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Year of the Cat


Al Stewart「Year of the Cat」

今朝車に乗っていてFMから流れていた「Year of the Cat」タイトルはわかっていたけど歌っているのが誰だったか?名前が出てこない。非常に気持ち悪い思いで、さっきまでぐずぐずしてたが・・・You Tubeで探し当ててすっきり♪

1970年代後半だったと思います。^^
1988年3月---------------------

大阪ミナミ、スカイマンション1110号室

横山
「開社祭典の神事が1日だけで、後の2日は演舞と巫女舞い、雅楽の奉納だけでいいんですよね?」

本橋
「川越も例大祭があるから、あまり人員も割けないでしょう?」

オレ
「まっ芦屋は住宅街のど真ん中だからな、あまり派手にやると苦情が来るかも知れないし(笑)」

横山
「神社の行事にクレームはないでしょう?そんな罰当たりな(笑)」

本橋
「周辺対策も十分やってるからある程度は大丈夫だと思います^^」


「神社内、露天で使える5000円クーポン券!私だったらすごく嬉しいけどなー(笑)」

オレ
「あははは^^露天商のこれからの口コミも大事だからな(笑)」

本橋
「露天商さんもいつもの10倍ぐらいの売り上げがあるんじゃないですか?」

横山
「うん。間違いないな(笑)」

本橋
「横山君はたこ焼きでも売ったら?」

横山
「なんでオレがたこ焼き屋やんなきゃならんのだー(-。-;)」

本橋
「あなた芸大祭の時、ずっとたこ焼き焼いてたじゃない(笑)」

横山
「アホーずっとじゃない2年間だけだっ!」


「あははは^^横山さん。じゃーたこ焼き焼くの得意なんだー?」

横山
「ん?香ちゃん。オレが焼いたたこ焼き食いたい?^^」


「はい^^」

本橋
「あらーじゃー今日のお昼はお願いしようかしら?」

横山
「本橋には食わせない!」

本橋
「ふんっ!そんな事、私に言っていいのかなー?恥ずかしい事、香にいっぱいバラすぞっ!」

横山
「いやー本橋はお上品だからたこ焼きは好きじゃないんじゃないかと・・・」


「残念・・・私はお上品じゃないんだ?^^」

オレ
「あはははは(笑)」

2月の末から、芦屋藤原の開社準備の為にオレと横山と三浦は大阪に入っていた。芦屋藤原の社建築に若干の遅れが出ているために、川越の例大祭と日程がかぶってしまった。もっとも芦屋はこれから毎月のように行事を行い。地元を含めた周辺にアピールする予定だったので、オープニングをそんなに派手にする必要はないのだが・・・どうしてもこれまでの商用ベースに基づいた計画になってしまっていた。

横山
「でもムーさん。ここで本橋と打ち合わせしてるとなんか錯覚しますよ」

オレ
「んー何が?」

横山
「まだ学生でディスコ・ボーイだった頃を(笑)」

オレ
「ディスコ・ボーイ(笑)ずいぶん古い話だなー」

本橋
「あはっ^^もう10年も経ってしまいましたね」


「懐かしいなースピークイージー♪」

横山
「香ちゃんも来た事あるんだ?」


「一番最初に行った時はまだ高校の時でしたよ^^」

横山
「うわー高校生(笑)補導されるからって高校生は追い出してたけど、それに香ちゃんも混じってたかも知れないんだー?」

本橋
「私は花の女子大生だったわー^^」

横山
「間島、本橋、刈谷。あの頃からお前らよくつるんでたもんな!」

本橋
「あの頃からあんたはムーさんのひっつき虫で邪魔ばっかりしてたわね(-。-;)」


「あはっ^^横山さんも有名人だったのね」

横山
「香ちゃん。こう見えてもオレはmar'sClubの初代筆頭!だったんですよ^^」

本橋
「だからやっかいだったのよー(笑)ムーさんにぴったりとくっついて何でも言いつけるからっ!告げ子の横山って有名だったわ」

オレ
「ぷぷぷっ^^お前らほんとに傑作だなー(笑)」

本橋
「あっ!ムーさんの前なのについ(笑)すみませーん♪」

横山
「ムーさん。昔からこいつらムーさんの前では可愛子ぶってるけど、本当はとんでもないんですから(-。-;)」


「おもしろーい(笑)」

オレ
「また皆で飲み会したいなーサンタモニカから刈谷も呼んで(笑)」

本橋
「いいですねーソレ^^」

この間、沙也乃がNYからパリに向かう間にサンタモニカに寄って刈谷の様子を見て来たところ、元気にうまく結婚生活を送っているようだと言っていた。後は子供が出来るのを待つだけだとも・・・

本橋はmar'sの斉藤と長く付き合い卒業後すぐに結婚したが・・・3年後に別れた。刈谷は同じように浜田と付き合い、結婚寸前いやもう後は籍を入れるだけの新婚旅行でニューヨークに来て・・・うまく行かなかった。そして間島は・・・オレと紆余曲折があり、結果的にオレの子供を産み未婚の母となって、金沢の旅館の跡取りとなっていた。

学生時代。みんな男も女も平等に同じ学生生活を送ったが、それぞれの人生には大きな違いがあった。当たり前の事だったが、オレや横山があまりも変わっていないので、余計に横山もそう感じて懐かしがっているのかも知れなかった。

香は本橋から色んな話をこれまでに聞いているのだろう。どの話もよく知っていた。

オレは横山らに断り先に1110号を出た。地下駐車場へ降りてベンツに乗って芦屋に向かった。

▼12時・・・芦屋、六麓荘「自宅」

玲子
「お帰りなさい^^」

オレ
「ただいまー^^」

オレは玄関口で出迎えた玲子を軽く抱いてキスをした。そしてそのまま居間に入った。いい匂いが漂っていた。

オレは上着を脱いで玲子に渡した。そしてそのまま奥のソファに座った。全面窓になっているテラスから早春の日差しが入り込んでいた。

窓の外に秋田犬のタローが前足を乗せてひっかき、尾を大きく振っていた。オレはテラスの戸を開けてた。タローはオレに飛びついて来た。

オレ
「あははは^^タロー舐めるな(笑)

