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アイラブユーこの街


三好鉄生:「アイラブユーこの街」

これがデビュー曲だったんだ。

売れたのは「涙をふいて」これはCMソングにもなってブレイクしましたねー^^


1986年12月PART3------------

▼翌朝・午前4時・・・

オレは紗也乃に気付かれないように起きた。そして押入れになっている引き戸を開けた。小さな隠し扉の中にある暗証番号を押した。押入れ全体がゆっくりと奥へ移動して、地下室に続く階段が表れた。オレはそこを降りて地下室に入った。

扉を開けて照明のスイッチとエアコンのスイッチをを入れた。

突き当たりの壁際のスイッチを操作した。作り付けの棚の一部が動いてその奥の棚が現れた。

真ん中にある棚から南部14年式自動拳銃を2丁取り出し、予備弾倉を4つ持ち出し机の上に置いた。

M資金・・・昨日、前野氏はそう言ったが、それは外部の人間がそう呼んでいるだけで児玉氏たちは、そんな呼称を使ってはいなかっただろう。

オレは元々そこにあった桜井氏が集めた資料や桜井氏の記述からそれらしきモノに見当をつけて、ファイルを探し読み始めた。

▼午前7時・・・

はなれに松井を呼んだ。そして紗也乃が用意してくれた朝食を3人で摂った。

松井
「あいつら毎朝、アレをやってるんですね(笑)」

オレ
「素振りか?まー体操代わりにちょうどいい」

紗也乃
「まーあんな激しいトレーニングが体操代わり?」

オレ
「防具をつけた稽古と比べると、ダンスか体操程度さ」

松井
「藤原神社の道場が出来るの楽しみですね(笑)」

朝食を摂った後、オレは軽井沢の別荘に行くと松井に言った。松井は何かを察したらしく、警備の連中のトレーニングをかねて源と柳田、それにもう1班連れて行きたいと言い出した。

オレは特に反対する理由も見つけられずに承諾した。

小佐野氏から贈与された軽井沢の別荘には、個人的な遺言状にそこへ行くように書かれていたので、すぐに行ったが・・・その時は特別に何かを発見したりする事はなかった。もっともしっかりと探したわけではなかったが・・・

未明に読んだ桜井氏の記録にはやはり重要な事が数多く書かれていた。その中のひとつだけにポイントを絞りようやく、それらしい事を見つける事が出来た。

そして、それは小佐野氏に関する記述にもあった。

源の運転するベンツと、警備1班5名が乗り込んているワンボックスカーで、軽井沢に向かっていた。途中のドライブインで昼食を取った。軽井沢プリンスホテルの南側にある別荘には、昼過ぎに到着した。

すでに周りは雪化粧だった。2階建て、部屋数は大小合わせて12室あった。個人の別荘と言うよりも、企業の保養施設になりそうな大きさだった。

1階の居間に入った。

オレ
「土足で構わんが、泥だけは落せ!(笑)」

松井
「装備の点検をしたら1班はすぐに建物外周と敷地内のパトロール点検に回ってくれ

源は誰かを連れて先に外のボイラー室に行って暖房が入るようにしてくれ」

それぞれが返事をして建物の外に出た。

オレ
「そのゴルフバックには何が入っているんだ?」

松井
「あっコレですか?(笑)」

松井はゴルフバックの中から何かを取り出した。鉄パイプを数本取り出した。そしてそのパイプ同士をねじを切ってあるジョイントを使って繋ぎ合わせた。
そしてその先に両刃のナイフを差し込んだ。

松井
「槍の出来上がりです」

オレは立ち上がってそれを受け取った。そして何度か突きを入れてみた。

オレ
「適度な重さとバランスもいいな?だけどどうして槍なんだ?(笑)」

松井
「この間、剣道の使い手に日本刀でやられかけましたから・・・アレに勝つには槍が効果的だと教えてもらったので作りました」

オレ
「ふむ。突きだけに限定すれば屋内でも使えるし、これを構えられればいくら有段者でもうかつには突っ込んでこれないだろうな」

松井
「1本90センチあります。日本刀の平均的な長さより長いですし、こうして・・・」

松井はその90センチのパイプの先にもナイフをセットした。

松井
「太刀がわりにもなります」

オレ
「なるほど(笑)」

源が戻ってきた。そして松井が暖房を入れた。松井はトランシーバーで警備チームを呼び戻した。そして建物内の点検を行った。オレは特製のパイプを持って何度かゆっくりと素振りをした。

ナイフをつけてみた。それもネジが切ってあってかなりしっかりとパイプに付いた。訓練を受けたものがこれを持つと・・・日本刀よりも効果的な殺傷武器になりそうだった。

松井が戻ってきた。

松井
「点検が終わりましたが・・・各部屋に2〜3個の盗聴マイクを発見しました。すべての電話機、受話器内にも取り付けてありました」

オレ
「この間も除去したはずだよな?あれからまた誰かがやってきてそれだけ仕込んで行ったのか?」

松井
「今夜あたり来るかもしれませんね」

オレ
「じゃーとっとと帰ろう」

松井
「本当にそうしてくれると安心ですけどね(笑)」

オレ
「今度はこんな装備で迎え撃つと・・・死人が出るぞ」

松井
「敵がどんなやつらか知りませんが、はなから向こうはプロを送り込んでくるでしょう」

オレ
「日が暮れる前に装備を持ってここを出る。そこのプリンスホテルに泊まろう」

松井
「えっ!本気ですか?」

オレ
「できるだけ騒動は起こしたくないからな(笑)横山に電話してツインを5部屋確保するように言ってくれ」

松井
「わかりました(笑)」

珈琲のいい香がしてきた。どうやら源が用意をしてくれているらしい。松井は電話をかけ終わると、警備の連中に夕方に撤収する事を伝えた。オレは紙コップに入った淹れたての珈琲を飲んだ。

