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あばれ太鼓


坂本冬美:「あばれ太鼓・無法一代入り」

いやー演歌のコンサート面白そうだなー^^「後ろのお客様お二階のお客様もお願いします」ってサイコーだ!


1986年5月PART2


▼5月25日・・・


岩崎
「という訳で一心会の田所会長の強い希望で、改選理事の人数を大幅に増員してはどうかと」

石本
「そんな役職ばかりつくっても飾りにしかならないだろう?」

大島
「連合の中にあって忠誠心を高く持つためにもそういった役職は必要だという意見も多いようです」


「次の会合でもう1度相談した後、再度会長の決済をと」

石本
「どう思う?兄弟」

オレ
「今会長が亡くなったら・・・次は誰です?」

岩崎
「なっ何を言い出すんですか!」

大島
「そーですよ!縁起でもない!」


「話が飛躍し過ぎてます」

S会本部の会長室、そこに集まったのはS会S組の代貸、岩崎。S組系列の組のそれぞれの組長だった。そしてその席にオレと純子は呼ばれた。

石本
「オレが今死んだら、暫定的に・・・一心会の田所だろう」

オレ
「じゃーそのままで決まってしまいますね」

「この先、何年、何十年して会長が引退したら、その後は?」

石本
「むろん。この岩崎だ」

オレ
「理事の数を増やして傘下の組に喜ばれる。そういうご機嫌取りを田所さんは何故?」

岩崎
「それは連合として以前からあった議題ですし、何も田所さんが急に言い出した訳でもありませんから」

オレ
「じゃー今こうして寄り集まって何を懸念してるんだろう?」

大島
「それはあくまでも連合の将来を考えて、今そうすべきかどうかを会長のご判断を頂くために・・・」

オレ
「理事会の決定を会長が認めなかったらどうなります」

岩崎
「それはありません。そのために事前に会長には状況を説明して、もし反対であるならば、理事会でそういう方向で結論付けますから」

オレ
「会長が認めなかったらどうなるって聞いてるんだけど、これまでそういう事がなかったと言う事だな?」

岩崎
「そうですね」

オレ
「それじゃー逆に何がなんでも理事会で決定してしまえば、会長は文句を言えないって訳だな?」

大島
「そっそれは・・・」

オレ
「拒否権は行使できるが、それをした瞬間に理事らの気持ちが離れると?」

石本
「そういう事だ(笑)」

オレ
「極道が民主主義ですか?(笑)面白いなー」


「それはそれでメリットも大きいんですよムトーさん」

オレ
「ほー^^黒いモノが白だと言われても「はい」というのが親分、子分の世界でメリットですか?」


「それは一家の話でしょう。連合は・・・」

オレ
「連合って何です?仲良しクラブですか?(笑)」

「理事は会長の子分じゃないんですか?」

「そうでないならそうすべきですね」

「そうすれば、会長に何かあった時はいつでも代貸が次の親分だ」

「一家一門とはそういうものでしょう?」

岩崎
「それはあくまでも西の方の考え方であって・・・」

オレ
「組織論に西も東もない」

「S会は連合じゃなくてS会そのものにする」

「そうすれば理事は子分だから、どんどん理事を増やす事も問題なくなる」

「岩崎さん。次の理事会で緊急動議をかけてしまいましょう」

「もちろんそれまでに十分根回しをして、一気に決着をつける」

「いかがです?」

石本
「ふむっ。多少の軋轢はこの際やむを得ないな」

「岩崎。やれるか?」

岩崎
「・・・はい」

大島
「下手をしたら神戸の二の舞になるかも知れない」

オレ
「組織が割れるとでも?なりませんよ(笑)それになったとしてもすぐに収束します」

石本
「何か考えがあるのか?」

オレ
「何も(笑)逆らうやつは、ただ力でねじ伏せるっ!それだけです」

石本
「あははは^^」

オレ
「じゃーオレはこれで」

そう言ってオレは会長室を出た。表のドアの前にいた黒服に先導されるようにして、EVに乗り1階に下りた。そしてそこで待たされた。

男が近づいてきた。

岩崎
「叔父貴。すみません。少しだけお時間をいただけませんか?」

オレ
「・・・いいよ」

岩崎
「じゃ表の車でご一緒に」

オレ
「オッケー」

岩崎と本部ビルを出ると目の前に黒塗りのベンツが止まっていた。両脇には10数人のボディーガードを兼ねた見送りがあった。そしてベンツに乗り込み目的地に向かった。

案内された料亭はこの間、純子に連れてこられた深川の料亭だった。きっとS会の自由にできるところなのだろう。

二間続きの広い和室に通された。奥の方の中央に大きなテーブルが置かれ、オレはその正面に座らされた。

女将らしき美人が挨拶に来た。同時に酒の用意がされ女将は下がった。オレと岩崎の二人っきりになった。

オレ達は軽くグラスを合わせてビールを口にした。

岩崎
「ありがとうございました」

オレ
「彼らもここに?」

岩崎
「はい。終わったら来るように事前に言ってますから」

オレ
「そう」

岩崎
「彼らには私から話します。もちろん詳しいことは言いません」

オレ
「この料亭は?」

岩崎
「はい。うちの系列会社のモノになってますが、実質的には会長が利用されてます」

オレ
「さっきの美人女将も?」

岩崎
「はい^^」

オレ
「羨ましいなー(笑)」