「うわっお前、オレの舌を吸ったなー^^ディープなキスが好きなんだなー」

オレはタローの首から腹を撫でまくってやった。タローはひっくり帰って腹を見せている。」

玲子
「タローはあなたが大好きみたいよ(笑)龍斉人形を銜えたら絶対離さないのよ」

オレ
「あははは^^犬は自分を愛してくれる相手を同じように愛してくれるもんなんだ」

玲子
「そう^^裕美はよく持ってるおやつをとられて泣いてるけど」

オレ
「それはきっと自分より裕美の方が下だと思ってるんだ(笑)」

玲子
「そう(笑)お蕎麦できたわよー^^」

オレ
「おう^^じゃーまた後でなタロー」

オレは嫌がるタローを外に出して戸を閉めた。そしてダイニングテーブルの方へ行った。昼のメニューはざるそばに出し巻き卵。オレの大好きな定番メニューだった。

オレ
「いっただきまーす^^」

玲子
「お替わりしてね!たくさんあるから^^」

オレ
「今年は芦屋の桜祭りにみんなで行けそうだな」

玲子
「そうなんだ^^」

オレ
「4月いっぱいまでこっちに居る」

玲子
「ほんとにー?^^子供達も喜ぶわー」

オレ
「ははは・・・玲子は?」

玲子
「もちろん♪とっても嬉しいー^^」

オレ
「良かった(笑)」

オレは2度目の蕎麦をお替わりした。何杯でも食えそうだった。

玲子
「じゃー芦屋藤原に仕事に行って、ここに帰ってくるの?」

オレ
「そういうパターンが多いだろうな」

玲子
「うわー^^それは初体験だわー」

オレ
「初体験か(笑)」

玲子
「だって、こんなに近い距離で昼間に仕事に行って、終わったらすぐ帰ってくるなんてまるで夢のようよ^^」

オレ
「夢って(笑)そんな大げさな」

玲子
「ううん。短い期間でも、そういう生活一度してみたいと思ってたもの^^」

オレ
「そう(笑)」

玲子
「毎日、美味しいもの作るからね^^」

オレ
「ほーそれは楽しみだなー(笑)」

玲子
「あーつくれないと思ってるでしょう?これでもちゃんと料理の勉強してるんだからっ(笑)」

オレ
「じゃー家庭料理^^期待してるよ」

玲子
「あはっ^^でもちょっと甘い採点でお願いします(笑)」

オレ
「あはははは^^」

オレは暫く東京を空けようと思っていた。2月に1週間の予定でドイツに行った。あえて安宿に泊まり、現地の空気をしっかりと体験したかったからだが、マイヤーにほぼつきっきりでドイツを案内してもらい。いつの間にかマイヤーを抱き、いつの間にか恋人同士のような時間を過ごした。ハンスにも歓待されてオレは1週間の予定が延びて2週間近くドイツに滞在した。クラシックやオペラ、ミュージカルもヨーロッパ1と言われるぐらい多種多様な芸術がそこにあった。そしてドイツは今、大きく動こうとしていた。恐らくこの1年の間に、あの壁がなくなるのではないかと言う熱気に包まれていた。オレはドイツをもう少し見たいと思いながら帰国した。

美香が、日本を離れたいと言った。それ自体は大きな問題ではなかったが、その理由が自分の特殊な能力を使わずに何ができるか試してみたいと・・・美香はとりあえずパリに行き英語とフランス語の勉強をするつもりらしい。

オレが大宮司になり、川越藤原は大きく変わった。高瀬が居なくなり代わりに美樹が戻って来た。美樹はそれまでの様子から一変して積極的に誰とでもコミュニケーションを持ち、新しい藤原神社にとけ込んで行った。反対に美香はだんだんと藤原神社自体に興味を無くしていっているようだった。

もっと大きな問題。

沙也乃が突然キョーコの家から出てしまった。そしてやはりサンタモニカへ行きたいと言い出した。刈谷の事か?と思ったがどうやらそうでもないらしい。キョーコの家の環境に居づらいものを感じているようだった。

キョーコの家には相変わらず亀井さんが良く来る。そして沙耶も居る。彼女らは昔からのモデル仲間で、その関係の友人も多く訪れる。そんな中に沙也乃は居場所をみつけられず、かと言ってただ飛び出すには大人げない。何か理由をつくる必要があったのだろう。ある意味でオレへのいい訳だった。オレは黙って承知した。オレはキョーコと話し合ったが、キョーコはすでに結論を出していたようだった。オレの気遣いが足りなかった。沙也乃に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。ビッグママと呼ばれた沙也乃が居なくなる。オレにはショックな出来事だった。

そして桜井の次の女将をオレは洋子に頼んだ。洋子は喜んでそれを受けてくれた。そんな変化の中・・・オレは暫くこっちに居る事にした。

■3月10日・・・ミナミ菊水亭「はなれ」

理恵
「ユーちゃんにはショックな話ね。可哀想・・・」

オレ
「今までがうまく行き過ぎてた。と言うか、みんなオレの為にいっぱい我慢をしてくれてたんだ。仕方ないさ」

理恵
「松村さんの関係もあったから沙也乃ママとキョーコちゃん。私もうまく行くと思ってたけど・・・」

オレ
「それはそれで、また紗也乃の新しい夢のスタートなんだから、オレは応援することにした。もっとも変わらずに我慢してくれて、尽くしてくれる理恵ちゃんにはいつも感謝してるんだけどな」

理恵
「んー嬉しい^^」

オレ
「うん。ありがとう^^」

オレはグイ呑みを一気に空けた。理恵はオレの横で酌をしていた。

オレ
「いよいよ芦屋藤原が出来る」

理恵
「うん。ユーちゃんが、ヤクザとも手を切って、大宮司なってすごく安心してるのよ^^」

オレ
「ははは^^Y組の抗争も終わって危険はないし、オレの出番はもうないから」

理恵
「満さん。お元気なのかしら?」

オレ
「こっちへは顔を出していないんだろう?きっとまた新しい遊び場見つけて元気にやってるさ^^」

理恵
「そうね。^^」

オレは酒を飲み、理恵は酌を続けた。そして時々理恵も呑んだ。もう3月だと言うのにまだ夜は冷え込んでいた。掘りごたつに入り、清酒を酌み交わしながら理恵といちゃいちゃする。理恵はそれを好んだ。どんなデートよりもそれを好んだ。

オレ
「ギャラクシーも人が大きく変わったな」

理恵
「ユーちゃんの事知らないホステスがほとんどになちゃったわ」

オレ
「そりゃーそうだ。ミナミを離れてから・・・6年だもんな(笑)」

理恵
「もうそんなに経つかしら?」

オレ
「ああ。この5月で東京も丸3年になるし、その前のニューヨークで3年だろう、ちょうど6年だ」

理恵
「私も年とるわけよねー(-。-;)」

オレ
「理恵ちゃんはまるであの頃から何も変わってないさ!まるで魔法使いみたいだって皆言ってるぜ!」

理恵
「あははは^^魔法使いのババー扱いなのー(-。-;)」

オレ
「艶つや、しっとりのお肌がキレイで乳はいつまでもツンと上を向いて、皆に見せてやりたいぐらいだよ」

理恵
「あはっ!もうダメよー^^そんな嬉しい事言ってくれるのユーちゃんだけよ」

オレ
「いや、乳が垂れたババーになっても、オレは理恵ちゃんに乗って我侭する^^」

理恵
「きゃー恥ずかしい(笑)」

オレは本気でそう思っている。それは永遠に変わる事のない誓いみたいなものだ。理恵はほとんど我侭を言わない。こうして一緒に居るだけで喜んでくれる。いつまでも一緒に居たかった。

大阪は東京に比べて、少しだけ時間の流れがゆっくりだと感じる。

特にミナミはそうだ。ミナミを離れて6年が経つが、未だに変わらない老舗も多い。好景気で新しいビルがどんどん建ち、ミナミ自体がその面積を膨張させているが・・・変わらないものもある。オレは自分を育ててくれたこの街がやっぱり好きだった。

オレは理恵と奥の部屋に入り、緩く長くエッチを続けた。何度抱いても厭きない体。その肌はしっとりと男の体にくっつき、その乳は口の中で甘く思わず噛み付きたくなる。そして女の穴は良く濡れて芳香が漂っている。口をつけその液体を思わず吸い続けてしまう。

そしてオレは自分のモノをゆっくりと理恵の性器に擦り付け軽く穴にあてがうとまるでその穴自体がいつの間にかオレのモノを銜え込んできつく締め付けながらオレのモノを出し入れする。

絶妙な腰の動きはそのまま穴の味に直結する。オレはたまらず我侭に放出する。理恵はオレがいくたびにそこへ顔を近づけて舌と口を使いきれいにする。そしてまた体の向きを変えて、まるで新しい穴に突っ込んだような気になる体位をとりながら、オレの精液を絞りとうろうしていた。

理恵はオレの体に半分被さるようにして、オレのモノを銜えたまま小さく腰を使う。緩い快楽をオレに与えながらオレを眠りにつかせた。

翌朝・・・

朝風呂に一緒に入り、はなれで朝食をとった。オレはまだ理恵と一緒に居たかった。理恵を誘ってベンツに乗せて走った。3号神戸線で三宮に向った。北野あたりの異人館を巡るデートコースを腕を組んで歩き、写真を撮った。まるで若い恋人同士のようなデートをした。

