミ
「こっちに居る方がいいです^^」

そう言えばヒロミは昨年末も帰国せずに両親がこっちにやってきた。帰国しない最大の理由は、日本の自宅にある練習環境では、練習にならない。という事だった。こっちの完全防音、スタンレーGPの環境に慣れるとそれも仕方ない。

オレ
「今月末から新たに第2期の留学生4人がやってくる。男2人に女2人だ。最初は気をつけて面倒みてやってくれ(笑)」

市橋
「mar'sの選抜メンバーでしょうか?」

オレ
「いや、今回は芸大事務局が選んだ本年度の卒業生らしい」


「とうとう大学との提携になったんですね!なんかmar'sもアカデミックになってきましたねー」

オレ
「何しろ「世界の遠山」を輩出したと芸大も自慢気だからな(笑)」

遠山
「ははは・・・世界はどうかと思いますけど、芸大にはほとんど何も応援してもらってませんから(笑)」

オレ
「いやー今年の入試で工芸学科の受験者が相当増えたらしいぞ!当然「陶芸」コースの希望が多くて、設備や環境を急遽充実させる方向で考えているみたいだ」

遠山
「へーそーなんだ。そういう事を聞くとやっぱり嬉しいですねー(笑)」

オレ
「うん。新しい希望を持ってその世界に入ってくるというだけでなんか嬉しいよな^^」


「小山さんや石田さんらが活躍してくれたらもっとmar'sは有名になりますね」

市橋
「ゲンちゃん。オレたちも頑張ってもっともっとmar'sを世に知らしめようぜ!」

間島
「そうよ!市橋君やゲン君も頑張って有名になってね(笑)」

オレ
「ははは^^楽しみだなー」

NYは平和だった。毎日学校へ行き帰って来ると愛すべき仲間達、後輩に囲まれて自分の女も居る。その一方でミナミは神戸は・・・オレが激情に任せて不容易に発した言動によって大きな変化が起きてしまった。

せっかくカタギになって平穏な暮らしをしていた石井が組に戻った。その影響で関川と松井までもが日本に残り石井の残した不動産会社を仕切る事になった。ただの不動産会社ではない。グループに100社あまりを抱えどれもが何処かの組と繋がっている。そして中堅の銀行とつるんでどんどん土地を買い上げ、開発関連の商社に持ち込んで大きな利益を上げている。それらの金をバックに・・・先月、暫定執行部発足の際に、ゴローちゃんが異例の出世で若頭になった。もちろんその陰には、おばさんの意向も働いていたが・・・さっきの電話の話を思い出していた。

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石井
「完全防弾仕様のベンツ。渡辺さんすごく喜んでました」

「ムトーの兄弟にくれぐれもよろしくと言ってます」

オレ
「ははは^^「若頭」就任祝いだ」

石井
「それも、ムーさんのおかげだと言ってました」

オレ
「いやオレは・・・踊らされただけだ」

石井
「えっ?ムーさんがですか?」

オレ
「ああ。オレが怒ってると伝えておいてくれ」

石井
「誰に?」

オレ
「もうひとりのオレの・・・弟分に」

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▼3月20日・・・

タイムズ・スクエアー57丁目 ホテル「レミントン」

コジンマリとしたホテル。あえて大きなホテルじゃないところを選ぶあたり慎重な性格の表れだと思った。2階のレストラン・カフェに入るとすでに待ち合わせの人物は先に待っていた。まだ約束の時間にはなっていなかった。

男はオレを認めると立ち上がった。


「わざわざすみません。兄貴。」

オレ
「その呼び方は止めてくれ」

オレはその席に座った。梅木も正面に座った。オレはウエイターに珈琲をオーダーした。オレはラークを取り出した。すぐに梅木がライターを差し出そうとしたがオレはそれを手で制した。オレは自分でラークに火をつけた。