窓の外を眺めながら、何処かで監視している敵の事を思った。人目のない孤立した別荘は襲いやすい。ホテルに泊まれば、それを防ぐ事が出来る。

オレ
「突き当たりの部屋に行こう」

オレは小佐野氏が自室として使っていた部屋をもう1度点検する事にした。1階、奥の突き当たりの部屋。広さは12畳程度の書斎だった。

オレは部屋を見渡した。

オレ
「この間は地下室を中心に調べたが、特に何も変わった仕掛けはなかったよな?」

松井
「もう1度調べてみましょう。何か見落としているかも知れません」

オレ
「うん。その可能性もあるが、オレが主だったらこの部屋に何かしかけをつくって、自由に誰にも怪しまれずに秘密の空間へ繋がるようにする。

だから、何かあるとしたら・・・やはりここしかないだろう。

誰か外に出て、この床下に潜って調べてみてくれないか?」

すぐに警備の益田と岡島が部屋を出て行った。

松井
「地下に繋がるところがあればわかりますね。

ここじゃなければ床下全部それで調べてみましょう。

もうふたり、町村と高田は雪かきを手伝ってやってくれ」

すぐにまた二人が部屋を出て行った。

オレはデスクの前に座り、デスクの引き出しをチェックした。そしてデスクの前の作り付けになっていてる棚も改めて全部チャックした。

松井が窓を開けて連中の動きを見ていた。外に4名、玄関外に2名が警戒に立っていた。部屋の中には松井と柳田。そしてオレの3人だった。

部屋は暖房が効き始めて暖かくなっていた。

松井
「どうやらこの建物の周り全部を土台で取り囲むように作られているようですね」

オレ
「オッケーじゃーこの部屋の床下を剥がして中から調べよう」

松井
「はい」

松井は外の連中を呼び戻した。早速部屋の絨毯を上げてチェックし始めた。

オレは考えた。部屋の中を見渡した。テレビもステレオもない。この部屋には電化製品はない。もう1度デスクの前に座った。

引き出しを開いた。その中にあるソニーのTVリモコンを取り出した。

オレはそのリモコンの電源ボタンを押しながら壁に向かって円を描くように大きく手を回した。

かすかにモーター音が聞こえた。正面の頑丈な本棚の真ん中がゆっくりと奥に回転した。

松井
「あー!こんなところに・・・」

オレ
「やっと見つけたな(笑)行くぞ!」

オレと松井はその空間の下に広がる階段を降りて行った。すでに小さな照明が灯っている。ドアが表れた。

皮の手袋をした松井がノブを掴んで回すとドアは開いた。内側にドアは開いた。部屋の中は暗かった。松井はマグライトで中を照らした。そして内部の照明スイッチを探してつけた。部屋は明るくなった。

地下室だが、そこはしっかりとデザインされて快適な空間になっていた。

入って左側の壁には著名な絵画が数点かけてあった。反対の右側は本棚、キャビネットになっていた。そこにはファイリングされた資料がいっぱいに並べられていた。突き当たりの引き戸を開けると、シングルベッドがひとつ。そしてその隣のドアを開けるとトイレとバスルームになっていた。

オレはそこにあるデスクに座った。そして部屋全体を見渡した。

松井
「ここに・・・何があるんでしょう?」

オレ
「さーな?」

オレは引き出しをいくつか開いて中を見た。取り立てて変わったものはない。オレ宛ての遺書にはこの別荘へ来るようにと指示があっただけで、それ以外の事は書かれていなかった。

松井は部屋の中を物色していた。

松井
「この本棚、すべて手書きの資料のようなものばかりですが・・・百科事典のシリーズがありますね」

オレは立ち上がってそこへ行った。

そしてその百科事典をひとつひとつ取り出してぱらぱらとページをめくってみた。3冊目の百科事典、中が小さくくり貫かれていて、そこに金属の模様の入ったプレートが隠されていた。オレはそれを取り出した。

四角い紋章の入ったシルバーのプレート。まるでひとつのプレートを二つに割ったような・・・割符になっているようだった。オレはそれをポケットに仕舞った。

オレは棚にある資料をとってみた。どうやら50音別に整理されている様だった。オレはナ行のファイルを探した。それはすぐに見つかった。

階段の上から声がした。松井がドアを開けた。声だけが聞こえた。


「綜合警備保障が来ました。アラームが鳴ったので見に来たと言ってます」

松井
「戦闘態勢をとれ!!!」

オレ
「どうした?」

松井
「もう警備会社とは契約していません。敵でしょう」

オレは松井の後に続き地下室を出た。そしてリモコンを使って可動式の重量のある本棚を閉じた。居間の方に移動した。

松井はインターフォンの受話器を取った。

松井
「契約していない。さっさと引き返せ!」

「必要ない」

松井はインターフォンを切った。居間にあったボウガンはすでに矢がセットされて置かれていた。そして鉄パイプには着剣されたモノが並べられていた。

松井
「柳田。廊下を出たところで、後方を2名で警戒しろ!小型のボウガンと槍を持て!」

「他の者も槍を持て!春日と意白は大型のボウガンを構えて窓際を見張れ!」

「ムーさん。気をつけて下さいね」

オレ
「(笑)」

オレは自分が持ってきたボストンバッグを手元に引き寄せて底のジッパーを開いた。そして皮製のケースに入ったものを2つ取り出した。そしてひとつを松井に渡した。

松井
「これは・・・」

オレ
「南部14だ。予備弾層は2つづつ。21発撃てる」

そう言ってオレは松井の分の予備弾層を2つ渡した。

春日
「門を乗り越えて男が4人こっちへ入ってきます!」

オレたちは窓際に行ってその様子を見ながら窓を開けた。松井はトランシーバーで指示を出した。

松井
「外にいるふたり中に入れ!」

オレ
「ボウガン先頭のふたりに狙いをつけていろ

松井。あいつら精強かも知れないぞ十分用心しろ!」

危ないと思ったら遠慮なくぶっ放せ!」

松井
「源。タオルに水をつけて固く絞ったやつでマスクがわりにしてつけろ!

全員そうしろ!サングラスもつけろ!」

松井が2人を連れて玄関脇に行った。オレは松井が言ったように口元をタオルで巻いてサングラスをつけた。

それぞれの用意が出来た。

春日
「男4人。散開しました。2人がこっちに来ます」

オレ
「こっちに来るふたりを撃て!」

窓から風が入ってくる。すぐにボウガンが発射され2本の矢が放たれた。ひとりの体に刺さり、もうひとりは体を伏せてかわした。

春日と意白は新しい矢がセットされたボウガンを持った。

春日
「倒れた方が起き上がりました。矢は・・・刺さっていません」

オレ
「プレート入りの防弾ベストを着込んでるな!

太ももから脚を狙え!」

後方の部屋のガラスが割れる音がした。破裂音とともに警戒していた警備の人間の声が聞こえた。オレはすぐに南部の安全装置をはずして廊下に出た。

部屋から白い煙が廊下にまで出ていた。

催涙弾が炸裂したようだ。咳き込む警備の人間の声を聞いたかと思うと悲鳴が聞こえた。

2階もガラスの割れる音が聞こえた。松井は玄関脇で2階へ続く階段を警戒した。オレの足元に催涙缶が転がされた。オレはそれを蹴り飛ばした。すぐに男が突っ込んで来た。南部の引き金を引いた。

「パンっ!」

男は吹っ飛ぶように後方に倒れたがすぐに起き上がろうとした。オレは男の右腕を狙って撃った。

「パンっ!」

男はマスクをつけていた。右腕を押さえるようにしてその場に座り込んだ。その後ろに続いていた男が怯んだように立ち止まった。オレはその男の脚を狙って引き金を引いた。

「パンっ!」

男は崩れ落ちた。

オレ
「松井。そこはもういいこっちへ戻れ!」

「柳田。ふたりでこいつらを逮捕しろ!

それから隣の町村と澤田の様子を見ろ!」

居間の窓を開け放った。風が吹き込んで来て、廊下の方から入り込んでいた催涙ガスを吹き飛ばすようになった。

柳田
「町村と澤田がスタンガンでやられて伸びてます。敵2名逮捕しました。ワッパかけて向こうに転がしてます」

松井
「伸びてる2名をこっちに連れて来て起こせ!

「後方の廊下気をつけろ!玄関に回ったやつらがそっちに行ったはずだ」

オレ
「松井。オレと他2人は外に出る。後から続け!」

オレは先に窓から飛び出た。その後に2名続いた。前方を警戒した。ふと悪寒がした。とっさにオレは横に転がるように飛び退いた。上から何かが降ってきた。警備が2名それに絡まった。そして男が飛び降りてきた。オレは迷わずその男の胸に2発撃った。

男は吹っ飛んだ。

オレは男の太ももを撃った。雪の上に鮮血が散った。男はうめき声を漏らしながらもすぐにお起上がろうとした。オレは背後に人が近づく気配を感じた。

「パンっ!」

窓から出ようとした松井が発砲した。振り変えると男が倒れていた。居間に居た連中が次々と出てきた。網をとり絡まってもがいていたボウガンの2人を助け出した。

オレは2階を警戒しながらポケットから弾倉を出し、南部の弾倉を入れ替えた。残弾は薬室に1発。合計8発撃てる。

オレ
「松井。2階を警戒しろ!敵は二手で入り込んでいる!