三宮センター街のカフェに入った。

理恵
「ユーちゃん。神戸の街でこんな風に過ごすの20年ぶりぐらいよ(笑)」

オレ
「そう^^理恵は若い頃はつっぱってたんだろう?^^」

理恵
「あはっ^^ちょっとだけね!女おんなするのが嫌だったから」

オレ
「へー今とは全然違ったんだ?そんな時もし知り合っていたら、オレみたいな軟弱なタイプは嫌われてただろうな?」

理恵
「あははは^^20年前、ユーちゃん何歳?まだ子供でしょう?」

オレ
「んーーー小6か?」

理恵
「私は・・・高校生だったかな?」

オレ
「知り合うわけないな(笑)」

理恵は運ばれて来た珈琲にフレッシュを入れてスプーンを使いオレの前に出した。

理恵
「こうしてミナミじゃないところへ来ると、ユーちゃんと知り合った事がすごく不思議な気がするわ^^」

オレ
「そーだな。オレは神戸でダイバーの仕事をしながら、大学に通ってた。事故があってダイバーの仕事ができなくなったから、ミナミへバイトに行くようになったんだけど、あの時ミナミに行ってなかったら・・・理恵とも知り合う事もなかったな」

理恵
「神戸っ子のかっこいい大学生♪そのまま過ごしてたらどんな男になってたんだろう?」

オレ
「きっと平凡な生活をしてただろうな(笑)」

理恵
「そう?」

オレ
「叔父貴の仕事を手伝う内にそのままプロのダイバーになって、今でもきっとまだ現役で海に潜ってたさ(笑)理恵だってそうさ。あの時、高橋と知り合わなければ・・・」

理恵
「あはっ^^背中に龍も居なかったかも知れないけど、今頃はくたびれたおばさんね(笑)」

オレは珈琲を口にしながら、あるはずのない自分の姿を想像してみた。それは店内の同じ年格好の男を捜し、その生活をイメージしたが・・・すぐに興味を無くした。

オレ
「遊園地行こうか?」

理恵
「どこ?」

オレ
「ポートピアの跡地にある遊園地^^」

理恵
「うん^^」

オレたちは駐車場から車を出して、ポートピアランドの南にある遊園地に行った。そこはユーコと何度か来たところだった。まだ春休み前の平日という事もあり人出は多くはなかった。

オレたちは腕を組み、色んなゲームをして獲得した下らない商品に一喜一憂した。理恵はたこ焼きやらホットドック。見るものすべてを美味しそうと言っては買うのだが、自分では一口しか食べずそれらすべてをオレが食わされた。

そして最後にひとつ、大きな観覧車に並んで乗った。オレは理恵を抱き寄せて座っていた。

理恵
「ユーちゃん。こんなに楽しいとは思わなかったわ^^ありがとう」

オレ
「あははは^^オレも理恵と一緒に居てすっごく楽しいよ!」

理恵
「ユーちゃんもこういうの久しぶり?」

オレ
「ああ。久しぶりだ。東京で似たような過ごし方をしても、馴染みのないところだからなー」

理恵
「暫く居れるんでしょう?また来ようよ」

オレ
「うん。今度は海岸線をもっと西へ走って、海を見ながらメシを食おう」

理恵
「須磨の海^^楽しみにするわ」

オレ
「おう^^」

日常から少し離れた非日常、オレは理恵の言葉のひとつひとつの微妙な違いに新しい理恵を見つけたようで面白ろかった。それはたぶん20年前の突っ張っていた時の理恵が少しだけ顔をのぞかせたのかも知れなかった。

その後、三宮そごうで買い物をした後、オレたちはミナミに戻った。

■3月11日・・・

周防町を西に歩いていた。御堂筋を渡るとそれまでのヨーロッパ通りという名称からアメリカ村に変わる。北側に面してあった小学校がなくなり大きなテナントビルが建ち並んでいた。一層賑やかな通りに変わっていた。

三角公園を北に上がり、暫く歩くと右手に心斎橋Mマンションがある。オレはそこの3階へ行きインターフォンを押した。


「はい」

オレ
「ムトーです」


「少々お待ち下さい」

待つ程のこともなくドアが開きオレは招き入れられた。靴を脱ぎ用意されたスリッパを履いた。そのまま廊下の突き当たりのドアを過ぎると、あかるいリビング兼オフィスがあった。

石原
「よー^^ひさしぶりだな」

オレ
「ども^^ご無沙汰してます」

オレは石原氏が居る窓際のソファに近づいた。

石原
「ちょうどいい紹介しておく。今度モデルクラブを始めた。下條だ。元モデルでSOS出身だ。こっちは、ムトー今は神主やってるそうだけど、元ミナミのディスコ・ボーイだ(笑)」

その女は立ち上がりオレに名刺をくれた。オレは東京のMaggieの名刺を渡した。

下條
「下條晶と申します。どうぞよろしくお願いします^^」

オレ
「ムトー。ムトーユーイチです。よろしく!^^」

オレたちはソファに座った。オレは下條と並んで座る格好になった。すぐにオフィスの女の子が珈琲を持って来てくれた。オレは礼を言った。

石原
「ムトーはジョエル・ブランドのオーナーでもあるし、ニューヨークで鮨屋を10店舗以上経営してる。いわゆる若手実業家だ(笑)シモジョー面倒みてもらえ!」

下條
「うわーそうなんですか!あのジョエルの^^すごくシックでいい感じのデザインが私も大好きなんです」

オレ
「ども^^褒めていただいてありがとうございます!」

石原
「そうだ。パリにも出店してるよな?よく行ってるのか?」

オレ
「ええ。半年に1度ぐらいは^^」

石原
「良かったら下條のところのモデル使ってやってくれ!ほらっ下條パンフ渡しておけ^^」

下條
「あっ!どうぞよろしくお願いします^^」

そう言って下條と言うオレよりずいぶん若そうな女は、大きなバッグからファイルを取り出して両手で持って丁寧に渡してくれた。オレはそれをパラパラとめくりその中のモデルプロフィールと写真集を見た。

どれも今時のモデルのメイクの若い子が中心だった。

オレ
「下條さんはモデルはもうやらないんですか?」

下條
「私はもう(笑)それにちょっと別な事にムキになってて」

石原
「おうそうだった。下條はフォトグラファーとしても売り出し中なんだ。そっちでもなんかあったら使ってやってくれ(笑)」

オレ
「ほー女流カメラマンですか!面白いなー^^」

下條
「まだまだ駆け出しですから^^」

オレは珈琲カップに手を伸ばして、それを口にした。薄いアメリカンタイプのもので、何も入れなくても香ばしくいい味だった。

石原氏は今度は芦屋藤原神社の事を下條に聞かせるようにオレに聞いて来た。オレは今月の27日が開社、オープンで神職による演舞や巫女舞、雅楽演奏などの古典的なイベントを行う事を案内した。そして、氏子、崇敬者向けの温泉付き宿泊施設などの紹介もした。

石原
「氏子、崇敬者だけなのか?それを利用できるのは?」

オレ
「はい。何しろ山の手の住宅街のど真ん中でですから、商業施設はつくれないので^^」

石原
「じゃーそれに入るのは難しいのか?」

オレ
「いえ、氏子に会員登録するだけです。費用は年間1万円で、特に縛りはありません」

下條
「それだけで利用できるんですか?」

オレ
「はい(笑)」

石原氏はおもむろに財布を取り出して、1万円札を2枚取り出しオレの前に置いた。

石原
「オレと下條の分だ。それで会員登録しておいてくれ(笑)」

下條
「うわー石原さん。そんな費用は自分で・・・」

石原
「2年目から自分で払え!(笑)」

下條
「あはっ^^すみません。甘えさせていただきまーす」

オレ
「ども^^ありがとうございます(笑)」

その後暫くミナミの様子を聞いた後、オレはさきに石原事務所を出た。平日だと言うのに通りは若い連中が溢れ、周辺のショップは一頃よりも大型化していて、すっかりとその様相が変わっていた。のんびりとしたアメリカ村ではなかった。