オレ
「ウメちゃんこそわざわざニューヨークまで足を運んでくれてありがとう」

梅木
「ちょっとついでがありましたから(笑)」

オレ
「そう^^」

「神戸の方はようやく体制ができたみたいだけど」

「組長代行とかの話は出なかったのかな?」

梅木
「話としては出ましたけど、まずは頭を選出して執行部体制をつくることを優先しました」

オレ
「わりとすんなりと決まったの?」

梅木
「いえ。水面下で相当の駆引きがありました」

オレ
「それで」

梅木
「うちが金をばら撒いてなんとか多数派工作に成功した次第です」

「何もかも兄貴、いえムーさんの指示通りに・・・」

オレ
「・・・」

ウエイターが珈琲を持って来たオレはフレッシュ・ミルクだけを入れてそれを口にした。

オレ
「襲ったやつらは?」

梅木
「まだ何処の組かは特定できていません」

オレ
「ふーん。ウメちゃんは知ってると思ってたけどなー」

梅木
「ムーさん。誤解です!誓ってオレは・・・」

オレ
「未必の故意。って知ってるか?」

梅木
「・・・」

オレ
「本人に知らせずに警備するために、女のところの警備を充実させろと言ったよな?」

梅木
「・・・はい。オレの不手際で間に合いませんでした」

オレ
「警備は間に合わなくても調査は進んでいたはずだ」

「ちょっとおかしいぞ?とか、いくつかの不安材料は見つけたよな?」

「もし、知らん顔してたら・・・何か起こるかも知れない」

「何か起きれば警備の重要性を認識して警備担当が重要なポストになる」

「いや、もしかして、もしかしたら・・・」

「そう思って必要な手を打たなかった」

梅木
「違います」

オレ
「どう違うんだ!!!」

「本部を出て巻かれても行き先はわかってる」

「独自の警備チームを待機させておけば防げた!」

「防げなくても死ななかったかも知れない!」

梅木
「・・・」

オレは珈琲を口にした。コッチの珈琲はすべてアメリカン・タイプで浅煎りの豆を使用している。飲みやすかった。

梅木
「ムーさん。2年待って下さい」

「2年後にオレは梅木組を解散します」

「組はそのままムーさんが継いで「ムトー組」の看板を上げて下さい」

「2年で渡辺の5代目体制をつくりますから、その時はムーさんがヤマケンの組長で「若頭」です」

「そして・・・10年経ったらムーさんが6代目です」

オレ
「・・・」

オレは梅木の目を見ていた。落ち着いてオレの目を見て淡々と話をする梅木。

オレ
「その時お前は?」

梅木
「そーですねー何処かミナミのバーでバーテンでもやってるんじゃないですか?」

オレ
「あははは^^そりゃーいい(笑)」

オレは立ち上がった。そして振り向きもせずにその場を立ち去った。

梅木・・・オレより10歳以上も年上でキレ者のヤクザ。今でこそオレの弟分という立場だったが、最初の出会いは・・・ギャラクシーを乗っ取ろうと画策した張本人だった。

オレは高橋のオンナだった理恵を守り、ギャラクシーを守ったが・・・その後も梅木は隙を伺っていた。そしてオレがミナミから行方不明になっていた時に、オレのところを的にかけてハメた。そしてカンパニーは潰された。

オレがミナミに戻ってきた時、手打ちを命じられて金を用意して待っていた。

郷田組の梅木。

ギャラクシーのオンナ「加奈子」をシャブ中にしたとオレは勘違いして、梅木から落とし前をつけさせた。尚且つ詫び状を書かせて、いつでも梅木を破門させる事が出来るようにした。

郷田が他の系列に乗り換えようとする動きを見せた。梅木はそれを止めたい一心でオレに協力を求めてきた。

オレは考えを変えた。梅木を取り込んで郷田組の力を弱める為に梅木を独立させた。そしてヤマケンの頭補佐に抜擢させた。梅木はそれを察して石井と兄弟の杯を交わす事でオレとの和解の証とした。

梅木組

ミナミの警察署長を巻き込んだ「韓国クラブ事件」ここでも梅木はおかしな行動をとった。だがそれは郷田組との確執が産んだものだった。そして結果的にこの事件でオレは松井とふたりで強盗事件まで犯しながらも警察の意向に沿い、警察には一切の証拠を掴ませずに解決させた。

竹中さんの接近

一連のミナミでの騒動を心配した本家は、オレとゴローちゃんとの小さな確執を見抜いていた。そして竹中さんをオレの後見にしようとした。その結果、竹中さんの媒酌でオレは梅木と杯を交わし梅木はオレの正式な舎弟になった。

跡目問題

竹中さんの接近。オレはおばさんの背中を押して世代交代を薦めた。オレはゴローちゃんに情報を流し、ゴローちゃんは腹を決めて世代交代を強力に進める方向で動いた。そして4代目を竹中さんが襲名した。

ゴローちゃんはヤマケンの2代目となり直参になった。そして4代目から頭補佐に抜擢された。オレは半ば強制的に4代目の媒酌によってゴローちゃんとあらためて5分の兄弟杯を交わした。そしてオレは4代目の舎弟扱いとなった。

4代目襲撃

4代目が襲撃され竹中さんが殺された。一緒にいた頭と頭補佐までが同時に死亡した。組を2分した騒動はこれを機会に一層その抗争の激しさを増した。その事によって石井はオレの変わりにヤマケンに復帰し、頭補佐に任命された。

梅木は警備の問題をオレから指摘されるまでもなく、これまでのように結果論でオレは動くのだと読んでいた。オレは梅木に4代目のオンナのところの警備を洗うように言っていたのだが・・・

どんな思惑でそれを無視したか?梅木の考えている事がわからないが・・・結果としてこうなってしまった以上、それを必要以上に弁解しないで、いかにもオレの為だと言うような馬鹿げた構想を話した。

オレはそれを肯定するように笑い飛ばした。梅木にはそう思って貰う方がよかった。

▼4月---------

間島がNYへ来て2ヶ月が過ぎようとしていた。毎日一緒に過ごし一緒に寝て、毎回セックスをする。そんな生活が続いていた。そしていつの間にかオレは間島を「ひとみ」と呼ぶようになりひとみもオレの事を「あなた」と呼ぶようになった。もっとも人前では今まで通り「ムーさん」と呼んでいる。

13時・・・チャイナ・タウン

オレ
「やっぱりここの豚マンは旨いっ!」

間島
「うん。毎日でも食べれそう^^」


「これ作ってるヤツ知ってますよ」

オレ
「えっ?」

オレ
「調理場でバイトしてるヤツが居て日本人なんですよ(笑)」

間島
「へーそうなんだ?」


「もっとも不法ですけどね^^だからコキ使われてます」

間島
「何が不法なの?」


「観光ビザで長期滞在してます」

間島
「そう。ダメなんだ?」

オレ
「イミグレに摘発されれば強制送還だな」


「でも、そういうヤツが後を断ちません」

ひとみ
「それも覚悟の上で楽しんでいるのね?」


「はい。オレもmar'sで拾ってもらえなければそうするつもりでしたから(笑)」

オレ
「オレも昔はそうしていた(笑)」

オレは冷たいウーロン茶を飲みながら店員の女の子に豚マンを追加注文した。源はオレたちに付いて来て、スナップ写真を撮っていた。オレとひとみのNYでの暮らしを記録するためにあえて源に頼んだ。