暫くそんな他愛のない話をしていた。外から声がかかりさっきの男たちがやってきた。すでに会長室で紹介されていたので、彼らはそのままオレの正面に座った。

そして女将がビールを注いだ。オレ達はもう1度グラスを合わせてカンパイした。女将はそれを見届けるようにして下がった。

岩崎
「今日は叔父貴、あらためてありがとうございました」

オレ
「その叔父貴ってのは・・・どうもなー」

岩崎
「それじゃー兄貴って呼ばせてもらいましょうか?」

オレ
「なんでそうなるの?」

岩崎
「石井と私は5分の兄弟ですから、その兄貴分は回り兄弟の兄貴分になりますから」

オレ
「困ったなー」

大島
「私らもどう呼ばせていいか?何でも言ってください」

オレ
「オレから言うのも何なんだけど、じゃームーさんって呼んでくれる?」

金崎
「えっそう呼んでいいんですか?なんか気安いような・・・」

オレ
「すみませんが、それでお願いします(笑)」

岩崎
「それでは遠慮なくムーさん。今後ともよろしくお願いします」

大島
「私らもよろしくお願いします」

金崎
「あらためて、よろしくお願いします」

オレ
「こちらこそ、どうぞよろしく^^」

そしてやはり話題はさっきの一家一門の話になり、当然反対すると見られている相手に対して、いくつかの対策を協議した。

大島
「懸念は、反対派が今の連合を抜けて、よその組織に入るとやっかいです」

オレ
「へっそんな事が簡単に出来るんですか?」


「簡単ではありませんが一心会のようにそこそこ力のある組なら、それを迎え入れたいと言う団体はありますから」

オレ
「過去にもそんな例があるんですか?普通なら破門でしょう?それでも受け入れるところがあるとしたらそれはもうケンカになっても仕方がない」

岩崎
「過去にも例があるんですが、組織同士の話し合いで結果的に認める形になりました」

オレ
「バカなっ!今度もそうなる可能性があると言うんですか?」

岩崎
「下手をすればそうなります」

オレ
「ふむ。じゃー具体的にどんな戦略で考えてます?」

岩崎
「とりあえず一心会の代貸しは私と兄弟なので、話をします」

オレ
「そこの上が納得しなければ?」

岩崎
「粘り強く説得しながら追従する組を大島や金が切り崩していきます」

オレ
「・・・」

大島
「ムーさんは他に何かお考えがあるんでしょうか?」

オレ
「具体的に一心会を拾う組があるとすれば何処ですか?」

岩崎
「東征会か、もしかしたら横浜のI会でしょう」

オレ
「岩崎さんはどちらにもパイプはお持ちでしょう?先に交渉するつもりですか?」

岩崎
「やむを得ない場合は・・・」

オレ
「わかりました。じゃー一心会の田所さんをオレに紹介してもらえませんか?」

大島
「まさかムーさんがこの件で話合うつもりですか?」

金崎
「それは止めた方がいい。火に油になりかねません」

オレ
「何故です?」

大島
「それでなくても西と杯を交わした岩崎さんを非難している相手ですよ」

「もっとも石本会長がムーさんと杯交わしたので、その事をおおっぴらには言わなくなりましたが、極めて心証が悪いです」

オレ
「オレが行ったら出来る話しも出来なくなると?」

大島
「はい」

金崎
「まずマチガイありません」

オレ
「そう言われると天邪鬼だから行きたくなるんだよなー(笑)」

岩崎
「本気ですか?」

オレ
「あははは^^オレ冗談嫌いなんだ」

「さっそくアポとってくれないかなー?」

「ご挨拶に伺いたいと言ってるって(笑)」

大島&金崎
「・・・」

岩崎
「わかりました」


翌日・・・


品川の一心会本部ビルを松井と二人で訪れた。インターフォンを押し名前を名乗るとすぐに招き入れられた。

ビルに入ると1階と2階が吹き抜けになっていてちょっとクラシックな趣のあるデザインだった。それにそぐわない男たちが複数いた。

オレはひとりの男に案内されてEVに乗った。5階まであるランプの5階が点灯した。EVを降りて明るい廊下を歩き、突き当りのドアの前で立ち止まった。そこにも2名の男が居た。

ドアがすぐに開きそのまま中へ案内された。広い会議室になっている隣のドアを男がノックした。

男1
「お客様がお見えになりました」

男がそう言うとドアが開いた。オレは松井にここで待つよう言った。松井は少し睨むようにオレを見たが、何もいわずその場に残った。オレはひとりで中に入った。まるで商社の重役室のような部屋だった。

ふかふかの絨毯が敷き詰められ、皮製の大きなソファセットが置かれていた。そしてその反対側には大きな木製のデスク。その向こうに50台後半と思える男が座っていた。

男1
「どうぞこちらへ」

オレはソファに案内され座るように即されたが、ソファのところで立ったまま待った。そしてデスクの向こうに居る男を見ていた。

田所
「わざわざお出向き頂いて恐縮です」

男はデスクを回りソファの方へやってきた。

田所
「どうぞ^^おかけください」

男もソファへ座る気配を見せた。オレは立ったまま応えた。

オレ
「お忙しいところ突然お邪魔する事になって申し訳ございません」

「ムトー。ムトーユーイチと申します。」

田所
「田所です。どうぞおかけください」

オレは手を出した。男はちょっと戸惑ったようだが同じように手を出してオレ達は握手をした。そしてオレはソファに座った。男が失礼します。と言ってテーブルの前にお茶を置いた。