オレは通りに面したカフェに入り、アイスティーをオーダし、窓際の籍に座った。

キャメルライトを取り出して、火をつけた。ウエイターがアイスティーを運んで来た。オレはガムシロを少量入れてストローを突っ込んだ。

ファッションショーのプロデュースを専門とした石原事務所は、好景気を背景に業務を拡大してショップ経営も行っているようだった。そして流通関係のクライアントからさっきのようなモデルクラブ、デザイナー、マンションメーカーなど様々なクリエイティブ関連の人間が出入りしているようだ。

一時期、オレはしょちゅう出入りして、その進行を手伝ったりしていたが、その頃から比べるとそこでもモデルの世代交代や、新規参入が激しく行われ、日々新しい事が生まれているようだった。

個性派の石原氏の元には、そう言ったこれまでの関係者がよく集まってくる。もちろんオレもその中のひとりだったが、最近はすっかり埋没していた。もっともすでにその世界に居ないのだから仕方がない。

ストローを口にして外の通りを眺めていた。春の陽射しが気持ちよかった。

1台の車が通りの端に駐車した。白いポルシェ。中から女が出て来た。サングラスをかけウエーブの効いた金髪が風でなびいていた。周辺の注目をまるで意識しないかのように女は歩いて、この店に入って来た。サングラスをはずして店内を見渡している。待ち合わせか?こっちを向いた。目が合ったような気がした。オレは大きく表情を変え軽く女に愛想をした。女は無視するように奥の空いている席へ行った。

白いツーピース姿が長い脚を強調しながらもエレガントなファッションだった。アメリカ村には似つかわしくない、どちらかと言うと御堂筋の東のヨーロッパ通りが似合いそうな女だった。

オレは外に泊まっているポルシェを見ていた。

先月、ベルリンへ行った時、ポルシェはよく見かけたが・・・東京や神戸で見るほどその密度は濃くはなかった。

続いてもう1台大きなテールウイングを付けた赤いポルシェが少し離れて停まった。紅白のポルシェなんとおめでたい(笑)そして、その赤いカレラからもサングラスをかけた女が出て来た。そして同じように店に入って来た。

店内を見渡しているオレは思わず顔を伏せようとしたが見つかってしまった。女はびっくりしたような表情から一転して笑顔になりこっちにやってきた。

リョーコ
「ユーイチ♪ひさしぶりっ!どうしたのー?何?待ち合わせ?」

オレ
「おう^^いつもながら派手な登場ぶりだな(笑)」

リョーコ
「そう?(笑)ごくごく普通だと思うけど。それより時間ある?ちょっといい?来て!」

オレ
「ああ」

ろくにこっちの都合も聞かないまま、リョーコはオレを奥のテーブルに連れて行った。そこにはさっき入って来た金髪女が居た。

リョーコは英語でオレを紹介した。初めて金髪女は笑顔を見せた。近くで見るとさっきの印象と少し違った。もちろんヨーロッパ系の整った顔は男前だったしプロポーションも抜群だった。しかしその話し振りはソフトな感じがした。オレは簡単に名前だけを言って席に着いた。

リョーコは勝手にオレの珈琲もオーダーした。

リョーコ
「ヒロは私の友人で兄のような人よ!信頼出来るいいひとよ」

セシル
「さっき入り口で目が合って、すぐにそんな人だと思ったわ」

オレ
「あはっ^^そう?君は厳しい表情をしていたように思ったけど」

セシル
「ごめんなさい^^感じた事を表現するのを抑えていたから」

リョーコ
「ヒロは見るのが好きだから、ずっと見てたんでしょう?(笑)」

オレ
「うん。本当はずっと見てたかったけど、やせ我慢してた(笑)」

ウエイターが珈琲を2つ運んで来た。リョーコはオレの分にもフレッシュを入れた。オレは自分でスプーンを使った。

リョーコはセシルのプロフィールを教えてくれた。リョーコの経営するエステに客としてやってきて、そして経営者に会いたいと申し出たのがきっかけだった。セシルはスエーデンの公務員で出張でスエーデン大使館に来ていた。そして日本のエステサロンの緻密なサービスを研究して、自国のビジネスに取り入れたいとの話をリョーコにした。

本来であれば商工会議所などに依頼すれば、もっと多くのエステを知る事が出来たはずだが、あえて自分の体験の中からそうしたようだ。

リョーコはスエーデンの予備知識など一切ないまま、その話を気に入って何度かセシルと会い交流を深めていたが、実際に何をどうするか?までは提案が出来ていないようで、困っていたと言う。

リョーコ
「どうかしら?ヒロも協力してくれない?」

オレ
「具体的に何をすればいいんだ?」

セシル
「実は、私は公務員ですが、民間企業の友人がたくさん居ます。できれば彼らにスエーデンで日本式のエステを展開してもらいたいと思ってます。リョーコさんに是非、ビジネスパートナーとして売り込みを行って頂いきたいのです」

リョーコ
「これまでの経験からFCは分かるんだけど、何しろスエーデンだし、今の私にはそこまでの余裕も力もないからどうしようかと・・・ここで会ったのもきっと運命よ!ねーヒロ。手伝ってー」

オレ
「スエーデンかぁ?オレもまったく予備知識がないけど」

リョーコ
「でもあなたはパリにも拠点があるじゃない?」

セシル
「ヒロさんは、パリによく行かれるんですか?」

オレ
「えーまー向こうでファッション関係のビジネスを少しやっているものですから」

リョーコ
「ヒロはNYにもオフィスを持ってるのよ」

セシル
「ヒロさん。どうかリョーコと一緒にスエーデンへ来て下さい。そしてビジネスを成功させて下さい。」

セシルは軽く頭を下げるような仕草をした。

オレ
「ははは・・・わかりました(笑)」

リョーコ
「セシル。ヒロは美人に弱いのよ^^そして一度ヒロが「イエス」と言った以上、彼は責任を持って成し遂げるわ!」

オレ
「ははは・・・」

それから、オレはセシルが持っていたスエーデン大使館が配布している簡単なスエーデンのパンフレットを貰った。そして数日後に開かれる神戸の領事館のパーティーにリョーコと一緒に来てくれと誘われた。リョーコはオレの返事を待たずに快諾した。

オレ
「それにしても紅白のポルシェとは縁起がいいな?(笑)」

リョーコ
「あはっ実はアレは私のなの。セシルにモデルをお願いして乗ってもらってたのよ」

セシル
「リョーコさんに好意で素敵な車に乗せて貰えて嬉しかったです^^」

オレ
「何だ?リョーコは車屋でも始めるつもりか?」

リョーコ
「どういう訳かダブちゃったのよ(笑)そうだヒロ乗らない?」

オレ
「いやいいよ(笑)」

リョーコ
「白は嫌い?」

オレ
「そういう問題じゃないだろう」

リョーコ
「うん。じゃーアレはヒロがこのまま乗って帰って!私はセシルを送って、そのままちょっと打ち合わせに行くけど・・・後で電話いれるわ!ポルシェに^^」

リョーコは一方的に話を進めて、オレの前にポルシェのキーを置いた。そしてオレたちは立ち上がり店を出た。

リョーコはセシルと一緒に赤のポルシェカレラに乗り込み、オレに軽く手を振って走り去って行った。

オレはサングラスをかけ、白のポルシェに近づいた。よく見るとこれも最新型の911カレラだった。オレはそれに乗り込み、シートを調整してバックミラーを合わせ、エンジンをかけた。「バヒューン!バッバッバッ」と言う咆哮とともにエンジンがかかった。オレはゆっくりとステアリングを切り、周防町を西に向かって走り出した。