以前、理沙とそんな写真を撮ったが、それを日本に帰ってみた時に理沙が言うようにほんとに貴重な思い出のシーンの連続だった。理沙はそれを店にも自分の部屋にも飾っていた。オレはひとみともそんな何気ないNYのシーンをいっぱい残しておこうと思った。


「今度はこっちで撮りますから、食べてるところとか何か話をして笑って下さい」

ゲンはそう言って傍らに置いた大きなカメラとポータブルVTRを担いでオレの達の正面に回った。カメラの上部のパイロットランプが点灯した。収録が始まったようだ。

オレは豚マンにかぶりつきひとみは笑顔で話しかけてきた。5分ぐらいだらだらと源は回していた。


「はい^^オッケーです」

オレ
「もう少しコンパクトになったらいいのにな(笑)」


「そーですね。でもプロ用のシステムもこれと同じぐらいの大きさですから、コレに慣れてる方がいいんです(笑)」

間島
「ゲンちゃんプロになるんだ?」


「パーソナルなビデオ作家がいいかなー?と」

オレ
「ほう^^それは楽しみだな(笑)」

それからオレ達はダッヂに乗ってセントラルパークの動物園に行き撮影をした。

▼18時・・・mar'sOffice

芸大卒業者の留学生と一緒に夕食をした後、Officeで今日撮影したビデオをプレビューした。もちろん編集前の撮影テープなのでNGもたくさん入っていた。

紗也乃
「こんなにすぐに見れて、楽しそう^^」

オレ
「恥ずかしい・・・」

間島
「ほんと、すごい恥ずかしい(笑)」


「ムーさん。演劇学科の優等生なんですからそんな恥ずかしがってどーすんですか!(笑)」

間島
「そーよねー^^」

オレ
「あくまでも台本があっての話だよ(笑)個人の何気ない日常はどう演じていいかわからないからな」

ヒロミ
「でも面白い^^この間の演奏会のビデオもすごく評判良かったし。ゲンちゃんもうプロよ^^」


「あははは^^そう言ってもらえると嬉しいなー」

一通り源をみんなで持ち上げた後、オレたちは4階の部屋に上がった。2LDKの風呂場を改装した部屋・・・照明を操作してTVを点けソファに座った。ひとみは冷たいウーロン茶をグラスに入れてソファの前のテーブルに置いた。

間島
「あんな風に自分たちの映像をみんなの前でみるのは恥ずかしいよね^^」

オレ
「ああ。自分なりの自己演出パターンをいくつか考えて持っておくべきだな」

間島
「まーそんな事考えたの?(笑)」

オレ
「即興とかアドリブとかは、結局そう言うこれまでにこなしたパターンのアレンジだもんな^^ジャズみたいなものさ」

間島
「ふーん。すごい優等生ね」

オレ
「これでも演出では首席だからな(笑)」

オレはひとみを抱き寄せた。そしてひとみの匂いをいっぱい嗅いだ。昼間は源が居たのでまったくできなかったせいもありひとみも何度もキスに応じた。そしてゆっくりと離れた。

間島
「キス大好きになっちゃったわ^^」

オレ
「ははは^^人前でしてもヘーキになったしな?」

間島
「うん。どうしよう?(笑)」

オレ
「それもビデオで撮ってもらおう^^」

間島
「えーーーそれは(笑)」

オレ
「いいじゃないかキスぐらい^^」

「あっ!よし・・・オレが撮ってやる」

間島
「もしかして変な事考えてるでしょう?」

オレ
「へへへっ^^」

間島
「ダメよ^^」

オレ
「ひとみも今年が20代最後の年だ。記念にそのきれいな体を記録に残しておこう^^きっと将来宝物になるぜ!」

間島
「そんな事言ってるけど、顔がバカっぽくなってるわよ(ーー;)」

オレ
「やっぱり・・・映画だな」

間島
「えっ?何?」

オレ
「いや舞台を基本にしてやっぱり目指すのは映画だなと思って」

間島
「そう^^」

オレはTVを見ながらバカバカしいコメディーを眺めていた。ひとみは色んなフリーペーパーを見て、アレコレと次に遊びに行くところを探している。ひとみが来た時にオレ達はひとつの約束をした。それは、帰る時の事を話題にしない。今の事だけを考えて、今を楽しく過ごす事を心がけようと言う約束だった。