田所
「いやーお噂には聞いていましたが、これほど若くてハンサムな方だとは思いもよりませんでした」

オレ
「クラシックな感じでいい建物ですね^^」

田所
「そうですか?ある繊維会社の持ち物だったんですが、縁がありまして譲り受けた次第でほとんどそのまま使ってます」

オレ
「そーでしたか。まるで何処かの商社にでも来た気分ですよ^^」

田所
「西にも結構こういうビルは多いんじゃないですか?特に神戸は」

オレ
「そうですね。旧居留地にはまだまだたくさん残ってます」

田所
「そういう観光でも有名な街には早く平和が戻って欲しいものだ」

オレ
「まったくです」

男は目の前のお茶の蓋を開けて、それを手にして飲んだ。オレは手をつけなかった。

オレ
「実は今日は折り入ってご相談があって参りました」

田所
「ほう。私にですか?」

オレ
「ええ。S会の実力者である一心会の田所会長に是非お願いがありまして」

田所
「S会、石本会長と5分の杯を交わしたムトーさんのお話・・・伺いましょう」

オレたちは正面からお互いを見合った。

オレ
「実は、今度のS会連合の理事会で、理事を増やすのを保留していただければと思ってお願いに上がりました」

田所
「ほー理事会の案件をあなたが私に諦めろとおっしゃる訳ですか?」

オレ
「そうです」

田所
「申し訳ないがムトーさん。石本会長と5分の兄弟と言う事で、私は大抵の事なら喜んでお力になるつもりですが・・・この件はS会の意思決定機関の話で私ひとりの存念でお答えするわけにはいかんのですよ」

オレ
「ありがとうございます。田所会長のおっしゃる通りです」

田所
「ご理解いただけましたか^^」

オレ
「はい。わかった上で再度お願いいたします。この件、断念して頂きたいのです」

田所
「・・・」

男の目つきが変わった。それまで笑みを浮かべていた表情から笑みが消え、冷たい目でオレを見ていた。

田所
「若造・・・ワシを舐めてるのか?」

オレ
「いえ。あくまでもお願いなんですけど?」

「舐めてたら会いに来ません」

「組員1500人。このあたりじゃ名門じゃないですか?」

田所
「どこまで惚けてるんだ?」

オレ
「東征会やI会に行ってもまたそこである程度苦労しないと目が出ませんし、入ってしまうと外様ですからなかなか思うように行かないでしょう」

田所
「キサマ・・・」

オレ
「今の理事で一心会さんについていくところはありません」

「それに、もう理事職なんて意味をなさなくなるんです」

田所
「・・・」

オレ
「この先の話は、他の理事はまだ誰も知りません」

「私は田所さんにまず話して一番に理解を得たいと思ってます」

「ですが、聞いた以上はご協力いただけないと困ったことになります」

田所
「どう見てもただの若造にしか見えないんだが・・・」

「あんた西でも相当な実力者なんだってな?」

「こっちでヒットマンに狙われながらもそれを見事に切り抜けたとか?」

オレ
「私に興味がおありなら、いつでも朝まで飲みましょう^^」

「でもこの話は時間がないんです」

「ご協力いただければ・・・恩に着ます」

田所
「オレは博徒なんだ。賭けをしないか?」

「オレが勝ったら、あんたはこの件から一切手を引く」

「あんたが勝ったら・・・あんたの希望を聞く」

オレ
「・・・わかりました」

田所
「おいサイコロを持って来い」


「はい」

デスクの横に立っていた男が棚から何かを持ってきた。皮製の坪に、ケースに入ったサイコロ・・・


「勝負は1回だ」

「オレがつぼを振る。丁か半かで決めよう」

オレ
「いいでしょう」


「真剣勝負だ。確かめるか?」

オレ
「いえ」


「じゃー行くぞ!」

男は鮮やかな手つきで指に挟んだサイコロを両手が交差した瞬間に壷に入れた。そして一瞬のうちにそれを目の前の木製のテーブルに置いた。そしてスーと前に出した。

その間瞬きもせずオレの目を見ていた。オレはボォーと弛緩した表情と目つきでそれを見ていた。


「さーどっちだ?」

オレ
「半」

男は手にしたままの壷をゆっくりと取り払った。サイコロの目が明確に見えた。


「5と2の「半」・・・」

「キサマの勝ちだ」

オレ
「ありがとうございました」

田所氏は男を呼び、サイコロを片付けさせた。そして大きくひとつため息をつきオレを見た。


「ここ1番の勝負では負けたことなかったんだがな(笑)」

オレ
「(笑)」


「もういいふたりだけで話すから・・・」

田所氏がそう言うとさっきの男が部屋から出て行った。そしてふたりっきりになった。オレは来週の理事会で、新しい議題が出される事を話した。田所氏は特に驚いた様子もなく黙って聞いていた。

オレはお願いした。

オレ
「田所さんが真っ先に賛成してもらえますか?」


「・・・わかった」

オレ
「ありがとうございます」


「オレはその後どうなる?」

オレ
「これまで通り、S会のナンバー2として活躍して貰います」


「信用していいんだな?」

オレ
「はい」

「それが終わったらゆっくり飲みましょう^^」


「ふんっ若造のくせに(笑)」

オレは立ち上がってお礼を言って部屋を出た。そこにはオレを案内してきた男とさっきまで奥の部屋に居た男、そして松井の3人だけが居た。オレたちは来たときと同じように、その男に先導されてビルを出た。