そして阪神高速に乗り、神戸に向けポルシェを転がした。


▼18時・・・ミナミ「Maggie」


酒井
「ポルシェですか!やっぱり憧れの車ですよ^^」

オレ
「ふむ。一度は乗ってもいいかーとは思ったけど・・・」

酒井
「けど、何です?」

オレ
「いや間違いなくいい車なんだけどな、どうも女が乗った方が合うような気がしてな」

酒井
「女がですか?あのスポーツカーに?」

オレ
「ははは^^オレの思い込みだけどな」

オレはジン・トニックを飲み干した。本橋にそのグラスを軽く上げた。本橋はカウンターの向こうで新しいジン・トニックを作り始めた。

酒井
「ムーさん。今入って来たカップルお知り合いじゃないですか?」

オレ
「ん?」

酒井
「こっちをずっと見てますよ」

オレはカウンターのスツール越しに振り返った。カップルの女の方が立ち上がって軽く頭を下げた。そしてこっちに近づいて来た。

下條
「さきほどはどうもありがとうございました」

オレ
「あーいえ^^別に何も(笑)」

下條
「お待ち合わせですか?」

オレ
「いや、別に」

下條
「良かったらご一緒にどうでしょう?^^」

オレ
「いや、デートの邪魔は(笑)」

下條
「彼はうちのスタッフですから(笑)」

オレ
「ははは・・・そう」

オレはいつになく歯切れが悪かった。そして誘われるままにそのテーブルに行った。女は自分のところのマネージャーだと言う年下の男をオレに紹介した。オレは名前だけを言った。

下條
「実はあれから今まで不動産屋回りをしてたんです」

オレ
「そっか3月ですから、移動のシーズンで?」

下條
「はい。今の事務所がちょっと不便なところなので、ミナミに引っ越して来ようかと思って」

オレ
「ははは^^石原事務所のようにミナミのど真ん中に居たら、仕事にならないでしょう?」

下條
「でも、あんな風にたくさん人が集まってくれるような場所っていいじゃないですか?」


「オフィスと遊び場が一体のところがいいなーと思います(笑)」

ウエイターが彼らのドリンクと簡単な食事を運んで来た。オレにはジン・トニックが出された。オレたちは軽くグラスを合わせて乾杯した。

オレ
「何処かいいところ見つかりました?」

下條
「いい場所はたくさんあったんですけど、条件がなかなか合わなくて(笑)」


「環境のいい広さの十分あるマンションを探してたんですが、それこそいい物件はいっぱいあるんですけど^^;」

オレ
「そっかーここんとこ不動産は値上がりがひどいからなー」

下條
「ええ。賃貸料もものすごく上がっているようです。でもそうも言ってられないので、決めてしまおうとは思ってるんです」

オレ
「じゃー仕事バリバリとって頑張らないと」


「もうすでにハッパかけられまくりです(笑)」

オレ
「あははは(笑)」

オレはジン・トニックを口にした。男は明るい性格のようで営業には向いていそうだった。もっともモデル事務所の営業がどんなものかは知らなかったが

下條
「ムトーさんはこちらではご自宅だけで活動されてるんですか?」

オレ
「えっ?まーそうですね。個人的には」

下條
「あっでも芦屋に神社がオープンしたら、そこが拠点になりますよね^^」

オレ
「ははは^^」

下條
「東海君、明日契約しよう^^あそこに決めたわ」


「スカイマンションですか?広くていいところでしたね眺めもいいし^^」

オレ
「それは何処です?」


「長堀通り沿いの心斎橋がすぐのところです」

オレ
「ふーん。何階ですか?」


「9階です。南側の窓が床から天井まであって見晴らしがいいんです^^」

下條
「何処かとシェアできたらいいなーと思ってたんですけどね(笑)」

オレはジン・トニックを飲み干した。すぐにウエイターの岡本がやってきて、オレの顔を見た。オレはブランデーのセットをオーダーした。

オレ
「ファイルを見ましたけど、ショーのモデルに力を入れてるんですか?」

下條
「ほんというとショーのモデルは、まだ居ないんです。2人ほどウォーキングのレッスンに石原さんにお願いしてるんですけど、ですからスチルが主体なんです」

オレ
「東京には出て行かないの?」

下條
「いつかは・・・とは思ってますけど、大阪でまだ始めたばかりなので^^」


「あっボクはそろそろいいですか?」

下條
「うん。じゃーまた明日^^」

オレ
「お疲れっ!」

気を効かせたつもりか、それとも約束がまだあるのか東海は先に店を出た。岡本はブランデーセットを持ってテーブルの上にセットした。下條がそれをつくろうとしたが、オレはそれを遮り、代わりにオレが水割りを2つつくって一つを下條の前に置いた。