源。前方でひっくり返っているヤツは死んだフリだ。その周辺にもうひとり居るはずだ!気をつけろ!」

網の横で太ももを押さえていたやつはすでに鉄パイプで叩かれて、後ろ手に手錠をかけられて転がされていた。

オレは源からスタンガンを受け取った。そして前方に倒れている男に南部を構えながら近づいた。一旦通りすぎて後ろから頭を蹴り飛ばした。そして首筋にスタンガンを突っ込んだ。

「ぎゃーーー」

男は悲鳴と共に悶絶した。

オレ
「こいつを確保する手錠をかけろ!」

柳田と意白がその男を確保した。2階の窓際に影が揺れた。オレは迷わずにそこへ2発発砲して威嚇した。松井が近づいてきた。

松井
「すでに門の電動ロックははずしています。車を乗って脱出しましょう」

オレ
「オッケー^^そうしよう(笑)」

オレたちは警戒しながら移動した。スタンガンで確保した敵をワンボックスの車に積んだ。

オレたちはベンツと警備のワンボックスカーに分乗した。門の前で松井と春日が降りた。彼らは警戒しながら門扉を開いた。そして銃と小型のボウガンを構えて門の外に出た。

松井が合図を送ってきた。ベンツを運転する源が車を出した。その後にワンボックスが続いた。

先に春日がワンボックスに乗り、松井がベンツに乗り込んだ。そして車を出した。

松井
「赤坂に戻りますか?」

オレ
「いや、高速を使わずに藤原神社へ向かおう」

松井
「では、東京の警備、2班を先にそこへ向かわせます」

オレはそれから何本かの電話を入れた。

▼20時・・・赤坂「桜井」桔梗の間

オレ
「わざわざお呼びだてして申し訳ございません」


「うむ」

オレ
「実は、明日の国会質問なんですが・・・コレを発表してもらえませんか?」


「明日の質問内容はもう決まっている」

オレ
「そこをなんとかお願いします。実は今日・・・」

オレは簡単に事情を説明した。もちろんこっちが発砲した事は伏せた。


「じゃー何か?藤原神社の人間を誘拐しようと、自衛隊のレインジャー部隊が襲撃してきたと言うのか?」

オレ
「はい。ひとり犯人を逮捕してます。そいつから聞き出しました。現役の自衛隊員です。

これがその詳細と写真です」


「それを命令した人間は?」

オレ
「現総理でしょう」


「何だと!証拠は?」

オレ
「そこまではありません。しかし自衛隊を動かせる最高責任者は総理大臣ですから・・・」


「裏をとる時間は・・・ないな」

男はオレを正面から見据えた。オレも相手の目を見ていた。暫く沈黙が続いた。


「確かな紹介者も居る。信用していいか?」

オレ
「ええ。この事実に間違いはありません」


「わかった。予定の質問を飛ばしてコレで行こう!とんでもない爆弾だ」

オレ
「よろしくお願いいたします」


「言っとくが、これをオレに渡した以上、オレの好きに使うぞ!いいな?」

オレ
「はい。ご自由に使ってもらって構いません」

オレは礼を言った。男はすぐに立ち上がり部屋を出て行った。用意していたハイヤーに乗せてオレは見送った。

そしてオレは紗也乃と一緒に「はなれ」に入ってそこから自室に戻り、居間に下りた。佐和子は昨日から理恵と打ち合わせをするために大阪へ行っていた。

居間には、純子と美香、北脇氏、そして横山が居た。

紗也乃
「こんにちわー^^」

オレ
「ただいまー(笑)」

純子
「お疲れ様です」

オレ
「急に呼び出して悪いな」

オレは居間のソファーの方へ行き座った。

北脇
「門真先生はどうでした?」

オレ
「引き受けてくれたようです」

北脇
「それは良かった。しかし、その程度で収まりますか?」

美香
「今度の敵は・・・総理大臣なの?」

オレ
「さーそれは分からない(笑)でもこの事を国会レベルで騒動にすれば、もう自衛隊や警察は使えない。」

北脇
「やはり前野さんに連絡して調整してもらった方がいいのでは?」

オレ
「いえ。今回は徹底的にやります!」

純子がオレの珈琲を持ってきてくれた。そしてフレッシュを入れスプーンを使いオレの前に出した。

横山
「何本か連絡が入りました。

石井組の帯刀さんは、この周辺に車4台を停めて、15人程度で警戒に当たってくれてます。

帯刀さんのところの別班が軽井沢の別荘を調べに行った結果・・・すでに誰も居なかったようです。

明日にでも別荘の窓の修理をするようにします」

オレ
「うん。藤原神社に居る松井に電話をかけてくれ」

横山
「はい」

横山は無線電話機を持ち手帳を開いて電話をかけた。松井は外に居るのかも知れない。横山は松井を呼ぶように言って暫く待っていた。松井が出るとオレに替わった。

オレ
「こっちは心配ない。明日の朝、1番で全員赤坂に戻ってくれ!」

「逮捕者は、帯刀のところの倉庫で暫く監禁しておいてくれ」

「そうだな。横山に代わる」

オレは受話器を横山に渡した。

軽井沢の別荘を出て藤原神社に行った。美香に協力してもらい逮捕した敵に催眠術をかけて尋問した。その結果、予想通り自衛隊員だった。彼らはオレを確保するつもりだったらしい。

オレは次の手を打つために源とふたりで藤原神社を出て赤坂に戻ろうとしたが、美香が着いて来た。そしてつてを頼って社会党の代議士を紹介してもらい桜井に来てもらった。

オレは中2階の自室に入った。軽井沢から持ち帰った資料の一部を大日本国政会宛てにファックス送信した。そして電話で暫く話し込んだ後、階下に降りていった。

オレ
「とりあえず今日はこのぐらいにして、明日の展開次第でまた考えよう!

今日はもう外に出ないでここに泊まればいい^^

腹減ったなー(笑)誰かラーメンつくってくれない?」

紗也乃
「桜井の厨房に何かお願いしましょう」

オレ
「いや、面倒だからインスタントラーメンでいい^^」

紗也乃
「そう?わかりました(笑)」

横山
「すみません。オレも^^」

北脇
「ついでだから私もお願いします^^」

純子
「じゃー私も手伝います」

紗也乃
「いえ。大丈夫ですよ^^みんなで食べましょう」

結局紗也乃の言葉通り、オレたちはみんなでインスタントラーメンを食った。その後、北浦氏は明日また来ると言って帰って言った。女たちは全員2階で泊まる事にした。

紗也乃
「なんか不謹慎だけど、大きな台風が来るから避難しているようでドキドキするわ^^」

オレ
「ははは^^ここは絶対安全だから大丈夫だ」

横山
「桜井の方には桔梗の間に帯刀さんらが交代で入って休息してもらいますで、向こうも警戒できてますから」

美香
「敵はまだムーさんが藤原神社に居ると思ってるでしょうね^^」

純子
「警備が3班出動してるから絶対そう思うわね(笑)」

オレ
「松井は警備の訓練にちょうどいいと思ってるさ(笑)」

美香
「川越の警察にもお願いしてパトロールを強化してもらってるから安心よ」

紗也乃
「でも、警察もあまり信用できないわよね?」

オレ
「うん。東京はそうだけど、川越はある意味で地方だから、所轄の警察署はほとんど地元出身者だし、署長は藤原神社の氏子だから大丈夫なんだ」

純子
「なるほど・・・秘密工作が通用しない地方のメリットね?」

オレは女たちを安心させるために暫く彼女らと冗談を言い合った。その後、横山とふたりで中2階の自室に入り明日以降のおおまかな打ち合わせをした。そしてオレと横山はそこに布団を敷いて寝た。