ひとみもそれに賛成していた。金沢の事や子供の事を話題にしなかった。もっとも定期的に電話をして様子は確認しているようだった。

オレはひとみを大事にした。付き合い始めた恋人のように過ごす事に努めた。ひとみはそれを理解し喜んでいた。

▼4月18日・・・

NYU本館カフェ

ケリー
「資金調達がうまく行ってないらしくて、製作日程がまだ決まらないらしい」

ジム
「んーーー卒業まで後1ヶ月しかないんだぜ!もう無理って事かなー?」

オレ
「卒業してもNYに残るのは誰々?」

ケリー
「オレとカレンだけだ」

ジム
「じゃーやっぱり無理だ」

ケリー
「日程が決まって1週間程度なら調整できないかな?」

オレ
「んーーーオレは業務の都合ですぐにサンタモニカに行く事になってるんだ」

「戻れても1週間はきつかも知れない」

ジム
「オレも一旦実家のペンシルバニアに帰るし、それからLAに行こうと思ってるからなー」

ケリー
「そっか。オレも色々と親から言われてるしなー」

「オッケーわかった。結論として日程が未定な以上ダンスチーム「ローリングス」は協力できない!という事で伝えておくよ」

オレ
「残念だけど仕方ない。それで頼むよ」

ジム
「そーだな!学生生活ともおさらばだし」

ピーター・フォンダ製作の映画にダンス・チームが必要だと言う事で、ライブハウスを借りてオレたちのダンスを見せた。評判は上々で出演が決まったのだが・・・それが遅れていた。

誰もがチャンスだと期待していただけに残念だった。ケリーは約束があると言って先にカフェを出た。

ジム
「それにしてもヒロ。この間の卒業公演は良かったな^^」

オレ
「そうだな(笑)オレたちのチームがトップだったし言う事なしだ」

ジム
「きっとヒロが演劇学科の首席で卒業するぞ!」

オレ
「いやこれだけはまだわからない。ジェシーも頑張っていたし」

ジム
「ははは^^きっとお前だよ」

3チームによるシェイクスピア作品の公演は短縮された構成でそれぞれオリジナルなモノをやった。結果オレたちのチームの「マクベス」が今回もトップだった。そして全編オレの演出だった。

授業は4月いっぱいまであるが、ほぼ全ての単位を取得しているオレはもう授業に出る必要はなかった。しかしこれでもう卒業で、2度とこの生活は出来ないと思うと、ついついいつものパターンで学校にきてしまう。もっともフィットネス・ジムはルーチンワークなので、それに関連していなかった。

オレはジムで汗を流した後、早めにOfficeへ戻った。

オレ
「ただいまっ^^」

紗也乃
「おかえりー^^」

オレはすぐに紗也乃に抱き付いた。そして紗也乃の匂いをいっぱい嗅いだ。

紗也乃
「さっきまで箱書きをしてたら墨汁の匂いがするでしょ」

オレ
「うん。ちょっとね。もっと汗の匂いが嗅ぎたい」

紗也乃
「また今度ね^^」

オレは紗也乃にディープなキスをした。そして紗也乃の体から離れた。すぐに紗也乃は珈琲を大きなテーブルの前に置いた。オレはその前に座った。

紗也乃
「ひとみちゃんはゲンちゃんと買出しに行ってくれてるわ」

オレ
「うん」

紗也乃
「ユーちゃん。ちょっといい?」

オレ
「ん?何?」

紗也乃
「私・・・どうしよう?」

オレ
「・・・」

紗也乃の表情を探りオレは言葉の意味を脳をフル回転させて考えた。そして目の前の珈琲を口にした。

オレ
「もし、何か考えてる事があるんだったら教えてくれないかな?」

紗也乃
「この間、モトちゃんが臥せってちょっとサンタモニカへ行ったでしょう?」

「その時、モトちゃんと話し合ったの」

「ユーちゃんが卒業した後、私達はどうしよう?って」

「それで、ユーちゃんがどうするかはわからないけど、私とモトちゃんは一緒に居ようと言う話になったの」

オレ
「そう。オレがはっきりしないもんだから、迷惑かけてるなーごめん」

紗也乃
「ううん。ユーちゃんがこの先流動的なのはわかっている事だし、逆にNYに3年居た事の方が珍しいことだと思ってるから、そんな事は気にしないで(笑)」

「じゃー勝手言うけど、ユーちゃんが卒業したら、私もニューヨーク・ママを卒業していい?」

オレ
「ニューヨーク・ママの卒業・・・なんかいい表現だな^^」

紗也乃
「後の事はタカちゃんにお願いしてるんだけど」

オレ
「えっ?そーなのか?」

紗也乃
「彼女、仕事を辞めて大学院に入り勉強したいみたいね」

オレ
「ふむ。後で四方に聞いてみるよ」

紗也乃
「うん。そうしてあげて」

オレはコーヒーを口にした。ヒロミの学校があと2年残っている。四方が大学院に入り2年居てくれるとオレは安心できる。そんな事もあいつは考えたのかも知れないと思った。

オレ
「じゃー紗也乃はサンタモニカに行くのか?」

紗也乃
「うん。新しい環境でまた頑張ろうと思って^^」

オレ
「そっか」

「来週・・・いっぱいNYでデートしよう^^」

紗也乃
「うわーほんと?嬉しい^^」

オレ
「源に写真やビデオをとってもらおう^^」

紗也乃
「うん。最後のニューヨークの思い出ね」

オレ
「そう最後のニューヨークだ」

電話が鳴った。オレはデスクの方に歩いてって受話器をとった。日本語が聞こえてきた。オレは「かけ直す」と言って電話を切った。

オレ
「上に居る^^」

紗也乃
「はい」

オレはロフトに上がった。オレが大学を卒業してNYから居なくなるのをきっかけに、大きく人が動きだそうとしている。紗也乃は刈谷の居るサンタモニカへ行き、ここには四方が居るようになり、ヒロミの面倒を見てくれるつもりらしい。

いよいよ楽しかったオレのNY生活にも終わりが近づいてきた。オレはどこかでオレがここから居なくなっても、ここはこのまま人も含めてずっと残るものだと思っていたが・・・

クライマックスはもうすぐだ。それが終われば・・・この芝居も終わる。

一気に幕を引いてしまうか?