松井
「穏やかな話し合いで終わったんですね?」

オレ
「ああ。結構面白いオッサンだった」

松井
「どうぞ車待機させてますから」

オレ
「ん?」

ビルを出たすぐ先にベンツが2台停まっていた。オレたちが近づく前に後部ドアが開いて男が出てきた。

帯刀
「お疲れ様です」

オレ
「ああ」

オレは隣の松井を見た。松井は顔を車の方に向けた。

松井
「長居は無用です。早く乗ってください」

オレ
「ああ」

オレたちはベンツに乗った。そして2台のベンツはすぐに走りだした。


▼12時・・・赤坂「桜井」はなれ


帯刀
「すみません。昨夜、岩崎さんから連絡を貰って先に行って待機してました」

オレ
「当然松井は知ってたんだな?」

松井
「はい^^帯刀さんから連絡を貰いましたから」

オレ
「あっそう」

オレはビールを飲みながら昼食をとった。一緒に来ていた帯刀のところの連中もはなれの向こう側の部屋で昼食をとってもらっていた。

帯刀
「まーその辺りはムーさんは知らないでいいと思いますので、これからも気にしないで下さい」

オレ
「わざわざ悪かったな」

帯刀
「いえ。別に小競り合いがあったわけでもありませんし」

「見回りの若いヤツがエラソーに文句言ってましたけど」

「ムトー組だと言ったらすぐに引き返しました」

オレ
「えっムトー組?」

帯刀
「石井組と言ってもわからないでしょうし、ムーさんの名前ならこっちでも通ってますから、とっさにそれが出てしまいました。すみません」

松井
「他に説明のしようがないですよね(笑)銀座のムトーは夜の通り名だし」

「相手もムトー組って言われてすぐわかったんでしょう?」

帯刀
「なんか中堅どころが後で挨拶に来ましたよ(笑)」

オレ
「あっそう。。。」

オレは帯刀から神戸の話を聞き、あまり進展していないことに落胆した。そして帯刀は30分ほど居て帰った。

松井
「ムーさん。教えてくださいよ」

オレ
「ん?」

松井
「一体に何がどうなってるんですか?」

オレ
「長い話になるんだけどなー」

松井
「いいですよ!しっかりと最後まで聞かせてもらいますから」

オレは一連の経緯をかいつまんで話した。もっとも純子ママの龍を起こした話は割愛した。いずれそれも松井には明かす時があるだろうが、今はまだ理恵や洋子に知られたくないので黙っていた。