下條
「すみません。男性にそんな事させて^^」

オレ
「いや、NYでもパリでもそれこそ女性にそんな事をさせたら、大顰蹙だから(笑)」

下條
「へーそうなんですか!すみません勉強不足で^^」

オレ
「ははは^^やっぱり男っぽい性格なんだ?」

下條
「やっぱりバレました?(笑)子供頃からそうなんです。名前のせいもあるんですけどね」

オレ
「アキラーって呼ばれてたんだ?」

下條
「はい(笑)」

オレはグラスを持って水割りを口にした。

オレ
「石原事務所はアレからすぐに出た?」

下條
「はい。クライアントさんが来られてたのを期に出ました。何か?」

オレ
「ううん。でも事業やり始めて1年じゃー大変な時期だろう?」

下條
「もう火の車です(笑)」

オレ
「引っ越して勝算はある?」

下條
「景気がいい割にはなかなか手応えがないのがアレなんですが・・・なんとかしたいと思ってます」

オレ
「モデル事務所か・・・」

下條
「他に何をすればいいと思います?」

オレ
「とっとと結婚する!」

下條
「あはははは^^」

オレ
「可笑しい?」

下條
「すみません(笑)」

下條は笑いながら、新しい水割りを口にした。オレは何気にそう言ったがもしかしたら誤解されたかも知れない。店内は込み合ってきていた。

下條
「もしかしてムトーさんは女の幸せは結婚だと思ってるんですか?」

オレ
「いや、女に限らず男でも結婚はひとつの幸せを形にするもんだろう?」

下條
「私は、結婚生活に幻滅して、離婚してこの仕事を始めたんです(笑)」

オレ
「あらら・・・そうだったんだ。(笑)それは失敬した」

下條
「いいえ^^でも現実は超厳しい!って言うのが実感です」

オレ
「そっか」

下條
「ムトーさんはただの神主さんじゃないですよね?」

オレ
「ただの神主ですよ^^ちょっと不良が入ってますけど」

下條
「不良ですか!そうですか^^」

オレ
「でもアレだろう?女性社長で美人だと営業効率高くない?」

下條
「私、口説かれ下手ですから、ダメなんですよねー(笑)うまくあしらえなくて」

オレ
「接待ゴルフとかは?」

下條
「ええ。純粋にスポーツとしてのゴルフは好きなんですけど、接待でその後の宴会とかはもうダメです。我慢出来なくて相手を怒らせてしまって(笑)」

オレ
「そっか水商売とかのサービス業の経験ないんだ(笑)」

下條
「ありますよ^^現に今、週に3日ほど内緒でアルバイトしてますから」

オレ
「内緒って?」

下條
「さっきの社員の東海とか専属モデルには内緒って意味です」

オレ
「あーなるほど」

オレは水割りを飲んだ。下條もオレと同じ位のペースで飲んでいる。オレは新しい水割りを作った。

下條
「聞かないんですか?何処の店で働いているか?」

オレ
「ん?聞いた方がいい?」

下條
「ムトーさんなら教えてもいいかなーって思ったから(笑)」

オレ
「オレはでもクラブとかにはあまり行かないから」

下條
「そうですよね(笑)」

入り口の方おに目をやった。Player'sの連中がやってきた。4人でスタンバイを始めている。中に佐伯が居た。

下條
「あっここバンドが入ってるんだ」

オレ
「流行なんだろうな(笑)」

下條
「すっかりバンドブームが定着しましたもんねー」

少し酔ったのか憂いのある表情でバンドの方を見ているようだった。

オレ
「まったく懲りないヤツらだ」

下條
「どういう事です?」

オレ
「いや、深い意味は無い(笑)売れると信じて応援してた?」

下條
「えっ?」

オレ
「いや売れないバンドやってる男と付き合ってたんじゃないかと思って(笑)」

下條
「・・・どうして?」

オレ
「バンドのセッティングを懐かしそうな目で見てたから(笑)」

下條
「すごい洞察力ですね!(笑)当たりです」

オレ
「そう^^」

下條
「ムトーさんは音楽は?」

オレ
「カラオケぐらいは(笑)」

下條
「そーですか」

オレ
「あははは(笑)」

下條
「何か?」

オレ
「いや、オレもすぐに顔に出るタイプだけど、君もそうなんだなと思って(笑)」

下條
「私?どんな顔しました?」

オレ
「なんだ・・・カラオケかーカラオケは音楽じゃねーだろうー!って顔」

下條
「あはははは(笑)可笑しいー^^お見事よー(笑)」

オレ
「ほー^^なかなかいい感じになって来たぞ!もっとフランクに話そう」

下條
「いいですよ(笑)でも怒らせちゃったらごめんなさい^^先に謝っておきます」

オレ
「大丈夫だ^^きっと怒るのはそっちの方だと思うから」

下條
「私は大丈夫ですよ^^」

佐伯がこっちにやって来た。

佐伯
「すみません。お話中に・・・」

オレ
「んー?」

佐伯
「ムーさん。mar'sの曲なら2つ程すぐに出来るんですけど」

オレ
「そう」

佐伯
「うちのボーカルが歌うより、ムーさんにお願いできたらと思って^^」

オレ
「あー何が出来る?」

佐伯
「えーとアレとアレが」

オレ
「ギターは?」

佐伯
「フェンダーをどうぞ^^」

オレ
「しょーがねーなー(笑)」

下條
「・・・何が始まるのかしら?」

オレ
「カラオケ代わりさ(笑)」

オレは上着を脱いで前に出た。そして腕を少しまくり上げ、フェンダーを肩からかけた。佐伯はベースを持ってドラムにカウントをとらせた。オレはマイクの角度だけを調整した。

後輩のギターのイントロが始まった。スローな歌いやすいバラード♪

この曲はぁ?踊れなぁ〜い♪
        思い出がぁ?多過ぎて?♪

イントロが?終わる前にぃ♪
        あの頃が?フラッシュバックするよー♪

サビのところで、ツインリードにしてオレも追っかけた。ショーヘーとよくやったパターンを後輩は知らなかったようだ。

1曲目が終わり、そのまま次はいきなりいっぱいいっぱいのハードなブルースになった。そしてオレはなんとか声を振り絞り歌い切った。

ほぼ満席ちかい店内から大きな拍手を貰った。オレはギターを置いて、その場を離れてカウンターに行った。おしぼりを受け取り手を拭き、ヒールの入ったグラスを持ち半分程一気に飲み干した。