▼4月23日・・・ロックフェラー・レストラン

間島
「そうとうその日になっちゃったね」

オレ
「うん」

間島
「卒業式が見れないのは残念だけど、後でいっぱい写真みせてね」

オレ
「もちろんさ^^」

ウエイターはワインを儀式通りにオレに示しオレは味見をしてオッケーを出した。そしてオレとひとみのグラスにワインを注いだ。

オレ
「じゃーLast New Yorkにカンパイ♪」

オレ達はグラスを合わせた。そしてそれを口にした。

オレ
「十分楽しめたか?^^」

間島
「うん^^あなたと新しい関係をつくることができたと思ってるわ」

オレ
「新しい関係?」

間島
「そーよ。私にとってあなたは、もうムーさんじゃない。」

「一緒に買い物に行き、一緒にみんなの夕食を作ったり、周りの人達の誰もから恋人同士って認められていて」

「私にとっても、こんなに伸び伸びと自分をさらけ出して、好きな人と一緒に居れたなんてすごい事よ」

「あなたはそれを全部受け入れてくれて、毎日愛してくれたわ^^」

「あなたはもう私の旦那様よ」

オレ
「若旦那じゃなくて?(笑)」

間島
「そう。旦那様なの^^」

オレはワインを口にした。ウエイターは前菜を運んできた。

オレ
「世界は広いし、まだまだ楽しい事はたくさんある(笑)」

間島
「私はもうあなたと居ればどこでも楽しめるようになったわ^^」

オレ
「そっか^^」

間島
「手を繋いで美術館をただ黙って見て歩くだけでもいいし」

「野球を観戦しながらビールを飲んで大声だすのもいいし」

「寒くてもバイクの後ろに乗ってあなたにしがみ付いてるだけでもいいし」

オレ
「メトロポリタン美術館も、ヤンキースタジアムも、ロングビーチも」

「楽しかったな(笑)」

間島
「うん^^」

テーブルの向こうの窓に広がる摩天楼の夜景は・・・きっとこれから先も変わらないだろう。だけどもしかしたらひとみとのニューヨークはこれが最後かも知れない。

オレ
「ひとみ」

間島
「はい」

オレ
「今度オキナワに連れてってやる」

間島
「うわー本当に?(笑)」

オレ
「オレが操船する船に乗って、東シナ海を突っ走る。そして一緒に海の中にも潜るんだ」

「摩天楼の夜景もいいが、広大なビーチの黄金の夕陽を見に行こう」

「まだまだオレたちはこれからさ^^」

間島
「うん」

そして食事が終わった後、もう1度ビルの最上階に行った。ひとみを後ろ向きに抱いて夜景を見ていた。2度キスをした。

そして荷物を持ってイエローキャブに乗り空港へ行った。夜のNY発成田行きの便・・・最後の別れを惜しんで抱き合いキスをした。やっぱりひとみは泣いた。声をださずに涙だけがいっぱい溢れていた。

オレも少し涙ぐんだが笑顔でそれを誤魔化した。

オレ
「じゃーまたな^^気をつけてな」

間島
「あなたも気をつけて・・・いつでも待ってるから」

オレ
「おう^^」

間島はゲートの向こうにゆっくりと歩いていった。何度も立ち止まり振り返り笑顔で手を振るひとみ。エスカレーターの上で手を振ったのが最後だった。ひとみの姿が消えた。

オレは暫くそこに居て、周りを見渡した。抱き合いキスをするアメリカ人、オレたちより楽しそうに笑い。そして手を振り離れていく。

オレはひとりでイエローキャブに乗り戻った。

▼23時・・・mar'sOffice

紗也乃
「おかえりぃー^^」

オレ
「ただいまっ!」

オレは紗也乃を抱きしめた。さっきひとみと別れたばかりで淋しい気持ちで帰ってきたはずが・・・紗也乃の匂いを嗅いでまたその女のハートに甘えようとしている自分がひどくダメな人間のように思えた。

オレ
「先に着替えてくる」

紗也乃
「はい^^」

オレはロフトに上がりスーツを脱いで、ジーンズとポロシャツに着替えた。そしてすぐに階下に下りた。

紗也乃は珈琲を用意していた。オレはテーブルの前に座った。

紗也乃
「ひとみちゃん。きっと泣いただろうなー^^」

オレ
「ああ。声を出さずに涙だけがポロポロと(笑)」

紗也乃
「そう^^彼女らしいわ」

オレ
「そっか」

紗也乃
「後は・・・ユーちゃんの卒業だけね」

オレ
「うん」

紗也乃
「ユーちゃん。ここを失くすってほんと?」

オレ
「うん。そう考えてる」

「1階の工房とここのOffice機能は5階の3LDKの2部屋に移そうと思って」

「使いやすく改装する必要があるけどな」

「ここはあらたにテナントを募集する」

紗也乃
「私が我侭言ったから?」

オレ
「ううん。mar'sNY自体の収支バランスを考えて、いつかはそうしようと思ってたから」

紗也乃
「ならいいんだけど、なんか悪いなーと思うし、ここが無くなるのは淋しいなーとも思って」

オレ
「ここには田川がしっかりと根付いているから大丈夫だ」

「そしてまたいつかもっと大きなビルを使うようになるさ(笑)」

紗也乃
「そうね^^」

オレは一気に幕を引く事にした。

5月いっぱいでこの1、2階のスペースは無くなる。Officeとは名ばかりで、ほとんどみんなが集まるパブリックな場所だった。壁の1面は鏡張りで、ダンスやパントマイムの練習を行う事もできた。