▼20時・・・赤坂「桜井」桔梗の間


大島
「本当ですか?信じられないなー(笑)」

金崎
「昨日の今日ですよ!これで一気に解決じゃないですか」

岩崎
「じゃー一心会に同調しているところにも岩崎さんが先に根回しを?」

オレ
「いや、一切それをしない約束をしてもらった」

「ぎりぎりまで秘密で行く」

「だからこっちも余計な工作はいっさいしない」

大島
「じゃー理事会で即決で?」

金崎
「一心会が賛成すれば・・・他所も否応なく賛成するでしょう」

岩崎
「どんでん返しはないですよね?」

オレ
「もしそうなったら・・・会長に侘びを入れた上で、そいつらを即日破門にしてもらう」

「そしてもしI会が割って入ってきても・・・こっちでなんとかします」

大島
「I会と親戚づきあいとしている西の組の圧力をかけるということですか?」

オレ
「基本的には私が直接話しに行くつもりですが、それでもダメでしたら西の組にも応援してもらいます」


「万全ですね」

岩崎
「ムーさん。ありがとうございました」

オレ
「この事は来週の理事会が終わるまで誰にも漏らさないようにしてください」

「もちろん石本会長にも・・・聞かれたら曖昧に答えておいてください」

オレはそれでその話を打ち切った。そしてその場をそれでお開きとした。


▼22時・・・銀座ショット・バー「バモス」


マスター
「いらっしゃいませ」

オレ
「バーボンを」

マスター
「はい^^」

マスターの後ろの棚からワイルド・ターキーが取り出された。オレは店内を見渡した。他にカウンターには2人座っているだけだった。

オレの前にロックグラスに入ったワイルド・ターキーが置かれた。きれいな氷がひとつ入っていた。オレはグラスを持ちそれを口にした。

今日は気が重い1日だった。女の機嫌をとる気にもならなかった。ひとりでボーと飲むにはここがいいと思ったが・・・

ドアの下のガラスが鳴る音がした。女が入ってきてオレの隣に座った。

麻美
「慌てて来ちゃった^^」

オレ
「ども」

麻美
「マスター私もターキーのロックを^^」

マスター
「かしこまりました^^」

麻美
「忙しくしてらっしゃったんですか?」

オレ
「ええ。本来の仕事とは関係ないことばかりに振り回されて・・・」

そうだった。この店にくればこうなるんだった。もうならないかと思っていたが、どうやらここのマスターは麻美ママを特別扱いしているようだった。

麻美
「すみません。押しかけて来てしまって」

オレ
「いえ。どうせひとりで退屈しながら飲んでましたから」

麻美
「ムトーさんは、女性の居るお店はあまり行かれないんですか?」

オレ
「そうですね。まだ若造ですから銀座のクラブって柄じゃないし」

「普段はやっぱり六本木ですね」

麻美
「そうなんだ?じゃー銀座はお仕事で?」

オレ
「えっ?」

麻美
「だって『銀座のムトー』さんなんでしょう?」

オレ
「ははは^^アレは口からでまかせを言ったまでで、言ってしまったらそうなってしまっただけです」

麻美
「じゃー六本木のムトーでも良かったんですか?^^」

オレ
「そうですね(笑)」

オレはバーボンを飲んだ。カウンターにはいつの間にかチェイサーが置かれていた。

麻美
「よかったら、うちの店で飲んでくださいませんか?」

オレ
「うん。じゃー」

オレは立ち上がった。そして金を払って店を出た。麻美ママと一緒に隣のビルに行き5階のクラブ「皐月」に入った。

ボックス席を薦められたがオレはカウンターをリクエストした。ママは隣に座った。

麻美
「カウンターが好きなんですね?」

オレ
「うん」

麻美
「たくさんの女性が付くのがお嫌いなのかしら?」

オレ
「さー?(笑)」

ウエイターがブランデーのセットを持ってきた。ママはそれで水割りを2つ作った。そしてオレの前に置いた。

グラスを軽く合わせてオレはそれを飲んだ。

店内のボックス席は半分以上埋まっていた。それぞれにホステスが2名以上ついていた。カウンターにも3人の客がいた。どの客もそれなりの年齢層だった。

麻美
「ここをバモスのように使って下さい^^」

オレ
「えっ?」

麻美
「おひとりで、静かに飲んでもらっても構いませんし、できたらこうして私とふたりで飲んでくれたら嬉しいんですけど」

オレ
「あのマスターは、ママの親戚?」

麻美
「あら・・・わかっちゃいました?叔父なんです」

「でもどうして?」

オレ
「オレが来たら連絡を入れる。普通はそんな事頼まれてもしないでしょう」

「ただのバーテンダーにも見えないし、引退した警官かヤクザじゃない?」

麻美
「20年前にやくざをやめてあの店を始めたんです」

「叔父の反対を押し切って私は20歳でホステスになりました」

「それからは色んな形で助けてもらってます」

オレ
「そう^^」

麻美
「でもよくわかりましたね?お調べになったんですか?」

オレ
「残念ながら忙しくて(笑)」

「じゃー逆にオレの事はあのマスターは調べて教えてくれたでしょう?」

麻美
「はい。『銀座のムトー』年齢は30歳ぐらいで優男。絶対にこの男と揉めるな!関わったらすぐに本部に連絡を入れる事、怠った場合は処罰する」

「そんな通達が出ていると聞きました。」

オレ
「あははは^^傑作だなー(笑)」

麻美
「それ以上の事はわからない。って言われました」

「どう理解したらいいんでしょう?」

オレ
「ずっとそうだったら良かったのに」

麻美
「ユーちゃん。やくざなの?」

オレ
「慣れなれしいなー(ーー;)」

麻美
「だって、『バモスに居た女、オレの女なんだ』って言ったんでしょう?」

オレ
「あはっ!それもバレてるのか?^^」