▼翌日・・・

紗也乃の事前の手配で、厨房が朝早く出てきていた。そして松井ら警備の連中が戻ってきた。オレは徹夜で警戒していた帯刀らに礼をいい。全員「さくらい」の店の方でで朝食を摂ってもらった。

松井ら警備チームも同様に交代で朝食を摂らせた。そして帯刀らと入れ替わるように桜井と母屋周辺の警備を固めた。

そんな中、北浦氏がやってきた。紗也乃は桜井の女将の部屋に着替えをしに戻った。純子と美香は以前ここに住んで居た時の着替えを置いていたようで、朝には服装も変わっていた。

そして居間に全員集まった。

オレ
「こっちは全然問題はなかったが、そっちはどうだった?」

松井
「昨夜、ヘリで偵察に来たようです。暫く飛んでましたが諦めて戻ったようです。

後は所轄のパトロールが何度かやってきました」

オレ
「そう。何もなくて良かった(笑)」

純子が珈琲を入れて持ってきた。オレたちは国会のテレビ中継が始まるまで、色々と今後の対応策を話し合った。

横山
「そろそろですね!」

横山がテレビの音量を上げた。そして、社会党の門真氏の質問が始まった。最初は、予定の質問をしそれに関して首相が答弁した。

そして次ぎの質問に移る前に、突発的に重要な国家犯罪の疑いがある事件が昨日発生したと発表した。

現役自衛隊の部隊が、宗教法人の施設を襲撃して、その中の人物を拉致しようとした。とそれに大して、首相ならびに防衛庁長官の答弁を求めた。

怒声と野次が飛び交い国会は混乱した。

答弁にたつはずの防衛長官と首相が答弁しなかった為、国会は混乱して休憩をとる事になった。

北脇
「大変な事になりそうですね」

横山
「面白いじゃないですか(笑)昨日の今日で国会でぶち上げられたら・・・自衛隊ももう動けない」

松井
「重傷者3名・・・反対に逮捕された者がひとり。誤魔化しきれないでしょうね」

横山
「えっ相手に重傷者が出たんですか?」

松井
「・・・」

オレ
「ああ。オレが拳銃で撃った」

横山
「あっ!使ったんですか!!!」

松井
「屈強な自衛隊員だった。催涙弾を投げ入れて、すぐに警備の者2名がスタンガンでやられた。

向こうはガスマスクをつけて、どんどん催涙弾を使ってきた。やられるのは時間の問題だったからな」

オレ
「もう終わったことだ。それよりたぶん今日中に接触してくるだろう」

横山
「警察を動かしてムーさんを逮捕するとかは?」

オレ
「まず交渉が先だろうな!その前に第2弾の騒動が始まる」

北脇
「えっまだ仕掛けがあるんですか?」

オレ
「大日本国政会。覚えてるか?会長の大山に街宣車を数台国会前に付けて、今回の騒動や反中曽根キャンペーンを張るように依頼した」

北脇
「反共の右翼団体が・・・それをやるんですか?」

オレ
「うん。会長の大山さんは快諾してくれた。資料も渡してあるしな!」

松井
「あのムーさんを狙った大山のおっさんが・・・(笑)」


▼18時・・・桜井「桔梗の間」


廊下から紗也乃の声がかかった。オレは立ち上がって客を迎えた。前野氏が男を連れて入って来た。

前野
「こちらが、藤原神社第15代の宮司、藤原龍斎さんです。

宮司。こちらは後藤田さんです」

男はオレを睨みつけるように見ていた。

オレ
「どうぞおかけ下さい」

オレたちはテーブルの前に向き合うようにして座った。紗也乃がお茶を入れて、それぞれの人間の前に置いた。


「今回の事件・・・誠に遺憾だ」

オレ
「後藤田さんの指示だったんですか?」


「いや、私じゃない」

オレ
「この夏、警視庁の機動隊特科に自宅を2度も急襲されました。

その時にも襲撃犯を逮捕して、解放する際に約束させたんですが・・・

後藤田さんは知りませんでしたか?」


「・・・知っている」

オレ
「約束なんか守る気はなかったと言うことですか・・・」

前野
「藤原宮司・・・後藤田さんは今回の事件を本当に憤ってるんです。どちらかと言えば、宮司のお味方に近い」

オレ
「この間の警視庁の機動隊員。全員辞めたそうですね。警備会社に再就職してるそうじゃないですか

今回、そこが所有する警備会社の車が使われた。すでに、警備会社には事情を聞いてます。

知ってましたか?」


「いや。知らない」

オレ
「そうですか(笑)」

オレは黙った。もうこれ以上はオレから話すことはない。向こうが何を言ってくるか待った。


「確かに・・・以前にも迷惑をかけて、今回もまたこんな事になって本当に申し訳ない。

私の知らないところで、官僚グループが何やら一部の政治家と繋がって悪い事を平気でやっているようだ。

こうして知った以上、徹底的にそれらを潰す!!!」

オレ
「現総理も関わっているのに、官房長官がそんな事言っていいんですか?」


「後藤田個人の約束だ」

オレ
「でも、この問題はすでに私の手を離れて、門真さんの思惑で進んでしまってます。こちらからもうコントロールする事はできません。」


「うむ。帰って総理にはそう伝える。正義は・・・君にありそうだ」

男は立ち上がった。そして部屋を出て行った。前野氏は慌てて男に付いて行った。

オレは「はなれ」から通路を通り自宅の自室に入った。そして居間に降りた。オレは純子にビールを頼んだ。そしてソファに座った。

オレ
「どうやら様子を見に来ただけらしい(笑)」

横山
「誰が来たんです?」

オレ
「官房長官の後藤田氏」

松井
「官房長官・・・ですか」

北脇
「何か、具体的な話はなかったんですか?」

オレ
「何もない(笑)」

北脇
「後藤田さんは警察官僚出身で、正義の人と言われている人物ですが・・・今回の事はどう感じていらっしゃるんでしょうね?」

オレ
「正義は・・・そっちにありそうだ。と言って帰って言ったよ」

インターフォンが鳴った。松井が対応した。

松井
「前野さんです」

オレ
「入ってもらって」

松井が玄関に出て前野氏を迎えた。オレは立ち上がって居間の入り口のところまで行った。

前野
「失礼します」

オレ
「どうも^^」

オレは前野氏を中2階の自室に案内した。そしてソファを薦めた。オレは向かい側の小さな補助椅子のようなところに座った。

すぐにドアがノックされて、純子が珈琲を持ってきた。オレには冷たいウーロン茶を用意していた。前野氏は純子に礼を言った。

純子が部屋を出て行った。

前野
「こんな事になって、本当にどう言っていいか」

オレ
「それで何をしにこられたんです?」

前野
「和解するために」

オレ
「ははは(笑)まだ続きますよ!