またギターやアンプを繋いでカラオケの練習も出来た。大人数で食事をして、そのまま宴会になる事もあった。

そしてそこにはロフトがあり、オレのプライベート空間だった。オレに相談事などがあれば誰もがそこを訪れていい事になっていた。

この3年間、このスペースで泣いたり笑ったりして過ごした思い出はそれこそmar'sNYのすべてだった。

オレの卒業。そして帰国。それをきっかけにこのスペースは無くす事にした。ここで過ごした記憶はそれぞれの思い出の中で生きる。それがここでのオレの幕引きだった。

紗也乃
「じゃー予定通り、私もユーちゃんの卒業式を見たらサンタモニカに行くね」

オレ
「うん。向こうで待っててくれ(笑)」

紗也乃
「モトちゃんとふたりよ?大丈夫?(笑)」

オレ
「ははは^^お手柔らかに」

紗也乃
「あとわずかだけど、それまでしっかりとニューヨーク・ママをやるわ^^」

オレ
「うん。オレも大いに楽しむ事にする^^」

卒業式が終わったらオレは帰国する。

神戸に帰って、玲子に卒業を報告し、これからの事を話してまた理解を求めることになるだろうけど・・・これまでより頻繁に帰る事が求められるのはわかっていた。

すでに東京では佐和子がOfficeを借りて準備を進めている。そしてキョーコが居る。

一番やっかいなユーコも東京でスチュワーデスの研修中だった。それが終わったら本当のスチュワーデスになる。

そして最大の問題であるミナミ・・・

理恵、理沙たちが居るミナミ。同じく卒業をきっかけにこれも次の理解を得る努力をしなければならなかった。

そう考えると、それまでの感傷的な気分は一気に色あせ、これからの現実問題をどう対処していくか?そして新しいビジネスを何処からどう手をつけていくか?もう次の事をしっかりと考えなければならない時期に来ていた。

▼24時・・・Office

店の連中が一斉に戻って来た。オレはそれぞれに軽く言葉を交わした。田川だけをその場に残した。三浦はそれを察してか、お茶の用意をして5階に上がった。

田川
「間島さん。お帰りになったんですね」

オレ
「うん。10時の便で帰った」

田川
「お疲れ様でした」

オレ
「うん(笑)」

田川
「あっ別に変な意味じゃないですよ」

オレ
「もちろんだ。わかってるよ!お前とは間島もMellow Beachからの付き合いだしな(笑)色々と気を使ってもらってありがとう!って言ってた」

田川
「いえ、そんな事^^」

オレ
「間島も学生の頃に戻ったように楽しく過ごせて本当に喜んでいた」

田川
「それはムーさんが学生で、ここにずっと居るから、誰もが若返ったような気になって元気が出てくるんですよ」

オレ
「へーそうなんだ(笑)」

オレは冷たいウーロン茶を口にした。

オレ
「予定通り5月末でここの明け渡しだけど、特に問題はないな?」

田川
「はい。5階の3LDK2部屋で十分いけると思います」

「工房の方は素材や作品を全部サーフォークの方へ移動すれば問題ありません」

「すぐに5階の1部屋はOffice仕様の改装工事にかかります」

オレ
「新しいスタッフはオレたちと入れ替わるようにこっちへやって来るから」

田川
「はい。しっかりトレーニングしますから安心して下さい」

オレ
「うん。オレの他に紗也乃、三浦まで居なくなる。淋しくなると思うけど大丈夫か?」

田川
「オレより四方さんやヒロミちゃんがもっと淋しがるだろうと思いますよ」

オレ
「そーだな。でも彼女らはそれぞれ自分の世界があるから、それはそれですぐに慣れるさ」

田川
「はい」

オレ
「岩崎はどうしてる?」

田川
「ええ。家庭円満にやってるようです」

オレ
「まだあいつ嫁を日本につれて帰ってないだろう?」

田川
「大将が怒ってるって聞いてまだ連れて帰る決心がつかないそうです」

オレ
「困ったやつだなー近いうちにオレから言ってみるよ!どうせ帰国したら大将に聞かれるし」

田川
「はい。是非お願いします」

岩崎は知り合った韓国人の若い女性と同棲生活を始めていた。仕事の方は真面目にこれまで通りやっているのでプライバシーにまでは干渉しなかったが、親である大将に葉書き一本だけで知らせて後はナシの礫では・・・困ったものだった。

そしてオレは5月の末にオープン予定のマンガク3について田川と打合せをした。田川が自室に戻った後、オレはひさびさにロフトで寝ようと思った。

照明を消してロフトに上がろうとしたら・・・三浦が降りてきた。

三浦
「いいですか?」

オレ
「うん。どうした?」

三浦
「良かったら・・・と思って」

オレ
「うん。上に行こう」

三浦
「はい」

オレは三浦と一緒にロフトに上がった。夜用の照明に切り替えてBGMを小さく鳴らした。三浦は部屋のドアの鍵をかけて入ってきた。

オレ
「飲もうか?」

三浦
「はい^^」

オレは中央のテーブルの前に座った。三浦は小さなバーカウンターのところへ行き酒の用意をした。そしてそれらをテーブルの上に置いた。オレの正面に座ってブランデーの水割りを2つつくってひとつをオレの前に置いた。