麻美
「一部始終を見ていたママとホステスの話を何回も聞きましたから^^」

オレは水割りを飲んだ。ママはお替りを注いでくれた。

麻美
「逆にその友人のママからすごく羨ましがられたわ^^」

「あんなに若くてイイオトコと付き合ってるなんて!って(笑)」

オレ
「あっそう。。。」

麻美
「ソレなのにたった2回しか会えてないっ!それもマスターから連絡がなかったら会えていなかったのよ!(笑)」

オレ
「ははは・・・」

ホステスがひとりやってきた。そしてママに囁いた。表情が曇った。

オレ
「じゃーオレはそろそろ」

麻美
「待って。もう少しで終わりますから」

そう言ってママはそのホステスと小声で話してからボックス席の方へ移った。


「瑠璃子と申します^^」

オレ
「ムトーです。ママを独り占めにしてすみませんねー^^」


「いいえ。あのお客さん方が少し酔ってて」

オレ
「そう」

オレはそっちをちらっと見た。身なりはちゃんとしているが、その様子はやはり崩れていた。

ひとりの男と目が合った。オレは関心がなかった。背後から近づいて来る気配がした。オレは立ち上がった。

オレ
「どうもごちそうさま^^また来るよ」


「おやおやママの若いツバメさんは先にお帰りか?まー一杯飲んでくれよ」

オレは振り向いて男を見た。身長はオレと同じぐらいで、体格は良かった。もしかしたら何かをやってたかも知れない。

オレ
「残念だけど、ビールは嫌いなんだ」

オレは男を押しのけるようにして前に出た。


「痛てーなー!人が親切に一杯奢ろうと言うのに突き飛ばしたな?」

オレ
「・・・」


「優男がいいかっこしようとすると怪我するぞ!」

麻美ママがこっちにやってきた。

麻美
「橋下さん。酔ってらっしゃるのね?向こうで飲みましょう^^」


「こいつ!生意気な目をしてるんだよ」

「オレにケンカ売ってるんだ」

「相手してやろうと思ってな?(笑)」

麻美
「誤解ですよ^^さー行きましょう」

ママはその男を連れて行こうとしたが男は動かなかった。


「よーお前オレを突き飛ばしたらだろう!謝れよ」

オレ
「・・・すみませんでしたね」


「こいつっやっぱりオレを舐めてるな?表へ出ろ」

オレ
「ここは銀座だぜ!」


「若造がエラソーに(笑)外へ出ろっ!」

麻美
「橋下さん。いいかげんにしてくださいよ」

「それ以上言うと警察呼びますよ」


「ママ。オレたち普通の人間じゃないんだ」

「そんな事したらこの店どうなるか知らないぜ(笑)」

オレ
「オッケー^^いいだろう。付き合ってやるよ」

麻美
「ムトーさん。ダメです」


「よしっ!教えてやるよ(笑)外へ出ろ!」

オレは先に外へ出ようとした。ママが間に入って止めようとした。それ以上絡むと危険だった。

オレ
「麻美。どいてろ!」

麻美
「ダメです」

3人で来ているうちのもうひとりの男がやってきた。

男2
「おい。橋下やめろ」


「うるせーただのケンカだ。好きにさせろ!」

男2
「あんた。ムトーって言ったか?」

オレ
「さー知らないなー」

麻美
「そうよっ!この人は『銀座のムトー』よ」

男2
「・・・」


「何が『銀座のムトー』だっ!ふざけやがって」

そう言ったかと思うと男はオレの胸倉をすばやく掴んだ。オレはその男の片手で体ごと引っ張られた。

オレ
「どけ!麻美」

男の太い首、胸倉を掴んだ力、オレは躊躇なく指先に力を入れて相手の両目を狙った。

男は「ぎゃっ」という声を上げてオレを離して顔を覆った。

男2
「ひでー事しやがるなっ」

オレ
「黙って金を払って帰った方がいいんじゃないか?」

男3
「おいおいなんだ?おい橋下大丈夫か?」

男2
「このまま帰れねーな」

「市田、電話しろ」

「こいつに落とし前つけてもらう」

麻美
「シローちゃん警察に電話して!」

オレ
「警察は呼ぶなっ」

「麻美。他のお客さんをケアしろ」

「言う事を聞かないバカ女は捨てるぞ!!!」

麻美
「・・・はい」

オレ
「おいお前!こいつを病院に連れて行け」


「うるせーんだよ」

オレ
「こいつの目が見えなくなってもいいのか?時間との勝負だぞ」

「もうひとりの男とオレはここに居てやる。お前らの応援が来るまでな(笑)」

男3
「本部には電話入れました。すぐに来てくれるそうです」

男2
「市田。お前が橋下を連れてタクシーに乗せろ」


「うぉぉぉ」

目を押さえていた男がかまわず暴れだした。オレは下がった。男たちが暴れるのを止めようとしていた。

オレはそばにあったボトルを掴んで近寄った。男が背を向けた時に後頭部を手加減してそれで殴った。男はゆっくりと崩れるように倒れた。

男2
「このヤローもう勘弁できないぞ」

麻美は他の客を帰らせていた。

オレ
「もう遅い」

オレは距離を置いてそいつらと対峙していた。そして、オレは怯えるホステスたちに声をかけた。

オレ
「大丈夫だから心配しないで^^向こうの席で座ってて(笑)」

「後でみんなで「ごはん」行こう^^なんでもオレが奢るから」

「余興だと思って笑って見てて^^」

男2
「ははは^^どこまで惚けたヤローなんだ(笑)」

「さんざん泣かせてやるから覚悟しろ」

ドアが開いて、数人の男たちが荒々しく入ってきた。

男2
「どうも^^高田開発の下山です。S会飯山の系列です」

男4
「それで?」

男2
「この通り無茶やられまして、この若造です」

男4
「ほうーこんな若いの一人にやられたのか?」

オレ
「お宅らは何処の組ですか?」

男4
「あー何処だと?ここは銀座だ。S会に決まってる。それより・・・」

「あっあんた・・・もしかして」