ステージではボーカルが代わり、今風の軽いノリの楽曲をやり始めた。オレはゆっくりとテーブルに行き、下條の正面に座った。

下條
「あはっ^^何がカラオケよっ!ウソつきぃー(笑)」

オレ
「ウソじゃないさ。カラオケで演歌を練習したりしてるぞ!宴会用に(笑)」

下條
「それになーに?あの人たち?ムトーさんの仲間?」

オレ
「アキラもムーさんて呼んでいいぞ!」

下條
「アキラって(-。-;)実の兄貴にもそうは呼ばせないのに」

オレ
「ははは^^何だもう怒ってるじゃないか(笑)」

下條
「仕方ないっ!今日だけはそう呼ばせて上げるわ^^」

オレは水割りをつくった。そしてそれを口にした。

下條
「女はつくちゃいけないんでしょう?」

オレ
「ん?」

下條
「私のグラスはもう空なんだけど?」

オレ
「あーそれは気づきませんでした^^失敬」

オレは相手のグラスをとって、薄い水割りをつくった。そして前に置いた。

下條
「薄いのつくちゃって(笑)このプレイボーイ^^」

オレ
「オレがか?女嫌いのオレがか?」

下條
「女嫌い?あはははは(笑)」

オレ
「男嫌いと女嫌いが一緒に飲んでるんだ。ちょういいじゃないかブラザー♪」

下條
「兄弟なわけ?」

オレ
「ああ。古いダチのように飲もうぜ!」

下條
「ふーん(笑)じゃーイーブンな関係ね!ムトーなんて言うんだっけ?」

オレ
「仕方ない。今日だけ、ヒロって呼ばせてやるよ(笑)」

下條
「おーけーヒロ♪さっきの歌はなーに?」

オレ
「なーにって?」

下條
「オリジナルなんでしょう?ヒロは昔バンド組んでたの?」

オレ
「ああ。ずいぶん昔にな」

下條
「なんて言うバンド名?」

オレ
「mar's」

下條
「うん。全然知らない(笑)」

オレ
「このヤロー(笑)」

下條
「売れなかったの?」

オレ
「んな訳ないだろう(笑)聞いててわかんなかっか?」

下條
「じゃー何故?」

オレ
「となりのヤツが売れすぎててな(笑)比較されるのが嫌だったからさ」

下條
「隣?同性代って事?んーーーわかったっ!」

オレ
「ほー」

下條
「サザンねっ!^^桑田さんと同じ年頃よね?」

オレ
「ブー(-o- )/ 」

下條
「違うの?じゃー今度こそわかったわー間違いない!桑名マサヒロでしょう!」

オレ
「まーそれもあるけどな!まーそんなところだ。回りが次々と売れて行く中で、格好つけてる内に乗り遅れてしまったってわけさ」

オレは水割りを口にした。なかなか一緒に飲んでて面白い。

オレ
「アキラの男は全くダメだったのか?」

下條
「イケる!と思ったんだけど、抜けきれずにきっとヒロみたいに格好つけている内に・・・女遊びが多くなって潰れてしまったわ」

オレ
「そっかー結構尽くしたのになー?」

下條
「なーに?知ってるって言うの?私の事」

オレ
「さっき洞察力が優れているってアキラ自身が言ったじゃねーか」

下條
「ほー^^」

オレ
「まーいいや(笑)」

下條
「言いかけて止めるのはよくないわ!どう思ってるのかちゃんと言ってみてよ」

オレ
「自分勝手で我侭で協調性がない典型的なB型だ。そのくせ男に惚れるとアホだとわかってても、尽くしてしまう。何度ウソをつかれても・・・信じる(笑)」

下條
「ひっどーい(笑)よくそんなにボロクソに言えるわねー」

オレ
「でもB型だろう?」

下條
「うん(笑)」

オレ
「オレもBだ(笑)さっきの話だけどな。スカイマンションは止めて違うところにしろ」

下條
「えっ?あー事務所の話?どうして?」

オレ
「今は何処にあるんだ?事務所は?自宅はどこ?」

下條
「事務所は本町、自宅は平野区の実家」

オレ
「ふむっ」

下條
「何?どうしろって言うの?」

オレ
「モデル事務所たたんで、東京に来いよ」

下條
「そんな事簡単にできないわよ」

オレ
「簡単かどうかは別の問題として、まずその気があるかどうかだ?」

下條
「つてもコネもないところで、どうしようもないわ」

オレ
「アキラ。らしくねーぞ(笑)まず決めるんだ」

下條は酔っているようだったけど、オレを正面から睨みつけている。そして目を光らせた。

下條
「わかったわ!行けばいいのね?」

オレ
「あはははは(笑)いい根性してるっ!グッドだ!いやグレートだ(笑)」

下條
「でもすぐには無理よ」

オレ
「ああ。決心さえしてしまえばいいんだ(笑)」

下條
「なんか失敗した気がするなー(笑)」

オレ
「事務所の件は任せてくれ!2.3日内になんとかする」

下條
「んー酔っぱらちゃったかな?なんか訳わかんなくなってきた」

オレ
「じゃーそう言う事にしよう!送ってってやるよ」

下條
「んーーー」

オレ
「行くぞっアキラ」

下條
「もうっエラソーに(-。-;)」

オレは立ち上がって先にキャッシャーへ行き支払いを済ませた。下條はトイレにでも行ったのか?暫く待たされた。そしてオレたちは店を一緒に出て、車を置いている駐車場まで行った。

オレは下條に腕を組むように言った。下條は逆らわずにそうした。立体駐車場で車庫が回り扉が開いた。そのままオレたちはポルシェに乗り込んだ。そしてエンジンをかけた。

下條
「ポルシェに乗ってるんだ?」

オレ
「んー何ー?」

オレはゆっくりと車を出した。

オレ
「平野でいいんだな?高速乗るか」

下條
「・・・」

オレは突っ込んであったカセットを鳴らした。軽快なBGMだった。オレはFMに切り替えた。そして阪神高速に乗った。3速で引っ張った。体がシートに押し付けられそのまま何処までもスピードが上がるような気がした。すぐにシフトチェンジして大人しく走った。

下條
「本当に送ってくれるんだ?(笑)」

オレ
「ん?うん(笑)」

下條
「ふーん」

オレ
「明日何時頃事務所に出てる?」

下條
「定時の9時には出てるわ」

オレ
「そう。じゃー電話する」

下條
「そう」

オレ
「はい^^って言ってくれると嬉しいんだけどなー」

下條
「今日は怒ってるから無理ね!」

オレ
「そっか。明日はご機嫌になることを祈ってるよ!」

下條
「ったくー」

オレは下條に道を聞きながら、彼女の自宅近くまで送った。そしてまたミナミに戻った。そして1110号に帰った。


▼23時・・・スカイマンション1110号室


横山
「お帰りなさい^^」

オレ
「おう^^ただいまー」

夜用の間接照明だけになっていた。横山はTVを点けながら、雑誌を見ていた。オレはキッチンへ行き冷蔵庫からウーロン茶のボトルを出してグラスに入れた。

オレ
「お茶いるか?」

横山
「いえいいです」

オレはその場でウーロン茶を飲み干してミーティングテーブルの方に行った。

横山
「そう言えばリョーコさんから2回ほど電話がありました」

オレ
「あっ忘れてた。昼間に偶然アメ村で会ったんだ」

横山
「そーですか^^何か?」

オレ
「スエーデンって知ってるか?」

横山
「あの北欧のスエーデンすか?名前位しか知りませんけど?」

オレ
「何でも向こうでエステをやってくれって言う話があるらしくてな、手伝ってくれって言われた」

横山
「スエーデンへ行くって事ですか?」

オレ
「FCの一環らしいけど、さーどうなるか(笑)まっ目の前に相手もいたからコミットはしなかったけどな・・・換りにポルシェを押し付けられた」

横山
「ふむ。なんかよくわかりませんけど、スエーデンですか」

オレ
「そう。まだ何も分かってない」

横山
「でもそのスエーデン人っていうんですか?きっと美人だったんでしょうね(笑)」

オレ
「アホっ(笑)さてと、寝るかっ!」

横山
「おやすみなさい(笑)」

オレは自室に入ってスーツを脱いだ。そしてベッドに転がりながらキャメルライトに銜えて火をつけた。

リョーコ、セシル、下條・・・オレは階下の香に電話をかけた。香が出た。本橋は実家に戻っていると言うのでオレはもう1度服を着て静かに部屋を出た。横山はすでにゲスト用の寝室に入ったようだった。

1110号室を出た。部屋の前の内階段を使って1階下の1010号室に行った。インターフォンを押した。すぐにドアが開いた。ジーンズとTシャツ姿の香が笑顔で立っていた。そして両手を広げた。オレはその腕の中に入り、香に軽くキスをした。

オレ
「ははは^^本橋には悪いがいいタイミングだった(笑)」


「ユーちゃんは百合ちゃんに気を使うから、百合ちゃんも気を使ってくれてるのよ^^」

オレ
「ん?そっかー(笑)」

オレと香はもつれ合うようにリビングルームに入った。オレはソファの方に行き、そこに座った。ここも夜は間接照明になって居て、ムードがあった。ジャズっぽい BGMが鳴っていた。香はバドワイザーの缶を持ってやってきた。オレはそれを受け取ってプルトップを引いて口にした。

オレ
「あれ?ブラジャーつけてないのか?^^」


「あはっもう寝ようかなーと思ってたから」

オレ
「そっか。慌ててジーンズだけ履いたんだ?」


「うん(笑)」

オレはソファの隣に座る香に手を伸ばして軽く抱いた。

オレ
「そろそろ引っ越しするか?」


「えっ?私?」

オレ
「芦屋藤原が出来たら、そっちへ通う事になるだろう?ここじゃー不便にならないか?」


「私はいいけど、百合ちゃんはどうかしら?」

オレ
「香はどうしたらいいと思う?」


「普段は一緒に車で芦屋藤原へ行くでしょうだから、百合ちゃんがステーキハウスの時だけ私が電車に乗ればいいんじゃない?」

オレはビールを口にした。

オレ
「それよりも芦屋に香と本橋が引っ越してしまえばどうだ?そうすれば香の移動はそれこそタクシー使ってもすぐだし、本橋は阪神高速を使えば大阪までは20分だ」


「いいのかなー?^^」

オレ
「うん。その方がオレは安心だ。もちろん部屋はこっちで用意する」


「ねーユーちゃん。変な事言ってもいい?」

オレ
「ん?何だ?」


「百合ちゃんが居たら、私の部屋に来にくい?」

オレ
「んーそんな事もないけど」


「あるわね(笑)困ったわねー」

オレ
「引っ越したら、そういう事は気にせずにオレは香の部屋で当たり前に寝る事にするよ」


「そう?出来るかなー?(笑)」

オレ
「する(笑)」


「百合ちゃん。ちょっと可哀想な気もするし・・・」

オレ
「だけど、お前を愛してるんだから仕方ない。香を抱いて眠りたい。引っ越ししたら当たり前のようにそうする」


「あーユーちゃん」

香は抱きついて来た。オレは香にキスをしながらTシャツの上から香の乳を揉んだ。ノーブラの乳は弾力があり、オレの手の中で弾んでいる。手のひらを押し付けるようにして乳を揉むと尖った乳首が手のひらで転がる。オレはすぐに香の穴に突っ込んで我侭をしたくなった。