来週発売の週刊誌にはもっと詳細な記事が掲載されるし、総理のスキャンダルも出ます

支持率急落で、下手をしたら内閣総辞職かも知れませんね

党内で次を狙ってる派閥にも総裁選の軍資金の提供を申し出てますし

挙党体制はとれないでしょうね」

前野
「そっそれは・・・」

オレ
「ひとり残らずあぶり出して徹底的にマークしますよ」

前野
「ムトーさん。現場が先走ってしまったんです」

オレ
「・・・」

前野
「総理はまったく知らなかったんです」

オレ
「あなたは知っていたでしょう?

生意気な若造を拉致して、面倒なら殺してしまえと!」

前野
「いいえ。知りませんでした。そんな事は決して」

オレ
「そうですか?

私はこの間、前野さんに話を聞いて、初めてM資金の事を知りました。

そして小佐野氏から譲られた別荘へ行ったら・・・襲われました。

こっちが起こした騒動ではありません。前野さんが起こした騒動でしょう?」

前野
「いや、それは・・・」

オレ
「・・・」

オレは前野氏を正面から見た。

オレ
「現場の自衛隊員が重傷を負った。

曲がり間違えば死人も出ていたかも知れない。

もう会うことはないでしょう。

お引取り下さい」

前野
「話を・・・話を聞いて下さい」

オレ
「都合のいい話は聞きたくありません。あなたたちのグループのメンバーを教えて下さい」

前野
「・・・」

オレは上着のポケットからキャメル・ライトを取り出して火をつけた。

オレ
「仕方ない。尋問に切り替えましょう」

前野
「わかりました。お話します」

前野氏はグループのメンバーの話を始めた。オレは黙って聞いていた。そして言い訳を言い始めた。オレは根気良く聞いた。

オレ
「そうですか。正直に話していただいて感謝します」

前野
「ほんとうに申し訳ありませんでした」

オレ
「とりあえず帰って相談してみて下さい。その上で提案があるのなら直接会ってお話ししましょう」

前野
「・・・はい」

オレは立ち上がった。ドアの前に行きドアを開けて前野氏を見た。前野氏は立ち上がって部屋を出た。オレはドアを閉じてデスクの向こうの椅子に座った。

暫くして北脇氏がノックをして入って来た。松井と横山も入ってきた。

北脇
「前野さんと何かありましたか?」

オレ
「いえ。前野氏は向こう側の人間です」

北脇
「えっ」

横山
「どういう事です?」

松井
「前野氏がM資金の事を言った。それでムーさんは別荘に行った。そしたら襲われた」

北脇
「それは偶然でしょう?M資金の事で前からそれに目をつけていた人間がたまたま、ムーさんが別荘に行く事を察知して偶然に・・・」

横山
「ムーさんが別荘に行く事・・・オレすら知らなかったんですよ?事前に察知なんかできませんよ!

尾行が付いていたんじゃないですか?或いは別荘近くに監視体制が敷かれていて盗聴していた。

別荘に入った事を確かめて、ヘリに乗った自衛隊がやってきた。

警備会社の車は以前から確保していたようじゃないですか」

北脇
「ムーさんは何故襲撃される事がわかったんです?」

オレ
「前野千賀子は、祖父とほとんど会った事がないと言ってた。しかし前野氏は孫が命のような事を言った。

そんなに心配なら、孫の様子がおかしくなった時に尾行ぐらいつけて、渋谷のチンピラぐらいなんとでもなったはずだ。

要するに孫の病気を利用してオレに近づいたと考えられる。」

横山
「そうなんだ。。。」

松井
「前野さんが現れて初めてM資金の事を知らされた。もしかしたら探りを入れたのかも知れない。キーは軽井沢の別荘にあるとムーさんは思った。そしてそこへ行ったら・・・襲われた。

ムーさんを確保して本当のところを吐かそうと考えたんでしょう。

前野氏が敵側と関係しているのは明白ですね」

北脇
「・・・」

オレ
「どっちにしろもう始まってしまった事だから、前野氏なんて関係ない。

次はボスが登場するらしいから、その人と話をつけるしかないな(笑)

居間に行こう。純子や美香が心配してるだろうから」

オレは先に立って階下に降りた。

純子
「お疲れ様^^」

美香
「危険で心配だけど・・・なんとかなるわよね?^^」

オレ
「ああ。大丈夫だ。なんとかなる(笑)」

オレたちはソファの方へ行った。

横山
「ムーさん。腹減りましたね?」

オレ
「ん?あーそうだな」

松井
「はなれでメシ食ってきてくださいよ^^オレは警備の連中とここで食いますから遠慮なくどうぞ」

オレ
「んーーー悪いけどそうさせてもらう」

北脇
「あっ私も今日は、先約があってすみませんけど今日はこれで^^」

オレ
「気をつけて下さいね^^」

それぞれ松井に礼を言って、オレたちは自室からはなれの方に行った。オレはスーツの上着を脱いだ。純子がそれをハンガーにかけて奥の部屋に持っていった。

紗也乃は鍋の用意をしてカニを4杯持ってきた。オレは達は大喜びでそれを食いながら酒を飲んだ。

紗也乃ははなれの通路を通って、自宅の方に警備の連中用の夕食の弁当を持っていった。

オレたちはすっかり酔っ払った後、自宅に戻り眠った。

■1週間後・・・赤坂自宅

オレは東京を離れて、関西に1週間居た。ひさしぶりにゆっくりと芦屋の自宅で過ごし、ミナミでも菊水亭で理恵や香、本橋らと一緒にいた。そして、東京に戻ってきた。

横山
「大物政治家らが何人も面会を求めて電話があったり直接やってきたりと・・・大変でした(笑)」

松井
「とうとうS会の石本会長やI会の立浪総裁からも至急会いたいと・・・」

オレ
「関西に居てもゴローちゃんから電話があったりして大変だったよ(笑)」

横山
「国会は空転してるし、議事堂前の国政会の街宣車での活動も大きくクローズアップして報道されてます。内閣支持率は急落ですよ」

北浦
「今日も前野氏は表の車の中でムーさんの帰りを待って、面会の許しを得たいと待ってます」

オレ
「もうこの段階でオレに会っても仕方ないだろう?」

北浦
「なんとか・・・お願いできませんか?」

オレ
「用件は何です?」

北浦
「・・・」

オレ
「もう少し待っててもらいましょう」

オレは中2階の自室へ上がった。そしてそこから何本か電話をかけた。そしてもう1度居間に降りた。

オレ
「松井。出かけるから付き合ってくれ」

横山
「何処へ行かれるんですか?」

オレ
「これから石本さんと会う約束をした。立浪さんは今夜、桜井に来られるそうだ」

横山
「政治家の方々は?」

オレ
「そんないかがわしいヤツらは放って置け(笑)」

源が運転するベンツに乗り込みオレと松井は赤坂の本部に行った。本部前には数十人のガードがついていた。入り口前には本部長補佐の大島が居た。

大島
「お疲れ様です。すでに会長も来られてます」

オレ
「申し訳ないな!面倒かけて」

岩崎
「いえ!痛快ですよ!(笑)」

オレ
「ははは・・・」

オレは大島と一緒にEVに乗り最上階の会長室に入った。すでに本部長の岩崎と石本会長が居た。

オレ
「何度も連絡を頂きながら遅くなってすみません」

石本
「いやいや、そんな事よりも元気な姿を見て安心したよ^^」

岩崎
「お疲れ様です^^」

オレ
「ははは・・・なんか面白がられてますね?」

会長
「こんな痛快な事はない!