オレ
「ムトーって言うんですけどね」

男4
「・・・銀座のムトーさん。ですかっ!」

オレ
「ああ。こいつらジュンコーですか?」

男4
「あっはい!」

オレ
「オレの事は知ってますか?」

男4
「はい。存じ上げてます。先日、本部でお見送りさせていただきました。」

オレ
「このバカヤローを病院へ」

「それからこいつらにはもうここへ来ないように」

「この店には迷惑料を払って謝ってくれたらそれでいいから」

男4
「はい。とりあえず今日のところはそうさせて頂きます」

「後ほど、上の方からあらためてご連絡させていただきますので」

「申し訳ありません。失礼します」

オレ
「ホステスたちが怖がってるからさっさと連れて行ってくれ」

男2
「なっ何なんだよ」

「本当なのか『銀座のムトー』って・・・」

男4
「お前ら・・・大変な事をしてくれたな?」

「おいこいつら連れて行け!」

そう言って応援に来た男達は、強引にそいつらを連れて行った。

男4
「失礼しますっ!」

最後の男も出て行った。そして店の中は従業員だけになった。

オレ
「シローちゃん♪ビールくれる?喉渇いちゃった(笑)」

シロー
「はっはい」

麻美
「ムトーさん。ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」

麻美は泣きそうな顔をしてオレに頭を下げて謝った。

オレ
「ああ言うハンパなやつが一番手に負えないな(笑)」

「それより女の子たちが怖がってるだろう?大丈夫か?」

麻美
「大丈夫です。みんなもう笑って見てますから」

オレは店内を見渡した。一塊の女たちはすでに分散している。そのほとんどがこっちを見て笑顔を見せた。オレはそこへ近づいた。

オレ
「お騒がせしてごめんねっ^^」

「早く帰りたい人はもう帰っていいから」

女1
「あのーさっきの「ごはん」のお約束は?^^」

オレ
「うん。時間のいいひとは一緒に行こう^^」

女1
「はぁ〜〜〜いっ」

麻美
「ムトーさん。。。」

ウエイターのシローが大き目のグラスに入ったビールを持って来てくれた。オレはそれを一気に半分ほど飲んだ。

オレ
「ははは^^じゃー行くか?(笑)」

オレはタクシーに分散して「桜井」に連れて行った。結局麻美の他に6人のホステスとウエイターが1人。桔梗の間に入った。

麻美
「こんな時間に料亭で大丈夫なんですか?」

オレ
「ああ。さっき女将にお願いしてきた」

女1
「赤坂の料亭なんて初めてです^^」

女2
「うん。こんなところがあるなんてなんか不思議」

麻美
「あなた達もう遅いのよお庭に出ないのっ」

オレ
「あははは^^いいじゃない。怖い思いした後なんだから」

麻美
「だって」

廊下から声がかかった。女たちは慌ててテーブルの前に座った。紗也乃が入ってきて、女将の挨拶をした。麻美が遅くに来たことを詫びるように挨拶をしていた。そして酒と料理が運ばれてきた。

ビールが注がれ、全員で乾杯した。

麻美
「ムトーさん。本当に今日はありがとうございました」

オレ
「いや、店の中で暴れて申し訳ない。他のお客さんにも迷惑かけて」

瑠璃子
「今日来ていらしたお客さんにはしっかり私達が営業して取り戻しますから^^」

オレ
「うん。なんとか今回のダメージを回復できるように頑張ってくれるとオレもほっとする」

女2
「でもムトーさん。かっこ良かったわー^^」

女3
「麻美!どいてろーって、ほんと痺れちゃった」

女4
「あんな風に言ってもらえたらもうダメーって感じですよ」

女5
「極めつけは・・・ほらっ」

「言う事聞かない女は捨てるとかなんとか^^」

留美子
「違うわ!正確には」

「言う事聞かないバカ女は捨てるぞー!よ(笑)」

オレ
「あははは^^ちょっと調子に乗って言ってしまって(笑)」

麻美
「あなた達、変な事ばっかり覚えてるのねっ!」

「これででもバレちゃったわね^^私の恋人のムトーさんよ」

「あなた達、絶対誘惑しないのよ(笑)」

オレ
「へっ?なんで?」

留美子
「あら?ムトーさんはそう思ってないのかしら?」

女1
「ママ。全然そんな気配なかったのになー」

女2
「確か昨日まで私は男なんかいらないのーって言ってたのに」

女3
「うん。絶対におかしい?」

女4
「ムトーさん本当なんですか?^^」

麻美
「ユーちゃんは恥ずかしがりなのよ^^だから秘密にしてただけよ」

オレ
「ははは・・・」

オレはビールを飲んだ。オレの隣に座っている麻美がビールを注いだ。

シロー
「でも、あんなにスマートなケンカ初めて見ました」

女2
「なんだかよくわかりませんでしたけど、後から怖そうな人達が来た時はどうなるかと思いました」

オレ
「たまたま銀座のやくざに知り合いが居て・・・オレの名前を知っててくれたから助かった(笑)」

留美子
「ママが『銀座のムトー』って言ってましたよね?」

「それで通用しちゃうって、なんか映画みたい(笑)」

シロー
「うん。相手もその名前聞いてあんなに態度が変わるなんてその方が吃驚ですよ」

オレ
「まーその話はもう勘弁してくれ^^ほらっしっかり食って(笑)」

留美子
「はぁ〜い^^」

麻美
「これからは何でも言う事聞きますから・・・許して?ユーちゃん♪」

女4
「うわっママ。可愛いぃー♪」

女3
「これは・・・本物だわー^^」

女2
「ママ。いいなー(笑)」

オレ
「ははは・・・」

さんざんそんな話でどうやら大きな動揺もなく、無事に終わったようだった。そしてオレはタクシーを呼んで彼女達を乗せて帰らせた。最後に麻美を乗せようとしたが・・・麻美は乗らなかった。