オレたちは寝室へ入り、緩く長いセックスをしながら、最後だけきつく香を責めて立て続けにいかせた。そして香を抱いて寝た。

翌朝早くに1110号室に香と共に戻った。

香はそこで朝食の用意をした。横山が起き出して来て、3人で朝食をとりながら簡単に打ち合わせをした後、オレは1階のファミリー不動産に行った。店長の佐々木にいくつかの指示を出して、ベンツに乗り本町へ向かった。


▼10時・・・本町「オフィス・零」


御堂筋を1本西に入った小さなビルの2階にあった。オレは階段を使ってそこに上がり、チャイムを鳴らした。

ドアが開いて昨日一緒にいた東海が現れた。

東海
「いらしゃいませ^^昨日はごちそうさまでした」

オレ
「ども^^」

オレは事務所の中に入った。デスクの向こうに下條は居た。そしてオレの姿を認めると立ち上がって前に出て来た。

下條
「昨日はありがとうございました^^」

オレ
「結構飲んだからなー二日酔いになってない?」

下條
「はい^^大丈夫です」

オレ
「下の喫茶店にでも行かない?」

下條
「はい^^」

オレたちは事務所を出て隣のビルの1階にある喫茶店に入った。オレは珈琲を頼んだ。下條も同じものを頼んだ。

下條
「ムトーさん。昨日は楽しかったんですけど、途中で酔ってずいぶん失礼な事言ったんじゃないかと反省してます」

オレ
「あははは^^そんな事ないさオレも久しぶりに楽しい酒を飲めたから喜んでた」

下條
「ありがとうございます」

オレ
「しっかりビジネスモードになってるな^^」

下條
「はい^^」

ウエイトレスが珈琲をふたつ運んで来た。オレはフレッシュクリームを入れた。下條はシュガーポットを空けてオレを見た。

オレ
「いい」

下條
「やっぱり^^」

オレ
「なんで?」

下條
「いえ。何でもありません(笑)」

オレ
「無糖だからか?(笑)」

下條
「あはっ^^よく言うんですか?」

オレ
「相手が固い時だけ(笑)」

オレはスプーンを使い珈琲カップを手にした。

オレ
「事務所はなんとかなりそうだ」

下條
「あっ昨日の件なんですが・・・やっぱり東京へは」

オレ
「あらら・・・一晩寝たら気が変わってしまった?」

下條
「・・・はい」

オレ
「事務所はどうする?」

下條
「それは、昨日の不動産屋さんに行って決めようと思ってます」

オレ
「そっかー(笑)」

下條
「せっかく色々と相談に乗って頂いたのにすみません」

オレ
「まっいいさ^^何しろ昨日が初対面だったからな」

下條
「危なかったです^^」

オレ
「うん。ポルシェだったからな自分の車に乗ってりゃ良かった!」

下條
「ちょっと違うような気がしますけど(笑)」

オレ
「ははは・・・じゃーまたなっ!」

オレは立ち上がった。レジで金を払って店を出た。下條とそこで別れた。下條は深く頭を下げた。いい営業ウーマンいや女社長になるだろうと思った。引っ越しはするようだから、またすぐに会う事になるだろう。

オレは駐車場からポルシェを出して、ミナミに戻った。


▼12時・・・菊水亭「はなれ」


廊下から仲居の声がかかった。そしてドアが開き仲居に案内されたてきたリョーコが現れた。

オレ
「おつかれっ^^」

リョーコ
「どーも^^ここはひさしぶりだわー」

リョーコはオレが座る和デーブルの向井に座った。すぐに昼食の用意がテーブルの上に用意された。

オレ
「食べながら話そう」

リョーコ
「はい^^いただきます」

オレたちは菊水亭の桜弁当を食い始めた。

オレ
「そーだ。先に渡しておくよ」

オレはポケットからポルシェのキーをテーブルの上に置いた。

リョーコ
「気に入らなかった?」

オレ
「ん?いやいい車だよポルシェは」

リョーコ
「じゃー乗ってて?」

オレ
「ははは^^オレはポルシェに乗る柄じゃない。というかポルシェは女が乗る車だと思ってるから」

リョーコ
「んー昨日も行った通りダブちゃったのよ!誰かが買ってくれると助かるの」

オレ
「なんだ。だったら早くそう言え(笑)で、いくらなんだ?」

リョーコ
「1500と言いたいところだけど、1300でどうかしら?」

オレ
「しょーがねーな!誰かこっちの女に運転させるよ!(笑)金は振込みでいいか?」

リョーコ
「はい^^」

スカイマンションの地下駐車場にでも入れておこうと思った。オレがこっちに居る間、乗ってもいいし、本橋あたりに渡してもいいと思った。

リョーコ
「スエーデン、エステの件、何か考えてくれた?」

オレ
「いや、スエーデンの事をまず調べるのが先決だと思ってな」

リョーコ
「そうね。たぶん向こうに今からすぐにエステをつくるとしても、3ヶ月ぐらいの時間はかかるでしょう?その間にエステシャンのトレーニングを行い。チーフクラスをひとり派遣する。そんな感じかな?」

オレ
「特殊なオリジナル機材とか技術論とかはあるのか?」

リョーコ
「いくつかあるけど、さっきのスパンで機材は揃うと思うわ。マニュアルを含めた技術論を相手がチェーン化する時に、どのような条件と金額にするか?そのあたりの話し合いというか交渉だけね」

オレ
「セシルひとりが納得してる状況だろう?向こうの人間に売り込むためのプレゼン資料を整える必要があるな。ビデオを作って、平面資料、スエーデン語か?それらを用意して・・・スエーデンに行きプレゼンを行う。

スエーデン一緒に行く事になるな?」

リョーコ
「そうね」

オレ
「何だ?オレとじゃ不満か?(笑)」

リョーコ
「ううん。楽しい旅行になると思うわ(笑)でも仕事が終わったらまたバイバイでしょ」

オレ
「兄と妹なんだろう?バイバイじゃないさ!」

リョーコ
「(笑)」

オレ
「何だよ」

リョーコ
「ほんとはひとりで行きたい?」

オレ
「何で?」

リョーコ
「セシルはいい女だもの^^」

オレ
「アホっ!仕事だろうが(笑)実は2月にドイツに行って来たんだ」

リョーコ
「あらっ女がらみなんだ?」

オレ
「何でそうなるのかなー(笑)藤原神社の関連で行って来た。パリは元々拠点を設けているけど、今度パリにも「藤原神社」をつくる」

リョーコ
「スエーデンをやるのなら、パリもドイツもやってしまおうって訳?」

オレ
「可能性はあると思うがな?」

リョーコ
「私は英語が少々できるだけよ(笑)また語学学校へ行かされるのかしら?」

オレ
「あははは(笑)そっかニューヨークと変わらないか。外国はこりごりか?」

リョーコ
「そうでもない。特に最近は関西にべったりだから退屈してたし、今度のスエーデン次第ね」

オレ
「ふむ。まー別に何が何でもってつもりじゃなくて、ゆっくりとやればいいんじゃないか?」

リョーコ
「そうね。ユーイチともゆっくりとね^^」

オレ
「ああ。長い付き合いになるんだから(笑)」

すでに知り合って6年が経っている。ニューヨークへ行く前、ここ菊水亭の山城さんと共同でニューヨークにオープンさせるレストランから始まった。リョーコの父親である松村氏と世話係の沙也乃。そこから始まったんだった。と改めてその人間関係を思い出していた。

松村氏の個人資産300億を巡る駆け引き・・・結局それはオレが望まない形のまま松村財団という財団法人が設立され約200億がそこに流れた。そして松村氏の死後、オレが引き継ぐ事になってしまった。

そんな確執からリョーコともうまく行かなくなっていたが、6年を経てようやくまた兄弟のような付き合いが出来そうになりつつあった。

こっちに居る理由がまたひとつ増えた。



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