もっとも兄弟にとっては命を狙われている事だからたまらん話だが(笑)」

岩崎
「現職の総理大臣とケンカだなんて前代未聞ですよ!」

オレ
「いやー向こうがいきなり仕掛けてきたから止む無く・・・」

オレは軽井沢事件を簡単に説明した。そしてそれはM資金の行方を巡るバトルだとも・・・

会長
「じゃー何か?そのM資金4000億をすでに兄弟が手にしていると思われているのか?」

オレ
「そうみたいですね。10日前に初めて聞いた話なんですけどね。オレにはさっぱりわかりません。」

岩崎
「それが今回の騒動の原因ですか。。。」

石本
「何人かの国会議員から接触が会って話を聞いたが・・・表面的な事実しか知らずなんとかならないか?と言う話だった。

もっとも兄弟が命を狙われた事に簡単に妥協できないと突っぱねたがな」

オレ
「そうですか、ご迷惑をかけているようで申し訳ありません」

石本
「なんのっ!政治家ごとき(笑)」

岩崎
「実はすでにI会の立浪総裁とも会長は話し合ったのですが・・・立浪会長も同じように政治家の仲介依頼を断っているそうです」

石本
「あの右翼はI会系で、立浪総長が事情を聞いてもあそこは頑固で、義理がある人を裏切れないと言って一切事情説明をしないそうだよ(笑)」

オレ
「へーあのおっさん。意外と義理堅いんだな?(笑)」

岩崎
「やはり、ムーさんが依頼をかけたんですね?(笑)」

オレ
「まーやれる範囲でやって下さいとお願いはしました」

石本
「さて、それでどうする?」

オレ
「今夜、立浪総長が桜井に来られるそうなんで、ご迷惑をお掛けしているお詫びだけはしておこうと思います」

石本
「ふむ。来るのか」

オレはさっき出されたテーブルの上のお茶を手にした。そしてそれを一口飲んだ。旨い日本茶だった。

オレ
「そろそろ潮時かな?と・・・話し合いに応じるつもりです。

今後、一切オレを的にかけない約束をしてもらったらオレはそれでいいです」

岩崎
「兄貴・・・その事、うちから先方へ伝えていいですか?」

オレ
「よろしくお願いします。」

石本
「兄弟。ありがとうよ^^」

オレ
「(笑)」

暫く雑談をしてから本部を出た。来たときと同じように補佐の大島がビルの外まで送ってくれた。

オレ
「ありがとう。この件が終わったら忘年会でもしよう^^」

大島
「いいですねー^^酒の席で詳しく聞かせてください(笑)」

オレは手を上げて源が運転する車に松井と乗り込んだ。松井も大島とは気が合うらしく、お互い冗談を言い合っていた。

そして自宅に戻った。出た時と同じように横山と北脇氏は居た。オレは不機嫌そうな顔をして中2階の自室に入った。

車の中での打ち合わせ通り、松井は北脇氏に事情を説明しているだろう。オレはS会に仲介の労をとってもらい花を持たせてやることにした。

それは特別石本会長や岩崎本部長らに好意を持っているからでもなんでもなかった。ただ赤坂という地にオレが居てそこにはS会の本部がある。それだけ近い関係であるという事を知らしめておいた方がいい。と言う単純な理由だった。

ドアがノックされて佐和子が珈琲を持って入って来た。オレは立ち上がってデスクの前に出た。佐和子が珈琲を乗せたトレーをデスクの上に置いた。

オレは佐和子を抱きしめてキスをした。そして佐和子の匂いをいっぱい嗅いだ。

佐和子
「大変な事が起きていたのね?」

オレ
「佐和子が居ないと事件ばかり起こる。。。」

佐和子
「あらっ私のせいなの?」

オレ
「ああ。しっかり傍に居てくれ^^」

佐和子
「まー嬉しい事言ってくれて・・・本気にするじゃない」

オレは再び佐和子を抱いた。

オレ
「今夜はゆっくり、いっぱいしような^^」

佐和子
「何でもしてあげるわ^^」

オレはまた佐和子にキスをした。するとドアがノックされ松井が声をかけて入って来た。

松井
「えーーーと北浦さんが帰られました」

オレ
「そう。遠慮せずに入ってもらって^^」

松井
「はい(笑)」

佐和子
「私は下に居るからいつでも呼んで^^」

佐和子は松井と横山と入れ替わるようにご機嫌な様子で部屋を出て行った。オレはデスクの前の自分の椅子に座った。松井と横山はその前に椅子を出して座った。

松井
「佐和子さんのご機嫌な様子を見るのもいいですね^^」

横山
「うん。いいなー(笑)」

オレ
「そう。良かった(笑)」

松井
「北浦さん。しょげてましたけどね」

横山
「どうも前野さんの肩を持ちすぎているようで・・・ちょっと心配ですね」

オレ
「そうか(笑)」

横山
「何かあるんですか?」

オレ
「いや、何もない(笑)」

松井
「でもちょっと意外でしたよ!S会に美味しい役を与えるなんて」

オレ
「たまにはな(笑)」

横山
「一番最初にムーさんを狙ったヤツらなのに(笑)」

松井
「大日本国政会の大山だって・・・ムーさんの命を狙った張本人なのに(笑)」

オレ
「ははは・・・」

横山
「今夜のI会の立浪会長とはどんな話になりそうなんですか?」

オレ
「松井はどう思う?」

松井
「たぶん。国政会の大山の威力行為を止めさせるように立浪総長はお願いしてくるんじゃないですか?」

横山
「自分の組織の系列なのに?」

松井
「大山はムーさんの名前こそ出してませんが、義理のある人を助けるためとかなんとか言って、総長の言う事を聞かないんでしょう(笑)

それが他の件だったら総長も一蹴するんでしょうけど、相手がムーさんだとわかってるから、大山にそれ以上言えないフリしているんでしょうね!