麻美
「ふたりで帰りましょう^^」

オレ
「どこへ?」

麻美
「私の家へ^^」

オレ
「なんで?」

麻美
「もう少し飲みましょう^^」

オレ
「いや、もう・・・」

麻美
「ユーちゃん。ほんの少しでいいからお願いっ!」

麻美は手を合わせてそう言った。オレはそれが面白くて付き合うことにした。タクシーに乗り込み、麻美が運転手に告げる場所は、やっぱりオレにはわからなかった。

車が止まり、オートロックのマンションに入りEVに乗った。麻美ママはt6階のボタンを押した。オレの腕はしっかりと麻美ママにとられていた。

部屋に入り、オレはソファに座らせられた。麻美ママはブランデーの用意をしてオレの隣に座った。そして水割りを2つつくりグラスを合わせた。

麻美
「もう。店の子たちにもオープンになっちゃったわ^^」

オレ
「はぁ〜」

麻美
「だから覚悟してね^^なんか今日は災いがあったけど、結果的にはすごくいい日になったわ」

オレ
「あっそう。でもオレの事何も知らないだろう?(笑)」

麻美
「うん。でもそんな事、全然関係ないわ^^」

「言う事聞くから、捨てないでー♪」

オレ
「オレは麻美ママの事知らないし」

麻美
「さっきは、麻美っ!って呼んでくれたじゃない」

「そう言ってー^^」

オレ
「いやそれは咄嗟の事だったから(笑)それより結婚してないのか?」

麻美
「はい。離婚暦が1度あります。子供は居ません。その後、何人か付き合いましたけど・・・全部切り捨てました。ここ3年ばかり男っけは一切ありません」

「この部屋に入った男性も店の子以外にはユーちゃんだけです^^」

オレ
「あっそう」

麻美
「ユーちゃんには、たくさん女の人が居そうだけど・・・気にしませんから」

「どうぞよろしくお願いします(笑)」

オレ
「せっかく店のホステスたちと仲良くなれたのになー(笑)」

麻美
「それは、我慢して?私が何でも言う事聞くから^^お願いっ」

オレ
「あははは(笑)」

オレは麻美ママに寝室に誘われた。セミダブルのベッドでオレたちは裸で抱き合いセックスをした。オレは軽く麻美をいかせた後、そのまま眠った。

翌日・・・


▼15時・・・クラブ「皐月」


岩崎
「ムーさん。申し訳ございませんでした」

オレ
「いや、準構成員のところまで回らないのは仕方ないし」

「その後、本部の人間がしっかりやってくれたからオレは感謝してる」

岩崎
「そう言ってもらえると助かります」

大島
「ムーさん。これはこのお店に対してご迷惑をおかけした。お詫びですのでどうぞ」

オレ
「じゃーそれはママの方に」

大島
「早田さん。どうぞお納め下さい」

麻美
「いえ。私はそんな・・・」

オレ
「遠慮なく受け取ればいい。こうして一度出したものは、引っ込められないんだ(笑)」

麻美
「はい。ムトーさんがそうおっしゃられるのなら・・・頂きます」

「岩崎さん。大島さん。お気遣い頂きありがとうございました」

岩崎
「いえ、こちらこそ」

大島
「どうしたしまして」

そして後の事は麻美の前では話さず、岩崎と大島は帰っていった。

オレ
「まっこれで一件落着だな」

麻美
「こんな大金・・・どうぞあなたが持ってて下さい」

オレ
「あいつらいくら持ってきた?」

麻美
「帯をした札が10束あります」

オレ
「1000万か(笑)景気がいいんだな」

「じゃーその金でこの店の改装でもしたらどうだ?」

麻美
「えっ改装?」

オレ
「ぱーっと使うなら店のために使ってしまえ(笑)」

麻美
「あはっ!いいの?」

「そっかー改装かーうん。そうさせてもらう(笑)」

麻美はそう言ってオレに抱きついてきた。

麻美
「ユーちゃん。大好きよー^^」

オレ
「ははは^^」


▼17時・・・南青山クォーリーオフィス


応接室

松井
「準構成員が酔っ払ってムーさんにケンカを売った」

「それをママが止めに入ったが相手がムトーさんにかかってきた」

「間に入ったママが危険な状態だったので、ムーさんは男を倒した」

オレ
「そうだ。それで向こうは納得しただろう?」

帯刀
「その3人のうちひとりは目を怪我して全治2週間程度で済んだそうです」

「他のふたりと含めて、改めてお詫びに伺いたいと言ってます」

オレ
「さっき岩崎と大島が「落とし前」持って店にきたから、もうそれで終わらせよう」

帯刀
「いいんですか?」

オレ
「ああ。もうあいつらとは別件も進んでるし、これは余興みたいなもんだ」

帯刀
「わかりました」

松井
「じゃーそういう事で、これはもう終わった事という事でいいですね」

オレ
「おう^^」

松井は帯刀をEVまで送って行った。オレは表の自分のデスクの前に座った。すぐに松井が戻ってきてオレの前に座った。

松井
「あの店で2度目ですね」

オレ
「うん」

松井
「客筋が良くないんでしょうかね?」

オレ
「それもあって改装するそうだ。ちゃんと神官さん呼んでお払いもしてもらうとか言ってた(笑)」

松井
「そーですか。こっちからひとり入れましょうか?」

オレ
「何でだ?」

松井
「ムーさん。そこへよく行くんでしょう?その方がいいと思います」

オレ
「そこまでする必要はないだろう?」

松井
「一度オレが相談という形で行ってきますよ」

オレ
「・・・」

松井
「話だけですから(笑)」

オレ
「勝手にしろ」

松井
「はい^^じゃーオレはこのまま六本木を見て回ってきます」

オレ
「オレも次の約束があるから一緒にでよう」

松井
「はい」

オレ
「小林。もう時間だから閉めて出るぞ^^」

小林
「はい。もう少し事務処理が残ってますので、これが終わったら出ます」

オレ
「そう。悪いが先に出る」

小林は立ち上がった。

小林
「お疲れ様でした」

オレはその姿を見て、手を上げて事務所を出た。このところオレはあまりここへは来ないようにしていた。

小林はやっぱり怒っているようだったが、オレはその事については知らん顔をしていた。

それよりも・・・麻美。またひとり女が増えてしまった。。。


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