オレはグラスを持って三浦の持つグラスに軽く合わせてそれを口にした。

オレ
「色々気を使ってもらって、ありがとう^^さっき帰国した」

三浦
「そうですか。私は特に何も・・・」

オレ
「フランス語はどう?^^」

三浦
「はい。大学時代に第2外国語にフランス語をとっていたので少し馴染みはあるのでなんとか(笑)」

オレ
「もう少しスケジュールを後ろにずらそうか?こっちは構わないけど?」

三浦
「いえ。大丈夫です」

オレ
「そっか。さすがだな!じゃー予定通り6月からPARISだ」

三浦
「はい^^」

オレ
「この部屋も5月いっぱいで無くなる(笑)」

「でもサンタモニカも出来たし、PARISも出来るから発展的解消だ」

三浦
「もうすぐムーさんも卒業して居なくなるからちょうどいいです」

オレ
「うん。NYはどうだった?いい思い出になりそうか?」

三浦
「はい^^念願のニューヨークでしたから」

「色んなところへ行って、仕事も出来て楽しかったです」

オレ
「ついでにイイオトコが見つかれば万々歳だったのにな(笑)」

三浦
「あはっ!そうですね(笑)」

「でもいつか見つけます^^ムーさんに認められるようなイイオトコを」

オレ
「うん。お前のようなイイオンナはどんどん恋をして、もっときれいになって、イイオトコと一緒になるのが運命なんだから^^」

三浦
「ありがとうございます」

何故か今日の三浦はいつになく素直で大人しい?まーそういういい時のバイオリズムなんだろうと思っていた。

三浦は立ち上がり、笑顔でオレの方へやってきた。そして座っているオレの後ろに回り抱き付いてきた。

オレ
「ん?どした?」

三浦
「男なんか・・・つくりません」

オレ
「あらら・・・」

三浦
「ムーさんの匂い。いい匂い。」

「私の匂いも・・・嗅いでください」

「まだシャワーもつかってませんから」

オレは体を捻って三浦の体を抱き寄せて膝の上に座らせた。三浦はオレの首に両手を回してバランスをとっていた。

オレは軽く抱いた。そして三浦の首筋に顔をつけて匂いを嗅いだ。コロンと汗の混じったいい匂いだった。

オレ
「うん。汗臭いいい匂いだ」

三浦
「ひどいっ!シャワーを使うな!って言うから(笑)」

オレ
「あははは^^」

三浦はゆっくりとオレの膝から降りて、その場で服を脱ぎだした。そしてブラジャーをはずして小さなパンティーも脱いだ。後ろのスタンド照明が逆光になっていた。体の線の外側が光っているように見えた。そして下半身の黒々としたところもほどよく手入れされているのかいい形だった。

オレ
「ヘアーの手入れがいいな?」

三浦
「聞かないで下さい」

オレ
「自信があるだろう?」

三浦
「いいえ。ないです」

オレ
「自信がないヤツは見せない」

三浦
「はい。ほんとは少しあります。だから・・・もっと」

オレは立ち上がり三浦をそのままベッドに寝かせた。そして片方の三浦のふとももを持ち上げて股間を開かせた。

草むらの下の割れ目からゆるい照明に照らされて見えた。光るように濡れていた。オレはそこに顔を近づけた。

草むらを顔でこすり匂いを嗅ぎ割れ目に舌を這わせた。

三浦
「あぅーーー」

すぐに声を上げて三浦は仰け反った。オレは暫くそうして三浦の性器を見ながらキスを続けた。

オレは三浦の隣に寝て三浦を抱き寄せた。

オレ
「美味しい味がした」

三浦
「私もしていい?」

オレ
「ああ」

三浦は体を舌に下げて大きくなっているオレのモノを舌で舐め始めた。指を使いオレのモノを擦りそして先端を口にした。厚顔の裏側を手で包み込みようにして揉んだ。

まるで理恵にしてもらっているようだった。きっとオレの喜ばせ方を教えられたに違いない。

オレ
「あー欲しくなってきた」

三浦はオレの声を聞いても止めずに口を使い続けた。オレは三浦を引っ張るようにして上に上げた。三浦の上体が離れたかと思うとすぐにオレのモノが穴にくわえ込まれた。

三浦
「あぅーーー」

三浦は神業のような速さで口から放れたオレのモノを自分の股間で中に取り込んだ。そしてゆっくりと腰を使い始めた。

三浦
「うぁーーーわぁーーーわぁーーー」

三浦のきれいな顔が泣き出しそうな表情に変わり声を上げ続けた。オレは両手を伸ばして三浦の乳を掴んだ。

三浦の体はオレの股間に跨るようにして腰を動かす。オレは乳を揉みながら三浦がオレの体に垂直なるように支えた。

三浦
「うぁーーー」

オレも三浦の動きに合わせて腰を使った。オレは上半身を起して三浦の両太ももを抱えてその体を浮かせた。穴にオレのモノが奥深く突き刺さる。そしてそのまま三浦の尻を上に跳ね上げるように手を使った。