そういう意味ではあの大山のおっさんもしたたかですよ(笑)」

オレ
「じゃーどうなる?」

横山
「総長とムーさんが一緒に国政会に出向いて、大山を立てながら終わりにするようにお願いする。という形ですか?」

松井
「きっと大山は大げさに恐縮するマネをするんでしょうね(笑)」

オレ
「あっそう。じゃオレは立浪総長に借りができるわけだ?」

横山
「どうしてです?」

オレ
「わざわざそんなめんどくさい手順を踏むって事は、オレの顔を立てるって事だろう?」

松井
「ふむ。そう言う事だと、立浪総長も役者ですね」

オレ
「とりあえずはそう言う事にしておこう(笑)」

結局、その夜の総長との会談は予想通りの展開になり、S会石本会長の仲介で先方と話し合いがついた段階で、国政会の街宣車による活動を中止する事で話がついた。

■12月20日・・・

20時・・・桜井「桔梗の間」


「児玉機関が持ち帰った資産・・・

あれは上海で血を流した多くの日本人の遺産と言うべきものだ。

私はそれがどうなったか?知りたいだけだ。

出来る事なら回収して国庫に入れようと思っている」

前野
「ムトーさん。それだけが私たちの最後の気がかりだったんだ」

オレ
「それが私を襲ってもいいという理由ですか?」


「君がその全容を知っていると思った我々の勘違いもあり、大変な迷惑をかけたことはお詫びする」

オレ
「年代別の小佐野ファイルを読んでよくわかりましたよ。政治って金がかかるんですね(笑)M資金があれば、思うように政治を動かす事ができるでしょうね」


「言い訳はしない。

ただ戦後の焼け野原の日本を・・・なんとかしたい。そう思って政治家になった。

単純に金儲けするなら、あの時代は何でもできた。」

オレ
「大儀のためなら、今の時代でも人ひとりさらって殺す事ぐらい許されると?」

前野
「そうじゃないんです。本当に今回の事は・・・現場レベルが先走ったんだ」

オレ
「日本政府は戦争はやりたくなかったのに、満州の関東軍が先走ったと言うやつですか?(笑)」

前野
「・・・」


「どうすれば納めてもらえるだろうか?」

オレ
「・・・」

オレは目の前のウーロン茶を飲んだ。

オレ
「オレにはもう門真さんを止める事はできない。あの時、門真さんが国会で暴露してくれなかったから・・・オレへの襲撃はエスカレートして、終わることはなかったでしょう。

そういう意味では門真さんは恩人です。

こっちで手打ちが出来たからもう止めてくれとは言えません」


「うむ。国会の事は政治家同士、折り合いをつける。

それよりもこれまでの旧内務省グループも完全に失くす事にした。

もっともこれは官房長官が意地になってやろうとしている事なんだが・・・

今後、君には一切の迷惑はかけない。

そして、もうM資金と呼ばれているものに対しても関心を持たない。

約束する」

オレ
「わかりました。ネガティブ・キャンペーンは中止しましょう。これで終わりと考えていいんですね?」


「うむ。児玉氏や小佐野氏が亡くなり・・・もう戦後は終わった。

そして君のような若い新しい時代の人が出てきた。

私はもう少し遣り残した事があるので、政治家を続けるが・・・そんなに長くはない。

この件はこれで幕を引いてくれるのなら、その事に感謝する」

オレ
「わかりました。では、そういう事で・・・」


「ひとつだけ教えてくれるか?」

オレ
「なんでしょう?」


「君は政治に関心がないか?」

オレ
「ありません。神道の目指すものは「世界平和」ですから(笑)神社本庁の定款にもそう書いてありますよね」


「そうか。じゃーこれで失礼する」

オレは立ち上がった。前野氏が先に部屋を出て、男はその後に続いて部屋を出て行った。もうオレに関心がないように、振り向きもせずに立ち去った。

オレは「はなれ」に行きそこから通路を使って自室に入った。そして電話を何本かかけた。

居間の方に降りた。

松井と横山、北脇氏と佐和子、そして純子が居た。オレはソファの方に近づいた。

オレ
「今、お帰りになった(笑)

今後は一切オレに迷惑をかけない!と言ってたよ」

横山
「そうだと良いんですけどね(笑)」

松井
「まーでも日本の最高権力者がやってきてそう言ったのなら・・・信用するしかないでしょう?(笑)」

北浦
「M資金の事は?」

オレ
「関心を持たないそうだ。

今回の官僚グループは官房長官がムキになって潰そうとしているようだ」

佐和子
「じゃーもうこれで本当に終わりなのね^^」

オレ
「うん。ようやく忘年会が出来るな(笑)」

純子
「色んなところへ後始末の挨拶周りをするんでしょう?大変ね」

オレ
「一番苦手な事だからなー。。。」

チャイムが鳴った。松井が受話器を持って対応した。受話器を手で塞ぐようにしてオレの方を見た。

松井
「前野さんです」

北浦
「ムーさん。。。」

オレ
「入ってもらおう」

横山
「・・・」

松井が玄関まで行って、前野氏を招き入れた。オレは立ってソファの方へ案内した。横山と松井は居間を出た。きっと隣の部屋でモニターしているだろう。

佐和子は珈琲を3つ持ってきた。そして静かに居間を出た。オレと北脇氏、そして前野氏の3人だけになった。

オレ
「どうも仲介をしていただいてありがとうございました」

前野
「いえ。私じゃありません。S会の石本会長から連絡を頂いて・・・相手もそれを望んでましたから・・・」

北浦
「ムトーさん。私が前野さんのお孫さんの事をムトーさんにお願いした事が今回の始まりでした」

オレ
「別に気にしていませんよ」

北浦
「いやでもそれは・・・」

前野
「いえ。北浦さんには何も責任はありません。ムトーさんがおっしゃる通り、私は千賀子には関心がありませんでした。

そしてその事で藤原神社に近づいたのは、小佐野さんの遺産が寄付された藤原神社の宮司・・・ムトーさんに興味があったからです。

もっともそれが初めてじゃありません。

以前から桜井を利用させていただいてた関係で、桜井を譲り受けた理由なども独自に調べさせて頂きました。

どうしてもムトーさんに近づきたかった。M資金など、はなからどうでも良かった。

1000年伝説の・・・龍の男がどんな人物なのか?それが知りたかった。

ただそれだけなんです」

オレ
「じゃーオレが東京に来て、料亭「桜井」を受け取った時からオレをマークしてたわけですか?」

前野
「・・・はい」

オレ
「今回でそれも終了だ(笑)さぞ満足した事でしょうね」

前野
「・・・」

オレは珈琲を口にした。そしてキャメル・ライトを取り出して火をつけた。

北脇
「もうムトーさんはお気づきだと思いますが・・・私は前野さんからムトーさんの事を聞いて、ムトーさんに近づきました。

申し訳ございません」

オレ
「そうでしたか。北浦さんの思惑通りに行きましたか?(笑)」

北脇
「予想以上にうまく行って・・・小佐野さんの遺産まで藤原神社に寄付して貰って、結果的にそれが今回の事件を引き起こしてしまう事になったわけで、複雑な心境です」

オレ
「前野さん。オレの確保の指示を出した「新日本会」の瀬島さんと話がしたい」

前野
「わかりました。すぐにこちらへ来てもらうように手配します」

北浦
「どうするつもりですか?」

オレ
「どうしたらいいと思います?」

北浦
「・・・なんとか許してもらえませんか?」

オレ
「3度もオレを狙ったやつを許す理由は?」

北浦
「それは・・・」

オレ
「仏教徒じゃないけど、仏の顔も3度まで(笑)私の代になって藤原は荒ぶる神だと言ったでしょう

やっぱりいいや。前野さん。瀬島さんにはオレが直接コンタクトをとります」

前野
「いえ。私が責任を持って連れて来ますから」

オレ
「忘れてた。オレはなんでもひとりでやるんだった。今回は人を使い過ぎました(笑)」

オレは目の前の無線電話を取った。そして電話をかけた。

オレ
「ムトーと申します。瀬島さんをお願いします」

「ええ。ムトーと言っていただければおわかりになると思います」

「はい」

暫く待たされた。

「今からそちらへお伺いしたいと思いまして・・・」

「そうです。じゃー30分後に」

「よろしく」

オレは電話を切った。

前野
「私も同席します」

オレ
「残念ですが・・・ご遠慮下さい」

北浦
「しかし誰かが居ないと・・・」

オレ
「斟酌無用です」

オレは立ち上がった。

オレ
「どうぞ!お引取り下さい」

前野&北浦
「・・・」

彼らは黙って立ち上がり、部屋を出て行った。オレは最後に部屋を出た。居間に下りた。前野氏と北浦氏は再度、力なく挨拶をして家を出て行った。

オレ
「ちょっと出かけてくる」

松井
「同行します」

オレ
「・・・」

横山
「警備をつけます」

オレは黙って家を出た。オレの厳しい表情を見て誰もそれ以上声をかけなかった。オレは駐車場へ向かった。松井はすでに源を連れていた。

源の運転するベンツの後部座席にオレは座った。松井も続いた。オレは現に住所を伝えた。

オレ
「オレの確保の指示を出した張本人の顔を見に行くだけだ」

松井
「一連の黒幕ですか」

オレ
「瀬島龍造というジジーらしい」

官僚OBや政治家、そして経済人などから成る保守団体「新日本会」その理事が瀬島龍三だった。そして前野さんもそこに所属していた。それらは、松村財団の調査部、部長の正田氏に調べてもらっていた。

紀尾井町のそれほそ大きくないビルの5階・・・オレと松井はそこに入った。財団法人「東光メディアセンター」と書かれたプレート。オレはドアを開けて入った。

受付の女性に名前を名乗ると、応接室に通された。広いスペースにソファが置かれていて、清潔そうだった。さっきとは別の女性が珈琲を持ってきてくれた。オレたちは礼を言った。

待つほどの事もなくドアが開いて紳士然とした男が入って来た。オレたちは立ち上がった。

オレ
「ムトーです」

松井
「秘書の松井ともうします」


「瀬島です。わざわざお越しいただいて恐縮です」

オレたちは座った。


「さきほど総理の秘書の方から連絡がありました。お話ができたとか」

オレ
「あなたはどうするんですか?」


「私はすでに隠居の身ですから、世間で騒がれてもどうという事はありません」

オレ
「そうですか。あなたが私を襲うように命令したんですね」


「・・・」

オレ
「自衛隊の誰に命じました?」


「それを聞いてどうするんです?」

オレ
「聞いているのは私だ。あなたは答えるだけでいい」


「言えませんな」

オレ
「そうですか

「あなたはソ連のスパイだそうですね」


「バカな・・・」

オレ
「保守系の団体のいくつかに所属なさっているようですけど、全部カバーですか?」


「でっちあげようと言うのか?」

オレ
「あなたは長年シベリアに抑留されてましたよね!」


「そんな事は関係ないっ!」

オレ
「マスコミも興味を持ってるようですよ!瀬島機関と言われて戦時中も戦後も活躍したあたなが実はソ連のスパイだったなんて・・・


「誰もそんなデタラメを信じないさ」

オレ
「火のないところに煙はたたない。って言うでしょう?マスコミのキャンペーンが続けば古い友人も離れて行くんじゃないですか?」


「・・・」

オレ
「自衛隊も・・・裏切られた思いを持つでしょうね」


「どうしろと言うんだ」

オレ
「いえ。何も?今日はあなたがどんな人か見に来ただけです」


「私は戦後・・・」

オレ
「では、御機嫌よう^^」

オレは席を立った。松井がそれに続いた。


「待て」

オレ
「ジーさんの自慢話に興味はないんですよ」

オレたちは部屋を出た。そしてそのビルを出て源の運転する車で赤坂に戻った。松井は深刻な顔をしていた。

オレ
「どうしたんだ?」

松井
「北浦さんや前野さんも・・・しょげるはずだと思って」

オレ
「小佐野さんは出版系の何社かの大株主だった。児玉さんもそうだったらしい。そして右翼も動かせる。

そのやり方を真似てみただけさ」

松井
「まだあるんですか?」

オレ
「ああ(笑)」

■12月23日・・・

オレ
「ただいまっ」

佐和子
「お帰りなさい^^」

松井&横山
「お疲れさまです」

オレ
「おう^^」

横山
「北浦さん。前野さんがどうしてもムーさんに会いたいと・・・昨日の夕方からずっと外の車で待っておられますけど」

オレ
「そう」

オレは居間のソファに座った。昨夜は銀座で飲んだ後、そのまま洋子と一緒に過ごしていた。

オレは佐和子の持ってきてくれ珈琲を口にした。

オレ
「桜井に通して先に話を聞いて見てくれ」

横山
「はい」

松井
「石井さんから連絡がありました。

伊藤忠本社付近の街宣車をなんとかして欲しいと、伊藤忠が中西組に依頼をかけてきたそうです」

オレ
「それで?」

松井
「石井さんはムーさんを狙った相手が伊藤忠の最高顧問だから、黙って引くわけにはいかないと言ったそうです」

オレ
「じゃー石井に伊藤忠の社長と直接交渉するように言ってくれ!すべて任せると」

松井
「はい」

松井は電話をかけ始めた。佐和子がオレの隣に座った。

佐和子
「東京の伊藤忠はまた別の右翼が取り囲んでるの?」

オレ
「うん。S会系だ」

佐和子
「I会にY組、そしてS会まで動員されているんだ?」

オレ
「大きな騒ぎになったから、ひとつだけ声をかけないってわけにも行かなくてな」

佐和子
「これで『日本のドン』になっちゃったわね」

オレ
「まさか(笑)ただの合同イベントに過ぎないさ」

佐和子
「いつの間にか大きくなっちゃって」

オレ
「ん?まだ勃起してないけど?」

佐和子
「アホっ^^」

▼15時・・・桜井「桔梗の間」

前野
「瀬島氏がお詫びに伺いたいと・・・」

オレ
「あのジーさんは自分なりの信念でやったんでしょう?詫びるわけないじゃないですか(笑)今更、形だけの侘びなんて必要ありません。」

北浦
「そこをなんとか・・・」

オレ
「伊藤忠から泣きが入りましたか?瀬島がソ連のスパイで、それを支援していた総合商社前に右翼の街宣車が取り囲んでる。週刊誌は続々と瀬島スパイ説を面白おかしく書き立てている。

自分は隠居の身だから、世間で騒がれてもどうという事はない!と嘯いていましたよ!」

前野
「そうですか。瀬島氏は、すでに遺族会などの理事職を辞職されました。その他のいつくかの団体からも脱退しました。伊藤忠にもすでに辞表を出しています。。。」

オレ
「自業自得でしょう」

北浦
「しかし、その上でムトーさんにお詫びしたいと」

オレ
「何について謝るんでしょうか?」

北浦
「もちろんムトーさんを襲った事に対してです」

オレ
「命令ひとつで動かされた自衛隊員は、まさか自分達が犯罪の片棒を担いだとは思ってもいなかったでしょうね

そして反対に重傷を負い、仲間も逮捕された。そんな事を大儀の為だと平気でやってのける人間が本当に反省しているとは思えませんよ

単に商社への右翼の圧力をはずして欲しい。そんな欲絡みの謝罪なんて要りません」」

前野&北浦
「・・・」

オレ
「何故最初に正直に話し合いを求めて来なかったんでしょうね?話し合えば妥協点が見つけられたかも知れないのに・・・あなた方のグループは、やくざよりも酷い。

そういやオレは宮司でしたね?きっと荒ぶる神を呼び起こしてしまったんでしょう神罰だと思ってあきらめて下さい」

オレはもう関心がなかった。

それよりも明日はクリスマス・イヴだ。女たちはサンタクロースを待ってるだろう。キョーコの出産予定日でもある。金沢にも行けてなければ、まだ忘年会もしていない。年末年始は藤原神社で忙しいし・・・一体何をしているんだか・・・


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