三浦
「あぅ あぅ あぅ」

三浦はオレに力いっぱい抱き付いている。オレはそのリズムを早めて三浦の尻を掴んだまま動かした。

股間をしっかり開いたまま三浦はオレのモノを穴の奥深くまで咥えて動物的な声を上げていた。そして・・・

三浦
「あーーーあーーーあーーー」

三浦は絶頂に達した。

オレは三浦の体を降ろし四つ這いにさせた。腰を持って尻から乗りかかった。三浦の穴は待っていたようにオレのモノを咥えて穴の奥深くまで飲み込んだ。

三浦
「あぅーーー」

腰を持って奥に入れたままオレは小刻みに三浦の腰を動かして自分も動いた。

三浦
「あぅーあーーーあーーーあーーーー」

そのまま三浦はいった。穴の奥が少し緩み熱いものが溢れた。オレはゆっくりと尻から降りた。

そしてベッドヘッドに靠れた。三浦はオレの片脚に脚を絡ませて腰を使いながらまだ小さく声を上げて続けていた。

それが治まったかと思うと三浦は体を起してオレのモノを口にした。そして上体を大きく動かしてオレのモノを出し入れしている指を使い睾丸を刺激しその裏側を指で責めながらオレのモノを責める。脳に火花が散り始めて徐々に大きくなりそれは大きな快感と共にはじけた。

オレ
「うっあーーーあーーーーあーーーー」

オレの腰は動き三浦の口の中に深く入りながら精液を放出させた。三浦はようやくスピードを緩めて口からオレのモノを離した。そして指で絞りとるようにしてオレの先端の穴を強く吸った。そうしながらもオレのモノに顔を擦りつけたりしてなかなかそこから離れなかった。

オレは三浦の上体をひっぱって離した。

ベッドから降りて、冷蔵庫からバドの缶を取り出した。プルトップを引いて喉を鳴らして半分ほど一気に飲んだ。

オレはベッドに戻りそれを三浦に渡した。三浦は体を起してそれを受け取って飲んだ。オレはその隣に入った。

オレ
「した後すぐに口でいかせるのはしんどいだろうに・・・」

「それが出来るのは理恵だけだと思ってたけど」

三浦
「しんどくありません。その後が喜びでいっぱいになりますから」

オレは三浦にキスをした。ビールを飲んだせいで舌は冷たかったがオレの匂いがいっぱいするその口が愛おしかった。

オレ
「理恵に教えられたのか?」

三浦
「・・・はい」

オレ
「そんな事されたら・・・お前を離せなくなるじゃないか」

三浦
「はい。傍に置いて下さい^^」

オレはもう1度キスをしたそして抱き合ってそのままそこで寝た。三浦はオレのモノを手で掴んだまま眠った。まるで理恵だった。

三浦はギャラクシーのオンナだった。


▼4月26日・・・


間島が帰った事でまたオレはロフトの生活が始まった。そして荷物の整理を徐々に始めた。3年間のニューヨーク生活で壁一面には相当量の本が詰まった。これらはすべて日本に送付するつもりだった。

約束通り紗也乃と二人でマンハッタンでデートをし、それを源に写真とビデオで撮ってもらった。

今回は濃厚なシーンが多かった。オレたちはふたりだけで収録したビデオを見た。オレは後悔した。もう少し大胆なラブシーンを演じれば良かったと思った。

写真は源が現像する。それは別に問題はない(笑)

1F、ブライトンカフェ


「ムーさんは卒業と同時に移動されるんですよね?」

オレ
「ああ。そうだ」


「次は東京と伺ってますが?」

オレ
「うん。東京で仕事だ(笑)」


「オレはここに居ていいんでしょうか?」

オレ
「来月は大きな人の移動がある。」

「遠山と市橋はサーフォークへ完全移動する」

「紗也乃と三浦がここを出て、次の任地へ行く」

「変わりに新しいスタッフがこっちにやってくる」

「マンガク3もオープンするので田川らは店を中心に目が行きがちだ」

「このmar'sBLGをお前に見てもらいたい」


「はいっ!」

オレ
「オレが居なくなった後の新しいmar'sNYをつくるのはお前らなんだから^^」


「了解です」

オレはコーヒーを飲みながら向かいのビルを見た。同じような規模のビル。1、2階はオフィスでその上はアパートになっている。このあたりはそんな建物が多かった。

オレ
「ほんとはオレももう少し居たいんだけどな」


「はぁ〜」

オレ
「なかなかそうもいかなくて」


「ムーさんでも思うようにいかない事があるんですか?」

オレ
「ははは^^思うようにいかない事だらけだ(笑)」


「えっ!うっそでしょう!?」

オレ
「別にウソは言ってないぜ」


「だって、ムーさんが社長なんですから、ムーさんの希望通りにできるじゃないですか?」

オレ
「関わってくる人間が多くなると、自分の事だけ考えていられなくなるんだ」

「ニューヨークでの生活は最後の我侭だったかも知れない(笑)」

「これでなかなか苦労してるんだぜ」


「そーですか」

来月には「マンガク3」がオープンする。そして紗也乃がサンタモニカへ行き、三浦がフランスへ行く。遠山と市橋はサーフォークの方へ完全に移動する。ここに残るのは四方とヒロミ、源、田川と山城スタッフ達。あとは留学生達だった。

オレの卒業と同時に大きく人が動く。

オレのニューヨークは終わりが近づいていた。


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